1 00:00:00,488 --> 00:00:04,213 (クリス・アンダーソン)お話いただくのは 以前 TEDGlobalに登壇された方です 2 00:00:04,213 --> 00:00:06,419 おそらく 7年前だったと思います 3 00:00:06,431 --> 00:00:09,377 ウーリ・アロン教授です 4 00:00:09,377 --> 00:00:12,058 ワイツマン科学研究所に在籍しておられます 5 00:00:12,058 --> 00:00:14,337 さて ウーリ教授と同僚の方々は 6 00:00:14,337 --> 00:00:18,439 ある重大な問いに答える 有望な戦略を生み出しました 7 00:00:18,439 --> 00:00:19,603 一体どうすれば 8 00:00:19,603 --> 00:00:26,084 感染流行の第2波を発生させることなく 元どおりに生活できるようになるのか? 9 00:00:27,598 --> 00:00:29,911 ウーリ・アロン教授 TEDへようこそ 10 00:00:29,911 --> 00:00:33,676 (ウーリ・アロン)ありがとうございます ふたたび参加できて 光栄です 11 00:00:33,676 --> 00:00:35,890 (クリス)またお目にかかれて 何よりです 12 00:00:35,890 --> 00:00:39,620 さて あなたのアイデアのカギとなるのは 13 00:00:39,620 --> 00:00:43,779 基本再生産数つまり「R」や「R0」への こだわりですね 14 00:00:43,779 --> 00:00:46,506 もし その数が1より少なければ 15 00:00:46,506 --> 00:00:49,894 1人の感染者からは 1人に満たない感染者しか発生せず 16 00:00:49,894 --> 00:00:53,647 最終的に 感染は消滅する 17 00:00:53,647 --> 00:00:56,602 人々が心配しているのは 元どおり出勤する生活に戻ったとたん 18 00:00:56,602 --> 00:00:58,909 R が ふたたび1以上に 跳ね上がることです 19 00:00:58,909 --> 00:01:01,354 それをどう回避できるかに関する ご提案ですね 20 00:01:01,354 --> 00:01:03,249 その提案とは? 21 00:01:05,115 --> 00:01:06,291 (ウーリ)はい 22 00:01:06,291 --> 00:01:08,098 私たちが提案しているのは 23 00:01:08,098 --> 00:01:12,574 このウイルスの生態に基づき 弱点を突く戦略で 24 00:01:12,574 --> 00:01:15,584 出勤と外出禁止を繰り返すサイクルです 25 00:01:15,926 --> 00:01:19,001 ウイルスの脆弱性を突く戦略です 26 00:01:19,001 --> 00:01:24,135 すなわち ウイルスに感染してから 最初の3日間は感染力がないという点です 27 00:01:24,135 --> 00:01:26,196 その間は他者へ感染しないと考えられ 28 00:01:26,196 --> 00:01:29,316 その後 平均2日で症状があらわれます 29 00:01:29,587 --> 00:01:33,647 私たちが提案する戦略では まず 4日間出勤し 30 00:01:33,647 --> 00:01:36,080 その後 10日間の外出禁止 31 00:01:36,080 --> 00:01:39,398 次の2週間も再び 4日間出勤し 10日間外出禁止です 32 00:01:39,398 --> 00:01:42,251 こうすれば 誰かが職場で感染したとしても 33 00:01:42,582 --> 00:01:45,872 その人の感染力がピークに達するのは 外出禁止期間中になります 34 00:01:45,872 --> 00:01:48,737 こうやって 他の多くの人への感染を回避するのです 35 00:01:49,374 --> 00:01:52,512 このサイクルは ウイルスの伝染を制限します 36 00:01:52,522 --> 00:01:55,090 また 2週間のうち4日間だけ出勤することで 37 00:01:55,090 --> 00:01:58,025 多くの人がウイルスに曝露する時間を 制限します 38 00:01:58,025 --> 00:01:59,970 これは とても有効です 39 00:01:59,970 --> 