1 00:00:10,550 --> 00:00:11,620 こんにちは 皆さん! 2 00:00:11,620 --> 00:00:12,735 私の声は聞こえますか? 3 00:00:12,735 --> 00:00:14,058 聞こえる? 了解 4 00:00:14,212 --> 00:00:15,640 私はヘザー・アーティニアンで 5 00:00:15,640 --> 00:00:19,297 今日ここで皆さんの前に立つことに 本当にワクワクしています 6 00:00:19,427 --> 00:00:21,559 まず 質問があります 7 00:00:21,559 --> 00:00:24,224 皆さんはどの世界に属していますか? 8 00:00:24,444 --> 00:00:27,057 なぜなら 私はいつもこう聞かれるからです 9 00:00:27,057 --> 00:00:28,920 そして私の答えはいつも 10 00:00:28,920 --> 00:00:30,875 「ヘザーの世界よ」です 11 00:00:30,960 --> 00:00:32,150 (笑) 12 00:00:32,235 --> 00:00:36,040 今日は 私がどうやって「ヘザーの世界」に 辿り着いたかをお話しします 13 00:00:36,040 --> 00:00:40,191 そして今日私の話を聞いて 皆さんに 14 00:00:40,191 --> 00:00:42,549 なぜ互いの世界の間に 橋を架けるべきかについて 15 00:00:42,549 --> 00:00:47,169 より深く理解して頂けたら とても嬉しいと思います 16 00:00:48,640 --> 00:00:51,860 私は全く耳が聴こえない 聾(ろう)者として生まれました 17 00:00:51,860 --> 00:00:56,029 つまり原爆でもない限り 何も聴こえないという意味です 18 00:00:56,029 --> 00:00:58,690 便利なことよと感謝しています 19 00:00:58,690 --> 00:01:02,642 他には 毎晩確実にぐっすり眠れるのが 20 00:01:02,642 --> 00:01:04,030 素晴らしいですね 21 00:01:04,030 --> 00:01:05,120 (笑) 22 00:01:05,120 --> 00:01:10,490 私の家族は 両親も含めて耳が聴こえず 社会的にも聾です 23 00:01:10,490 --> 00:01:13,890 これは 手話で意思疎通をするという意味です 24 00:01:13,890 --> 00:01:15,865 彼らは聾学校に通い 25 00:01:15,865 --> 00:01:17,022 友達も耳が不自由で 26 00:01:17,022 --> 00:01:19,940 完全にその世界に どっぷり漬かっています 27 00:01:20,040 --> 00:01:23,370 私の2人の聾者の弟も同じような状態です 28 00:01:23,670 --> 00:01:26,300 でも私には 聴者の祖父母と 29 00:01:26,300 --> 00:01:29,270 聴者のおじ達と 聾者のおば達といとこ達がいて 30 00:01:29,270 --> 00:01:33,365 私の家族は 聴者と聾者が 入り混じった大家族で 31 00:01:33,365 --> 00:01:35,880 そこが私がこの家族の大好きなところです 32 00:01:36,220 --> 00:01:38,395 5歳の時 33 00:01:39,975 --> 00:01:42,630 私は橋の上に立っていて 34 00:01:42,630 --> 00:01:47,969 私の左側には 聾者の両親と 聾者の世界がありました 35 00:01:48,430 --> 00:01:50,245 そして右側には 36 00:01:50,245 --> 00:01:53,910 聴者の祖父母と 聴者の世界がありました 37 00:01:54,470 --> 00:01:56,765 私はたった5歳でしたが 38 00:01:56,765 --> 00:02:02,152 両方の世界に属したいと 強く願っていました 39 00:02:03,292 --> 00:02:05,734 それが論争の始まりです 40 00:02:05,734 --> 00:02:07,492 [響きと怒り] 41 00:02:09,522 --> 00:02:15,095 このドキュメンタリー映画は 聴覚を補助する人工内耳をつけると 42 00:02:15,095 --> 00:02:17,750 私が決心したことから生まれました 43 00:02:17,750 --> 00:02:23,185 聾者の両親と聾者の世界は とても批判的でした 44 00:02:23,185 --> 00:02:29,060 まるで私が 聾者の世界は 私には不十分だと言い 45 00:02:29,060 --> 00:02:32,290 両親の全人生を拒否しているように 受け止められたからです 46 00:02:32,290 --> 00:02:33,950 そんなことなかったのにです 47 00:02:33,950 --> 00:02:37,220 でもその後 聴者の世界からも批判され 48 00:02:37,220 --> 00:02:39,535 両親に向かってこう言われました 49 00:02:39,535 --> 00:02:42,970 「なぜ 我が子に聴くチャンスを 与えないのか?」