WEBVTT 00:00:10.550 --> 00:00:11.620 こんにちは 皆さん! 00:00:11.620 --> 00:00:12.735 私の声は聞こえますか? 00:00:12.735 --> 00:00:14.058 聞こえる? 了解 00:00:14.212 --> 00:00:15.640 私はヘザー・アーティニアンで 00:00:15.640 --> 00:00:19.297 今日ここで皆さんの前に立つことに 本当にワクワクしています 00:00:19.427 --> 00:00:21.559 まず 質問があります 00:00:21.559 --> 00:00:24.224 皆さんはどの世界に属していますか? 00:00:24.444 --> 00:00:27.057 なぜなら 私はいつもこう聞かれるからです 00:00:27.057 --> 00:00:28.920 そして私の答えはいつも 00:00:28.920 --> 00:00:30.875 「ヘザーの世界よ」です 00:00:30.960 --> 00:00:32.150 (笑) 00:00:32.235 --> 00:00:36.040 今日は 私がどうやって「ヘザーの世界」に 辿り着いたかをお話しします 00:00:36.040 --> 00:00:40.191 そして今日私の話を聞いて 皆さんに 00:00:40.191 --> 00:00:42.549 なぜ互いの世界の間に 橋を架けるべきかについて 00:00:42.549 --> 00:00:47.169 より深く理解して頂けたら とても嬉しいと思います 00:00:48.640 --> 00:00:51.860 私は全く耳が聴こえない 聾(ろう)者として生まれました 00:00:51.860 --> 00:00:56.029 つまり原爆でもない限り 何も聴こえないという意味です 00:00:56.029 --> 00:00:58.690 便利なことよと感謝しています 00:00:58.690 --> 00:01:02.642 他には 毎晩確実にぐっすり眠れるのが 00:01:02.642 --> 00:01:04.030 素晴らしいですね 00:01:04.030 --> 00:01:05.120 (笑) 00:01:05.120 --> 00:01:10.490 私の家族は 両親も含めて耳が聴こえず 社会的にも聾です 00:01:10.490 --> 00:01:13.890 これは 手話で意思疎通をするという意味です 00:01:13.890 --> 00:01:15.865 彼らは聾学校に通い 00:01:15.865 --> 00:01:17.022 友達も耳が不自由で 00:01:17.022 --> 00:01:19.940 完全にその世界に どっぷり漬かっています 00:01:20.040 --> 00:01:23.370 私の2人の聾者の弟も同じような状態です 00:01:23.670 --> 00:01:26.300 でも私には 聴者の祖父母と 00:01:26.300 --> 00:01:29.270 聴者のおじ達と 聾者のおば達といとこ達がいて 00:01:29.270 --> 00:01:33.365 私の家族は 聴者と聾者が 入り混じった大家族で 00:01:33.365 --> 00:01:35.880 そこが私がこの家族の大好きなところです 00:01:36.220 --> 00:01:38.395 5歳の時 00:01:39.975 --> 00:01:42.630 私は橋の上に立っていて 00:01:42.630 --> 00:01:47.969 私の左側には 聾者の両親と 聾者の世界がありました 00:01:48.430 --> 00:01:50.245 そして右側には 00:01:50.245 --> 00:01:53.910 聴者の祖父母と 聴者の世界がありました 00:01:54.470 --> 00:01:56.765 私はたった5歳でしたが 00:01:56.765 --> 00:02:02.152 両方の世界に属したいと 強く願っていました 00:02:03.292 --> 00:02:05.734 それが論争の始まりです 00:02:05.734 --> 00:02:07.492 [響きと怒り] 00:02:09.522 --> 00:02:15.095 このドキュメンタリー映画は 聴覚を補助する人工内耳をつけると 00:02:15.095 --> 00:02:17.750 私が決心したことから生まれました 00:02:17.750 --> 00:02:23.185 聾者の両親と聾者の世界は とても批判的でした 00:02:23.185 --> 00:02:29.060 まるで私が 聾者の世界は 私には不十分だと言い 00:02:29.060 --> 00:02:32.290 両親の全人生を拒否しているように 受け止められたからです 00:02:32.290 --> 00:02:33.950 そんなことなかったのにです 00:02:33.950 --> 00:02:37.220 でもその後 聴者の世界からも批判され 00:02:37.220 --> 00:02:39.535 両親に向かってこう言われました 00:02:39.535 --> 00:02:42.970 「なぜ 我が子に聴くチャンスを 与えないのか?」