00:02:02,152 みんなで 一斉に4日間出勤し 40 00:02:02,152 --> 00:02:04,360 同期間に 子ども達は 4日間学校へ行く 41 00:02:04,360 --> 00:02:09,071 ソーシャルディスタンスを保ち マスクをつけるなどの対策をしておき 42 00:02:09,071 --> 00:02:11,561 その後 外出禁止期間に入るのです 43 00:02:12,401 --> 00:02:14,917 (クリス)ということは 最悪の場合 44 00:02:14,917 --> 00:02:18,215 たとえば 4日間勤務の初日 月曜の朝に出勤し 45 00:02:18,215 --> 00:02:22,269 仕事に行く途中 地下鉄で感染したとしても 46 00:02:22,269 --> 00:02:25,669 この戦略なら 理論上は 出勤期間である4日間の最終日まで 47 00:02:25,669 --> 00:02:29,614 他者に感染させる状態に 入っていないということですね? 48 00:02:30,259 --> 00:02:31,264 (ウーリ)その通りです 49 00:02:31,264 --> 00:02:32,548 地下鉄で感染しても 50 00:02:32,548 --> 00:02:36,393 最初の3日ほどは 潜伏期間ですから 51 00:02:36,393 --> 00:02:38,022 同僚に感染させないでしょう 52 00:02:38,022 --> 00:02:40,757 感染力のピークを自宅で迎えるということは 53 00:02:40,757 --> 00:02:43,200 自宅での二次感染が予想されますが 54 00:02:43,200 --> 00:02:46,710 その場合 症状が出た人は 自宅で隔離状態に入る 55 00:02:46,710 --> 00:02:50,407 そうすれば 長期的に見れば Rは1より少なくなります 56 00:02:50,407 --> 00:02:53,145 コロナの流行は このサイクルを続けることにより 57 00:02:53,145 --> 00:02:55,199 消滅していくでしょう 58 00:02:57,420 --> 00:03:01,198 (クリス)でも もどかしい話ですが 59 00:03:01,198 --> 00:03:02,938 こう言い出す人がいるかもしれません 60 00:03:02,938 --> 00:03:05,009 「待って 自宅で家族に感染させたくないよ 61 00:03:05,009 --> 00:03:07,533 むしろ 職場の人に感染させる方がましだ」と 62 00:03:07,533 --> 00:03:09,137 そんな意見に対しては? 63 00:03:09,137 --> 00:03:10,180 (ウーリ)そうですね 64 00:03:10,180 --> 00:03:11,674 代替案を検討してみましょう 65 00:03:11,674 --> 00:03:15,678 もし 経済活動を再開させ 第2波が発生した場合 66 00:03:15,678 --> 00:03:19,305 結局 ロックダウンが起こって そういう感染は免れませんし 67 00:03:19,305 --> 00:03:22,302 その間 経済は深刻な打撃を被る などなど 68 00:03:22,302 --> 00:03:24,508 ですので 長い目で見て 69 00:03:24,508 --> 00:03:26,337 このサイクル戦略を使って 70 00:03:26,337 --> 00:03:28,899 Rを1未満に抑えれば 71 00:03:28,899 --> 00:03:33,916 少なくとも このような数理モデルと 数学的考察からすれば 72 00:03:34,340 --> 00:03:38,316 第2波が発生したとしても 大幅に感染者が増えるのを 避けられます 73 00:03:38,989 --> 00:03:44,264 (クリス)ふむ 家族への配慮を ー すみません どうぞ続けてください 74 00:03:44,429 --> 00:03:47,954 (ウーリ)家族の誰かが感染していても 感染は 家族全員には広まらないでしょう 75 00:03:47,954 --> 00:03:52,195 複数の研究によると 罹患率は 10〜30%です 76 00:03:52,869 --> 00:03:54,048 (クリス)なるほど 77 00:03:54,048 --> 00:03:57,598 ただ この戦略を取ることで 家族を守れるという期待もあるわけですよね 