1 00:00:04,340 --> 00:00:08,640 毎年12月に1年の最後のビデオとして 過去1年間にプレイした中で 2 00:00:08,640 --> 00:00:12,980 最も革新的で独創的なゲームを取り上げている 3 00:00:12,980 --> 00:00:17,100 過去数年で、YouTube探偵ドラマの『Her Story』 4 00:00:17,100 --> 00:00:22,480 不気味なチャットボットゲーム『Event [0]』 蛇シミュレーターの『Snake Pass』 5 00:00:22,480 --> 00:00:26,220 および時間旅行の殺人ミステリー 『Return of the Obra Dinn』などを見てきた 6 00:00:26,220 --> 00:00:30,880 これらのゲームは今まで見たことのないことを成し遂げ そのアイデアと実装の両面は 7 00:00:30,880 --> 00:00:32,760 僕に深い印象を残している 8 00:00:32,760 --> 00:00:35,880 それらはそれぞれの年の 最高のゲームではないかもしれないけど 9 00:00:35,880 --> 00:00:41,360 新鮮なコンセプトをうまくやり遂げたと言う意味で お勧めのゲームだ 10 00:00:41,360 --> 00:00:44,600 2019年の選択肢はたくさんあった 11 00:00:44,600 --> 00:00:51,220 戦闘のないRPGである『Disco Elysium』 滑稽と混乱の『Untitled Goose Game』 12 00:00:51,220 --> 00:00:57,820 SF考古学ゲームの『Outer Wilds』 もう一つのSF考古学ゲーム『Heaven’s Vault』など 13 00:00:57,820 --> 00:01:02,340 しかし今年は、この知性溶解パズルゲームに 勝るものはないだろう 14 00:01:02,340 --> 00:01:05,920 それが『Baba Is You』だ 15 00:01:05,920 --> 00:01:09,060 さあ、一見するとこのゲームの見た目は 非常にシンプルだ 16 00:01:09,060 --> 00:01:15,030 あなたはグリッドを跳ね回り、ブロックを押す ブロック・プッシュ型のパズルの一つと言えるだろう 17 00:01:15,030 --> 00:01:18,080 日本生まれのパズルゲーム 『倉庫番』の遠い子孫だ 18 00:01:18,090 --> 00:01:21,180 しかし、ここから奇妙なことになる 19 00:01:21,180 --> 00:01:25,640 各ステージ上には、ゲームのルールが 画面上に簡単な文章として書かれている 20 00:01:25,640 --> 00:01:27,240 例えば「ババ イズ ユー」のように 21 00:01:27,240 --> 00:01:30,660 これはプレイヤーがBabaと呼ばれる変な白い生き物を コントロールできることを意味する 22 00:01:30,660 --> 00:01:34,520 または「ウォール イズ ストップ」のように プレイヤーは壁を通り抜けることはできない 23 00:01:34,520 --> 00:01:37,520 「ロック イズ プッシュ」は岩を押すことができ 24 00:01:37,520 --> 00:01:42,180 「フラッグ イズ ウィン」は旗に触れることで ステージをクリアできることを意味する 25 00:01:42,180 --> 00:01:44,220 そして、ここに発想の転換がある 26 00:01:44,220 --> 00:01:48,000 これらのルールは、それ自体が 押すことができるブロックになっている 27 00:01:48,000 --> 00:01:51,440 プレイヤーはゲームが予め定めたロジックを破壊し 28 00:01:51,440 --> 00:01:55,180 ルールを書き変えて まったく新しいゲームプレイを創造できる 29 00:01:55,180 --> 00:01:58,680 たとえば、「ストップ」という単語を 「ウォール イズ ストップ」から削除すると 30 00:01:58,680 --> 00:02:01,039 壁を通過できるようになる 31 00:02:01,040 --> 00:02:04,320 「フラッグ イズ ウィン」を 「ロック イズ ウィン」に変更すれば 32 00:02:04,320 --> 00:02:06,380 岩がステージのゴールになった 33 00:02:06,380 --> 00:02:08,400 または、この文章に「ロック」を押しこむと 34 00:02:08,420 --> 00:02:12,620 ゲームの主人公をただの茶色い岩に 切り替えることもできる 35 00:02:12,620 --> 00:02:13,700 なんと厚かましい 36 00:02:13,700 --> 00:02:18,680 用意された数百のステージは 初見では決して簡単にはクリアできない 37 00:02:18,680 --> 00:02:24,920 だけど世界のルールを書き換えることで それも可能となる 38 00:02:24,920 --> 00:02:28,200 それは無限に知的であり 終わりのない驚きに満ちている 39 00:02:28,200 --> 00:02:30,440 もちろん難しい、が不可能とはほど遠いものであり 40 00:02:30,440 --> 00:02:35,520 事実上すべてのステージは満足のいく 「アハッ!」