みなさんは別次元へ旅している 目や耳だけでなく心の別次元へ 不思議な地への旅 想像だけがその境界である 次の停留所は トワイライトゾーンだ スージー! 人の水をとらないで いいのよ シュスターさん 沢山あるの 沢山ある人はいない シュスターさん 声が-- 聞こえた気がしたわ 今度こそ ブロンソン夫人 出て行くよ ガソリンを買ったの? 45リットルある 少なくともシラキュースまでは 行ける筈だ どこへ行くの? トロントまで行こうとしてるの そこに主人の従弟がいるから こうするのはいいのかねぇ 道は数珠つなぎだって ラジオでは言ってる ガソリン不足やなんやかやで... 知ってる だがとにかくやらないと ここに住むのはよかったよ 君達はよいお隣さんだ 行こう さよなら 幸運を 安全な旅を これで私達二人ね 彼等が最後だったの? 建物はもう空よ... あなたと私以外はね 今度はどうなる? さあ ラジオで聞いたけど これから水を出すのは 一日一時間だけだって 何時か知らせると言ってた あなたは出て行かないの? ええ 行かないわ ねぇ ブロンソン夫人 ずっと変なことを思い続けてるの... ...目が覚めたら こんなことはなかったって 涼しいベッドで目が覚めたら... 外は夜なの 風が吹いてて... 枝がかさかさ音をたて... 歩道には影があり... 月が出て... 往来のざわめき... 自動車... ゴミの缶... 牛乳瓶... いろんな声 今朝ラジオで科学者が出てた もっと暑くなるって 日ごとにもっと もう太陽にかなり 近づいているのだからって だから私達は... だから私達は... ブロンソン夫人が暑く 淀みべとついた空気に 吐けなかった言葉は「破滅」である というのは今見た人々は 死刑を渡されていたのだ 一ヶ月前 地球は不意にその楕円軌道を変え そうすることで だんだんと 一瞬一瞬 一日一日 太陽に近づいていた そして空気をかき回す 人間の装置は皆 今やもう贅沢ではない それらは生存への痛ましく 恐怖の鍵となる 時は真夜中の12時5分前だ もう暗闇はない 場所はNYシティで これは終わりの前の晩である 何故なら真夜中ですら 真昼だからだ 歴史上最も暑い日を 皆さんはトワイライトゾーンで 過ごすことになる 「真夜中の太陽」 ノーマ あなたなの? ええ ブロンソン夫人 店が開いてたの 大開き 生まれて初めて思ったわ 女に生まれて残念だった 運べるのはこれがやっとだった 近くに店員はいなかった... 有難う ほんの一握りの人達が とれるだけとってたの 少なくともとにかく 餓死はしないわ 中にフルーツジュースが 3缶あるわ フルーツジュース? フルーツジュース? ノーマ 今缶を開けられない? 勿論いいわよ 缶切りはどこなの? あ 別の引き出しよ ごめんなさい 動物と同じ行動してるよね? いいえ いえいえ ただ.. ただ怯えた女みたいなだけよ 店の私を見ればよかったわね あちこち通路を走りまわって ほんとに走ってたのよ ものをひっくり返し 掴んで 放り投げては又つかんでたの しかも 自分が店で一番 落ち着いてたと思うの 一人の女性は部屋の真ん中に 立ち泣いたわ 赤ん坊みたいにね 誰か助けてくれるようにって みなさん こちらWNYG局です 重要ニュースを放送いたします まず警察の連絡からです ドアを施錠しておき 防犯の準備をして下さい 必要なら 持っている武器で 警察の多数が この砂漠都市の外の 混雑したハイウェイに 割り当てられ NYに残ってる市民は 通りをうろつく-- 変人や略奪者から 自衛する必要があります 気象庁からです: 気温は今朝11時に 43度になりました 湿度 91% 明日の予報... 明日の予報は... 暑い さらに続いて 暑さが増すだけです やめろ 構うもんか この天気予報で 誰をかつぐんだ? みなさん 明日は 歩道で卵焼きが作れ 海でスープを温められます 望むならさまよってる 狂人から助けを得られます 「パニック」とは? 誰がパニックに放置 されてますか? みなさん 私が原稿から去ると皆さんを-- パニックにさせるとか... ほっといてくれ 分かったか? ほっといてくれ 放せ ほら ね... ね ブロンソン夫人? 