と 00:02:42.970 --> 00:02:45.045 複雑な問題ですよね? 00:02:45.045 --> 00:02:47.452 そうやって論争は始まりました 00:02:48.442 --> 00:02:49.970 映画の最後で 00:02:50.730 --> 00:02:54.725 全ての闘いの後 私の両親は最終的に 00:02:54.725 --> 00:02:59.990 私にとって 当時の最良の選択は 人工内耳をつけないことだと判断しました 00:03:00.470 --> 00:03:04.410 ですから私は 一度は橋の真ん中にいたのに 00:03:04.410 --> 00:03:09.870 そこで 左側の聾者の世界に どっぷり浸かってしまった訳です 00:03:09.870 --> 00:03:12.340 一家でメリーランド州に引っ越すと 00:03:12.340 --> 00:03:17.540 そこには前に住んでいたニューヨークに比べて 巨大な 聾者のコミュニティがありました 00:03:17.540 --> 00:03:22.660 大ヒット映画やレストランや 食料品店へ行ったりしても 00:03:22.660 --> 00:03:26.265 従業員達が 聾者の世界を よく分かっているので簡単です 00:03:26.265 --> 00:03:28.857 聾者への接し方を心得ていました 00:03:29.277 --> 00:03:31.428 前に住んでいたニューヨークで 00:03:31.428 --> 00:03:33.480 両親とレストランに行った時を思い出します 00:03:33.480 --> 00:03:36.436 飲み物を注文するだけで もう大変な苦労でした 00:03:36.756 --> 00:03:39.588 「何?」と「ハァ?」と 指さしと 00:03:39.588 --> 00:03:41.397 「いやこれは注文してない」の連発です 00:03:41.397 --> 00:03:44.465 でもメリーランドでは 給仕人が やり方を心得ていました 00:03:44.765 --> 00:03:47.250 私と弟達は聾学校に通いました 00:03:47.540 --> 00:03:50.905 両親は目に見えて幸せでした 00:03:51.875 --> 00:03:54.589 しかし そこに約3年半暮らした頃に 00:03:54.589 --> 00:03:56.614 母が大きな病気にかかり 00:03:56.614 --> 00:03:58.779 私達はニューヨークへ 戻らざるを得ませんでした 00:03:58.999 --> 00:04:05.450 そして私は 再び聴者の世界に直面しました 00:04:05.760 --> 00:04:10.130 近所の子供達は皆 言葉を話し 手話はしませんでした 00:04:10.130 --> 00:04:13.400 私は 彼らと意思疎通したいと 思ったのを覚えています 00:04:13.400 --> 00:04:15.140 彼らと遊びたいと思いました 00:04:15.140 --> 00:04:17.434 当時 私は9歳でした 00:04:17.674 --> 00:04:21.069 そしてしばらくの間 私は人工内耳を欲しいとは思いませんでした 00:04:21.069 --> 00:04:24.514 私は 無性にメリーランドに 戻りたいと思いました 00:04:24.514 --> 00:04:28.310 それまでの人生を通じて知った 快適な世界に戻りたいと思いました 00:04:28.690 --> 00:04:30.419 でもしばらく後に — 00:04:30.419 --> 00:04:34.769 特に 耳が聴こえず 意思疎通ができないという理由で 00:04:34.769 --> 00:04:37.059 父が仕事で昇進を逃した後 ― 00:04:37.059 --> 00:04:39.904 私は 同じ目に遭いたくないと実感しました 00:04:40.394 --> 00:04:41.778 強く実感しました 00:04:42.198 --> 00:04:45.265 そして 誰とでも意思疎通できるように なりたいと心底思いました 00:04:45.265 --> 00:04:50.009 それで10歳の時に 人工内耳をつけることを決心しました 00:04:50.009 --> 00:04:52.414 [響きと怒り 6年後] 00:04:52.414 --> 00:04:54.217 そして両親も承知してくれました 00:04:54.767 --> 00:04:59.250 医師には 人工内耳をつけても 成果はごくわずかだろう ― 00:04:59.250 --> 00:05:00.535 なぜなら 私はもう10歳で 00:05:00.535 --> 00:05:03.440 言語を効果的に学べる臨界期を過ぎているから 00:05:03.440 --> 00:05:07.219 すごくうまく話したり聞いたりするようには ならないだろう と言われましたが 00:05:07.219 --> 00:05:08.759 私は 試してみたいと思いました 00:05:08.759 --> 00:05:09.759 分からないでしょ? 