1 00:00:00,598 --> 00:00:03,271 パット・ミッチェル: TEDWomenの舞台はあのとき以来ですね 2 00:00:03,271 --> 00:00:06,214 シェリル・サンドバーグ: また 皆さんにお会いできて光栄です 3 00:00:06,214 --> 00:00:08,132 これだけ多くの女性が 集まるなんて 4 00:00:08,132 --> 00:00:13,262 皆さんもそうでしょうけど 普段はないですから 嬉しいですよ 5 00:00:13,262 --> 00:00:18,654 TEDでの講演をお受けいただいたとき ソーシャル・メディアについて 6 00:00:18,654 --> 00:00:23,310 お話しされるものと思っていましたが 意外にも あなたの心にあったのは― 7 00:00:23,310 --> 00:00:30,464 特に技術やソーシャル・メディア分野で 欠けている女性リーダーのことでした 8 00:00:30,464 --> 00:00:37,238 あなたの中で それがどう昇華され あのTEDトークに結実したのでしょうか? 9 00:00:37,238 --> 00:00:39,809 当時 ここで女性について 話すのは怖かったですよ 10 00:00:39,809 --> 00:00:43,461 皆さん同様 私も ずっと実業界で生きてきたわけで 11 00:00:43,461 --> 00:00:49,793 女性がどうとか決して言わないんです 気付かれると困るでしょう―自分が女性だって 12 00:00:49,793 --> 00:00:53,953 「女性」なんて口にしようものなら テーブルの向こう側の人たちに 13 00:00:53,953 --> 00:00:57,043 特別待遇を求めているとか 不満を言っているとか思われかねません 14 00:00:57,043 --> 00:01:00,751 さらには 訴えようとしているとかね ですから―(笑) 15 00:01:00,751 --> 00:01:02,929 私はそれまで 仕事がらみでは一度も 16 00:01:02,929 --> 00:01:06,557 女性であることに触れたり 公の場で話したことはなかったんです 17 00:01:06,557 --> 00:01:09,460 同時に それが良くないことにも 気付いていました 18 00:01:09,460 --> 00:01:12,899 私が大学を卒業した 20年以上前 19 00:01:12,899 --> 00:01:16,798 同期に女性はいたものの 上の人は全員 男性でした 20 00:01:16,798 --> 00:01:17,896 でも それも変わるはず 21 00:01:17,896 --> 00:01:22,429 そう思っていました あなたの世代が道を切り開いたお蔭で 22 00:01:22,429 --> 00:01:26,041 私たちは平等を手に入れたのですから でも 違ったんです 23 00:01:26,041 --> 00:01:29,376 時間が経つにつれ 仲間は減っていき 今では― 24 00:01:29,376 --> 00:01:31,328 会議室で女性は私一人なんて しょっちゅうです 25 00:01:31,328 --> 00:01:33,418 ですから いろんな人に 意見を聞きました 26 00:01:33,418 --> 00:01:36,839 TEDWomenで女性について話すべきって? 答えは「ノー」で 27 00:01:36,839 --> 00:01:42,033 「キャリアが台無しになる」 「企業の幹部がすることじゃない」 28 00:01:42,033 --> 00:01:45,471 「まともに取り合ってもらえなくなる」 と言われました 29 00:01:45,471 --> 00:01:50,346 幸いなことに あなたのように 誇るべき支持者も少数ながらいました 30 00:01:50,346 --> 00:01:53,002 ですから自らに問うたのです マーク・ザッカーバーグ― 31 00:01:53,002 --> 00:01:54,840 Facebook設立者の 私の上司が 32 00:01:54,840 --> 00:01:59,419 私たちに投げかけるように 「怖がらなければ 何ができる?」と 33 00:01:59,419 --> 00:02:03,227 私の答えは TEDのステージに立ち 34 00:02:03,241 --> 00:02:10,746 女性やリーダーシップについて話すことでした そして うまく切り抜けました(拍手) 35 00:02:10,746 --> 00:02:14,581 切り抜けただけではないでしょう シェリル あのときのことです 36 00:02:14,581 --> 00:02:18,914 二人で舞台裏にいたとき あなたは私の方をふり向き 37 00:02:18,914 --> 00:02:20,652 ある話をしてくれました そのとき― 38 00:02:20,652 --> 00:02:24,531 本番直前でしたが 私は その話をステージでするよう言いました 39 00:02:24,531 --> 00:02:26,281 そうでしたね― 話してくれますか? 