WEBVTT 00:00:04.340 --> 00:00:08.640 毎年12月に1年の最後のビデオとして 過去1年間にプレイした中で 00:00:08.640 --> 00:00:12.980 最も革新的で独創的なゲームを取り上げている 00:00:12.980 --> 00:00:17.100 過去数年で、YouTube探偵ドラマの『Her Story』 00:00:17.100 --> 00:00:22.480 不気味なチャットボットゲーム『Event [0]』 蛇シミュレーターの『Snake Pass』 00:00:22.480 --> 00:00:26.220 および時間旅行の殺人ミステリー 『Return of the Obra Dinn』などを見てきた 00:00:26.220 --> 00:00:30.880 これらのゲームは今まで見たことのないことを成し遂げ そのアイデアと実装の両面は 00:00:30.880 --> 00:00:32.760 僕に深い印象を残している 00:00:32.760 --> 00:00:35.880 それらはそれぞれの年の 最高のゲームではないかもしれないけど 00:00:35.880 --> 00:00:41.360 新鮮なコンセプトをうまくやり遂げたと言う意味で お勧めのゲームだ 00:00:41.360 --> 00:00:44.600 2019年の選択肢はたくさんあった 00:00:44.600 --> 00:00:51.220 戦闘のないRPGである『Disco Elysium』 滑稽と混乱の『Untitled Goose Game』 00:00:51.220 --> 00:00:57.820 SF考古学ゲームの『Outer Wilds』 もう一つのSF考古学ゲーム『Heaven’s Vault』など 00:00:57.820 --> 00:01:02.340 しかし今年は、この知性溶解パズルゲームに 勝るものはないだろう 00:01:02.340 --> 00:01:05.920 それが『Baba Is You』だ 00:01:05.920 --> 00:01:09.060 さあ、一見するとこのゲームの見た目は 非常にシンプルだ 00:01:09.060 --> 00:01:15.030 あなたはグリッドを跳ね回り、ブロックを押す ブロック・プッシュ型のパズルの一つと言えるだろう 00:01:15.030 --> 00:01:18.080 日本生まれのパズルゲーム 『倉庫番』の遠い子孫だ 00:01:18.090 --> 00:01:21.180 しかし、ここから奇妙なことになる 00:01:21.180 --> 00:01:25.640 各ステージ上には、ゲームのルールが 画面上に簡単な文章として書かれている 00:01:25.640 --> 00:01:27.240 例えば「ババ イズ ユー」のように 00:01:27.240 --> 00:01:30.660 これはプレイヤーがBabaと呼ばれる変な白い生き物を コントロールできることを意味する 00:01:30.660 --> 00:01:34.520 または「ウォール イズ ストップ」のように プレイヤーは壁を通り抜けることはできない 00:01:34.520 --> 00:01:37.520 「ロック イズ プッシュ」は岩を押すことができ 00:01:37.520 --> 00:01:42.180 「フラッグ イズ ウィン」は旗に触れることで ステージをクリアできることを意味する 00:01:42.180 --> 00:01:44.220 そして、ここに発想の転換がある 00:01:44.220 --> 00:01:48.000 これらのルールは、それ自体が 押すことができるブロックになっている 00:01:48.000 --> 00:01:51.440 プレイヤーはゲームが予め定めたロジックを破壊し 00:01:51.440 --> 00:01:55.180 ルールを書き変えて まったく新しいゲームプレイを創造できる 00:01:55.180 --> 00:01:58.680 たとえば、「ストップ」という単語を 「ウォール イズ ストップ」から削除すると 00:01:58.680 --> 00:02:01.039 壁を通過できるようになる 00:02:01.040 --> 00:02:04.320 「フラッグ イズ ウィン」を 「ロック イズ ウィン」に変更すれば 00:02:04.320 --> 00:02:06.380 岩がステージのゴールになった 00:02:06.380 --> 00:02:08.400 または、この文章に「ロック」を押しこむと 00:02:08.420 --> 00:02:12.620 ゲームの主人公をただの茶色い岩に 切り替えることもできる 00:02:12.620 --> 00:02:13.700 なんと厚かましい 00:02:13.700 --> 00:02:18.680 用意された数百のステージは 初見では決して簡単にはクリアできない 00:02:18.680 --> 00:02:24.920 だけど世界のルールを書き換えることで それも可能となる 00:02:24.920 --> 00:02:28.200 それは無限に知的であり 終わりのない驚きに満ちている 00:02:28.200 --> 00:02:30.440 もちろん難しい、が不可能とはほど遠いものであり 00:02:30.440 --> 00:02:35.520 事実上すべてのステージは満足のいく 「アハッ!」の瞬間を備えた価値ある体験だ 00:02:35.540 --> 00:02:39.340 まだあなたがプレイしていない場合は 今すぐ動画を一時停止し 00:02:39.340 --> 00:02:42.840 SteamまたはSwitch eShopに行って ゲームを入手してほしい 00:02:42.840 --> 00:02:44.620 きみも気に入ることを願ってるよ 00:02:44.620 --> 00:02:46.640 完了したら、忘れずに戻ってきて 00:02:46.640 --> 00:02:51.040 この脳が破裂するパズルをどうやって作ったのか について、もっと話し合おう 00:02:52.060 --> 00:02:56.920 Baba Is Youは、フィンランドの インディーゲーム開発者であるArvi Teikariが開発した 00:02:56.920 --> 00:03:03.940 彼は「2017年の Nordic Game Jam の一環として ゲームを作ったことに触発された」と教えてくれた 00:03:03.940 --> 00:03:06.380 ジャムのテーマは「Not There(いない)」だった 00:03:06.380 --> 00:03:10.840 彼はその「Not(ではない)」から プログラミング言語のNot演算子の着想を得る 00:03:10.840 --> 00:03:15.660 それをブロック・プッシュ型のパズルと 自分の構想を組み合わせた 00:03:15.660 --> 00:03:21.020 「それはこんな思いつきをもたらしました。氷が溶岩の 中にあっても溶けないこともあるかもしれない。 00:03:21.020 --> 00:03:24.060 もしそれが"アイス イズ ノット メルト(氷は溶けない)" 状態の氷だったら」 00:03:24.060 --> 00:03:28.420 プロトタイプのしょぼいBaba Is Youは そのGame Jamに勝ち 00:03:28.420 --> 00:03:30.600 周りの反応は非常に好意的だったため 00:03:30.600 --> 00:03:35.620 Teikariはそのゲームをフルボリュームにまで 作り込みリリースすることに決める 00:03:35.620 --> 00:03:41.880 2年後、デザイナーはプレイヤーのための 約219の超知的なステージを生み出してしてくれた 00:03:41.880 --> 00:03:46.820 では、正確には、Baba Is Youのステージは どのように作成されるのだろうか? 00:03:46.820 --> 00:03:51.020 始めにTeikariは ゲームに登場している単語とルールから 00:03:51.020 --> 00:03:56.040 面白い相互作用、または構成について考える 00:03:56.040 --> 00:04:01.380 たとえば「プル(引く)」は、Kekeが湖を横切って 鍵を運ぶ必要があるステージで使える可能性がある 00:04:01.380 --> 00:04:07.760 「テレポート」はオブジェクトをだけでなく ルール自体も移動させることができるだろう 00:04:07.760 --> 00:04:13.140 また「ハズ(持つ)」という言葉は Kekeが死ぬたびに箱をドロップし 00:04:13.140 --> 00:04:15.940 その箱がすぐにKekeに 戻るようなステージで役に立つだろう 00:04:15.940 --> 00:04:17.080 狂ってる 00:04:17.080 --> 00:04:21.480 今年の夏、バルセロナで開催されたGamelab カンファレンスで、Teikariは次のように語っている 00:04:21.480 --> 00:04:25.260 「"よし、それをこのステージでやって見ようか" というアイデアを思いついたら 00:04:25.260 --> 00:04:31.600 プレイヤーがその相互作用を使わないと 