怯えてるのはあなただけじゃないわ 思った通りよ どうぞ 飲んで グレープフルーツジュースよ できないわ こんな風に あなたに頼れない あなた自身に必要なものよ ブロンソン夫人 私達は今からお互いに 頼り始めるしかないの 乾杯 また停電ね 送電は日毎に短くなるわ ノーマ 停電したままに なったらどうする? ここはオーブンみたいになるわね 今でこうだから とてもひどくなるわ ああ ノーマ とてもひどくなるのよ ノーマ... 今日は涼しいものを描いて 何か...牧歌的なものを... 滝があって... 風でたわんでる木々 涼しいものを描いて もう太陽は描かないで! もう太陽は描かないで! [48.9度] ブロンソン夫人? ブロンソン夫人? 大丈夫? ええ 大丈夫よ とても静か 何も音が聞こえなかった 今 何時? 午後3:00 眠れた? しばらく横になってた あれは何? 何か落ちたような音ね 違う... 誰かよ 屋根のドアを施錠しなかったの? したわ いえ 私... 分からない... 覚えてないわ 閉めたと思ったの おい 誰かいるのか? 出て来い 出て来い ベイビー 出て来て仲良くしろ 一日中やってられない 出て来ないなら 入ってゆくぞ 聞こえた? 銃の音よ 出てって 階段を降り 玄関から 私達をそっとして いいよ ベイビー 銃をもっと女と口論しない ああ いなくなってよかった まだ玄関から出てないわ だめ! だめよ! キチガイ女達め! ふざけるには暑すぎる 暑すぎる これは君が? 上手だ ほんとに上手だ 妻はよく描いていた 私達をそっとしといて あなたに何もしなかったわ お願い 妻はとてもか弱く ほんの... ちっぽけだった この暑さに我慢できなかった 私は彼女を涼しくさせようとした... だが彼女は我慢できなかった! 一時間以上暮らさなかった そうして彼についてった 私は押し込み強盗じゃない まっとうな男だ ほんとだ まっとうな男だ 歩き回っていたんだ 一日... 一日中水を探して 君達を傷つける気はなかった 何も害する気はないんだ ほんとだ 信じてくれ お願いだ... 許してくれませんか? 正気を失ってるだけだ 許してください 何故終わらない? 何故私達はただ... ただ燃え尽きない? 夕べあなたの為に描いたの あなたによ ああ きれいだわ ノーマ 前にこんな滝を見たことがある ニューヨークのイサカ近くにあるの ええ 最も高い滝よ... この地域では最も高い滝 その音が好き 岩に落ちてくる あの素晴らしい青い水 あの素敵な冷たい澄んだ水 聞こえる ノーマ? 聞こえる? 聞こえるのね ノーマ? あの素晴らしい音が? ほら 私達... その滝で泳げるわ そうしましょう 中で泳ぎましょうよ 子供の頃よくそうしたの ただ...そこに座って... 落ちてくる水に打たれた ブロンソン夫人? ブロンソン夫人? ブロンソン夫人? 彼女はもう気がつくよ ノーマ? ノーマ? はい? 君は高熱を出していた が もう冷めたよ 熱? びっくりしたわよ あなたはとても悪かった だけど もう良くなるわ そうよね 先生? 良くなるでしょ? 勿論だ 何かあればいいのだがね だが薬はもう全部なくなってる 私は戻ってこれない 明日家族を南部へ引っ越させるんだ 友人が自家用機を持ってる ラジオでは マイアミはもっと暖かいそうね そういう話だ だけど私達はただ 引き伸ばしてるだけだ 今朝ラジオで科学者が言ってたわ 彼はどうなるか 説明しようとしてた 地球が軌道を変えて 太陽から離れて行き出したと それで一、二 せいぜい三週間のうちに もう太陽はないでしょうね みんな凍ってしまうのよ ああ ブロンソン夫人 とてもひどい夢をみたの とても暑かった いつも真昼だったの 真夜中に...太陽があったわ 夜は全然なかった 全然夜がなかった 素晴らしくない-- 暗闇と涼しさがあるって? ええ そうね 素晴らしいわ 恐怖の二柱 ことによると地球が 破滅する場合の二極端 悪夢に関わる小さな課題を トワイライトゾーンの 温度計を視る人から謹んで お送りいたしました