(セルビア語)どうもありがとう
僕はニック・ブイチチ
1982年オーストラリア生まれ
2006年
カリフォルニアに移住
僕の人生についてですが
ただ感謝しています
YouTubeのビデオや
手足のない男が微笑んでいる
写真など
何らかの形で
僕を見てくれた人たちに
いつも訊かれます
「何が起きたの?」
「大変でしょ
どうやって乗り越えたの?」
僕が受け取った
今日のトークの主題は
「立ちふさがる壁を扉に変えろ」
ビジネス的に
表現すると
「障害物をチャンスに変える」です
今 皆さんにも
知ってもらいたいんです
現在 10億人が
飢餓に苦しみ
今年中に
100万人が自殺するでしょう
40秒に1人の計算です
強制労働者は1億2千万人
性奴隷にも会いました
ビジネス界の頂点に
立つ人にも
億万長者たちにも
銀行家にも 孤児にも
会いました
誰もが皆 ある物を探している
それは希望です
生まれつき持っている
ものではありません
人は苦しみと共に生まれ
困難に直面しながら
生きていく
両親はいつも教えてくれた
僕がなぜこの体で
生まれたのか分からない
でも 選ぶ事はできる
持っていない物に
怒りを覚えるか
持っている物に
感謝するのかを
その選択をする事こそ
特に学校に入りたての頃
まず僕が克服し―
自分で決めねばならなかった
事です
沢山の子にいじめられました
5つの大会で
講演を行い
世界中で7人の大統領に
会いました
一番多い時で
聴衆は11万人
講演依頼は3万件です
どこでも 命の大切さを語り
様々な国の学校制度に向け―
いじめ撲滅のメッセージを
送ります
最も偉大なもの
それは愛です
十分に愛されず
十分な希望もない
そんな時
人は生きる力を失う
子どもの時
僕の人生には大きな壁があった
四方を壁に囲まれ
天井は低く チャンスはない
でも いろいろな形で
僕は自由になった
そして 一日一日を
生き延びた
僕を愛し 励まし
僕は僕なりに美しいと
他人に言われる事を
気にするなと
そう言ってくれる両親が
いたからです
僕はオーストラリアで初めて
普通学級に通った
特別支援児
90年には「若き市民賞」を
受賞しています
世界は傷つけられる場所なので
希望が必要です
愛が必要なのです
希望なくしては 存在する意味を
見失ってしまう
どこかおかしい?
僕の場合 このとおりです
今でも僕には腕も足もない
でも何もかも変わりました
何もかもです
希望や幸せを探していたのに
長い間 それが見えなかった
テーブルのこちら側は僕の「希望」としましょう
真理に励まされ
僕はあらゆる可能性を実現した
でも 毎日嘘は吹き込まれる
僕らを落ち込ませる人がいる
こんな人が必ずいます
どんなにいい一日でも
そういう人のせいで
気分が落ち込んでしまう
元々落ち込んでいれば
更に落ち込む
分かるでしょう
人生ですごく落ち込んだ事を
思い出して下さい
そういう事は外側ではなく
自分の内面に
原因があるんです
何か言って 相手を落ち込ませるには
3秒で十分
でも 落ち込ませた言葉は
ずっと忘れないかも
40から50代の女性で
父親に言われた
「聞かなきゃよかった」ことを
まだ覚えているという人は
大勢います
言葉の力は強い
そういう言葉を聞けば
心はその嘘の通りに育つ
「ニック 諦めろ
働くなんて無理だよ」
「結婚なんて無理
奥さんの手も握れないのに」
「泣いてる子を抱く事もできず
どんな父親になるつもりなんだ?」
お前は独りぼっち
両親はハグしてくれても
それで手足が生えるわけじゃない
諦めろ 諦めろ 諦めろ
8歳で「自殺しなければ」と思った
なぜって―
希望がなかったから
ないと思っていた
お分かりでしょう
希望はあったのです
「見えない物を信じる」
という意味の言葉は?「信念」です
言葉はそれだけのものですが
ハグはそれ以上です
ハグが無力な時
それが信念の出番です
僕には言葉でもハグでも足りず
信念もなかった
だから諦めようとした
10歳の時 15cmの深さの水で
死のうとしました
場所は自宅です
父には「リラックスしたかった」と言いましたが
本当は死にたかったのです
もうたくさんだったから
(セルビア語)もうたくさんだったから
最初の二回は
転がってしまった
どれぐらい空気が吸えるか計算し
三回目をやった 「おさらばしたい」
頭ではそう分かっていた
いじめられ
両親に負担をかけ
何の期待もなかったから
その時悟りました
本当に自殺すれば―
今よりずっと重い負担を
両親に残すことになる
手足のない子を持つよりも
希望を奪い 重荷になる
そんな事が一つありました
それは何か? その子どもが
諦めてしまう事です
僕の墓の前で泣く
家族を想像しました
それが僕の命を救ったのです
もし両親が
「僕は僕なりに美しい」と
「お前は特別な子だ 愛してる」と
言っていなければ
死んでいた
十代の子を励ます
全ての親を励ましたい
特に西側諸国では
十代の子は干渉を嫌う
十代の子と親の会話は
どこでもこんな感じです
「学校は?」「フツー」
「何勉強した?」「別に」
「宿題すんだ?」「いや」
それで一日分の会話が終わる
我が子に「お前は美しい」と
伝えれば 答えは―
「そりゃ そう言うよね
自分の子どもだもん」
でもその通りです
全ての人間には価値があり
その価値は 見かけや
何の仕事をしているか
どこに住んでいるか どこの出身か
財産はどれぐらいか
そういう事では決まらない
十代の子は
外見の事で
傷つけあう
でも 僕が
「僕って友達にしても
いいくらい格好いい ?」
そう訊くと
答えは「まあね」
「でも手も足もないよ」
「別にいい」
「本当に手足がなくてもいい?」
「別にいいって」
「じゃあ なぜ人間は酷い言葉で
傷つけあうの?」と僕は言う
「外見なんてどうでもいいなら?」
なぜ 僕らは鏡に写った自分に
価値を見出せず 醜いと思うのか
僕は訊きたい
「何を求めているのですか?」
10億ドルもらったら
幸せになれます?