解けないステージをどうやって構築するべきか 00:04:31.600 --> 00:04:34.260 常に見つけようとしています」 00:04:34.260 --> 00:04:38.100 そしてそこから Baba Is Youの中心にある魅力的な矛盾にたどり着く 00:04:38.100 --> 00:04:42.620 なぜなら、これは一見 無限の可能性を提供するゲームだ 00:04:42.620 --> 00:04:46.400 しかしこのパズルはあなたができないことによって 大部分が定義されている 00:04:46.400 --> 00:04:50.500 なぜなら、全く制限のないパズルゲームの作成は 面白い試みのように思えるが 00:04:50.500 --> 00:04:52.800 しかし蓋を開けてみると簡単な答えが得られてしまう 00:04:52.800 --> 00:04:57.480 「ジェットパック」という言葉で書くことで ステージの半分をクリアできるScribblenautsのように 00:04:57.480 --> 00:05:02.600 したがってデザイナーの仕事は 実際にはあなたを閉じ込めて制限をかけることだ 00:05:02.600 --> 00:05:07.340 そしてBaba Is Youの場合は 画面に表示されている、またはされていない文字 00:05:07.340 --> 00:05:11.140 一部の文章が壁に押し付けられたり フェンスの後ろにあったり 00:05:11.140 --> 00:05:14.260 あなたの動きを制限する閉所恐怖症的な 空間などによってそれが達成されている 00:05:14.260 --> 00:05:18.600 これらの制限を設定することで デザイナーは簡単な答えを締め出し 00:05:18.600 --> 00:05:22.160 パズルの中心にある巧妙なトリックを 見つけることを強制させている 00:05:22.160 --> 00:05:25.060 Teikariは、このプロセスを 「リバースエンジニアリング」と呼んでいる 00:05:25.060 --> 00:05:30.160 本質的な解決策から始め その後逆方向に働きかけて制限を投げかけ 00:05:30.160 --> 00:05:32.280 本質をサポートするパズルを作成する方法のことだ 00:05:32.280 --> 00:05:36.380 例として、「Baba Doesn's Respond」 というステージを取り上げよう 00:05:36.380 --> 00:05:42.760 このステージはプレイヤーはKekeを操作し 解決策は2本のベルトで間接的にBabaを動かすことだ 00:05:42.760 --> 00:05:46.260 それでは、デザイナーは どのようにこの相互作用を強制するのだろうか 00:05:46.260 --> 00:05:52.040 まず、Kekeと旗の間に 壁と鍵のかかったドアを配置する 00:05:52.040 --> 00:05:55.900 ここに「ドア イズ シャット アンド オープン」のような ルールを設定した場合 00:05:55.900 --> 00:06:00.340 「シャット」という単語を押すことで 旗まで移動できるようになる 00:06:03.760 --> 00:06:08.280 しかしここにリードを配置して 最初の文を作成すると同時に 00:06:08.280 --> 00:06:11.560 「リード イズ デフェイート(負かす)」 というルールが作成されるようにすると 00:06:11.560 --> 00:06:13.860 Kekeは困ったことになる 00:06:14.480 --> 00:06:18.220 ドアを開けると そのドアへの移動も拒否されてしまうのだ 00:06:18.220 --> 00:06:20.620 うーん これは困った 00:06:20.620 --> 00:06:24.460 したがってプレーヤーは、ルールが成立したときには 00:06:24.460 --> 00:06:27.580 Kekeがすでにこの場所に立っていて 欲しいことを理解し 00:06:27.580 --> 00:06:31.840 ルールを遠くから動かす方法を見つけ出す必要がある 00:06:31.840 --> 00:06:34.080 答えは「ババ イズ ムーブ」 00:06:34.080 --> 00:06:37.700 でもBabaをここまで持ってきて 「ババ イズ ムーブ」を作成し 00:06:37.700 --> 00:06:39.300 所定の場所まで歩いて 00:06:39.300 --> 00:06:44.080 Babaがルール押し込むのを待つことができると