40 00:02:26,281 --> 00:02:29,546 あれは この旅でも重要な出来事でした 当初 TEDWomenは 41 00:02:29,546 --> 00:02:33,355 ワシントンD.C.で開催されていて ここから 前日に飛行機で移動したのですが 42 00:02:33,355 --> 00:02:38,404 当時3歳の娘が 私の足にしがみついて 「ママ 行かないで」と言うんです 43 00:02:38,404 --> 00:02:42,137 パットには 友人だから話しましたが 予定していた講演は全然違って 44 00:02:42,137 --> 00:02:46,599 事実や数字ばかりで 個人的な話は一切なしでした 45 00:02:46,599 --> 00:02:48,865 パットにこう話しました 「今日はすごく辛いわ 46 00:02:48,865 --> 00:02:51,469 昨日 娘が足にしがみついて 行かないでって泣くのよ」 47 00:02:51,469 --> 00:02:53,213 すると パットは 「その話をしなさい」と 48 00:02:53,213 --> 00:02:57,448 私は「TEDのステージで? 冗談でしょう?」という感じでした 49 00:02:57,448 --> 00:02:59,905 「ステージに上がって 娘が足にしがみつくと言えと?」 50 00:02:59,905 --> 00:03:04,072 あなたは そうだと言ったんです 女性のリーダーを増やしたいなら 51 00:03:04,072 --> 00:03:07,209 それが どれだけ大変なことか 正直に話すべきだと 52 00:03:07,209 --> 00:03:11,945 それで 私はその話をして この旅の重要な転換点になりました 53 00:03:11,945 --> 00:03:17,243 本を執筆したときも 同じことがあったんです 書き始めて第1章ができあがり 54 00:03:17,243 --> 00:03:21,209 出来ばえに満足していました データと数字がぎっしりのものです 55 00:03:21,209 --> 00:03:29,069 マサイ族の母系制や その社会学的特徴に 3ページを費やしていました 56 00:03:29,069 --> 00:03:34,132 夫はそれを読んで 「もうお腹いっぱいだよ」と(笑) 57 00:03:34,132 --> 00:03:41,497 誰も こんな本なんか 読みませんよね 58 00:03:41,497 --> 00:03:45,682 それで もっと正直にオープンになり 私自身の話をしなければ 59 00:03:45,682 --> 00:03:50,428 いけないと気づきました ここぞという場面で自信が持てないとか 60 00:03:50,428 --> 00:03:56,647 そんな私の話です 離婚したことや 職場で大泣きしたこと 61 00:03:56,647 --> 00:04:00,319 今でも 疎外感や後ろめたさを 覚えることも 62 00:04:00,319 --> 00:04:04,714 私の旅は このステージに始まり 『リーン・イン』や団体設立につながりましたが 63 00:04:04,714 --> 00:04:08,602 重要なのは こうした課題に よりオープンで正直にあることです 64 00:04:08,602 --> 00:04:10,610 自ら示すことで 他の女性にもそうなってもらい 65 00:04:10,610 --> 00:04:14,242 真の平等に向けて 皆で一緒に歩んで行けるようにするのです 66 00:04:14,242 --> 00:04:17,584 あなたの本が 最も心を打つ理由の一つは― 67 00:04:17,584 --> 00:04:23,449 人々を揺さぶり 世界中で反響を呼んだ 理由の一つだとも思うのですが― 68 00:04:23,449 --> 00:04:29,234 自分自身をさらけ出し しかも 隠し立てすることなく― 69 00:04:29,234 --> 00:04:33,392 他の女性が知っておくべき とても重要なことを分かった上で― 70 00:04:33,392 --> 00:04:37,951 多くの人に共通する課題を 経験したことを書いているからでしょう 71 00:04:37,951 --> 00:04:44,746 様々な障害や 考えを異にする人とも 向き合いながらの経験です 72 00:04:44,746 --> 00:04:49,384 さて あなたがプライベートな部分も さらけだすと決め 73 00:04:49,384 --> 00:04:53,101 あなたは こうした問題を解決する いわば専門家のような 74 00:04:53,101 --> 00:04:56,542 立場になられた そのあたりについて伺えますか? 