WEBVTT 00:00:09.270 --> 00:00:12.270 私のような人と道ですれ違ったら 貴方は その人を 00:00:14.372 --> 00:00:16.350 母親だと思うでしょうか 00:00:16.351 --> 00:00:17.798 難民でしょうか 00:00:17.799 --> 00:00:19.852 それとも虐げられている人? 00:00:19.853 --> 00:00:22.053 それとも循環器科医 00:00:22.054 --> 00:00:23.095 バリスタ 00:00:23.096 --> 00:00:24.885 地元の政治家かもしれません 00:00:25.504 --> 00:00:27.318 上から下までじろじろと見て 00:00:27.339 --> 00:00:29.128 どんなに暑いだろうと思ったり 00:00:29.152 --> 00:00:32.375 夫に強要されて この衣装を着ているのかなと 思ったりするでしょう 00:00:33.389 --> 00:00:35.823 スカーフをこんな風にしていたらどうでしょう? 00:00:38.527 --> 00:00:41.883 これと全く同じ格好で私は街を歩けますし 00:00:41.934 --> 00:00:44.749 世間が私をどう思うかや どう扱うかは 00:00:44.770 --> 00:00:47.770 この一枚の布の巻き方次第なのです 00:00:48.371 --> 00:00:51.190 これは ヒジャブについての お決まりの告白ではありません 00:00:51.211 --> 00:00:54.975 イスラム女性にとって 自分たちの選ぶ一枚の布や それを 00:00:54.996 --> 00:00:58.322 頭に巻くか否かは大した問題ではないのです これはあなたの 00:00:59.118 --> 00:01:02.258 偏見を超えた物の見方に 関係してくるのです 00:01:03.804 --> 00:01:05.683 すれ違った後 意外な事に 00:01:05.684 --> 00:01:09.512 私がカーレースエンジニアで 自分の車をデザインし 00:01:09.512 --> 00:01:13.029 大学でレースチームを持っている事を 知ったらどうでしょう 00:01:13.119 --> 00:01:14.624 それは真実です 実は 00:01:14.717 --> 00:01:19.659 5年間ボクサーとしてトレーニングを 受けていたと言えばどうでしょう 00:01:19.727 --> 00:01:21.254 それも真実です 00:01:22.302 --> 00:01:24.637 驚きましたか? 00:01:25.003 --> 00:01:26.492 何故でしょう? 00:01:27.887 --> 00:01:29.718 皆さん 結局 00:01:29.719 --> 00:01:32.719 驚きや行動と結び付けられるものは 00:01:32.747 --> 00:01:35.399 無意識の偏見や暗黙の偏見の 00:01:35.400 --> 00:01:36.771 産物なのです 00:01:36.772 --> 00:01:39.772 その結果 労働環境において 馬鹿馬鹿しい程有害で 00:01:39.793 --> 00:01:41.730 殊に影響力をもつという点で 00:01:41.751 --> 00:01:44.113 多様性に欠けたものになるのです 00:01:44.114 --> 00:01:46.205 オーストラリア政府に挨拶しておきましょう 00:01:46.288 --> 00:01:48.697 (拍手) 00:01:52.318 --> 00:01:55.318 始めから意見を整理して言わせてください 00:01:56.527 --> 00:01:59.527 無意識の偏見は 無意識の差別とは異なります 00:01:59.548 --> 00:02:03.016 誰しも 隠れた性差別や 人種差別、年齢差別意識があって 00:02:03.037 --> 00:02:05.762 これらが表に出るのを待っていると 00:02:06.041 --> 00:02:07.588 言っているのではありません 00:02:07.609 --> 00:02:09.088 私たちは皆偏見を持っています 00:02:09.109 --> 00:02:12.109 皆そのフィルターを通して 周囲の世界を見ているのです 00:02:12.130 --> 00:02:14.104 誰を責めているのでもありません 00:02:14.139 --> 00:02:15.632 