このステージはあまりにも簡単になりすぎてしまう 00:06:44.080 --> 00:06:46.820 そのため、いくつかの制限が追加される 00:06:46.820 --> 00:06:50.479 この出っ張ったヘッジブロックにより Babaの助走が短くなる 00:06:50.480 --> 00:06:54.740 また、「ムーブ」が角にあると移動できない 00:06:54.740 --> 00:07:00.120 だから「ババ イズ ムーブ」は 画面の左の角で作成する必要がでてくる 00:07:00.120 --> 00:07:06.260 これらを組み合わせると、「ババ イズ ムーブ」を作成 して、重要な場所まで行くことができなくなった 00:07:06.260 --> 00:07:10.680 なぜならあなたがそこにつくまでに Babaはすでにリードを致死的なものにしているからだ 00:07:10.680 --> 00:07:15.960 したがってこれらのベルトを使用して Babaが通るべき長い道のりを作成する必要がある 00:07:15.960 --> 00:07:17.180 チューチューロケット式に 00:07:17.180 --> 00:07:22.280 これにより、ルールを構成する前に ステージを横断するための時間が与えられた 00:07:22.280 --> 00:07:26.660 あとは、ちょっとした装飾を振りかけ 他のおまけをちょっと入れれば完成だ 00:07:26.660 --> 00:07:30.380 動きを制限したり 意図しない解決策を制するためのものをね 00:07:30.389 --> 00:07:32.940 ただしデザイナーにより多くのそれらは 00:07:32.940 --> 00:07:36.100 ゲームの真の解決策を 下らないものにしないよう残されている 00:07:38.900 --> 00:07:43.240 見てもわかるように パズルの解決策の本質は非常に単純だ 00:07:43.240 --> 00:07:48.620 しかし一連の課題の背後にある答えを難読化すると 興味深い現象が発生する 00:07:48.620 --> 00:07:52.780 Teikariがゴール側からゲームを作ることで 彼がパズルの開始条件まで到達したときには 00:07:52.780 --> 00:07:54.659 その後ろの扉は鍵付きになるのだ 00:07:54.660 --> 00:07:57.640 次に、プレイヤーは彼の反対方向から移動を開始し 00:07:57.640 --> 00:08:01.400 解決できるまでドアの鍵を 順番に開き続けることになる 00:08:01.400 --> 00:08:03.860 このようにステージを設定することにより 00:08:03.860 --> 00:08:07.520 プレーヤーは解決への到達に正に魅了されるのだ 00:08:07.520 --> 00:08:11.700 各ステージには プレーヤーに創造的な解決方法を模索させるため 00:08:11.700 --> 00:08:16.140 何かを不可能にする制限を含んでいる 00:08:16.140 --> 00:08:21.700 これらのつまずきは互いに重なり合って ステージクリアへの道を作っている 00:08:21.700 --> 00:08:25.400 これが僕のお気に入りのステージ 「Tiny Pond」での様子だ 00:08:25.400 --> 00:08:29.580 このステージでは 「ウィン」という単語を池から解放する必要がある 00:08:29.580 --> 00:08:33.900 水は「シャット」 Babaは「オープン」と定義されている 00:08:33.900 --> 00:08:39.480 つまりプレイヤーは池の中に入ってロックを解除する ことができるが、それは同時にBabaの破壊も意味する 00:08:39.480 --> 00:08:42.620 だから、何か他のものを試す必要がある 00:08:42.620 --> 00:08:47.400 「キー」と「フラッグ」という2つの単語があるため 「キー イズ オープン」を作成ができる 00:08:47.400 --> 00:08:50.920 しかしここには「プッシュ」という動詞がないため 鍵は動かせない 00:08:50.920 --> 00:08:55.700 それを動かす唯一の方法は「キー イズ ユー」を 作ることだが、同じ問題がある 00:08:55.700 --> 00:08:58.320 水に触れるとあなたは破壊されてしまう 00:08:59.660 --> 00:09:01.700 あなたはまだこう考えるかもしれない 00:09:01.700 --> 00:09:06.040 「大丈夫、鍵とBabaの両方に なることができるかもしれない。 