78 00:03:57,598 --> 00:03:59,642 職場ではほとんど 79 00:03:59,642 --> 00:04:01,731 感染が発生しないとのことですから 80 00:04:01,731 --> 00:04:04,241 そういう戦略ですよね しかし — 81 00:04:04,241 --> 00:04:06,002 (ウーリ)そのとおりです 82 00:04:06,772 --> 00:04:07,800 (クリス)けれども 83 00:04:07,800 --> 00:04:09,698 14日中4日出勤などと言うと 84 00:04:09,698 --> 00:04:12,257 こんな意見が出てくるでしょう 「いいアイデアだが 85 00:04:12,257 --> 00:04:16,262 経済面では生産性が 70%低下するという意味にもなり 86 00:04:16,262 --> 00:04:18,115 うまく行くわけがない」と 87 00:04:18,115 --> 00:04:19,405 ウーリ教授のお考えでは 88 00:04:19,405 --> 00:04:22,345 生産性はそんな大幅に低下しないだろう ということですよね 89 00:04:23,059 --> 00:04:24,177 (ウーリ)そうです 90 00:04:24,177 --> 00:04:26,606 そもそも 多くの人は 土日は仕事が休みですから 91 00:04:26,606 --> 00:04:30,220 従来の労働日数は 2週間なら10日 そのうちの4日間ですから 92 00:04:30,220 --> 00:04:33,460 その4日間のスケジュールを立てておけば 93 00:04:33,460 --> 00:04:36,700 1日の労働時間を通常時より長くしたり シフトを工夫したりして 94 00:04:36,700 --> 00:04:38,100 高い生産性が得られます 95 00:04:38,100 --> 00:04:40,312 その4日間 仕事の優先順位づけを徹底し 96 00:04:40,312 --> 00:04:43,338 10日間の40%をずっと上回る生産率を 達成するようにすればいいのです 97 00:04:44,019 --> 00:04:46,944 (クリス)では 実際どう実践するのか 通しで お話いただけますか 98 00:04:46,944 --> 00:04:48,450 まず初めに 99 00:04:48,450 --> 00:04:52,032 現在 閉鎖されている製造業から イメージしてみましょう 100 00:04:52,032 --> 00:04:55,714 この戦略では つまり 製造会社は 101 00:04:55,714 --> 00:04:59,942 4日間勤務のシフトを 2つか3つ設けて 102 00:04:59,942 --> 00:05:04,625 4日間の勤務で 約35時間ほど 稼働し 103 00:05:04,625 --> 00:05:09,078 勤務日数の少ない中でも 多くの生産性を得る 104 00:05:09,078 --> 00:05:12,681 要は この方法で 生産ラインを 稼働し続ける ということですね? 105 00:05:13,418 --> 00:05:14,593 (ウーリ)そのとおりです 106 00:05:14,593 --> 00:05:18,065 シフトをずらして 交互に実行するというやり方です 107 00:05:18,065 --> 00:05:22,123 全従業員を2つか3つのグループに分け 108 00:05:22,123 --> 00:05:26,137 一つのグループが4日間出勤し その後 10日間の外出禁止期間に入り 109 00:05:26,137 --> 00:05:28,469 もう一つのグループが 4日間出勤をスタートする 110 00:05:28,499 --> 00:05:32,047 これはバル=イラン大学の 研究者仲間が考案したやり方です 111 00:05:32,197 --> 00:05:36,292 この方法にはさらなる利点があります 就業日の従業員密度を下げられるのです 112 00:05:36,292 --> 00:05:37,785 2つのグループに分ければ 113 00:05:37,785 --> 00:05:39,684 密度は半分となり 感染の可能性は減る 114 00:05:39,684 --> 00:05:43,739 このようにして 生産ラインを ほぼ連続的に稼働し続けられるというのが 115 00:05:43,739 --> 00:05:46,904 この交互シフトの考え方です 