の瞬間を備えた価値ある体験だ 41 00:02:35,540 --> 00:02:39,340 まだあなたがプレイしていない場合は 今すぐ動画を一時停止し 42 00:02:39,340 --> 00:02:42,840 SteamまたはSwitch eShopに行って ゲームを入手してほしい 43 00:02:42,840 --> 00:02:44,620 きみも気に入ることを願ってるよ 44 00:02:44,620 --> 00:02:46,640 完了したら、忘れずに戻ってきて 45 00:02:46,640 --> 00:02:51,040 この脳が破裂するパズルをどうやって作ったのか について、もっと話し合おう 46 00:02:52,060 --> 00:02:56,920 Baba Is Youは、フィンランドの インディーゲーム開発者であるArvi Teikariが開発した 47 00:02:56,920 --> 00:03:03,940 彼は「2017年の Nordic Game Jam の一環として ゲームを作ったことに触発された」と教えてくれた 48 00:03:03,940 --> 00:03:06,380 ジャムのテーマは「Not There(いない)」だった 49 00:03:06,380 --> 00:03:10,840 彼はその「Not(ではない)」から プログラミング言語のNot演算子の着想を得る 50 00:03:10,840 --> 00:03:15,660 それをブロック・プッシュ型のパズルと 自分の構想を組み合わせた 51 00:03:15,660 --> 00:03:21,020 「それはこんな思いつきをもたらしました。氷が溶岩の 中にあっても溶けないこともあるかもしれない。 52 00:03:21,020 --> 00:03:24,060 もしそれが"アイス イズ ノット メルト(氷は溶けない)" 状態の氷だったら」 53 00:03:24,060 --> 00:03:28,420 プロトタイプのしょぼいBaba Is Youは そのGame Jamに勝ち 54 00:03:28,420 --> 00:03:30,600 周りの反応は非常に好意的だったため 55 00:03:30,600 --> 00:03:35,620 Teikariはそのゲームをフルボリュームにまで 作り込みリリースすることに決める 56 00:03:35,620 --> 00:03:41,880 2年後、デザイナーはプレイヤーのための 約219の超知的なステージを生み出してしてくれた 57 00:03:41,880 --> 00:03:46,820 では、正確には、Baba Is Youのステージは どのように作成されるのだろうか? 58 00:03:46,820 --> 00:03:51,020 始めにTeikariは ゲームに登場している単語とルールから 59 00:03:51,020 --> 00:03:56,040 面白い相互作用、または構成について考える 60 00:03:56,040 --> 00:04:01,380 たとえば「プル(引く)」は、Kekeが湖を横切って 鍵を運ぶ必要があるステージで使える可能性がある 61 00:04:01,380 --> 00:04:07,760 「テレポート」はオブジェクトをだけでなく ルール自体も移動させることができるだろう 62 00:04:07,760 --> 00:04:13,140 また「ハズ(持つ)」という言葉は Kekeが死ぬたびに箱をドロップし 63 00:04:13,140 --> 00:04:15,940 その箱がすぐにKekeに 戻るようなステージで役に立つだろう 64 00:04:15,940 --> 00:04:17,080 狂ってる 65 00:04:17,080 --> 00:04:21,480 今年の夏、バルセロナで開催されたGamelab カンファレンスで、Teikariは次のように語っている 66 00:04:21,480 --> 00:04:25,260 「"よし、それをこのステージでやって見ようか" というアイデアを思いついたら 67 00:04:25,260 --> 00:04:31,600 プレイヤーがその相互作用を使わないと 解けないステージをどうやって構築するべきか 68 00:04:31,600 --> 00:04:34,260 