偏見は罪ではありません 00:02:15.653 --> 00:02:18.193 むしろ それは確認され 認められ 00:02:18.214 --> 00:02:21.214 緩和させられなければいけません 00:02:21.235 --> 00:02:22.628 偏見とは人種に対するもの 00:02:22.649 --> 00:02:23.852 ジェンダーに対するもの 00:02:23.873 --> 00:02:27.315 階級、教育、障害に対するもの かもしれません 00:02:27.492 --> 00:02:30.496 私たちは皆自分とは異なるもの ―自分の社会規範とは違うもの 00:02:30.517 --> 00:02:33.204 に対して偏見を持っているのです 00:02:33.431 --> 00:02:36.431 要は自分の生まれた環境が 00:02:36.583 --> 00:02:39.827 自分の未来に影響を及ぼさず 平等な機会が 00:02:39.848 --> 00:02:42.139 遍在する世界に住みたいならば 00:02:42.139 --> 00:02:44.533 遍在する世界に住みたいならば 00:02:44.554 --> 00:02:47.739 私たち一人一人が 無意識の偏見は人生を左右しないと 00:02:47.760 --> 00:02:51.237 確認していく必要があります 00:02:52.906 --> 00:02:56.572 無意識の偏見を示す 非常に有名な実験があります 00:02:56.593 --> 00:03:00.490 それは1970年代と80年代の ジェンダーに関するものです 00:03:00.837 --> 00:03:04.681 その当時オーケストラは ほぼ男性から成り立っていて 00:03:04.729 --> 00:03:07.665 女性の数はわずか5%止まりでした 00:03:07.920 --> 00:03:10.920 明らかに 男性が女性とは 違う弾き方で 00:03:10.941 --> 00:03:13.754 上手に演奏するらしいという理由でした 00:03:13.755 --> 00:03:16.716 しかし1952年に ボストン交響楽団が 00:03:16.717 --> 00:03:18.481 実験を始めました 00:03:18.482 --> 00:03:20.324 ブラインドオーディションを始めたのです 00:03:20.618 --> 00:03:24.333 対面式のオーディションとは違い スクリーンの裏手で演奏をしなければなりません 00:03:24.333 --> 00:03:25.665 おかしなことに 00:03:25.666 --> 00:03:27.834 即座には何の変化も現れませんでした 00:03:27.855 --> 00:03:30.747 オーディションを受ける人たちが 部屋に入る前に 00:03:30.768 --> 00:03:32.486 靴を脱ぐようにと言われるまでは 00:03:32.486 --> 00:03:34.817 それまではハイヒールのカツカツという 00:03:34.818 --> 00:03:36.530 音が堅い木製の床に響き 00:03:36.551 --> 00:03:38.577 女性は締め出されていたのですが 00:03:38.598 --> 00:03:40.103 今回はそれがなかったのです 00:03:40.295 --> 00:03:42.156 そのオーディションの結果 00:03:42.177 --> 00:03:45.025 女性が予選を通過する機会が 50%向上し 00:03:45.025 --> 00:03:47.730 女性が予選を通過する機会が 50%向上し 00:03:47.754 --> 00:03:51.201 女性がオーケストラに入る機会が およそ3倍になりました 00:03:52.137 --> 00:03:53.649 ここから何が分かるでしょうか? 00:03:53.670 --> 00:03:57.537 残念ながら 男性が上手に 楽器を演奏出来た訳ではなく 00:03:57.597 --> 00:04:00.323 そういった思い込みがあった というだけだったのです 00:04:00.344 --> 00:04:03.344 最終的な結果を決めるものは 偏見だったのです 00:04:04.171 --> 00:04:07.171 私はここに偏見が存在すると 指摘し 00:04:07.192 --> 00:04:08.239 認知しているのです 00:04:08.260 --> 00:04:09.755 皆そうなのです 00:04:09.776 --> 00:04:11.437 例を挙げてみましょう 00:04:11.901 --> 00:04:15.271 息子とその父親が 酷い交通事故に遭いました 00:04:15.675 --> 00:04:17.538 その衝撃で父親は亡くなりました 00:04:17.539 --> 00:04:20.539 息子は重傷を負って病院に運ばれました 00:04:20.571 --> 00:04:24.211 外科医は到着した息子を見てこう言いました 00:04:24.232 --> 00:04:26.156 「手術は出来ません」 00:04:26.234 --> 00:04:27.688 何故でしょう? 