116 00:05:49,199 --> 00:05:53,813 (クリス)では この考え方を オフィス業の再開に当てはめるとどうでしょう 117 00:05:53,813 --> 00:05:56,575 私たちは すでに体験しているとおり 118 00:05:56,575 --> 00:06:00,289 自宅勤務であっても 高い生産性は実現可能ですので 119 00:06:00,289 --> 00:06:02,660 この戦略で こんな風に 想定することもできますね 120 00:06:02,660 --> 00:06:06,259 4日間 職場で労働する人は 職場でできる一通りのことをする 121 00:06:06,259 --> 00:06:11,230 たとえば 実際に同僚と顔を合わせ 刺激を与え合う 122 00:06:11,230 --> 00:06:14,875 議論したり ブレインストーミングしたり 職場ならではのことをします 123 00:06:14,875 --> 00:06:16,923 一方 外出禁止期間中の人は 124 00:06:16,923 --> 00:06:19,573 今日までの数週間に 私とウーリ教授がしてきたような 125 00:06:19,573 --> 00:06:21,668 単独作業を自宅で行う 126 00:06:21,668 --> 00:06:24,312 こういうやり方も検討されてきましたか 127 00:06:24,312 --> 00:06:28,725 実質的に 職務内容をタイプ別に分けて 128 00:06:28,725 --> 00:06:31,002 この戦略を実践し 129 00:06:31,002 --> 00:06:34,520 通常通りか むしろそれ以上の 生産性を維持するというのは? 130 00:06:34,898 --> 00:06:38,248 (ウーリ)可能でしょう 多くの業種は自宅で効率的に仕事ができますし 131 00:06:38,248 --> 00:06:40,290 複数の産業からの報告では 132 00:06:40,290 --> 00:06:44,388 ロックダウンの間 自宅勤務で 実際に生産性が上がったとのことです 133 00:06:44,388 --> 00:06:47,027 (戦略サイクルの)スケジュールを決めれば 134 00:06:47,027 --> 00:06:49,061 仕事量を制限することができますし 135 00:06:49,061 --> 00:06:52,394 連携する必要がある仕事は 136 00:06:52,394 --> 00:06:56,725 時間を無駄にしないように 効率の高い計画を立てておくのです 137 00:06:56,725 --> 00:07:00,458 自宅で行われる方が効率的な仕事と 逆に 職場の方が効率的という風に 138 00:07:00,458 --> 00:07:01,673 分類できる場合です 139 00:07:01,673 --> 00:07:04,617 職種によっては かなり調整が必要です 140 00:07:04,617 --> 00:07:06,443 ホテル 旅行業 外食産業 などです 141 00:07:06,443 --> 00:07:09,880 その他の産業においても この方法は さらなる考慮と調整が必要となるでしょう 142 00:07:09,880 --> 00:07:13,220 しかし この方法が最適であるとまで 言えるような産業もあり 143 00:07:13,220 --> 00:07:16,852 おそらく この世界的流行の収束後もなお 継続を検討できるでしょう 144 00:07:16,852 --> 00:07:19,649 通常の労働体制と同等以上の 生産性が望めるからです 145 00:07:20,710 --> 00:07:23,326 (クリス)実は このアイデアを読んだあと 146 00:07:23,326 --> 00:07:26,555 我々の組織TEDにも当てはめて考え始め 147 00:07:26,555 --> 00:07:29,994 この戦略が いろんな意味で 適しているかもしれないと思いました 148 00:07:29,994 --> 00:07:33,641 一つ 人の外向性と内向性に関する こんな論点が浮かんできました 149 00:07:33,641 --> 00:07:35,971 内向的な人には 正直なところを言えば 150 00:07:35,971 --> 00:07:38,819 このパンデミックは 天からの恵みかもしれません 151 00:07:38,819 --> 00:07:41,455 仕事のストレスが少なくなったと感じ 