75 00:04:56,542 --> 00:04:58,726 TEDトークのあと 何が起こったかというと― 76 00:04:58,726 --> 00:05:02,474 本を書くなんて思ってもみませんでした 作家でも 文筆家でもないですから― 77 00:05:02,474 --> 00:05:07,143 トークは 何度も再生され 人々の人生に影響を与え始めました 78 00:05:07,143 --> 00:05:10,663 まもなく私は ある女性から 素晴らしい手紙を受け取りました 79 00:05:10,663 --> 00:05:15,789 その手紙によると 彼女は 職場での大きな昇進の機会を断り 80 00:05:15,789 --> 00:05:18,142 その話を親友にしたところ その親友に 81 00:05:18,142 --> 00:05:19,975 このTEDトークを 強く勧められ 82 00:05:19,975 --> 00:05:24,391 実際に見たそうです そして 翌日 彼女は昇進を受け 83 00:05:24,391 --> 00:05:29,239 帰宅後 彼女は夫に 買い物リストを渡しました(笑) 84 00:05:29,239 --> 00:05:30,831 「私は これができるんだ」と 85 00:05:30,831 --> 00:05:33,984 私にとって重要だったのは― 実業界の女性だけではなかったことです 86 00:05:33,984 --> 00:05:36,954 実業界から色々な声を頂戴し 多くの方に影響も与えましたが 87 00:05:36,954 --> 00:05:40,784 それとは違う環境にいる方々にも 影響を与えていたのです 88 00:05:40,784 --> 00:05:44,531 あるお医者さんとお会いしました ジョンズ・ホプキンス病院の指導医の彼は― 89 00:05:44,531 --> 00:05:48,124 私のTEDトークを見て 初めて気付いたそうです 90 00:05:48,124 --> 00:05:50,498 彼が指導する医学生の半分は 女性だと言うのに 91 00:05:50,498 --> 00:05:53,409 回診のとき 男性ほど 女性は発言をしていなかったのです 92 00:05:53,409 --> 00:05:59,635 彼が注意して見ると 質問をしても手を挙げるのは男性だけでした 93 00:05:59,635 --> 00:06:01,920 そこで 女性に もっと手を挙げるよう言いました 94 00:06:01,920 --> 00:06:03,197 でも 効果は ありませんでした 95 00:06:03,197 --> 00:06:06,751 そこで 皆に 挙手方式はやめ 指名して行くと宣言しました 96 00:06:06,751 --> 00:06:10,955 男性も女性も 平等に当てて行きます すると― 97 00:06:10,955 --> 00:06:13,588 女性は 男性と同じか それ以上の出来でした 98 00:06:13,588 --> 00:06:15,476 これでちゃんと評価を 伝えられたそうです 99 00:06:15,476 --> 00:06:20,595 それから ある女性は専業主婦で 近所に良い学校がありませんでした 100 00:06:20,595 --> 00:06:24,631 会社勤めの経験はないものの 彼女は 私のTEDトークに刺激を受け 101 00:06:24,631 --> 00:06:30,406 学校に行き 子供のために 良い先生を雇うよう交渉を始めたのです 102 00:06:30,406 --> 00:06:34,698 あのとき 私は声を上げようと していたのだと思いますし 103 00:06:34,698 --> 00:06:38,752 ほかの女性も男性も これを通じて 声を上げることができました 104 00:06:38,752 --> 00:06:41,474 それで 私はトークの後 執筆に取りかかったのです 105 00:06:41,474 --> 00:06:47,799 本にも 明確に強く表れている通り あなたは声を上げました 106 00:06:47,799 --> 00:06:51,363 でも それだけではなく あなたが学んだことを共有し 107 00:06:51,363 --> 00:06:54,506 他の人の経験も 共有してくれました 108 00:06:54,506 --> 00:06:58,688 それこそ 私が考えていたことで― 109 00:06:58,688 --> 00:07:03,642 あなたが専門家になったんだと思います リーン・イン(一歩踏み出すこと)のね 110 00:07:03,642 --> 00:07:08,034 どのように感じましたか? 人生ではどんな意味が? 