00:04:28.203 --> 00:04:30.566 「これは私の息子だから」 00:04:30.587 --> 00:04:31.749 どういう事でしょうか? 00:04:31.770 --> 00:04:32.989 皆さん 00:04:33.010 --> 00:04:35.590 外科医は彼の母親だったのです 00:04:35.954 --> 00:04:37.696 さあ手を挙げて―はい― 00:04:37.717 --> 00:04:40.907 最初に この外科医が男性だと思った方は 手を挙げてください 00:04:42.894 --> 00:04:45.615 無意識の偏見が存在する証拠はありますが 00:04:45.636 --> 00:04:48.636 私たちは これが存在することを認め 解決法を見い出せるように 00:04:48.657 --> 00:04:50.940 それをやり過ごす事が出来る方法を 00:04:50.961 --> 00:04:52.963 探るだけで良いのです 00:04:54.065 --> 00:04:56.416 さて無意識の偏見に関して 00:04:56.437 --> 00:04:59.797 興味深いものの一つは 男女比についてです 00:04:59.818 --> 00:05:01.882 これはしばしば持ち出される話題です 00:05:01.882 --> 00:05:04.652 この批判の一つに 能力重視という考え方があります 00:05:04.772 --> 00:05:07.772 「私は女だからという理由で 選ばれたくありません 00:05:08.325 --> 00:05:10.432 私には能力があるから 選ばれたいと思っています 00:05:10.453 --> 00:05:12.396 私はこの仕事に最も相応しいからです」 00:05:12.410 --> 00:05:15.654 これは私が一緒に仕事をしている 女性エンジニアの中で 00:05:15.675 --> 00:05:17.347 かなりよくある事なのです 00:05:17.368 --> 00:05:19.268 ええ分かりますよ 私もそうでした 00:05:19.600 --> 00:05:22.243 でも もし能力重視の考え方が正しければ 00:05:22.264 --> 00:05:26.894 何故イェール大学で 2012年に行われた実験で 00:05:26.969 --> 00:05:31.069 同一の2つの履歴書が ある研究所の 技術者のポストに送られたのでしょうか 00:05:31.484 --> 00:05:34.484 何故ジェニファーはジョンより 能力がないと見なされ 00:05:34.651 --> 00:05:36.914 仕事が与えられず 00:05:36.971 --> 00:05:39.692 給料も少ないのでしょうか 00:05:41.350 --> 00:05:42.782 無意識の偏見はここですが 00:05:42.803 --> 00:05:45.238 私たちは それを無視する方法を 知りさえすれば良いのです 00:05:45.260 --> 00:05:46.880 興味深いですよ 00:05:46.881 --> 00:05:48.693 何故これが真実なのかについての 00:05:48.694 --> 00:05:51.545 研究があり これを 「メリットパラドックス」と呼んでいます 00:05:51.546 --> 00:05:54.066 組織では―これはある意味 皮肉めいているのですが― 00:05:54.067 --> 00:05:57.869 組織の求人において 能力を優先順位に 00:05:57.894 --> 00:05:59.265 据えていると公言しても 00:05:59.266 --> 00:06:03.318 より多くの男性を雇い 多くの給料を 男性に支払う傾向にあったからです 00:06:03.361 --> 00:06:06.596 それは明らかに能力とは 男性的な特性だからです 00:06:06.617 --> 00:06:07.878 でもちょっと待ってください 00:06:08.461 --> 00:06:10.763 皆さんは私の事を十分ご存知で 00:06:10.763 --> 00:06:12.652 今の状況をお分かりだとは思いますが 00:06:13.842 --> 00:06:16.108 私の職場を想像出来ますか? 