と 50 00:02:42,970 --> 00:02:45,045 複雑な問題ですよね? 51 00:02:45,045 --> 00:02:47,452 そうやって論争は始まりました 52 00:02:48,442 --> 00:02:49,970 映画の最後で 53 00:02:50,730 --> 00:02:54,725 全ての闘いの後 私の両親は最終的に 54 00:02:54,725 --> 00:02:59,990 私にとって 当時の最良の選択は 人工内耳をつけないことだと判断しました 55 00:03:00,470 --> 00:03:04,410 ですから私は 一度は橋の真ん中にいたのに 56 00:03:04,410 --> 00:03:09,870 そこで 左側の聾者の世界に どっぷり浸かってしまった訳です 57 00:03:09,870 --> 00:03:12,340 一家でメリーランド州に引っ越すと 58 00:03:12,340 --> 00:03:17,540 そこには前に住んでいたニューヨークに比べて 巨大な 聾者のコミュニティがありました 59 00:03:17,540 --> 00:03:22,660 大ヒット映画やレストランや 食料品店へ行ったりしても 60 00:03:22,660 --> 00:03:26,265 従業員達が 聾者の世界を よく分かっているので簡単です 61 00:03:26,265 --> 00:03:28,857 聾者への接し方を心得ていました 62 00:03:29,277 --> 00:03:31,428 前に住んでいたニューヨークで 63 00:03:31,428 --> 00:03:33,480 両親とレストランに行った時を思い出します 64 00:03:33,480 --> 00:03:36,436 飲み物を注文するだけで もう大変な苦労でした 65 00:03:36,756 --> 00:03:39,588 「何?」と「ハァ?」と 指さしと 66 00:03:39,588 --> 00:03:41,397 「いやこれは注文してない」の連発です 67 00:03:41,397 --> 00:03:44,465 でもメリーランドでは 給仕人が やり方を心得ていました 68 00:03:44,765 --> 00:03:47,250 私と弟達は聾学校に通いました 69 00:03:47,540 --> 00:03:50,905 両親は目に見えて幸せでした 70 00:03:51,875 --> 00:03:54,589 しかし そこに約3年半暮らした頃に 71 00:03:54,589 --> 00:03:56,614 母が大きな病気にかかり 72 00:03:56,614 --> 00:03:58,779 私達はニューヨークへ 戻らざるを得ませんでした 73 00:03:58,999 --> 00:04:05,450 そして私は 再び聴者の世界に直面しました 74 00:04:05,760 --> 00:04:10,130 近所の子供達は皆 言葉を話し 手話はしませんでした 75 00:04:10,130 --> 00:04:13,400 私は 彼らと意思疎通したいと 思ったのを覚えています 76 00:04:13,400 --> 00:04:15,140 彼らと遊びたいと思いました 77 00:04:15,140 --> 00:04:17,434 当時 私は9歳でした 78 00:04:17,674 --> 00:04:21,069 そしてしばらくの間 私は人工内耳を欲しいとは思いませんでした 79 00:04:21,069 --> 00:04:24,514 私は 無性にメリーランドに 戻りたいと思いました 80 00:04:24,514 --> 00:04:28,310 それまでの人生を通じて知った 快適な世界に戻りたいと思いました 81 00:04:28,690 --> 00:04:30,419 でもしばらく後に — 82 00:04:30,419 --> 00:04:34,769 特に 耳が聴こえず 意思疎通ができないという理由で 83 00:04:34,769 --> 00:04:37,059 父が仕事で昇進を逃した後 ― 84 00:04:37,059 --> 00:04:39,904 私は 同じ目に遭いたくないと実感しました 85 00:04:40,394 --> 00:04:41,778 強く実感しました 86 00:04:42,198 --> 00:04:45,265 そして 誰とでも意思疎通できるように なりたいと心底思いました 87 00:04:45,265 --> 00:04:50,009 それで10歳の時に 人工内耳をつけることを決心しました 88 00:04:50,009 --> 00:04:52,414 [響きと怒り 6年後] 