111 00:07:08,034 --> 00:07:14,246 単に本や ベストセラー、人気トークを 世に出しただけでなく 112 00:07:14,246 --> 00:07:20,090 ムーブメントも起こしました 職場での行動を 文字通り 113 00:07:20,090 --> 00:07:22,772 「リーン・イン」と 言うようになったんです 114 00:07:22,772 --> 00:07:29,986 とても嬉しく光栄に思います それこそ まさにスタート地点で 115 00:07:29,986 --> 00:07:34,500 自分が専門家か そもそも専門家がいるのか わかりませんが 徹底したリサーチを行いました 116 00:07:34,500 --> 00:07:37,713 あらゆる研究に目を通し 資料もじっくり読みました 117 00:07:37,713 --> 00:07:41,341 教訓はとても明白でした 分かっていることはこうです 118 00:07:41,341 --> 00:07:46,053 世界中で女性をリーダーから 遠ざけているのはステレオタイプです 119 00:07:46,053 --> 00:07:48,656 衝撃的なことに 「リーン・イン」はグローバルです 120 00:07:48,656 --> 00:07:51,051 世界各地で この話をしました 当然 文化は違います 121 00:07:51,051 --> 00:07:56,044 国内でさえそうですし 日本、韓国、中国、アジア、ヨーロッパ 122 00:07:56,044 --> 00:08:00,231 どれも全然違います でも ジェンダーは同じです 123 00:08:00,231 --> 00:08:02,151 世界中の どんな文化においても 124 00:08:02,151 --> 00:08:06,481 男性は強く、主張し、積極的で 発言力があるとされ 125 00:08:06,481 --> 00:08:10,998 女性は 求められたときだけ話し 他人を助けるものだとされます 126 00:08:10,998 --> 00:08:14,703 そして 世界中で 女性は― 127 00:08:14,703 --> 00:08:18,496 「威張っている」と言われます どの言語でも 女の子には 128 00:08:18,496 --> 00:08:20,814 「威張っている」という 表現がありますが 129 00:08:20,814 --> 00:08:23,024 そのような言葉は 男の子には使いません 130 00:08:23,024 --> 00:08:25,952 男の子がリードしても それに否定的な表現はありません 131 00:08:25,952 --> 00:08:30,741 当然のことだからです でも女の子なら 「威張っている」のです 132 00:08:30,741 --> 00:08:32,736 ここでは男性は少数派ですが ご容赦下さい 133 00:08:32,736 --> 00:08:35,270 男性の方には 男性代表ということでお願いします 134 00:08:35,270 --> 00:08:40,834 職場で 積極的過ぎる と言われたことのある方は? 135 00:08:40,834 --> 00:08:46,718 いつも少ないんです(笑) まあ5%ですね 男性の皆さん 覚悟してください 136 00:08:46,718 --> 00:08:53,281 女性の方で 職場で積極的過ぎる と言われた方は?(笑) 137 00:08:53,281 --> 00:08:56,894 世界中 どの国で聞いても こんな感じでした 138 00:08:56,894 --> 00:08:59,760 データによく 裏付けされているわけです 139 00:08:59,760 --> 00:09:04,099 女性は男性よりも積極的なのでしょうか? いいえ もちろん違います 140 00:09:04,099 --> 00:09:06,449 単に色眼鏡で 人を見ているだけです 141 00:09:06,449 --> 00:09:11,300 仕事で成果を出し リーダーシップを発揮する姿は 142 00:09:11,300 --> 00:09:14,164 それが男性であれば 「リーダー」に見られますが 143 00:09:14,164 --> 00:09:15,786 女性なら 「威張っている」のです 144 00:09:15,786 --> 00:09:19,872 幸いなことに これを認めれば 私たちは変われます 145 00:09:19,872 --> 00:09:22,262 この旅を通じて 最高に幸せと感じた ひと時は 146 00:09:22,262 --> 00:09:27,195 出版後 シスコ社CEOのジョン・チェンバースと ステージに立ったときです 147 00:09:27,195 --> 00:09:30,854 私の本を読んでくれた彼は 共に登壇し 女性もいる経営陣の前で 148 00:09:30,854 --> 00:09:34,246 私を招き こう言ったのです 「私たちも 私も偏見はないと思っていました 149 00:09:34,246 --> 00:09:39,312 でも この本を読んで気付きました 私たち―私の会社も言っていたのです 150 00:09:39,312 --> 00:09:41,296 女性管理職は皆 積極的過ぎると 151 00:09:41,296 --> 00:09:43,745 そこで このステージに立って お詫びします 152 00:09:43,745 --> 00:09:47,490 同じことは繰り返さないと お約束します」 153 00:09:47,490 --> 00:09:50,874 それ 知っている人全員に 送りたい感じですね(拍手) 154 00:09:50,874 --> 00:09:54,775 ジョンの発言は 会社のためを思ってのことです 155 