WEBVTT 00:00:16.461 --> 00:00:19.684 フィンランド北部の 私たちの街オウルが示すように 00:00:19.898 --> 00:00:22.873 自転車インフラの維持管理は 一年を通して可能です 00:00:23.037 --> 00:00:25.787 北極圏の過酷な気候であってもです 00:00:26.063 --> 00:00:29.672 意思あるところに よく維持管理された自転車道あり 00:00:30.752 --> 00:00:34.752 やや珍しい合同契約の相手はー 00:00:35.087 --> 00:00:41.301 オウル市と隣町のケンペレ それから州の道路管理局です 00:00:42.191 --> 00:00:48.749 合同契約のおかげで 管理の質が市境で変わったりしません 00:00:49.948 --> 00:00:55.628 以前は地域の最重要自転車ルートのうち 125kmをカバーする契約でした 00:00:56.314 --> 00:01:00.314 成果が認められ 今は150kmになりました 00:01:01.093 --> 00:01:04.943 ルートの多くは オウル中心部と周辺を結んでいます 00:01:05.140 --> 00:01:08.740 他にも重要な環状ルートや 地区内ルートもあります 00:01:08.952 --> 00:01:13.638 オウル地域の自転車道の総延長は 1,000kmをゆうに超えます 00:01:13.786 --> 00:01:17.786 それらも当然ながら 高い品質で管理されます 00:01:18.105 --> 00:01:20.855 昔ながらの積雪上限値は 今も存在します 00:01:20.932 --> 00:01:24.402 加えていくつかの 品質上の約束事がありー 00:01:24.422 --> 00:01:29.312 選定された業者は これを守ることになっています 00:01:29.402 --> 00:01:35.732 約束事を守ればボーナスが出て 破るとペナルティが発生します 00:01:36.146 --> 00:01:40.865 ペナルティはたいてい ボーナスの倍です 00:01:41.476 --> 00:01:45.016 約束事は全部で 10項目あります 00:01:45.446 --> 00:01:51.494 自分たちが整備するルートを 自転車で走るというのもその一つ 00:01:51.764 --> 00:01:56.244 これまでのところ実施率は高く ボーナスが期待されます 00:01:56.571 --> 00:02:00.948 これは除雪車ドライバーの本気度を 大きく向上させました 00:02:02.247 --> 00:02:09.794 天候や路面のチェックに 排出ゼロの乗り物を使うのも約束事です 00:02:10.220 --> 00:02:14.220 このエリアで使われるのは 自転車と電気自動車だけです 00:02:14.544 --> 00:02:22.423 実際の除雪作業で使用するのも ユーロ6基準の車体とバイオ燃料のみ 00:02:23.710 --> 00:02:25.426 約束事はまだまだあります 00:02:25.565 --> 00:02:27.655 作業車が通った跡の 路面の品質もそうです 00:02:27.844 --> 00:02:32.871 しばしば除雪板の他にも 様々な機材を活用します 00:02:32.962 --> 00:02:38.811 従業員や機器は下請けに頼らず ほぼ自社で用意します 00:02:39.021 --> 00:02:42.891 これも業務に対する本気度に つながっています 00:02:43.236 --> 00:02:46.267 昔ながらの積雪上限値は どうでしょうか 00:02:46.376 --> 00:02:47.976 かなり厳しいです 00:02:48.120 --> 00:02:51.620 主要自転車ルートでは 2cm積もると3時間以内に除雪します 00:02:51.828 --> 00:02:55.438 4cmまで積もることは 絶対に許されません 00:02:55.649 --> 00:02:59.328 雪が降り続けていても 一瞬でもダメです 00:02:59.491 --> 00:03:08.151 夜11時~朝5時は基準が少し緩みますが 実務上の差はあまりありません 00:03:09.295 --> 00:03:15.475 つまり2cm積もる前から 除雪車は動いている必要があります 00:03:15.740 --> 00:03:22.863 150kmのネットワーク全体を3時間以内ですから 2cm積もってから始動しても遅いのです 00:03:22.924 --> 00:03:27.111 幅員がとても広い区間も多いので そこは何往復かする必要があります 00:03:28.503 --> 00:03:34.203 上限の4cmまで積もらせることは 通常は決して許されません 00:03:34.598 --> 00:03:38.598 絶対に4cmに達しないよう 除雪作業をスケジュールするのです 00:03:39.073 --> 00:03:46.173 例外は4時間に20cmを超える 極端な降雪の場合だけです 00:03:46.414 --> 00:03:49.554 そこまでの降雪は幸い あまりありません 00:03:50.225 --> 00:03:58.335 激しい降雪の中でも基準を満たせるよう 業者には十分な機材と人材の保有が求められます 00:03:58.860 --> 