00:09:06.040 --> 00:09:09.360 そうすれば片方が死んでも もう片方をコントロールできる」 00:09:09.360 --> 00:09:13.020 だが残念なことに その文章を機能させるのに十分な単語はない 00:09:13.020 --> 00:09:16.540 しかし、これまでもあなたは 論理的な飛躍を手にしてきた 00:09:16.540 --> 00:09:18.920 そして今前進する唯一の可能な方法がある 00:09:18.920 --> 00:09:22.340 もし「フラッグ イズ キー」作成できたら 鍵を複製できる 00:09:22.340 --> 00:09:25.780 そして「キー イズ ユー」を作り出せば プレイヤーは両方をコントロールし 00:09:25.780 --> 00:09:31.520 1つを犠牲にして水に穴を開け 残りの鍵を操作してステージをクリアできる 00:09:33.900 --> 00:09:35.860 本当に巧妙だ 00:09:35.860 --> 00:09:40.640 ステージの構成により このステージの中心的な課題がすぐ理解できた 00:09:40.640 --> 00:09:45.080 操作キャラクターは「オープン」である必要があるが 自分自身を使用したときに消えてしまいたくはない 00:09:45.080 --> 00:09:49.080 そして、我々は試行錯誤の末に 真の解決策を見つけ出し 00:09:49.080 --> 00:09:52.640 「アハッ!」の瞬間を得られるのだ 00:09:52.640 --> 00:09:56.240 もしこれがこのゲームにおける 最初のステージだった場合 00:09:56.240 --> 00:09:58.220 あなたは完全に困惑することだろう 00:09:58.220 --> 00:10:00.520 しかし幸いなことに Baba Is Youをプレイするということは 00:10:00.520 --> 00:10:05.460 プレイする全てのステージごとに成長でき 知識を追加できることを意味する 00:10:05.460 --> 00:10:11.860 そのため「Tiny Pond」は、2人のキャラクターを 一度に制御する「Jelly Throne」のマップに配置される 00:10:11.860 --> 00:10:16.460 そして「Tiny Pond」の解決策は 「Unreachable Shores」のステージでも再び現れる 00:10:16.460 --> 00:10:20.760 そこではKekeを1つ犠牲にし 生存者が前進できる 00:10:20.760 --> 00:10:23.960 しかしこの種の学習はゲームの最初から始まる 00:10:23.960 --> 00:10:29.520 Baba Is Youはかなり複雑なパズルゲームだ だが、チュートリアルは1つもない 00:10:29.520 --> 00:10:34.580 代わりにゲームの開始後のパズルは 解決を通じてこのゲームがどのように機能するかを 00:10:34.580 --> 00:10:37.540 巧みにかつ静かに教えてくれる 00:10:37.540 --> 00:10:40.620 ステージ1では あなたは小さな箱の中に閉じ込められている 00:10:40.620 --> 00:10:43.580 外に出る方法は1つしかない 00:10:43.580 --> 00:10:47.600 それは「ウォール イズ ストップ」という文章を断ち 壁をもはや堅固な物体ではなくすることだ 00:10:47.600 --> 00:10:51.540 次に「フラッグ イズ ウィン」という文章を作り ステージを終える 00:10:51.540 --> 00:10:56.940 これはゲームの最も基本的な2つの概念である ルールの破壊と創造だ 00:10:56.940 --> 00:11:01.520 ステージ2は先とまったく同じような構成だが すべてがおかしな事になっている 00:11:01.520 --> 00:11:06.560 あなたは壁であり、壁は旗であり Babaはどこにもいない 00:11:06.560 --> 00:11:10.760 これにより、このゲームには 固定化された価値は何もないということがわかる 00:11:10.760 --> 00:11:13.640 もしプレイヤーに何か動機を与えるとするならば それはルールの一部であるときだけだ 00:11:13.640 --> 00:11:17.660 ゲームの最初の数ステージはこのような状態を維持し 00:11:17.660 --> 