89 00:04:52,414 --> 00:04:54,217 そして両親も承知してくれました 90 00:04:54,767 --> 00:04:59,250 医師には 人工内耳をつけても 成果はごくわずかだろう ― 91 00:04:59,250 --> 00:05:00,535 なぜなら 私はもう10歳で 92 00:05:00,535 --> 00:05:03,440 言語を効果的に学べる臨界期を過ぎているから 93 00:05:03,440 --> 00:05:07,219 すごくうまく話したり聞いたりするようには ならないだろう と言われましたが 94 00:05:07,219 --> 00:05:08,759 私は 試してみたいと思いました 95 00:05:08,759 --> 00:05:09,759 分からないでしょ? 96 00:05:09,759 --> 00:05:11,019 うまくいくかも知れません 97 00:05:11,019 --> 00:05:13,529 そして現在 私は上手く行ったと思っています 98 00:05:13,529 --> 00:05:17,378 よく聴こえるようになり 上手く話せるようになりました 99 00:05:18,348 --> 00:05:22,031 私は最初から 聾学校に通ったので 100 00:05:22,221 --> 00:05:26,470 発話や聞き取りの スキルがありませんでした 101 00:05:26,470 --> 00:05:28,020 人は私の言うことが分からず 102 00:05:28,020 --> 00:05:29,312 ただ座って頷いて 103 00:05:29,312 --> 00:05:32,043 「うーん 何を言ってるのか 分からない」と言うだけでした 104 00:05:32,043 --> 00:05:33,105 (笑) 105 00:05:33,105 --> 00:05:34,120 でもいいんです 106 00:05:34,120 --> 00:05:37,973 その間私は ずっと言語療法に通っていました 107 00:05:37,973 --> 00:05:39,930 そして高校に入った時 108 00:05:39,930 --> 00:05:43,356 私の話す能力と聴く能力は 良くなってきていると気づきました 109 00:05:43,356 --> 00:05:47,760 人々は私の言うことを理解し始め 私も相手の言葉を理解し始めました 110 00:05:48,300 --> 00:05:52,990 私はスポーツもしたのですが それが仲間に入る為の私の方法でした 111 00:05:52,990 --> 00:05:57,830 なぜなら彼らは耳が聴こえるか 聴こえないかで私を見ずに 112 00:05:57,830 --> 00:06:00,949 私を見てスポーツが得意みたいだから 113 00:06:00,949 --> 00:06:02,994 友達になりたいと思ってくれたのです 114 00:06:02,994 --> 00:06:06,539 それは私が気づいた 隔たりを埋めるための最初の機会でした 115 00:06:07,429 --> 00:06:12,619 当時の私は 学校に通い クラブや活動に参加していました 116 00:06:12,619 --> 00:06:15,664 その後 私だけの次の訓練がありました 117 00:06:15,664 --> 00:06:17,779 夜9時に家に帰って 118 00:06:17,779 --> 00:06:19,399 まっすぐ言語療法に行き 119 00:06:19,399 --> 00:06:21,490 その後 宿題をしました 120 00:06:21,490 --> 00:06:24,572 これを 卒業するまで毎日やりました 121 00:06:25,002 --> 00:06:28,875 多大な労力と献身が必要でしたが 私は進んでやりました 122 00:06:28,875 --> 00:06:30,782 その成果は出ました 123 00:06:30,782 --> 00:06:33,079 すべてを私だけでやったのではありません 124 00:06:33,079 --> 00:06:34,694 たくさんの助けをもらいました 125 00:06:34,694 --> 00:06:38,219 毎晩私に我慢強くつきあってくれた 言語療法士達がいました 126 00:06:38,219 --> 00:06:42,329 教室には 私が理解できない時に 助けてくれる通訳がいました 127 00:06:42,329 --> 00:06:46,714 最初から最後まで 私を支えてくれた 素晴らしい家族がいました 128 00:06:47,264 --> 00:06:52,519 私が16歳の時 両親と弟達は ニューヨークのロチェスターに越しました 129 00:06:52,519 --> 00:06:56,469 そこにはメリーランドのような 大きな聾者のコミュニティがありました 130 00:06:56,469 --> 00:06:59,909 私は残って 祖父母と暮らしました 