常に見つけようとしています」 69 00:04:34,260 --> 00:04:38,100 そしてそこから Baba Is Youの中心にある魅力的な矛盾にたどり着く 70 00:04:38,100 --> 00:04:42,620 なぜなら、これは一見 無限の可能性を提供するゲームだ 71 00:04:42,620 --> 00:04:46,400 しかしこのパズルはあなたができないことによって 大部分が定義されている 72 00:04:46,400 --> 00:04:50,500 なぜなら、全く制限のないパズルゲームの作成は 面白い試みのように思えるが 73 00:04:50,500 --> 00:04:52,800 しかし蓋を開けてみると簡単な答えが得られてしまう 74 00:04:52,800 --> 00:04:57,480 「ジェットパック」という言葉で書くことで ステージの半分をクリアできるScribblenautsのように 75 00:04:57,480 --> 00:05:02,600 したがってデザイナーの仕事は 実際にはあなたを閉じ込めて制限をかけることだ 76 00:05:02,600 --> 00:05:07,340 そしてBaba Is Youの場合は 画面に表示されている、またはされていない文字 77 00:05:07,340 --> 00:05:11,140 一部の文章が壁に押し付けられたり フェンスの後ろにあったり 78 00:05:11,140 --> 00:05:14,260 あなたの動きを制限する閉所恐怖症的な 空間などによってそれが達成されている 79 00:05:14,260 --> 00:05:18,600 これらの制限を設定することで デザイナーは簡単な答えを締め出し 80 00:05:18,600 --> 00:05:22,160 パズルの中心にある巧妙なトリックを 見つけることを強制させている 81 00:05:22,160 --> 00:05:25,060 Teikariは、このプロセスを 「リバースエンジニアリング」と呼んでいる 82 00:05:25,060 --> 00:05:30,160 本質的な解決策から始め その後逆方向に働きかけて制限を投げかけ 83 00:05:30,160 --> 00:05:32,280 本質をサポートするパズルを作成する方法のことだ 84 00:05:32,280 --> 00:05:36,380 例として、「Baba Doesn's Respond」 というステージを取り上げよう 85 00:05:36,380 --> 00:05:42,760 このステージはプレイヤーはKekeを操作し 解決策は2本のベルトで間接的にBabaを動かすことだ 86 00:05:42,760 --> 00:05:46,260 それでは、デザイナーは どのようにこの相互作用を強制するのだろうか 87 00:05:46,260 --> 00:05:52,040 まず、Kekeと旗の間に 壁と鍵のかかったドアを配置する 88 00:05:52,040 --> 00:05:55,900 ここに「ドア イズ シャット アンド オープン」のような ルールを設定した場合 89 00:05:55,900 --> 00:06:00,340 「シャット」という単語を押すことで 旗まで移動できるようになる 90 00:06:03,760 --> 00:06:08,280 しかしここにリードを配置して 最初の文を作成すると同時に 91 00:06:08,280 --> 00:06:11,560 「リード イズ デフェイート(負かす)」 というルールが作成されるようにすると 92 00:06:11,560 --> 00:06:13,860 Kekeは困ったことになる 93 00:06:14,480 --> 00:06:18,220 ドアを開けると そのドアへの移動も拒否されてしまうのだ 94 00:06:18,220 --> 00:06:20,620 うーん これは困った 95 00:06:20,620 --> 00:06:24,460 したがってプレーヤーは、ルールが成立したときには 96 00:06:24,460 --> 00:06:27,580 Kekeがすでにこの場所に立っていて 欲しいことを理解し 97 00:06:27,580 --> 00:06:31,840 ルールを遠くから動かす方法を見つけ出す必要がある 98 00:06:31,840 --> 00:06:34,080 答えは「ババ イズ ムーブ」 99 00:06:34,080 --> 00:06:37,700 でもBabaをここまで持ってきて 「ババ イズ ムーブ」を作成し 100 00:06:37,700 --> 00:06:39,300 所定の場所まで歩いて 101 00:06:39,300 --> 00:06:44,080 Babaがルール押し込むのを待つことができると このステージはあまりにも簡単になりすぎてしまう 102 00:06:44,080 --> 00:06:46,820 そのため、いくつかの制限が追加される 