00:06:16.129 --> 00:06:18.415 私がこんな姿でこう言うのを 想像できますか? 00:06:18.436 --> 00:06:21.436 「男ども こうやってやるんだよ」 00:06:21.837 --> 00:06:24.377 ええ 想像して頂けて光栄です 00:06:30.616 --> 00:06:35.065 (拍手) 00:06:36.009 --> 00:06:39.009 だって皆さん これが私の普段の仕事なのですから 00:06:39.244 --> 00:06:42.180 本当に気に入っているのは 楽しいからです 00:06:43.027 --> 00:06:44.714 実際マレーシアのような場所では 00:06:44.735 --> 00:06:47.194 こんな格好のイスラム女性は 話題にすらのぼりません 00:06:47.195 --> 00:06:48.563 それ程沢山いるのです 00:06:48.564 --> 00:06:49.791 でも面白いですよね 00:06:49.792 --> 00:06:51.252 男性の一人にこう言ったのを覚えています 00:06:51.252 --> 00:06:53.748 「ねえ サーフィンのやり方を 習いたいんだけど」 00:06:53.748 --> 00:06:56.343 彼は言いました「ヤズミン 身体を隠しながらできる 00:06:56.343 --> 00:06:58.004 サーフィンの方法は僕だって知らないよ 00:06:58.004 --> 00:07:00.497 女性専用ビーチも知らないしね」 00:07:00.533 --> 00:07:02.816 その男性が素晴らしい考えを 思いつきました 00:07:02.837 --> 00:07:05.152 「君はユース・ウィズアウト・ボーダーの 00:07:05.152 --> 00:07:07.161 団体を運営しているじゃないか 00:07:07.161 --> 00:07:11.164 イスラム女性用の水着でも始めたら? 00:07:11.367 --> 00:07:14.003 名前はユース・ウィズアウト・ボードショーツにしたら?」 00:07:14.024 --> 00:07:15.539 (笑) 00:07:15.560 --> 00:07:17.374 私は「ありがとう」と言いました 00:07:17.395 --> 00:07:20.395 こんな事を言った輩も覚えています 00:07:20.416 --> 00:07:22.228 「あらゆるヨーグルトを 00:07:22.249 --> 00:07:25.628 堪能した方がいいよ それがこの地域の唯一の文化だから」 00:07:27.610 --> 00:07:30.498 でも問題は ある意味 それが真実だという事です 00:07:30.519 --> 00:07:34.101 私達の労働環境には重大な 多様性の欠落があるからです 00:07:34.122 --> 00:07:36.409 特に影響力がある職場についてです 00:07:36.430 --> 00:07:37.789 さて 2010年に 00:07:37.810 --> 00:07:40.225 オーストラリア国立大学が ある実験を行いました 00:07:40.225 --> 00:07:42.836 そこで新卒者用の求人に 4千通の全く同一の 00:07:43.143 --> 00:07:46.143 履歴書を送りました 00:07:46.164 --> 00:07:49.823 アングロ・サクソン人の名前と 同じ数の面接を獲得する為には 00:07:49.844 --> 00:07:54.164 中国人であれば 68%も多く 申請書を送らなければならなかったのです 00:07:54.228 --> 00:07:57.109 あなたが中東人の―アブデルマジッドなら― 00:07:57.160 --> 00:07:59.024 64%も多く送らねばならず 00:07:59.024 --> 00:08:01.140 あなたがイタリア人で凄く幸運なら 00:08:01.161 --> 00:08:03.721 あと12%多く送りさえすればよいのです 00:08:03.815 --> 00:08:06.815 シリコンバレーのような場所なら それ程上手くはいきません 