00:05:09.759 --> 00:05:11.019 うまくいくかも知れません 00:05:11.019 --> 00:05:13.529 そして現在 私は上手く行ったと思っています 00:05:13.529 --> 00:05:17.378 よく聴こえるようになり 上手く話せるようになりました 00:05:18.348 --> 00:05:22.031 私は最初から 聾学校に通ったので 00:05:22.221 --> 00:05:26.470 発話や聞き取りの スキルがありませんでした 00:05:26.470 --> 00:05:28.020 人は私の言うことが分からず 00:05:28.020 --> 00:05:29.312 ただ座って頷いて 00:05:29.312 --> 00:05:32.043 「うーん 何を言ってるのか 分からない」と言うだけでした 00:05:32.043 --> 00:05:33.105 (笑) 00:05:33.105 --> 00:05:34.120 でもいいんです 00:05:34.120 --> 00:05:37.973 その間私は ずっと言語療法に通っていました 00:05:37.973 --> 00:05:39.930 そして高校に入った時 00:05:39.930 --> 00:05:43.356 私の話す能力と聴く能力は 良くなってきていると気づきました 00:05:43.356 --> 00:05:47.760 人々は私の言うことを理解し始め 私も相手の言葉を理解し始めました 00:05:48.300 --> 00:05:52.990 私はスポーツもしたのですが それが仲間に入る為の私の方法でした 00:05:52.990 --> 00:05:57.830 なぜなら彼らは耳が聴こえるか 聴こえないかで私を見ずに 00:05:57.830 --> 00:06:00.949 私を見てスポーツが得意みたいだから 00:06:00.949 --> 00:06:02.994 友達になりたいと思ってくれたのです 00:06:02.994 --> 00:06:06.539 それは私が気づいた 隔たりを埋めるための最初の機会でした 00:06:07.429 --> 00:06:12.619 当時の私は 学校に通い クラブや活動に参加していました 00:06:12.619 --> 00:06:15.664 その後 私だけの次の訓練がありました 00:06:15.664 --> 00:06:17.779 夜9時に家に帰って 00:06:17.779 --> 00:06:19.399 まっすぐ言語療法に行き 00:06:19.399 --> 00:06:21.490 その後 宿題をしました 00:06:21.490 --> 00:06:24.572 これを 卒業するまで毎日やりました 00:06:25.002 --> 00:06:28.875 多大な労力と献身が必要でしたが 私は進んでやりました 00:06:28.875 --> 00:06:30.782 その成果は出ました 00:06:30.782 --> 00:06:33.079 すべてを私だけでやったのではありません 00:06:33.079 --> 00:06:34.694 たくさんの助けをもらいました 00:06:34.694 --> 00:06:38.219 毎晩私に我慢強くつきあってくれた 言語療法士達がいました 00:06:38.219 --> 00:06:42.329 教室には 私が理解できない時に 助けてくれる通訳がいました 00:06:42.329 --> 00:06:46.714 最初から最後まで 私を支えてくれた 素晴らしい家族がいました 00:06:47.264 --> 00:06:52.519 私が16歳の時 両親と弟達は ニューヨークのロチェスターに越しました 00:06:52.519 --> 00:06:56.469 そこにはメリーランドのような 大きな聾者のコミュニティがありました 00:06:56.469 --> 00:06:59.909 私は残って 祖父母と暮らしました 00:06:59.909 --> 00:07:02.554 なぜなら それが当時 私にとって最善の決断であり 00:07:02.554 --> 00:07:06.009 発話によって人と繋がろうとする 00:07:06.009 --> 00:07:09.759 それまでずっとやってきたことを 続けたかったからです 00:07:11.759 --> 00:07:13.959 私の家族の写真をもっとお見せします 00:07:13.959 --> 00:07:17.180 私のおじ おばと 素晴らしい祖父母と 00:07:17.180 --> 00:07:19.930 他のおじといとこ達です 00:07:19.930 --> 00:07:25.710 現在まで早送りすると 私はジョージタウン大学の3年生です 00:07:25.710 --> 00:07:29.330 専攻は政治学で 副専攻は正義と平和研究です 00:07:29.330 --> 00:07:31.300 私は憧れの大学にいます 00:07:31.300 --> 00:07:33.569 私の夢は法科大学院に行って 00:07:33.569 --> 00:07:36.398 うまくいけば ジョージタウンの皆のように 00:07:36.398 --> 00:07:38.093 最高裁判所判事になることです 00:07:38.093 --> 00:07:39.229 ひょっとしたらね? 