00:09:54,775 --> 00:09:57,813 こうして偏見を認めてこそ 変われるのです 156 00:09:57,829 --> 00:10:01,477 ですから 誰かが女の子を 「威張ってる」なんて言っていたら 157 00:10:01,477 --> 00:10:04,025 その人のところに行き 満面の笑みで こう言いましょう 158 00:10:04,025 --> 00:10:10,560 「その子は威張ってないわ 経営者並みのリーダーシップがあるだけよ」(笑) 159 00:10:10,560 --> 00:10:13,765 お嬢さんにもそう言っているんでしょうね ―もちろん 160 00:10:13,765 --> 00:10:16,834 あなたが本に集中し― 本を書かれた理由は 161 00:10:16,834 --> 00:10:18,759 対話を促すためでした 162 00:10:18,759 --> 00:10:22,273 つまり 問題を日の目にさらし 事実に向き合おうと言うのです 163 00:10:22,273 --> 00:10:25,948 これだけ門戸が開かれ たくさんの機会がある時代に 164 00:10:25,948 --> 00:10:29,248 女性は まだリーダーから 遠い場所にいるという事実に 165 00:10:29,248 --> 00:10:31,446 本が出版されてから 数ヶ月が経ちました 166 00:10:31,446 --> 00:10:34,004 『リーン・イン』では この現状に焦点を当て 167 00:10:34,004 --> 00:10:38,304 まだ課題は残っているが その多くを自分の問題として捉え 168 00:10:38,304 --> 00:10:41,066 自らを見つめ直すべきと提言しました その後 どんな変化が? 169 00:10:41,066 --> 00:10:43,152 何か変化は 見られたでしょうか? 170 00:10:43,152 --> 00:10:45,415 確実に対話は増えています 素晴らしいことです 171 00:10:45,415 --> 00:10:48,463 でも 私―いえ 皆にとって 本当に大事なのは「行動」です 172 00:10:48,463 --> 00:10:52,247 どこに行っても CEOの方々― たいていは男性ですが―に言われます 173 00:10:52,247 --> 00:10:54,866 「君のお蔭で お金がかかるよ 174 00:10:54,866 --> 00:10:58,038 女性が皆 男性と同じ給料を要求するからね」 175 00:10:58,038 --> 00:11:02,319 私の答えは 「ちっとも悪いと思わないわ」(笑) 176 00:11:02,319 --> 00:11:05,557 全くですよ 女性は男性と同じ給料で当然です 177 00:11:05,557 --> 00:11:08,694 行く先々で 女性から 「昇給を求める」と聞きます 178 00:11:08,694 --> 00:11:12,691 行く先々で 女性から 「夫婦関係が良くなっている」 179 00:11:12,691 --> 00:11:16,671 「家事をもっと助けてもらい 仕事でも 昇進を求める」と聞きます 180 00:11:16,671 --> 00:11:19,669 重要なのは 自ら信じること 小さなことでもいいんです 181 00:11:19,669 --> 00:11:23,701 ある州知事の方には 女性の多くが 文字通り部屋の隅に 182 00:11:23,701 --> 00:11:25,930 座っていることに 気付かなかったと言われました 183 00:11:25,930 --> 00:11:31,417 今では 女性スタッフ全員を テーブルに着かせると決めました 184 00:11:31,417 --> 00:11:33,573 本にあわせて立ち上げた団体 「リーン・イン」は 185 00:11:33,573 --> 00:11:36,925 女性や男性の 小さなグループ― サークル作りを手助けしています 186 00:11:36,925 --> 00:11:40,174 10名でも何名でもいいのですが 皆で1ヶ月に1回会うのです 187 00:11:40,174 --> 00:11:43,495 今頃までに500のサークルが できれば最高だと思っていました 188 00:11:43,495 --> 00:11:46,417 約10名かける500ですよ 189 00:11:46,417 --> 00:11:49,647 実際は 世界50ヶ国で 1万2千以上のサークルができています 190 00:11:49,647 --> 00:11:51,207 それは 素晴らしいですね 191 00:11:51,207 --> 00:11:54,282 毎月欠かさずに 会合を重ねる人たちの中で 192 00:11:54,282 --> 00:11:56,621 あるグループに会いました 北京でのことです 193 00:11:56,621 --> 00:12:01,321 29歳か30歳の女性の集まりで 北京初の「リーン・イン」サークルです 194 00:12:01,321 --> 