僕ならとっても幸せになる
でも 今晩 母親が死んだら?
幸せな気持ちにはなれない
世界中のお金をもらっても
無理です
お金では
魂を癒す事はできないから
十代の子たちが求めるのは
魂を癒す愛です
魂を完全な形にする愛
婚前交渉でも
僕はしませんでしたけど
僕の美しい妻は
最初の子を妊娠中です
手を握らなくてもいい
彼女の心を抱きしめたい
我が子をハグする方法?
凄いですよ
大勢の子が―
手を背中に回し
首で僕をハグする
人生最悪の部分だって
捨てたもんじゃない
もっと特別な何かにもなる
多くの若い子たちが
愛を求め こういう事をして
婚前交渉に至るのです
わたしにとって婚外セックスは
安物の偽物グッチ時計と同じ
結婚し あなたを愛し
あなたに一生を捧げ
あなたと子の親になる
そんな人とのセックスには
愛がある
大勢とセックスする事はできる
でも相手に愛されているか
確信は持てない
愛は一生もので
人生は選ぶ事ができ
人は何かを求める
あなたは何を求めますか?
人生は一度きり
飲んだくれてもいい
それでよければね
僕は欲張りなので
90年ではなく
何十億年も生きたい
それに分かってる
僕の選択は 自分の人生
他人の人生や自分の永遠の人生に
影響を与える
自分は何者で なぜ存在するのか
悟らねばならない
バークリー曰く
人生で重要な日が二日ある
生まれた日と
その理由を悟った日
「お前は醜い」と言われても
「いや 自分のままで美しい」
と言える事です
自分でそう信じられなかったら
特に女の子は
感情を虐待する恋人でも別れない
「他に誰が求めてくれる?」
と思うから
そう 皆 愛されたいのです
だから時々僕たちは
いろいろなことをします
仲間とつるむ
「絶対クールになる」と誓う
そんな世の中です
「背が高ければ」「頭が良ければ」
「人気者だったら」
欲しいものが何であっても
満たされる事はない
真実を悟るまでは決して
私は素晴らしい
人生にはより高い目的がある
私は理由があってここにいる
そう 奇跡は起きなかったけど
奇跡を起こす神を信じて
クローゼットには靴が1足
奇跡で見たり聞いたり
できるようになる事はある
信じない?
ビデオに撮ってあります
でも 気づきました
神が私を
このままにしておくのは
私の人生を使って
他の人に奇跡を起こす為だと
自分に奇跡は起きなくても
他人にもたらす事はできる
おしまいに美しい話をします
南カリフォルニアに
いた時です
僕は 営利と非営利の
2つの団体を運営しています
2007年から2010年の間に
600回飛行機に乗り 1000回講演をしました
会場に来てくれた聴衆の数は
450万人
この2日間の講演で
メディア経由の聴衆は500万人になりました
「他人を愛したい」と願う人々の
心をつかんだということです
愛し合い 自分自身を愛し
大きな夢を持ち
諦めないでほしい
誰もが希望を探しています
あなたが探す物は?
お金、 ドラッグ、セックス、お酒
ポルノ、名声、富 何であれ
決して満たされる事はない
決して満足はできない
でも僕の心は穏やかです
なぜなら―
5、6年前 24才でカリフォルニアに
いた時 僕はまだ
自分のような人を
知らなかった
10才の時は自分のような人に
会いたいと願っていた
そんな奇跡は
起こりませんでしたが
でも24歳の時 カリフォルニアで
会った
僕と同じで 手足がない
19か月の男の子です
この子は将来
いじめられ
うつ状態になり
孤独を感じ
恋人ができるかどうか悩み
その子と父親に2千人の前に
立ってもらうと
「自分に奇跡は起きなくても
他人には奇跡をもたらせる」
僕はスーパーヒーローではなく
浮き沈みがある普通の人間
自分が何者で
なぜそこにいるか
僕はそれを見つけ
乗り越えられた
書いた本は「限界のない人生」
未来は未知です
僕は短編映画の
優秀男優賞をとりました
2冊の本を書きました
最初の本は30言語に訳され80万部売れました
自尊心、名声、地位を
見せびらかす気はありません
どうか刺激を受けてほしいのです
今 壁は1つもありません
ありがとうございました
他にもいろいろあるだろうと
分かっていました
皆が泣きました
それは正に
こういう事なのです
一日一つ試してみてください
どこに向かうのか
分からない?
壁などないのだから
出演した短編映画は
30の賞を受賞
自分のミュージックビデオも作りました
29歳で ご存じの通り
10億人が僕を知ってる
皆さんと同じただの一人です
僕は大きな夢を持てました
あなただって
心の平安を見つけ
壁を扉に変えてください
(拍手)