152 00:07:41,485 --> 00:07:44,507 集中して仕事できるなどと思っていたり 153 00:07:44,507 --> 00:07:48,481 この4日間勤務のような 戦略を取り入れることで 154 00:07:48,481 --> 00:07:49,615 可能性として 155 00:07:49,615 --> 00:07:55,174 外向的な人 内向的な人 両方に最適な 仕事の世界が考えられそうでしょうか 156 00:07:56,451 --> 00:07:57,633 (ウーリ)はい 157 00:07:57,633 --> 00:07:58,844 全く同感です 158 00:07:58,844 --> 00:08:01,324 私と私のパートナーは 性格が異なりますが 159 00:08:01,324 --> 00:08:03,253 二人とも大学で教鞭をとっていて 160 00:08:03,253 --> 00:08:04,628 こういう形での授業も 161 00:08:04,628 --> 00:08:07,986 色んな意味で 生産性を高めてくれていますから 162 00:08:07,986 --> 00:08:10,200 本当にその通りだと思います 163 00:08:10,200 --> 00:08:13,364 働く人々のそれぞれの創造性を生かしながら 164 00:08:13,364 --> 00:08:17,874 遠隔と現場を混ぜることで生まれる可能性の 片鱗がやっと見えてきたという段階です 165 00:08:18,679 --> 00:08:21,410 (クリス)でも 最前線で働く方々の場合 166 00:08:21,410 --> 00:08:26,368 やはり 商品配達などの業務は 167 00:08:26,368 --> 00:08:29,031 パソコン上ではできません 168 00:08:29,031 --> 00:08:30,810 そういう職業の場合 169 00:08:30,810 --> 00:08:34,200 4日間勤務と外出禁止を繰り返す この戦略において 170 00:08:34,200 --> 00:08:36,766 どのようにして 自宅で過ごす時間をも 171 00:08:36,766 --> 00:08:38,956 職務内容と関連させることが できるのでしょうか? 172 00:08:38,956 --> 00:08:41,639 何らかのトレーニングを行うとか? 173 00:08:41,656 --> 00:08:48,091 それよりむしろ 4日間集中的に 実地での仕事をすることになるのでしょうか? 174 00:08:48,309 --> 00:08:53,952 おそらく このシナリオでは 通常時の給料全額を 完全には稼げないが 175 00:08:53,990 --> 00:08:56,056 それでも 完全にロックダウンを解除して 176 00:08:56,056 --> 00:08:59,931 みんなが職場に戻り 第2波を迎えるよりは ましだ ということでしょうか? 177 00:09:00,863 --> 00:09:02,188 (ウーリ)そのとおりです 178 00:09:02,188 --> 00:09:03,193 社会全体で見ると 179 00:09:03,193 --> 00:09:05,017 規制を解除し 次の波を招いて 180 00:09:05,017 --> 00:09:07,469 完全なロックダウンを 要するよりはマシなのです 181 00:09:07,469 --> 00:09:09,423 病院でシフト労働をする人に対しては 182 00:09:09,423 --> 00:09:12,851 このようなプログラムを採用した病院が すでにいくつかあります 183 00:09:12,851 --> 00:09:15,796 シフト労働者を守り 他グループとは混ぜません 184 00:09:15,796 --> 00:09:18,480 またこの方法は かなり単純で明瞭ですので 185 00:09:18,480 --> 00:09:20,371 いつ出勤するものなのか理解しやすく 186 00:09:20,371 --> 00:09:23,245 なにより 安心できます 187 00:09:23,245 --> 00:09:28,444 このやり方の効率に関しては 科学的モデルで計算済みだからです 188 00:09:28,444 --> 00:09:32,320 また 特定の職種に限らず 誰もが職場に出かけられるという点で 189 00:09:32,320 --> 00:09:34,370 公平であると言えますし 190 00:09:34,370 --> 00:09:35,366 透明性も高いのです 191 00:09:35,555 --> 00:09:38,463 (会話重複) 192 00:09:40,452 --> 00:09:41,692 (クリス)では このやり方は 193 00:09:41,692 --> 00:09:45,193 個々の会社レベルで運用するのが 最適なのでしょうか 194 00:09:45,193 --> 00:09:48,539 それとも 都市全体でやる方がいいのか 195 00:09:48,539 --> 00:09:50,998 いっそ国全体で 一斉にやる方がいいのでしょうか? 