00:04:06.890 除雪車の通過後に自転車の通行の妨げになる 雪やぬかるみがあってはなりません 00:04:08.035 --> 00:04:13.615 雪の小山が邪魔になったり 自転車道が狭まったりするのはNGです 00:04:14.014 --> 00:04:21.144 除雪には歯間20mm以下のブレードを用い 自転車のハンドルがとられないようにします 00:04:21.761 --> 00:04:25.971 ギザギザのないブレードは 路面が滑りやすくなるので使用禁止です 00:04:26.666 --> 00:04:30.196 除雪後の路面が波打っていてもダメです 00:04:31.795 --> 00:04:40.033 圧雪層の上限値は3月末まで5cm その後4月末までは2cmです 00:04:40.700 --> 00:04:55.400 春が来てぬかるみが生じる前に 圧雪層は除去しなければなりません 00:04:55.400 --> 00:05:03.014 交差点から5m以内では視野を確保するために 雪だまりの高さは50cmまでに制限されます 00:05:03.280 --> 00:05:08.620 これ以上の高さの雪を撤去するのも 除雪業者の仕事です 00:05:09.732 --> 00:05:12.883 路面が滑りやすくなった場合は どうするのでしょうか 00:05:13.426 --> 00:05:25.116 晩秋や晩春には薄氷を防ぐため なるべく環境負荷の低い凍結防止剤も使います 00:05:25.280 --> 00:05:28.244 普通の塩は絶対に使用禁止です 00:05:29.074 --> 00:05:35.646 冬になってからは砂や小石の散布も行いますが これも必要な場合に限られます 00:05:35.932 --> 00:05:42.072 他の一部の都市では「キラー砂利」と呼ばれる 非常に尖った砕石も使われています 00:05:42.618 --> 00:05:47.349 こうした材料はオウルの自転車道では 絶対に使用できません 00:05:47.643 --> 00:05:53.043 自転車のタイヤを含め 乗り物を傷つける材料は禁止です 00:05:53.541 --> 00:05:55.321 よく胸に刻んで下さい 00:05:55.450 --> 00:06:00.010 「自転車のタイヤを傷つけてはならない」 と契約に書かれているのです 00:06:00.453 --> 00:06:11.613 砂と天然の小石のミックスか角を丸めた砕石を使い タイヤや動物の足を傷つけないようにしています 00:06:11.876 --> 00:06:17.676 材料の過剰投入は避けますし 使うのも必要な場合だけです 00:06:19.101 --> 00:06:24.381 滑り止め材料の採用には クライアントの許可も要ります 00:06:24.545 --> 00:06:33.225 実際はギザギザの密集したブレードによる除雪で 十分に滑り止めになることがほとんどです 00:06:33.784 --> 00:06:41.614 滑り止め材料はこんな風に組み合わせ 1㎡あたり2-4デシリットルで調整します 00:06:42.746 --> 00:06:52.856 滑り止め材料を使わなくても ちゃんとした除雪を行えばまず滑りません 00:06:53.259 --> 00:07:00.409 ですので砂も小石も全く撒かないことが多く 利用者もそれで満足しています 00:07:00.705 --> 00:07:06.305 基準を満たした路面の例がこちらです 00:07:07.615 --> 00:07:12.745 除雪業者が顧客サービスも行うようになったのは 大きな変化の一つです 00:07:13.197 --> 00:07:14.777 顧客というのはー 00:07:14.964 --> 00:07:18.104 発注者の行政ではなく 市民のことです 00:07:18.620 --> 00:07:25.810 積極的なコミュニケーションが重要で 今の受注者Oulun Konetyöはよいお手本です 00:07:26.750 --> 00:07:37.760 ボランティアの「調査員」による 週ごとの走行環境レポートも品質管理に貢献します 00:07:38.150 --> 00:07:43.890 業者には調査員の採点に基づいて ボーナスやペナルティが与えられるのです 00:07:45.469 --> 00:07:50.999 業者はさらに自転車道の脇で年に3回 「冬のイベント」を行う必要があります 00:07:51.160 --> 00:07:58.080 温かい飲み物やスナック類を提供し 利用者から直接フィードバックを得ます 00:07:58.255 --> 00:08:01.805 双方向のコミュニケーションができる またとない機会です 00:08:03.127 --> 00:08:06.707 除雪車のブレードにも 注目してみましょう 00:08:07.088 --> 00:08:14.818 ギザギザがなく雪に食い込まないブレードは 滑りやすい路面になるので厳禁です 00:08:15.407 --> 00:08:22.347 その代わりに歯間20mm以下の ギザギザのブレードを使用します 00:08:24.998 --> 00:08:26.818 お楽しみ頂けたでしょうか 00:08:26.967 --> 00:08:34.817 自転車道の除雪契約などをより詳しく知りたい方は masterclass.cityへどうぞ 00:08:34.991 --> 00:08:36.951 ありがとうございました