103 00:06:46,820 --> 00:06:50,479 この出っ張ったヘッジブロックにより Babaの助走が短くなる 104 00:06:50,480 --> 00:06:54,740 また、「ムーブ」が角にあると移動できない 105 00:06:54,740 --> 00:07:00,120 だから「ババ イズ ムーブ」は 画面の左の角で作成する必要がでてくる 106 00:07:00,120 --> 00:07:06,260 これらを組み合わせると、「ババ イズ ムーブ」を作成 して、重要な場所まで行くことができなくなった 107 00:07:06,260 --> 00:07:10,680 なぜならあなたがそこにつくまでに Babaはすでにリードを致死的なものにしているからだ 108 00:07:10,680 --> 00:07:15,960 したがってこれらのベルトを使用して Babaが通るべき長い道のりを作成する必要がある 109 00:07:15,960 --> 00:07:17,180 チューチューロケット式に 110 00:07:17,180 --> 00:07:22,280 これにより、ルールを構成する前に ステージを横断するための時間が与えられた 111 00:07:22,280 --> 00:07:26,660 あとは、ちょっとした装飾を振りかけ 他のおまけをちょっと入れれば完成だ 112 00:07:26,660 --> 00:07:30,380 動きを制限したり 意図しない解決策を制するためのものをね 113 00:07:30,389 --> 00:07:32,940 ただしデザイナーにより多くのそれらは 114 00:07:32,940 --> 00:07:36,100 ゲームの真の解決策を 下らないものにしないよう残されている 115 00:07:38,900 --> 00:07:43,240 見てもわかるように パズルの解決策の本質は非常に単純だ 116 00:07:43,240 --> 00:07:48,620 しかし一連の課題の背後にある答えを難読化すると 興味深い現象が発生する 117 00:07:48,620 --> 00:07:52,780 Teikariがゴール側からゲームを作ることで 彼がパズルの開始条件まで到達したときには 118 00:07:52,780 --> 00:07:54,659 その後ろの扉は鍵付きになるのだ 119 00:07:54,660 --> 00:07:57,640 次に、プレイヤーは彼の反対方向から移動を開始し 120 00:07:57,640 --> 00:08:01,400 解決できるまでドアの鍵を 順番に開き続けることになる 121 00:08:01,400 --> 00:08:03,860 このようにステージを設定することにより 122 00:08:03,860 --> 00:08:07,520 プレーヤーは解決への到達に正に魅了されるのだ 123 00:08:07,520 --> 00:08:11,700 各ステージには プレーヤーに創造的な解決方法を模索させるため 124 00:08:11,700 --> 00:08:16,140 何かを不可能にする制限を含んでいる 125 00:08:16,140 --> 00:08:21,700 これらのつまずきは互いに重なり合って ステージクリアへの道を作っている 126 00:08:21,700 --> 00:08:25,400 これが僕のお気に入りのステージ 「Tiny Pond」での様子だ 127 00:08:25,400 --> 00:08:29,580 このステージでは 「ウィン」という単語を池から解放する必要がある 128 00:08:29,580 --> 00:08:33,900 水は「シャット」 Babaは「オープン」と定義されている 129 00:08:33,900 --> 00:08:39,480 つまりプレイヤーは池の中に入ってロックを解除する ことができるが、それは同時にBabaの破壊も意味する 130 00:08:39,480 --> 00:08:42,620 だから、何か他のものを試す必要がある 131 00:08:42,620 --> 00:08:47,400 「キー」と「フラッグ」という2つの単語があるため 「キー イズ オープン」を作成ができる 132 00:08:47,400 --> 00:08:50,920 しかしここには「プッシュ」という動詞がないため 鍵は動かせない 133 00:08:50,920 --> 00:08:55,700 それを動かす唯一の方法は「キー イズ ユー」を 作ることだが、同じ問題がある 134 00:08:55,700 --> 00:08:58,320 水に触れるとあなたは破壊されてしまう 135 00:08:59,660 --> 00:09:01,700 あなたはまだこう考えるかもしれない 136 00:09:01,700 --> 00:09:06,040 「大丈夫、鍵とBabaの両方に なることができるかもしれない。 