00:11:21.620 後で知る必要がある基本的な概念を提供している 00:11:21.620 --> 00:11:26.260 ここでは「ラーバ(溶岩) イズ プッシュ」は 「ラーバ イズ ホット」を上書きでき 00:11:26.260 --> 00:11:29.860 このパズルでは ルールを十字の形で作成することにより 00:11:29.860 --> 00:11:32.720 同じ「イズ」ブロックから 2つのルールを作成できることを学べる 00:11:32.720 --> 00:11:37.440 そしてゲームは冒険を通して新しい概念と アイデアを与え続ける 00:11:37.440 --> 00:11:43.140 演算子「アンド」や「オープン」 「シャット」などの新しい概念が導入されるたびに 00:11:43.140 --> 00:11:48.120 これらの新しいメカニズムをはっきり理解するための 入門パズルが扱われる 00:11:48.120 --> 00:11:52.500 Teikariにこれらの導入段階を どのように行ったかを尋ねると 00:11:52.500 --> 00:11:56.720 彼は「要素間のすべての意味のある 相互作用を徹底的に調べれば 00:11:56.720 --> 00:12:03.780 最終的には”トリック”が特定の要素における基本的な 機能となるような場所で導入しました 」と述べた 00:12:03.780 --> 00:12:09.840 それは各段階の初めに置かれ 来るべきステージのためのチュートリアルとなる 00:12:09.840 --> 00:12:14.720 Baba Is Youにはたくさんのパズルがあり 初めてプレイするものを困惑させ 00:12:14.720 --> 00:12:17.020 解くと賢くなった気になるが 00:12:17.020 --> 00:12:21.700 Teikariの本当の目標は プレイヤーに驚きと笑いの瞬間を提供することだ 00:12:21.700 --> 00:12:24.700 YOUTUBER:[笑い] 00:12:24.700 --> 00:12:30.100 YOUTUBER:「ウォール イズ ストップ」 なんてルールなかったよ [笑い] 00:12:30.100 --> 00:12:35.520 こんなちっぽけな空間に閉じこもって でもそんな必要なんてなかった 00:12:35.520 --> 00:12:40.900 それはあなたの期待を弄ぶことによって 確かに行われる 00:12:40.900 --> 00:12:45.480 たとえばこのステージでは、ほとんどのプレイヤーは ドアを解錠する必要があると思うだろう 00:12:45.480 --> 00:12:48.480 しかし実際には"壁を解錠"する必要がある 00:12:48.480 --> 00:12:52.860 また基本的な構想をはるかに超えた おかしなルールもある 00:12:52.860 --> 00:12:57.270 「エンプティ(空)」を使用すると、各ステージ内の 空の空間を制御するか何かで埋めることができ 00:12:57.270 --> 00:13:00.330 「メイク(作成)」を使用すると 移動時にオブジェクトの軌跡を作成できる 00:13:00.330 --> 00:13:04.540 「モア(もっと)」では、空間内のすべての場所を 埋め尽くすまで鍵を複製可能だ 00:13:04.540 --> 00:13:10.480 また元になったアイデアと同様に 「ノット」はルールを反転させることができる 00:13:10.480 --> 00:13:14.480 さらにすべての相互作用が確実に探求されるよう 00:13:14.480 --> 00:13:18.680 Braidの開発者Jonathan Blowと 同様の設計哲学のように 00:13:18.680 --> 00:13:23.840 Teikariには「テキスト」という単語があり ルールを他のルールで操作できる 00:13:23.840 --> 00:13:26.180 また、「レベル」が導入されると (訳注:レベルとは英語圏でのステージの呼び方の一つ) 00:13:26.180 --> 00:13:31.720 画面全体が移動するだけでなく ステージそのものを突破しマップ内を跳ね回り 00:13:31.720 --> 00:13:36.040 ゲームの基本ロジックをメタ探検することもできる 00:13:36.040 --> 00:13:38.760 もちろん、成功しなかったアイディアも たくさんあった 00:13:38.760 --> 00:13:42.040 Teikariは、オブジェクトを まとめてしまう「スティック」は 00:13:42.040 --> 