00:08:06.836 --> 00:08:09.132 Googleでは 職場の 多様性を公開しており 00:08:09.153 --> 00:08:15.029 61%は白人、30%はアジア人 黒人及びヒスパニック系は9% 00:08:15.050 --> 00:08:16.376 といった具合です 00:08:16.405 --> 00:08:19.003 他の技術系の企業も代わり映えしません 00:08:19.003 --> 00:08:20.408 彼らは状況を認識していますが 00:08:20.408 --> 00:08:22.937 何をしているのか あまりはっきりとはしません 00:08:22.937 --> 00:08:24.705 要は貧しい人から豊かな人に お金が流れないのです 00:08:24.705 --> 00:08:26.212 イギリスの上級役員である 00:08:26.212 --> 00:08:29.577 グリーン・パークの研究によると 00:08:29.900 --> 00:08:33.863 イギリスの上場上位100社の半数以上で 重役にしろ 00:08:33.966 --> 00:08:37.496 そうでないにしろ 取締役レベルの非白人系の 00:08:37.525 --> 00:08:38.979 リーダーはいないという事でした 00:08:39.000 --> 00:08:42.775 3つの内 2つの会社に マイノリティー出身の 00:08:42.796 --> 00:08:45.065 重役がいないのです 00:08:45.885 --> 00:08:47.885 酷い事を沢山お話ししてきました 00:08:47.906 --> 00:08:51.064 「何て最悪なんだ どうすれば良いの?」と 思われていますか? 00:08:51.064 --> 00:08:53.925 ええ 幸運にも問題が 00:08:53.925 --> 00:08:56.268 存在する事は認識しました 00:08:56.288 --> 00:08:58.288 無意識の偏見による 機会の欠落が原因なのです 00:08:58.308 --> 00:09:00.562 こう考えている人もいるかもしれません 00:09:00.582 --> 00:09:03.475 「私は白人よ 私に何の関係があるの?」 00:09:03.495 --> 00:09:05.495 解決法を提供させてください 00:09:05.515 --> 00:09:06.872 以前にも申し上げたように 00:09:06.893 --> 00:09:11.173 私たちは理想を求めている世界に 住んでいます 00:09:11.194 --> 00:09:12.812 もし自分の生まれた環境が 00:09:12.812 --> 00:09:15.249 何の問題にもならない 世界を作りたければ 00:09:15.249 --> 00:09:17.312 私たちは皆解決の一端を 担わなければなりません 00:09:17.312 --> 00:09:20.283 面白い事に履歴書の実験をした著者が 00:09:21.193 --> 00:09:22.793 ある解決法を記しました 00:09:22.814 --> 00:09:26.712 履歴書が通った女性に共通していたこと 00:09:26.733 --> 00:09:28.662 彼女たちが同様に持っているものは 00:09:28.662 --> 00:09:30.685 優れたメンター(助言者)だ ということでした 00:09:30.685 --> 00:09:33.080 助言する(メンター)というのは ご存知でしょう 00:09:33.727 --> 00:09:35.652 昔ながらの言葉です 00:09:35.927 --> 00:09:37.882 ここでもう一つ課題が出て来ました 00:09:38.059 --> 00:09:42.553 皆さん一人一人が誰か違う人を メンターしてみて下さい 00:09:43.584 --> 00:09:46.584 皆が親しい人のメンターに なりたがっているのです 00:09:46.605 --> 00:09:47.463 私たちのように 00:09:47.484 --> 00:09:48.807 同様の体験をした人たちです 00:09:48.828 --> 00:09:51.286 こんな ちょっと喧嘩腰の イスラム女性を見ると私は 00:09:51.286 --> 00:09:53.285 「どうしたの? 