00:07:39.229 --> 00:07:40.126 (笑)(拍手) 00:07:40.126 --> 00:07:41.657 たぶん たぶんですよ 00:07:41.657 --> 00:07:43.459 ありがとうございます 00:07:45.229 --> 00:07:47.909 高校卒業後 あることに気づきました 00:07:47.909 --> 00:07:53.919 私は聴者の世界に属す必要はなかったし 聾者の世界に属す必要もありませんでした 00:07:53.919 --> 00:07:55.747 ただ真ん中に立って 00:07:55.747 --> 00:07:58.759 私自身の「ヘザーの世界」に いれば良かったのです 00:07:58.759 --> 00:08:02.550 そこは私が経験してきた あらゆることが混じり合った世界です 00:08:02.550 --> 00:08:06.734 聾者として 聴者の世界に暮らし 人工内耳をつけている ― 00:08:06.734 --> 00:08:09.439 言い忘れましたが 今は人工内耳を2つ つけています 00:08:10.029 --> 00:08:12.809 この気づきから こう考えるようになりました 00:08:12.809 --> 00:08:14.414 私は強く信じます 00:08:14.414 --> 00:08:17.494 [自分の内と外の世界を 橋渡しする好機を逃さないこと] 00:08:17.494 --> 00:08:23.535 誰もが 自分と他者の世界を 繋ぐ機会を掴むべきです 00:08:24.345 --> 00:08:27.098 経験の大小に関わらず 00:08:27.098 --> 00:08:28.294 それができます 00:08:28.294 --> 00:08:30.027 私が自分の経験から学んだのは 00:08:30.027 --> 00:08:34.329 相手が 意地悪そうだったり よそよそしく思えても 00:08:34.329 --> 00:08:37.579 それは 皆さんを 好きではないからではありません 00:08:37.579 --> 00:08:41.479 ほとんどの場合 それは 怯えや不理解からくるものです 00:08:41.479 --> 00:08:45.010 耳が聴こえないことだけを見て ヘザーという個人を見ていません 00:08:45.010 --> 00:08:49.374 ですから 手を伸ばして そこに架け橋を作ることが 00:08:49.374 --> 00:08:51.619 私と皆さんのやるべき仕事です 00:08:51.619 --> 00:08:54.186 私だったら自己紹介でこう言います 00:08:54.186 --> 00:08:56.860 「私はヘザーで 聾者です — それは分かっています 00:08:56.860 --> 00:09:00.138 でも人工内耳をつけてるから ちゃんとやり取りできます 00:09:00.138 --> 00:09:03.181 私の言うことが分からなければ 喜んで 繰り返し言います 00:09:03.181 --> 00:09:05.870 ルームメイトはいつも そうしているから任せてね」と 00:09:05.870 --> 00:09:07.380 (笑) 00:09:07.380 --> 00:09:10.135 すると変化が起きます 00:09:10.135 --> 00:09:14.728 「なんだ 彼女は普通だ ただ会話すればいいんだ」と 00:09:14.728 --> 00:09:15.970 相手が気づき始めます 00:09:15.970 --> 00:09:19.660 相手が安心すること それが鍵です 00:09:19.660 --> 00:09:23.520 人は新しいものを見ると不安に感じます 00:09:23.520 --> 00:09:27.189 私達が人としてすべきは 相手に手を伸ばすことだと思います 00:09:27.999 --> 00:09:31.804 これは 様々なことに当てはまります 00:09:31.804 --> 00:09:37.109 人種 性別 障害 政治 教育を利用する機会です 00:09:37.879 --> 00:09:40.969 手を伸ばして下さい そうすれば 驚きが待っています 00:09:41.699 --> 00:09:44.920 誰にもそういう経験があると 私は心底思っています 00:09:44.920 --> 00:09:47.250 [誰もが影響を与えることができる] 00:09:47.510 --> 00:09:53.249 