00:12:05,314 何人かは とても貧しい田舎の出身です 195 00:12:05,314 --> 00:12:11,122 29歳の彼女たちは 世間では「残り物」と言われています 196 00:12:11,122 --> 00:12:13,135 まだ結婚して いないからです 197 00:12:13,135 --> 00:12:15,918 月に1度の集まりを 重ねることで 198 00:12:15,918 --> 00:12:19,218 彼女たちは 自分探しをしています 199 00:12:19,218 --> 00:12:23,554 キャリアで何を目指すかや どんなパートナーがほしいかなどです 200 00:12:23,554 --> 00:12:25,541 彼らを前に 順番に自己紹介を始めました 201 00:12:25,541 --> 00:12:27,380 それぞれ 名前と出身を言いました 202 00:12:27,380 --> 00:12:30,860 私は「シェリル・サンドバーグです これが私の夢でした」と言い 203 00:12:30,860 --> 00:12:32,700 泣き始めて しまいました 204 00:12:32,700 --> 00:12:37,457 そう 私は泣くんです 前にもお話ししましたね 205 00:12:37,457 --> 00:12:42,027 世界の中心から遠く離れた 田舎の村で育った女性は 206 00:12:42,027 --> 00:12:46,138 結婚したくもない相手と 結婚するよう言われてきました 207 00:12:46,138 --> 00:12:49,075 でも 今は月1度仲間に会い 世間が押しつけるものを拒み 208 00:12:49,075 --> 00:12:52,069 自分なりの人生を 探すことができています 209 00:12:52,069 --> 00:12:54,012 これこそ 私たちが望むべき変化です 210 00:12:54,012 --> 00:12:57,559 このメッセージが世界共通なのに 驚かされたことはありますか? 211 00:12:57,559 --> 00:13:00,864 この本が世に出たとき 多くの方が考えたと思うんです 212 00:13:00,864 --> 00:13:04,616 これは 若い女性が人生を歩む上で 大切な教科書になると 213 00:13:04,616 --> 00:13:08,930 若い女性こそ この問題に向き合い 来たる障害を予想し認識し 214 00:13:08,930 --> 00:13:11,580 包み隠すことなく 話し合わないといけません 215 00:13:11,580 --> 00:13:16,699 まさに こうした女性のためです 実業界でキャリアを積む人もです 216 00:13:16,699 --> 00:13:21,077 今や この本は田舎や開発途上国でも 読まれています 217 00:13:21,082 --> 00:13:28,359 何か驚いたことはありますか? 新しい気付きがあったでしょう 218 00:13:28,359 --> 00:13:31,515 この本は 自信と平等について 書いていますが 219 00:13:31,515 --> 00:13:35,415 やはり 世界中の女性は もっと自信を持つ必要があるのです 220 00:13:35,415 --> 00:13:37,636 世間は 私たちは 男性と違うと言います 221 00:13:37,636 --> 00:13:41,049 世界中どこででも 男性は 仕事と家庭を両立できるのに 222 00:13:41,049 --> 00:13:42,360 女性は どちらかだけです 223 00:13:42,360 --> 00:13:46,034 どうやって両立させているかなんて 男性は聞かれないでしょう(笑) 224 00:13:46,034 --> 00:13:49,247 ここで 再び 会場の男性陣に質問です 225 00:13:49,247 --> 00:13:52,279 どうやって仕事と家庭を両立させているか 聞かれた人は? 226 00:13:52,279 --> 00:13:53,728 (笑) 227 00:13:53,728 --> 00:13:55,159 男性だけです 228 00:13:55,159 --> 00:14:00,037 女性の皆さん どう両立させているか聞かれた方は? 229 00:14:00,037 --> 00:14:06,396 男性は両方できて当然なんです 仕事も 子供も持てます 230 00:14:06,396 --> 00:14:08,174 でも 女性はできません おかしなことです 231 00:14:08,174 --> 00:14:11,750 アメリカを含め 世界中どこでも 大多数の女性は 232 00:14:11,750 --> 00:14:14,046 フルタイムで働き 子供もいるんですから 233 00:14:14,046 --> 00:14:19,218 このメッセージの重大さを 皆 本当に理解していないのです 234 00:14:19,218 --> 00:14:23,580 マイアミで 元セックスワーカーのための 集まりができました 235 