話そうよ」と言います 00:09:53.285 --> 00:09:56.545 どんな所でも 同じ学校に行き 00:09:56.566 --> 00:09:57.847 同じスポーツをしている 00:09:57.868 --> 00:10:02.315 誰かがいます 彼らを援助する格好の機会があります 00:10:02.336 --> 00:10:05.894 しかし経験を分かち合う事が 一切ないような人とは 00:10:06.026 --> 00:10:08.679 繋がりを見いだすのが非常に 困難になって来ます 00:10:08.700 --> 00:10:11.620 あなたと違う背景の人を メンターすること 00:10:11.620 --> 00:10:14.355 あなたとは違う経験を持つ人を メンターすることは 00:10:14.355 --> 00:10:15.818 それがどんな背景であれ 00:10:15.818 --> 00:10:18.449 それは廊下にすら辿り着けない人々に 00:10:18.480 --> 00:10:20.475 扉を開けることなのです 00:10:21.194 --> 00:10:24.194 皆さん何故なら世界は 公平ではないからです 00:10:24.758 --> 00:10:26.890 人は平等な機会を持って 生まれ落ちて来ません 00:10:26.930 --> 00:10:30.037 私は世界で最も貧しい街の一つ ハルツームで産まれました 00:10:30.130 --> 00:10:32.250 有色人種で女性 00:10:32.271 --> 00:10:35.592 皆が非常に訝しむイスラム教徒に 産まれましたが 00:10:35.613 --> 00:10:37.965 自分ではどうしようもない事なのです 00:10:38.520 --> 00:10:42.378 しかしながら私は特権を持って 産まれてきたとも思っています 00:10:42.419 --> 00:10:44.087 素晴らしい両親を持ち 00:10:44.108 --> 00:10:45.712 教育を受け 00:10:45.733 --> 00:10:48.369 オーストラリアへの移住という 恩恵に与りました 00:10:48.631 --> 00:10:52.067 しかしまた驚くべきメンターにも 恵まれました 00:10:52.103 --> 00:10:55.103 私が想像もしなかったような 扉を開けてくれたのです 00:10:55.124 --> 00:10:56.481 あるメンターは私にこう言いました 00:10:56.502 --> 00:10:58.104 「あなたの話は面白いわ 00:10:58.125 --> 00:11:01.325 あなたの事を書いて 皆と分かち合いましょう」 00:11:01.325 --> 00:11:02.381 別のメンターは言いました 00:11:02.381 --> 00:11:05.800 「あなたの見た目は オーストラリア人とは全然違うけど 00:11:05.800 --> 00:11:06.759 とにかくやりましょう」 00:11:06.759 --> 00:11:08.188 そんなわけで 今日ここにいます 00:11:08.209 --> 00:11:09.546 私だけではありません 00:11:09.567 --> 00:11:12.035 私のコミュニティーにはメンターによって 00:11:12.093 --> 00:11:14.256 助け出された人々が数多くいます 00:11:14.277 --> 00:11:16.055 シドニーの若いイスラム教の男性は 00:11:16.076 --> 00:11:19.076 メンターの助けでバンクスタウンの 00:11:19.097 --> 00:11:22.097 ポエトリー・スラムを始める事になり 00:11:22.118 --> 00:11:23.739 今では大規模なものになりました 00:11:23.760 --> 00:11:26.826 彼は他の多くの若者の人生を 変えることが出来ました 00:11:26.826 --> 00:11:28.172 ブリスベンのある女性は 00:11:28.172 --> 00:11:29.740 難民のアフガニスタン人ですが 00:11:29.740 --> 00:11:32.491 オーストラリアに来た時 どうにか英語が話せる程度でした 00:11:32.491 --> 00:11:34.823 彼女のメンターは 彼女が医者になる手助けをし 00:11:34.844 --> 00:11:37.844 彼女は2008年の ヤングクイーンズランダー賞を受賞しました 00:11:37.865 --> 00:11:40.138 彼女は注目の的です 00:11:45.336 --> 00:11:47.318 今度は すんなりと行きません 00:11:49.226 --> 00:11:50.881 これが私です 00:11:51.045 --> 00:11:54.516 でも作業服を着ていたのも私ですし 00:11:54.543 --> 00:11:57.783 講演の初めはアバーヤを纏っていました 00:11:58.684 --> 00:12:01.684 私が今とは違う格好をしていたら あなたは 00:12:01.705 --> 00:12:03.743 私をメンターしようと決めますか? 