196 00:09:51,857 --> 00:09:54,322 (ウーリ)どの規模でやっても うまく機能すると考えています 197 00:09:54,322 --> 00:09:57,959 会社によっては スムーズに取り入れられるでしょう 198 00:09:57,959 --> 00:09:59,938 病院や学校などもそうです 199 00:09:59,938 --> 00:10:02,793 町単位や地域単位でも機能しうると思います 200 00:10:02,793 --> 00:10:05,000 お勧めのやり方としては 201 00:10:05,000 --> 00:10:09,194 1か月とか期間を決めて試験的に実施し 事態を見守ることです 202 00:10:09,194 --> 00:10:12,988 悪化したら 労働日数を少なくしたり 203 00:10:12,988 --> 00:10:15,955 逆に 早急に収束してきたら 労働日数を増やすなど 204 00:10:15,955 --> 00:10:20,134 状況や 対象者の勤務地域に合わせて 調整をすればいい 205 00:10:20,134 --> 00:10:23,551 このように かなり応用が効くわけです 206 00:10:24,161 --> 00:10:26,861 (クリス)では 親の仕事と 学校の予定を合わせれば 207 00:10:26,861 --> 00:10:33,277 途端に 子供の通学日には親が通勤できる という状況になるわけですね 208 00:10:33,277 --> 00:10:34,371 そして … 209 00:10:34,371 --> 00:10:35,627 (ウーリ)おっしゃるとおりです 210 00:10:35,627 --> 00:10:38,251 (クリス)つまり 具体的にはこうですか? 211 00:10:38,251 --> 00:10:40,960 国中の世帯をそれぞれ 実際に 212 00:10:40,960 --> 00:10:45,307 AとBなどのカテゴリーのようなものに分け 213 00:10:45,307 --> 00:10:48,586 出勤日と通学日を合わせるといった 実施ができるようにすると 214 00:10:49,173 --> 00:10:50,358 (ウーリ)そのとおりです 215 00:10:50,358 --> 00:10:53,533 A・Bと区別された世帯グループごとに 216 00:10:53,533 --> 00:10:57,623 子どもが学校へ行き 親が仕事に行く タイミングを合わせます 217 00:10:57,763 --> 00:11:01,177 次に もう一つのグループと たとえば 隔週ごとに 入れ替わるなど 218 00:11:01,177 --> 00:11:03,036 一定数の人は常時勤務する必要があり 219 00:11:03,036 --> 00:11:07,706 教師は エッセンシャルワーカー同様 勤務し続ける必要があるかもしれません 220 00:11:07,706 --> 00:11:09,651 ロックダウン時がそうであったように 221 00:11:09,651 --> 00:11:12,514 ある割合の人々は 現場での勤務を続けるということです 222 00:11:12,514 --> 00:11:15,967 この方法を実行する地域は 保護されているという見方もできます 223 00:11:15,967 --> 00:11:18,020 なぜならRが1未満だからです 224 00:11:18,020 --> 00:11:22,351 ゆえに 他国から持ち込まれる感染も そう拡大しません 225 00:11:23,359 --> 00:11:26,669 (クリス)さて ご紹介します デイヴィッド・ビエロです 226 00:11:26,669 --> 00:11:28,567 (デイヴィッド)はい みなさん こんにちは 227 00:11:28,567 --> 00:11:30,664 