00:13:45.360 悪夢のようなプログラムの問題を引き起こしたため 削除したと言っている 00:13:45.360 --> 00:13:48.360 そしてオブジェクトを無敵にする「セーフ」は 00:13:48.360 --> 00:13:52.640 ゲームをぼんやりとさせて面白くなかったので 完成版には採用されていない 00:13:52.640 --> 00:13:55.640 ゲームに参加できたすべてが 完全な勝者というわけでもない 00:13:55.640 --> 00:14:00.780 僕に言わせれば、Kekeを単語の後ろに置き コーナーからそれらを追い出すステージは 00:14:00.780 --> 00:14:02.660 ぎこちなくて混乱しやすく 00:14:02.660 --> 00:14:06.120 「スワップ」は「テレポート」のようだが あまりクールでもなかった 00:14:06.120 --> 00:14:11.240 200ほどのステージの中には 全ての人にとって、しっくりこないものもあるだろう 00:14:11.240 --> 00:14:14.240 しかしTeikariにはステージについて フィードバックを与えたテスターの軍団がおり 00:14:14.240 --> 00:14:17.040 彼らはゲームの迂回方法を発見しつづけた 00:14:17.040 --> 00:14:21.380 彼は「このゲームでテスターがどれだけのことをして くれたかについて本当に感謝しています」と言った 00:14:21.380 --> 00:14:25.520 そのテスターのグループには パズルの達人たちが含まれていることが判明している 00:14:25.520 --> 00:14:32.500 「Ending」「A Good Snowman is Hard to Build」 「Pipe Push Paradise」「Starseed Pilgrim」 00:14:32.500 --> 00:14:35.180 「Minit」および「The Witness」の 背後にいるデザイナーたちだ 00:14:37.540 --> 00:14:42.780 Baba Is Youは驚くほど馬鹿げた 気が遠くなるほど複雑なゲームだ 00:14:42.780 --> 00:14:46.100 そして良いパズルを作ろうとするあまり それは把握するのが難しくなったり 00:14:46.100 --> 00:14:50.640 難解すぎて理解できなくなったり 自由すぎるものになる可能性もあった 00:14:50.640 --> 00:14:54.660 しかしArvi Teikariは パズルデザインの達人であることが証明されている 00:14:54.660 --> 00:15:00.640 彼はBaba Is Youの癖のあるロジックをゆっくりと 巧みに紹介しているため、誰もが理解可能だ 00:15:00.640 --> 00:15:02.760 彼はリバースエンジニアリングプロセスにより 00:15:02.760 --> 00:15:05.960 課題のレイヤーの下に 巧妙なトリックを埋めこむことに成功している 00:15:05.960 --> 00:15:08.620 しかしそれらは決して偽物や 無意味で雑多なものではない 00:15:08.620 --> 00:15:12.240 それらはパズルの中心にプレイヤーを導くことだ 00:15:12.240 --> 00:15:16.160 そして彼は困難すぎる挑戦よりも 驚きや愚かさに興味があり 00:15:16.160 --> 00:15:20.320 プレイヤーを苛立たせる以上に あなたを笑わせるゲームを作った 00:15:20.320 --> 00:15:24.240 本当に素晴らしい 新鮮なコンセプトに基づいて構築され 00:15:24.240 --> 00:15:25.960 完璧に実行されたパズルゲームだ 00:15:25.960 --> 00:15:29.480 そんな至極明快なことが、今年最後の動画だ 00:15:31.480 --> 00:15:33.720 ねえ、見てくれてありがとう! 00:15:33.720 --> 00:15:37.760 ちょっと時間をとって「2019年のすべての サポートに感謝している」と言いたい 00:15:37.760 --> 00:15:42.120 僕は自分が作ったものを本当に誇りに思っており あなた達のサポートはかけがいのないものだった 00:15:42.120 --> 00:15:46.880 すでに来年分のたくさんのビデオのアイデアが 浮かんでいるけど、今は少し休憩の時間だ 00:15:46.880 --> 00:15:51.480 素晴らしいクリスマスをお過ごしください 新年にまたお会いしよう