大なり小なり 影響を及ぼすでしょう 00:09:53.539 --> 00:09:57.589 私が誰か一人に手を伸ばして 耳が聴こえないことについて語るだけで 00:09:57.589 --> 00:10:02.590 多分その人は 周囲に他の聾者がいても 気まずく感じなくなるでしょう 00:10:02.590 --> 00:10:06.359 そしておそらく 他の物事についても より気楽に対処できるようになります 00:10:06.359 --> 00:10:08.299 すでに新しいことを試した後ですからね 00:10:08.299 --> 00:10:11.299 [自分が心を開くことでどれほど 他者の人生に影響することか] 00:10:11.299 --> 00:10:12.909 私は心からこう感じます 00:10:13.409 --> 00:10:17.369 一旦 橋をかけて 心を開いたら 00:10:17.369 --> 00:10:22.160 橋渡しをする価値があることを 相手に分かってもらう助けになります 00:10:22.340 --> 00:10:23.983 私達全員にその価値があります 00:10:23.983 --> 00:10:26.216 もし皆さんが心を開けば 00:10:26.216 --> 00:10:29.130 相手は理解し 大抵の場合 自分もそうしようとするでしょう 00:10:29.750 --> 00:10:31.770 私は 親友に出会いました 00:10:34.100 --> 00:10:35.599 高校の時でした 00:10:35.599 --> 00:10:38.399 中学では 私は本当に恥ずかしがりで 00:10:38.399 --> 00:10:39.939 誰とも心を通わせませんでした 00:10:39.939 --> 00:10:43.329 隅っこに立って何も話しませんでした 00:10:43.329 --> 00:10:47.479 でも スピーチに自信がついた時 私は 相手に働きかけ始めました 00:10:47.479 --> 00:10:50.469 そして私がこの1人の人物に 働きかけたことがきっかけで 00:10:50.469 --> 00:10:53.419 彼女は今 手話を学んでいます 00:10:53.419 --> 00:10:56.324 彼女の手話は ほぼ完璧で 言語病理学の研究をしていて 00:10:56.324 --> 00:11:00.590 私に出会っただけで 聾者の社会に 貢献したいと思うようになりました 00:11:00.590 --> 00:11:05.290 だから皆さんも自分の経験を通して 他者に働きかけるだけで 00:11:05.290 --> 00:11:08.390 誰かの人生を変えることができます 00:11:12.030 --> 00:11:14.869 でも時として 相手に 理解されないこともあります 00:11:15.389 --> 00:11:18.889 ある人と話した時のことですが 00:11:18.889 --> 00:11:22.389 彼は私に言いました 「出身はどこですか?」 00:11:22.389 --> 00:11:24.330 私は言いました 「ニューヨークからです」 00:11:24.330 --> 00:11:27.670 「いや 違う そうじゃなくて 本当に どこの出身ですか?」 00:11:27.670 --> 00:11:28.849 「ニューヨークですが」 00:11:28.849 --> 00:11:31.899 「いや 違う 違う 違う 言葉にアクセントがあるでしょう 00:11:31.899 --> 00:11:33.086 どこの出身ですか?」 00:11:33.086 --> 00:11:34.114 (笑) 00:11:34.114 --> 00:11:37.196 それで私は言いました 「ああ 私は聾者なので」 00:11:37.196 --> 00:11:39.929 「まさか 今話しているじゃないですか 00:11:39.929 --> 00:11:41.034 どこの出身ですか?」 00:11:41.034 --> 00:11:42.127 「はいはい 00:11:42.127 --> 00:11:43.333 (笑) 00:11:43.333 --> 00:11:44.797 その通り 私はアフリカ出身 00:11:44.797 --> 00:11:46.243 だからアフリカなまりです」 00:11:46.243 --> 00:11:48.268 (笑) 00:11:48.601 --> 00:11:52.250 つまり 皆さんが思うより 骨が折れることもあります 00:11:52.250 --> 00:11:53.982 でもいいんです いいんです 00:11:53.982 --> 00:11:55.862 (笑) 00:11:55.862 --> 00:12:00.010 でも それ以外にも 否定的な反応をされることがあります 00:12:00.250 --> 00:12:02.935 橋は一方からだけでは架けられません 00:12:02.935 --> 00:12:06.652 自発的に 皆さんのところに 来てくれる相手が必要です 00:12:06.970 --> 00:12:09.130 私は多くの困った状況に遭遇してきました 00:12:09.130 --> 00:12:14.990 たとえば人が私に言います 「なんでわざわざ 法律大学院に行くの? 