00:14:23,580 --> 00:14:28,931 『リーン・イン』を活用して 未来のある人生に戻れるよう 236 00:14:28,931 --> 00:14:33,672 支援をしています 売春あっせん業者から助けるのです 237 00:14:33,672 --> 00:14:37,421 テキサスの「成功のための服装」を 提供するグループでは この本を使い 238 00:14:37,421 --> 00:14:39,080 高卒女性の 就労支援をしています 239 00:14:39,080 --> 00:14:43,008 遙か彼方のエチオピアにも サークルがあります 240 00:14:43,008 --> 00:14:48,891 こうした平等のメッセージは― どれほど「女性だから無理」と言われているか 241 00:14:48,891 --> 00:14:53,124 どれだけ「リーダーや発言権は 男性のものだ」とされているか 242 00:14:53,124 --> 00:14:56,262 私たち皆に影響を与えるもので とても普遍的なことだと思います 243 00:14:56,262 --> 00:14:57,923 TEDWomenも そうなのですが 244 00:14:57,923 --> 00:15:01,706 これは 信じるべき目標に向け 私たちを結集させてくれます 245 00:15:01,706 --> 00:15:05,954 より多くの女性 より大きな声 より平等に という目標です 246 00:15:05,954 --> 00:15:12,735 またTEDWomenでの講演に 招かれたとしたら 247 00:15:12,735 --> 00:15:18,029 この経験から 個人的に何を得て 248 00:15:18,029 --> 00:15:20,648 この旅を通して 女性 そして男性について 249 00:15:20,648 --> 00:15:24,334 何を学んだと 話しますか? 250 00:15:24,334 --> 00:15:27,432 そうですね 強く言いたいことは― 251 00:15:27,432 --> 00:15:29,886 より強く言える と思いますが― 252 00:15:29,886 --> 00:15:33,290 現状に甘んじては いけないことです 253 00:15:33,290 --> 00:15:36,270 まだ現状では不十分で 変化の速さも十分ではありません 254 00:15:36,270 --> 00:15:41,397 TEDトークや 本の出版後 米国国勢調査の新しい統計が出ました 255 00:15:41,397 --> 00:15:43,186 どうだったと 思われますか? 256 00:15:43,186 --> 00:15:45,963 米国における男女の賃金格差は ちっとも変っていません 257 00:15:45,963 --> 00:15:48,509 男性1ドルに対し 女性は77セント 258 00:15:48,509 --> 00:15:50,543 黒人女性なら 64セントで 259 00:15:50,543 --> 00:15:53,051 ラテンアメリカ系女性なら 54セントです 260 00:15:53,051 --> 00:15:55,479 これらの数字が 最後に上がったのはいつでしょう? 261 00:15:55,479 --> 00:15:59,786 2002年です 262 00:15:59,786 --> 00:16:02,670 ずっと停滞しているんです 色んな意味で 263 00:16:02,670 --> 00:16:05,478 私たちは このことに 正直になれていないと思います 264 00:16:05,478 --> 00:16:08,724 色んな理由があるでしょう ジェンダーは話しにくいことですし 265 00:16:08,724 --> 00:16:12,541 本当は受け入れるべきなのに 「フェミニスト」という言葉も敬遠してしまいます 266 00:16:12,541 --> 00:16:15,733 「威張っている」なんて言葉は なくして 戻すべきは― 267 00:16:15,733 --> 00:16:18,893 (拍手) 268 00:16:18,893 --> 00:16:23,215 ここは強調したいと思いますが 「威張っている」という言葉をなくし 269 00:16:23,215 --> 00:16:26,276 「フェミニスト」を復活させるべきです 必要なんですから 270 00:16:26,276 --> 00:16:27,761 (拍手) 271 00:16:27,761 --> 00:16:30,803 私たちは皆 もっと踏み出さないといけませんね 272 00:16:30,803 --> 00:16:32,004 もっと踏み出しましょう 273 00:16:32,004 --> 00:16:33,234 シェリル ありがとう 274 00:16:33,234 --> 00:16:34,468 一歩を踏み出してくれて 275 00:16:34,468 --> 00:16:36,630 ありがとうございました 276 00:16:36,630 --> 00:16:38,899 (拍手)