137 00:09:06,040 --> 00:09:09,360 そうすれば片方が死んでも もう片方をコントロールできる」 138 00:09:09,360 --> 00:09:13,020 だが残念なことに その文章を機能させるのに十分な単語はない 139 00:09:13,020 --> 00:09:16,540 しかし、これまでもあなたは 論理的な飛躍を手にしてきた 140 00:09:16,540 --> 00:09:18,920 そして今前進する唯一の可能な方法がある 141 00:09:18,920 --> 00:09:22,340 もし「フラッグ イズ キー」作成できたら 鍵を複製できる 142 00:09:22,340 --> 00:09:25,780 そして「キー イズ ユー」を作り出せば プレイヤーは両方をコントロールし 143 00:09:25,780 --> 00:09:31,520 1つを犠牲にして水に穴を開け 残りの鍵を操作してステージをクリアできる 144 00:09:33,900 --> 00:09:35,860 本当に巧妙だ 145 00:09:35,860 --> 00:09:40,640 ステージの構成により このステージの中心的な課題がすぐ理解できた 146 00:09:40,640 --> 00:09:45,080 操作キャラクターは「オープン」である必要があるが 自分自身を使用したときに消えてしまいたくはない 147 00:09:45,080 --> 00:09:49,080 そして、我々は試行錯誤の末に 真の解決策を見つけ出し 148 00:09:49,080 --> 00:09:52,640 「アハッ!」の瞬間を得られるのだ 149 00:09:52,640 --> 00:09:56,240 もしこれがこのゲームにおける 最初のステージだった場合 150 00:09:56,240 --> 00:09:58,220 あなたは完全に困惑することだろう 151 00:09:58,220 --> 00:10:00,520 しかし幸いなことに Baba Is Youをプレイするということは 152 00:10:00,520 --> 00:10:05,460 プレイする全てのステージごとに成長でき 知識を追加できることを意味する 153 00:10:05,460 --> 00:10:11,860 そのため「Tiny Pond」は、2人のキャラクターを 一度に制御する「Jelly Throne」のマップに配置される 154 00:10:11,860 --> 00:10:16,460 そして「Tiny Pond」の解決策は 「Unreachable Shores」のステージでも再び現れる 155 00:10:16,460 --> 00:10:20,760 そこではKekeを1つ犠牲にし 生存者が前進できる 156 00:10:20,760 --> 00:10:23,960 しかしこの種の学習はゲームの最初から始まる 157 00:10:23,960 --> 00:10:29,520 Baba Is Youはかなり複雑なパズルゲームだ だが、チュートリアルは1つもない 158 00:10:29,520 --> 00:10:34,580 代わりにゲームの開始後のパズルは 解決を通じてこのゲームがどのように機能するかを 159 00:10:34,580 --> 00:10:37,540 巧みにかつ静かに教えてくれる 160 00:10:37,540 --> 00:10:40,620 ステージ1では あなたは小さな箱の中に閉じ込められている 161 00:10:40,620 --> 00:10:43,580 外に出る方法は1つしかない 162 00:10:43,580 --> 00:10:47,600 それは「ウォール イズ ストップ」という文章を断ち 壁をもはや堅固な物体ではなくすることだ 163 00:10:47,600 --> 00:10:51,540 次に「フラッグ イズ ウィン」という文章を作り ステージを終える 164 00:10:51,540 --> 00:10:56,940 これはゲームの最も基本的な2つの概念である ルールの破壊と創造だ 165 00:10:56,940 --> 00:11:01,520 ステージ2は先とまったく同じような構成だが すべてがおかしな事になっている 166 00:11:01,520 --> 00:11:06,560 あなたは壁であり、壁は旗であり Babaはどこにもいない 167 00:11:06,560 --> 00:11:10,760 これにより、このゲームには 固定化された価値は何もないということがわかる 168 00:11:10,760 --> 00:11:13,640 もしプレイヤーに何か動機を与えるとするならば それはルールの一部であるときだけだ 169 00:11:13,640 --> 00:11:17,660 ゲームの最初の数ステージはこのような状態を維持し 170 00:11:17,660 --> 00:11:21,620 後で知る必要がある基本的な概念を提供している 