ウーリ教授 ご想像のことと思いますが 228 00:11:30,664 --> 00:11:33,237 たくさんの質問が 視聴者から届いています 229 00:11:33,237 --> 00:11:35,082 まず初めに 230 00:11:35,082 --> 00:11:40,023 エッセンシャルワーカーと呼ばれる 人たちに関する質問です 231 00:11:40,023 --> 00:11:45,453 「医療施設で働く専門職の人たちや 232 00:11:45,453 --> 00:11:49,913 自宅待機できるほど時間的余裕がない人 柔軟に勤務時間を調整できない人たちに 233 00:11:49,913 --> 00:11:52,588 この戦略はどのような影響を 与えるでしょうか?」 234 00:11:52,588 --> 00:11:53,651 (ウーリ)いい質問です 235 00:11:53,651 --> 00:11:57,005 私に言わせれば エッセンシャルワーカーや 低所得者など 236 00:11:57,005 --> 00:12:01,376 ロックダウンの順守が無理な人たちは 確かにいます 237 00:12:01,376 --> 00:12:03,077 生活がかかっていますからね 238 00:12:03,077 --> 00:12:07,950 その上 いくつかの研究で ロックダウンの間 低所得の区分にいる人たちの移動量は 239 00:12:07,950 --> 00:12:10,278 増加する ということが明らかになっています 240 00:12:10,278 --> 00:12:13,967 さらに 途上国では 在宅ではなく 家の外で働かなくてはなりません 241 00:12:13,967 --> 00:12:15,591 外出禁止を強制できません 242 00:12:15,591 --> 00:12:21,445 だからこそ 私の戦略なら ロックダウンが乗り越えやすくなるのです 243 00:12:21,445 --> 00:12:24,431 期間中も生計を立てられる ということになりますし 244 00:12:24,431 --> 00:12:26,908 あるいは 少なくとも どのくらいの割合で働き 245 00:12:26,908 --> 00:12:30,198 どのくらいの割合で自宅にいるべきか 自分で決断できるからです 246 00:12:30,198 --> 00:12:33,064 ロックダウンを行っても Rを1未満にできない国もあります 247 00:12:33,064 --> 00:12:36,558 ルール遵守の問題や 経済活動が公式に記録されない部門が理由です 248 00:12:36,558 --> 00:12:40,932 私たちは 4日-10日サイクルが ロックダウンの実行を容易にし 249 00:12:40,932 --> 00:12:44,116 Rが1未満になるまで 感染レベルを下げられると確信しています 250 00:12:44,116 --> 00:12:48,249 これで世界の何十億もの人々に 影響を与えうるのです 251 00:12:48,409 --> 00:12:50,249 質問に答えられたでしょうか 252 00:12:50,612 --> 00:12:52,133 (デイヴィッド)はい そう思います 253 00:12:52,133 --> 00:12:55,205 もう一つ質問が来ています 254 00:12:55,205 --> 00:12:57,108 今 出しますね 255 00:12:57,108 --> 00:12:59,505 こちらです 256 00:13:00,403 --> 00:13:07,282 「4日-10日サイクルによる 感染リスクの増加分を数値で表せますか?」 257 00:13:08,373 --> 00:13:11,291 (ウーリ)この戦略における リスク増加の可能性に関してですが 258 00:13:11,291 --> 00:13:14,852 学術論文で触れています 感度分析などの検証も徹底的にやりました 259 00:13:14,852 --> 00:13:18,876 ですから 何と比べて リスクが増加するのかという話になります 260 00:13:18,876 --> 00:13:20,691 経済とか... 261 00:13:21,122 --> 00:13:23,424 第2波が発生する可能性はあるでしょう 262 00:13:23,424 --> 00:13:26,637 ないことを願っていますが 第2波が起こったとすると 263 00:13:26,637 --> 00:13:32,210 どう考えても 