00:12:03.773 --> 00:12:06.281 中身は同じ人間なのですから 00:12:06.722 --> 00:12:09.625 私たちは自分たちの持つ 無意識の偏見を無視し 00:12:09.646 --> 00:12:12.796 自分のスペクトラムの対極にいる人を メンターしなければなりません 00:12:12.796 --> 00:12:15.051 構造の変化には時間がかかるし 00:12:15.072 --> 00:12:17.656 私にはそんな忍耐力はありません 00:12:17.677 --> 00:12:19.439 だから変革を起こそうとし 00:12:19.460 --> 00:12:21.000 私たち皆が同じような機会を持つ 00:12:21.021 --> 00:12:23.497 世界を作ろうと思うなら 人々に対し 00:12:23.518 --> 00:12:25.888 扉を開く選択を しなければなりません 00:12:25.909 --> 00:12:29.347 多様性は自分たちとは関係ないと 思っているかもしれませんが 00:12:29.368 --> 00:12:31.101 私たちは皆このシステムの一端を 00:12:31.122 --> 00:12:33.124 担っていて 皆で解決が出来るのです 00:12:33.124 --> 00:12:35.865 違う誰かを何処で見つければ良いか 分からなかったら 00:12:35.865 --> 00:12:37.893 普段は行かない場所に行ってみて下さい 00:12:37.893 --> 00:12:40.096 私立高校の生徒を教えるのであれば 00:12:40.096 --> 00:12:41.643 地元の公立高校に入ってみたり 00:12:41.643 --> 00:12:44.454 地元の難民教育センターに 立ち寄ってみたり 00:12:44.454 --> 00:12:46.204 会社で働いてみて下さい 00:12:46.225 --> 00:12:49.222 全く場違いと思える 新卒者を呼んでみて下さい 00:12:49.243 --> 00:12:50.570 ―それは私だからです― 00:12:50.591 --> 00:12:51.918 そして彼らに扉を開いて下さい 00:12:51.939 --> 00:12:54.568 私たちは犠牲者ではないのだから 建前のやり方ではなく 00:12:54.589 --> 00:12:56.656 彼らに機会を示すのです 00:12:56.677 --> 00:12:58.839 あなたの世界の門戸を開く事で 00:12:59.262 --> 00:13:01.762 彼らが存在すら知らず 彼らが持っていないことすら 00:13:01.762 --> 00:13:03.466 知らなかった扉の鍵を 00:13:03.466 --> 00:13:06.148 手にしていることを 気付かせてくれるからです 00:13:06.257 --> 00:13:07.910 皆さん 00:13:08.939 --> 00:13:12.283 私たちのコミュニティーには 機会の欠落という問題があります 00:13:12.377 --> 00:13:14.219 殊にそれは無意識の偏見によるものです 00:13:14.240 --> 00:13:17.926 しかし一人一人皆がそれを変える 可能性を持っているのです 00:13:18.037 --> 00:13:20.908 今日 多くの課題が与えられましたが 00:13:20.929 --> 00:13:24.799 その一片を ほんの少しだけ 違うように考えることができれば 00:13:24.996 --> 00:13:27.267 多様性は魔法になるのです 00:13:27.288 --> 00:13:30.288 皆さんに最初の認識をやり過ごすことを お勧めしたいと思います 00:13:30.404 --> 00:13:32.120 何故ならきっと 00:13:32.649 --> 00:13:34.469 それは間違っているでしょうから 00:13:34.676 --> 00:13:35.974 有難うございました 00:13:35.995 --> 00:13:38.995 (拍手)