171 00:11:21,620 --> 00:11:26,260 ここでは「ラーバ(溶岩) イズ プッシュ」は 「ラーバ イズ ホット」を上書きでき 172 00:11:26,260 --> 00:11:29,860 このパズルでは ルールを十字の形で作成することにより 173 00:11:29,860 --> 00:11:32,720 同じ「イズ」ブロックから 2つのルールを作成できることを学べる 174 00:11:32,720 --> 00:11:37,440 そしてゲームは冒険を通して新しい概念と アイデアを与え続ける 175 00:11:37,440 --> 00:11:43,140 演算子「アンド」や「オープン」 「シャット」などの新しい概念が導入されるたびに 176 00:11:43,140 --> 00:11:48,120 これらの新しいメカニズムをはっきり理解するための 入門パズルが扱われる 177 00:11:48,120 --> 00:11:52,500 Teikariにこれらの導入段階を どのように行ったかを尋ねると 178 00:11:52,500 --> 00:11:56,720 彼は「要素間のすべての意味のある 相互作用を徹底的に調べれば 179 00:11:56,720 --> 00:12:03,780 最終的には”トリック”が特定の要素における基本的な 機能となるような場所で導入しました 」と述べた 180 00:12:03,780 --> 00:12:09,840 それは各段階の初めに置かれ 来るべきステージのためのチュートリアルとなる 181 00:12:09,840 --> 00:12:14,720 Baba Is Youにはたくさんのパズルがあり 初めてプレイするものを困惑させ 182 00:12:14,720 --> 00:12:17,020 解くと賢くなった気になるが 183 00:12:17,020 --> 00:12:21,700 Teikariの本当の目標は プレイヤーに驚きと笑いの瞬間を提供することだ 184 00:12:21,700 --> 00:12:24,700 YOUTUBER:[笑い] 185 00:12:24,700 --> 00:12:30,100 YOUTUBER:「ウォール イズ ストップ」 なんてルールなかったよ [笑い] 186 00:12:30,100 --> 00:12:35,520 こんなちっぽけな空間に閉じこもって でもそんな必要なんてなかった 187 00:12:35,520 --> 00:12:40,900 それはあなたの期待を弄ぶことによって 確かに行われる 188 00:12:40,900 --> 00:12:45,480 たとえばこのステージでは、ほとんどのプレイヤーは ドアを解錠する必要があると思うだろう 189 00:12:45,480 --> 00:12:48,480 しかし実際には"壁を解錠"する必要がある 190 00:12:48,480 --> 00:12:52,860 また基本的な構想をはるかに超えた おかしなルールもある 191 00:12:52,860 --> 00:12:57,270 「エンプティ(空)」を使用すると、各ステージ内の 空の空間を制御するか何かで埋めることができ 192 00:12:57,270 --> 00:13:00,330 「メイク(作成)」を使用すると 移動時にオブジェクトの軌跡を作成できる 193 00:13:00,330 --> 00:13:04,540 「モア(もっと)」では、空間内のすべての場所を 埋め尽くすまで鍵を複製可能だ 194 00:13:04,540 --> 00:13:10,480 また元になったアイデアと同様に 「ノット」はルールを反転させることができる 195 00:13:10,480 --> 00:13:14,480 さらにすべての相互作用が確実に探求されるよう 196 00:13:14,480 --> 00:13:18,680 Braidの開発者Jonathan Blowと 同様の設計哲学のように 197 00:13:18,680 --> 00:13:23,840 Teikariには「テキスト」という単語があり ルールを他のルールで操作できる 198 00:13:23,840 --> 00:13:26,180 また、「レベル」が導入されると (訳注:レベルとは英語圏でのステージの呼び方の一つ) 199 00:13:26,180 --> 00:13:31,720 画面全体が移動するだけでなく ステージそのものを突破しマップ内を跳ね回り 200 00:13:31,720 --> 00:13:36,040 ゲームの基本ロジックをメタ探検することもできる 201 00:13:36,040 --> 00:13:38,760 もちろん、成功しなかったアイディアも たくさんあった 202 00:13:38,760 --> 00:13:42,040 Teikariは、オブジェクトを まとめてしまう「スティック」は 203 00:13:42,040 --> 00:13:45,360 