第2波 そして 2度目のロックダウンは 264 00:13:32,226 --> 00:13:38,781 4日-10日戦略を実施した場合よりも 健康面において悪い結果をもたらすでしょう 265 00:13:38,801 --> 00:13:44,178 ですから もうこれは 何と比べるかという話なのです 266 00:13:45,778 --> 00:13:47,566 (デイヴィッド)ですね 267 00:13:47,566 --> 00:13:51,828 この戦略をシェアしてくださり ありがとうございます ウーリ教授 268 00:13:53,170 --> 00:13:54,503 (クリス)同感です 269 00:13:54,503 --> 00:13:56,704 デイヴィッド 残ってて 270 00:13:56,704 --> 00:13:58,325 もう一つだけ質問です 271 00:13:58,325 --> 00:14:02,978 今の所 この戦略について 詳しく聞きたいという政府はありましたか? 272 00:14:02,978 --> 00:14:07,754 実際にこの戦略を国の政策として 実行を検討している人物はいますか? 273 00:14:08,900 --> 00:14:11,938 (ウーリ)はい ヨーロッパ数カ国と 274 00:14:11,938 --> 00:14:16,191 南アメリカ数か国と いうまでもなく イスラエル政府と連絡を取っています 275 00:14:16,191 --> 00:14:21,217 オーストリアは すでに 学校システムに 同類のプログラムを採用しており 276 00:14:21,784 --> 00:14:26,584 2週間のうち5日間は学校で授業 というサイクルを実施しています 277 00:14:26,584 --> 00:14:32,217 その他は 会社や病院など複数です 278 00:14:32,217 --> 00:14:37,072 これがこの先 どう展開するか 強く関心を抱いています 279 00:14:38,229 --> 00:14:40,816 (クリス)この戦略がスタート地点で 280 00:14:40,816 --> 00:14:44,073 敵の弱点に注目しているところに 本当に感心を覚えます 281 00:14:44,073 --> 00:14:47,324 この4日-10日という戦略なら 282 00:14:47,324 --> 00:14:52,973 外に出て働くという選択ができる人は 万一感染したとしても 283 00:14:52,973 --> 00:14:55,835 感染拡大の危険性は そこまで高くないというお話でした 284 00:14:55,835 --> 00:15:00,294 だとすると 感染を検査することで この戦略の効果が高まるわけですよね? 285 00:15:00,294 --> 00:15:01,652 再び出勤する前に… 286 00:15:01,652 --> 00:15:03,923 (ウーリ)検査は前提としていません 287 00:15:03,923 --> 00:15:05,915 この戦略では 検査の必要性がないのです 288 00:15:05,915 --> 00:15:08,351 多数の検査を見込まずとも導入できます 289 00:15:08,351 --> 00:15:10,011 もし 検査を行うとするなら 290 00:15:10,011 --> 00:15:14,470 10日間の外出禁止最終日に集中して行うと より効率的でしょう 291 00:15:14,470 --> 00:15:15,938 出勤期間に入る前日です 292 00:15:15,938 --> 00:15:18,210 そうすれば それぞれの検査も 293 00:15:18,210 --> 00:15:21,340 Rを減らすという観点で より影響力をもつでしょう 294 00:15:21,340 --> 00:15:22,532 (クリス)なるほど 295 00:15:22,532 --> 00:15:25,760 人口全体を数日ごとに検査する必要なしに 296 00:15:25,787 --> 00:15:27,209 2週間に1回の実施で済む 297 00:15:27,209 --> 00:15:30,690 このほうが目標として ずっと現実味があります 298 00:15:31,119 --> 00:15:32,667 (ウーリ)そうですね 299 00:15:32,667 --> 00:15:33,937 (クリス)はい 300 00:15:33,937 --> 00:15:37,041 ウーリ・アロン教授 本日はありがとうございました