フィンランド北部の 私たちの街オウルが示すように 自転車インフラの維持管理は 一年を通して可能です 北極圏の過酷な気候であってもです 意思あるところに よく維持管理された自転車道あり やや珍しい合同契約の相手はー オウル市と隣町のケンペレ それから州の道路管理局です 合同契約のおかげで 管理の質が市境で変わったりしません 以前は地域の最重要自転車ルートのうち 125kmをカバーする契約でした 成果が認められ 今は150kmになりました ルートの多くは オウル中心部と周辺を結んでいます 他にも重要な環状ルートや 地区内ルートもあります オウル地域の自転車道の総延長は 1,000kmをゆうに超えます それらも当然ながら 高い品質で管理されます 昔ながらの積雪上限値は 今も存在します 加えていくつかの 品質上の約束事がありー 選定された業者は これを守ることになっています 約束事を守ればボーナスが出て 破るとペナルティが発生します ペナルティはたいてい ボーナスの倍です 約束事は全部で 10項目あります 自分たちが整備するルートを 自転車で走るというのもその一つ これまでのところ実施率は高く ボーナスが期待されます これは除雪車ドライバーの本気度を 大きく向上させました 天候や路面のチェックに 排出ゼロの乗り物を使うのも約束事です このエリアで使われるのは 自転車と電気自動車だけです 実際の除雪作業で使用するのも ユーロ6基準の車体とバイオ燃料のみ 約束事はまだまだあります 作業車が通った跡の 路面の品質もそうです しばしば除雪板の他にも 様々な機材を活用します 従業員や機器は下請けに頼らず ほぼ自社で用意します これも業務に対する本気度に つながっています 昔ながらの積雪上限値は どうでしょうか かなり厳しいです 主要自転車ルートでは 2cm積もると3時間以内に除雪します 4cmまで積もることは 絶対に許されません 雪が降り続けていても 一瞬でもダメです 夜11時~朝5時は基準が少し緩みますが 実務上の差はあまりありません つまり2cm積もる前から 除雪車は動いている必要があります 150kmのネットワーク全体を3時間以内ですから 2cm積もってから始動しても遅いのです 幅員がとても広い区間も多いので そこは何往復かする必要があります 上限の4cmまで積もらせることは 通常は決して許されません 絶対に4cmに達しないよう 除雪作業をスケジュールするのです 例外は4時間に20cmを超える 極端な降雪の場合だけです そこまでの降雪は幸い あまりありません 激しい降雪の中でも基準を満たせるよう 業者には十分な機材と人材の保有が求められます 除雪車の通過後に自転車の通行の妨げになる 雪やぬかるみがあってはなりません 雪の小山が邪魔になったり 自転車道が狭まったりするのはNGです 除雪には歯間20mm以下のブレードを用い 自転車のハンドルがとられないようにします ギザギザのないブレードは 路面が滑りやすくなるので使用禁止です 除雪後の路面が波打っていてもダメです 圧雪層の上限値は3月末まで5cm その後4月末までは2cmです 春が来てぬかるみが生じる前に 圧雪層は除去しなければなりません 交差点から5m以内では視野を確保するために 雪だまりの高さは50cmまでに制限されます これ以上の高さの雪を撤去するのも 除雪業者の仕事です 路面が滑りやすくなった場合は どうするのでしょうか 晩秋や晩春には薄氷を防ぐため なるべく環境負荷の低い凍結防止剤も使います 普通の塩は絶対に使用禁止です 冬になってからは砂や小石の散布も行いますが これも必要な場合に限られます 他の一部の都市では「キラー砂利」と呼ばれる 非常に尖った砕石も使われています こうした材料はオウルの自転車道では 絶対に使用できません 自転車のタイヤを含め 乗り物を傷つける材料は禁止です よく胸に刻んで下さい 「自転車のタイヤを傷つけてはならない」 と契約に書かれているのです 砂と天然の小石のミックスか角を丸めた砕石を使い タイヤや動物の足を傷つけないようにしています 材料の過剰投入は避けますし 使うのも必要な場合だけです 滑り止め材料の採用には クライアントの許可も要ります 実際はギザギザの密集したブレードによる除雪で 十分に滑り止めになることがほとんどです 滑り止め材料はこんな風に組み合わせ 1㎡あたり2-4デシリットルで調整します 滑り止め材料を使わなくても ちゃんとした除雪を行えばまず滑りません ですので砂も小石も全く撒かないことが多く 利用者もそれで満足しています 基準を満たした路面の例がこちらです 除雪業者が顧客サービスも行うようになったのは 大きな変化の一つです 顧客というのはー 発注者の行政ではなく 市民のことです 積極的なコミュニケーションが重要で 今の受注者Oulun Konetyöはよいお手本です ボランティアの「調査員」による 週ごとの走行環境レポートも品質管理に貢献します 業者には調査員の採点に基づいて ボーナスやペナルティが与えられるのです 業者はさらに自転車道の脇で年に3回 「冬のイベント」を行う必要があります 温かい飲み物やスナック類を提供し 利用者から直接フィードバックを得ます 双方向のコミュニケーションができる またとない機会です 除雪車のブレードにも 注目してみましょう ギザギザがなく雪に食い込まないブレードは 滑りやすい路面になるので厳禁です その代わりに歯間20mm以下の ギザギザのブレードを使用します お楽しみ頂けたでしょうか 自転車道の除雪契約などをより詳しく知りたい方は masterclass.cityへどうぞ ありがとうございました