00:12:15.680 --> 00:12:18.500 法廷でどうやって意思疎通するつもり?」 00:12:18.500 --> 00:12:21.924 また 私のことをあざ笑い 私の意見に取り合わない人もいました 00:12:21.924 --> 00:12:24.209 私のことを「聾者で話せない」と思うからです 00:12:24.209 --> 00:12:25.679 あるいは 人が私を見て 00:12:25.679 --> 00:12:28.989 考えることといったら 通訳の費用だけだったりします 00:12:29.889 --> 00:12:32.644 でも私はそういう人々にこう言います 00:12:32.644 --> 00:12:35.322 いいですよ 人にはそういうところもありますから 00:12:35.322 --> 00:12:37.360 人の信念はそれぞれです 00:12:37.360 --> 00:12:41.219 でも大事なことは 皆さんが人々と架ける橋が 00:12:41.219 --> 00:12:43.189 それらを補ってくれることです 00:12:43.189 --> 00:12:46.230 皆さんの架ける橋が 社会を前進させるのです 00:12:46.230 --> 00:12:49.960 皆さんが橋を架けるにつれ その数は増えていきます 00:12:49.960 --> 00:12:52.382 そして皆さんを信じなかった人の数は 00:12:52.382 --> 00:12:53.402 減っていくでしょう 00:12:53.402 --> 00:12:54.615 よく聞いてください 00:12:54.615 --> 00:12:56.709 私が法科大学院で修了証書をもらう時 00:12:56.709 --> 00:13:00.391 メールで修了証書を送る相手全員の リストを持っていますからね(笑) 00:13:00.391 --> 00:13:01.391 メールで修了証書を送る相手全員の リストを持っていますからね(笑) 00:13:01.391 --> 00:13:02.414 彼らは後悔するでしょう (笑) 00:13:02.414 --> 00:13:03.414 彼らは後悔するでしょう (笑) 00:13:03.414 --> 00:13:04.532 後悔するでしょう 00:13:07.030 --> 00:13:10.420 これは 私が大学で築いた橋の1つの例です 00:13:10.420 --> 00:13:12.870 私のルームメイト達は 私にとって最高の仲間です 00:13:12.870 --> 00:13:17.330 私が勇気を出して 踏み出さなければ 出会えなかった仲間です 00:13:17.330 --> 00:13:20.726 私が知る限り 最高の仲間への ささやかな賛辞でした 00:13:20.726 --> 00:13:22.043 賛辞! 00:13:22.043 --> 00:13:23.541 (笑) 00:13:24.071 --> 00:13:25.985 私の結論はこうです 00:13:25.985 --> 00:13:28.680 私は橋の真ん中に立っていて 00:13:28.939 --> 00:13:31.011 自分がどの世界に属するかは 00:13:31.011 --> 00:13:35.324 選ばなくていいのだと 本当に良く 分かっています 00:13:35.694 --> 00:13:37.399 「ヘザーの世界」にいられるのです 00:13:37.399 --> 00:13:39.724 だから皆さんにも 自分の世界が持てます 00:13:39.724 --> 00:13:41.509 他人の言うことを誰が気にしますか? 00:13:42.499 --> 00:13:48.119 私達 皆が手を伸ばし 繋がりながらも 自分らしくあること ― それらの影響を 00:13:48.119 --> 00:13:50.040 世界に波及させるべきだと思います 00:13:50.040 --> 00:13:53.625 そして皆さんは橋の向こう側に見る光景に 00:13:53.625 --> 00:13:56.960 とても驚くだろうと思います 00:13:56.960 --> 00:14:02.233 だから手を伸ばし 他者を受け入れ 多様な経験を理解するよう努めましょう 00:14:02.233 --> 00:14:04.674 他者が自分の経験を 理解することを受け入れましょう 00:14:04.674 --> 00:14:07.816 皆さんの経験が良くても悪くても 00:14:07.816 --> 00:14:10.649 それは他者に影響を与えるでしょう 00:14:10.649 --> 00:14:11.859 ありがとうございました 00:14:11.859 --> 00:14:13.440 (笑)