悪夢のようなプログラムの問題を引き起こしたため 削除したと言っている 204 00:13:45,360 --> 00:13:48,360 そしてオブジェクトを無敵にする「セーフ」は 205 00:13:48,360 --> 00:13:52,640 ゲームをぼんやりとさせて面白くなかったので 完成版には採用されていない 206 00:13:52,640 --> 00:13:55,640 ゲームに参加できたすべてが 完全な勝者というわけでもない 207 00:13:55,640 --> 00:14:00,780 僕に言わせれば、Kekeを単語の後ろに置き コーナーからそれらを追い出すステージは 208 00:14:00,780 --> 00:14:02,660 ぎこちなくて混乱しやすく 209 00:14:02,660 --> 00:14:06,120 「スワップ」は「テレポート」のようだが あまりクールでもなかった 210 00:14:06,120 --> 00:14:11,240 200ほどのステージの中には 全ての人にとって、しっくりこないものもあるだろう 211 00:14:11,240 --> 00:14:14,240 しかしTeikariにはステージについて フィードバックを与えたテスターの軍団がおり 212 00:14:14,240 --> 00:14:17,040 彼らはゲームの迂回方法を発見しつづけた 213 00:14:17,040 --> 00:14:21,380 彼は「このゲームでテスターがどれだけのことをして くれたかについて本当に感謝しています」と言った 214 00:14:21,380 --> 00:14:25,520 そのテスターのグループには パズルの達人たちが含まれていることが判明している 215 00:14:25,520 --> 00:14:32,500 「Ending」「A Good Snowman is Hard to Build」 「Pipe Push Paradise」「Starseed Pilgrim」 216 00:14:32,500 --> 00:14:35,180 「Minit」および「The Witness」の 背後にいるデザイナーたちだ 217 00:14:37,540 --> 00:14:42,780 Baba Is Youは驚くほど馬鹿げた 気が遠くなるほど複雑なゲームだ 218 00:14:42,780 --> 00:14:46,100 そして良いパズルを作ろうとするあまり それは把握するのが難しくなったり 219 00:14:46,100 --> 00:14:50,640 難解すぎて理解できなくなったり 自由すぎるものになる可能性もあった 220 00:14:50,640 --> 00:14:54,660 しかしArvi Teikariは パズルデザインの達人であることが証明されている 221 00:14:54,660 --> 00:15:00,640 彼はBaba Is Youの癖のあるロジックをゆっくりと 巧みに紹介しているため、誰もが理解可能だ 222 00:15:00,640 --> 00:15:02,760 彼はリバースエンジニアリングプロセスにより 223 00:15:02,760 --> 00:15:05,960 課題のレイヤーの下に 巧妙なトリックを埋めこむことに成功している 224 00:15:05,960 --> 00:15:08,620 しかしそれらは決して偽物や 無意味で雑多なものではない 225 00:15:08,620 --> 00:15:12,240 それらはパズルの中心にプレイヤーを導くことだ 226 00:15:12,240 --> 00:15:16,160 そして彼は困難すぎる挑戦よりも 驚きや愚かさに興味があり 227 00:15:16,160 --> 00:15:20,320 プレイヤーを苛立たせる以上に あなたを笑わせるゲームを作った 228 00:15:20,320 --> 00:15:24,240 本当に素晴らしい 新鮮なコンセプトに基づいて構築され 229 00:15:24,240 --> 00:15:25,960 完璧に実行されたパズルゲームだ 230 00:15:25,960 --> 00:15:29,480 そんな至極明快なことが、今年最後の動画だ 231 00:15:31,480 --> 00:15:33,720 ねえ、見てくれてありがとう! 232 00:15:33,720 --> 00:15:37,760 ちょっと時間をとって「2019年のすべての サポートに感謝している」と言いたい 233 00:15:37,760 --> 00:15:42,120 僕は自分が作ったものを本当に誇りに思っており あなた達のサポートはかけがいのないものだった 234 00:15:42,120 --> 00:15:46,880 すでに来年分のたくさんのビデオのアイデアが 浮かんでいるけど、今は少し休憩の時間だ 235 00:15:46,880 --> 00:15:51,480 素晴らしいクリスマスをお過ごしください 新年にまたお会いしよう