131 00:06:59,909 --> 00:07:02,554 なぜなら それが当時 私にとって最善の決断であり 132 00:07:02,554 --> 00:07:06,009 発話によって人と繋がろうとする 133 00:07:06,009 --> 00:07:09,759 それまでずっとやってきたことを 続けたかったからです 134 00:07:11,759 --> 00:07:13,959 私の家族の写真をもっとお見せします 135 00:07:13,959 --> 00:07:17,180 私のおじ おばと 素晴らしい祖父母と 136 00:07:17,180 --> 00:07:19,930 他のおじといとこ達です 137 00:07:19,930 --> 00:07:25,710 現在まで早送りすると 私はジョージタウン大学の3年生です 138 00:07:25,710 --> 00:07:29,330 専攻は政治学で 副専攻は正義と平和研究です 139 00:07:29,330 --> 00:07:31,300 私は憧れの大学にいます 140 00:07:31,300 --> 00:07:33,569 私の夢は法科大学院に行って 141 00:07:33,569 --> 00:07:36,398 うまくいけば ジョージタウンの皆のように 142 00:07:36,398 --> 00:07:38,093 最高裁判所判事になることです 143 00:07:38,093 --> 00:07:39,229 ひょっとしたらね? 144 00:07:39,229 --> 00:07:40,126 (笑)(拍手) 145 00:07:40,126 --> 00:07:41,657 たぶん たぶんですよ 146 00:07:41,657 --> 00:07:43,459 ありがとうございます 147 00:07:45,229 --> 00:07:47,909 高校卒業後 あることに気づきました 148 00:07:47,909 --> 00:07:53,919 私は聴者の世界に属す必要はなかったし 聾者の世界に属す必要もありませんでした 149 00:07:53,919 --> 00:07:55,747 ただ真ん中に立って 150 00:07:55,747 --> 00:07:58,759 私自身の「ヘザーの世界」に いれば良かったのです 151 00:07:58,759 --> 00:08:02,550 そこは私が経験してきた あらゆることが混じり合った世界です 152 00:08:02,550 --> 00:08:06,734 聾者として 聴者の世界に暮らし 人工内耳をつけている ― 153 00:08:06,734 --> 00:08:09,439 言い忘れましたが 今は人工内耳を2つ つけています 154 00:08:10,029 --> 00:08:12,809 この気づきから こう考えるようになりました 155 00:08:12,809 --> 00:08:14,414 私は強く信じます 156 00:08:14,414 --> 00:08:17,494 [自分の内と外の世界を 橋渡しする好機を逃さないこと] 157 00:08:17,494 --> 00:08:23,535 誰もが 自分と他者の世界を 繋ぐ機会を掴むべきです 158 00:08:24,345 --> 00:08:27,098 経験の大小に関わらず 159 00:08:27,098 --> 00:08:28,294 それができます 160 00:08:28,294 --> 00:08:30,027 私が自分の経験から学んだのは 161 00:08:30,027 --> 00:08:34,329 相手が 意地悪そうだったり よそよそしく思えても 162 00:08:34,329 --> 00:08:37,579 それは 皆さんを 好きではないからではありません 163 00:08:37,579 --> 00:08:41,479 ほとんどの場合 それは 怯えや不理解からくるものです 164 00:08:41,479 --> 00:08:45,010 耳が聴こえないことだけを見て ヘザーという個人を見ていません 165 00:08:45,010 --> 00:08:49,374 ですから 手を伸ばして そこに架け橋を作ることが 166 00:08:49,374 --> 00:08:51,619 私と皆さんのやるべき仕事です 167 00:08:51,619 --> 00:08:54,186 私だったら自己紹介でこう言います 168 00:08:54,186 --> 00:08:56,860 「私はヘザーで 聾者です — それは分かっています 169 00:08:56,860 --> 00:09:00,138 でも人工内耳をつけてるから ちゃんとやり取りできます 170 00:09:00,138 --> 00:09:03,181 私の言うことが分からなければ 喜んで 繰り返し言います 171 00:09:03,181 --> 00:09:05,870 ルームメイトはいつも そうしているから任せてね」と 172 00:09:05,870 --> 00:09:07,380 (笑) 173 00:09:07,380 --> 00:09:10,135 すると変化が起きます 174 00:09:10,135 --> 00:09:14,728 「なんだ 彼女は普通だ ただ会話すればいいんだ」と 175 00:09:14,728 --> 00:09:15,970 相手が気づき始めます 176 00:09:15,970 --> 00:09:19,660 相手が安心すること それが鍵です 177 00:09:19,660 --> 00:09:23,520 人は新しいものを見ると不安に感じます 178 00:09:23,520 --> 00:09:27,189 私達が人としてすべきは 相手に手を伸ばすことだと思います 179 00:09:27,999 --> 00:09:31,804 これは 様々なことに当てはまります 180 00:09:31,804 --> 00:09:37,109 人種 性別 障害 政治 教育を利用する機会です 181 00:09:37,879 --> 00:09:40,969 手を伸ばして下さい そうすれば 驚きが待っています 182 00:09:41,699 --> 00:09:44,920 誰にもそういう経験があると 私は心底思っています 183 00:09:44,920 --> 00:09:47,250 [誰もが影響を与えることができる] 184 00:09:47,510 --> 00:09:53,249 大なり小なり 影響を及ぼすでしょう 185 00:09:53,539 --> 00:09:57,589 私が誰か一人に手を伸ばして 耳が聴こえないことについて語るだけで 186 00:09:57,589 --> 00:10:02,590 多分その人は 周囲に他の聾者がいても 気まずく感じなくなるでしょう 187 00:10:02,590 --> 00:10:06,359 そしておそらく 他の物事についても より気楽に対処できるようになります 188 00:10:06,359 --> 00:10:08,299 すでに新しいことを試した後ですからね 189 00:10:08,299 --> 00:10:11,299 [自分が心を開くことでどれほど 他者の人生に影響することか] 190 00:10:11,299 --> 00:10:12,909 私は心からこう感じます 191 00:10:13,409 --> 00:10:17,369 一旦 橋をかけて 心を開いたら 192 00:10:17,369 --> 00:10:22,160 橋渡しをする価値があることを 相手に分かってもらう助けになります 193 00:10:22,340 --> 00:10:23,983 私達全員にその価値があります 194 00:10:23,983 --> 00:10:26,216 もし皆さんが心を開けば 195 00:10:26,216 --> 00:10:29,130 相手は理解し 大抵の場合 自分もそうしようとするでしょう 196 00:10:29,750 --> 00:10:31,770 私は 親友に出会いました 197 00:10:34,100 --> 00:10:35,599 高校の時でした 198 00:10:35,599 --> 00:10:38,399 中学では 私は本当に恥ずかしがりで 199 00:10:38,399 --> 00:10:39,939 誰とも心を通わせませんでした 200 00:10:39,939 --> 00:10:43,329 隅っこに立って何も話しませんでした 201 00:10:43,329 --> 00:10:47,479 でも スピーチに自信がついた時 私は 相手に働きかけ始めました 202 00:10:47,479 --> 00:10:50,469 そして私がこの1人の人物に 働きかけたことがきっかけで 203 00:10:50,469 --> 00:10:53,419 彼女は今 手話を学んでいます 204 00:10:53,419 --> 00:10:56,324 彼女の手話は ほぼ完璧で 言語病理学の研究をしていて 205 00:10:56,324 --> 00:11:00,590 私に出会っただけで 聾者の社会に 貢献したいと思うようになりました 206 00:11:00,590 --> 00:11:05,290 だから皆さんも自分の経験を通して 他者に働きかけるだけで 207 00:11:05,290 --> 00:11:08,390 誰かの人生を変えることができます 208 00:11:12,030 --> 00:11:14,869 でも時として 相手に 理解されないこともあります 209 00:11:15,389 --> 00:11:18,889 ある人と話した時のことですが 210 00:11:18,889 --> 00:11:22,389 彼は私に言いました 「出身はどこですか?」 211 00:11:22,389 --> 00:11:24,330 私は言いました 「ニューヨークからです」 212 00:11:24,330 --> 00:11:27,670 「いや 違う そうじゃなくて 本当に どこの出身ですか?」 213 00:11:27,670 --> 00:11:28,849 「ニューヨークですが」 214 00:11:28,849 --> 00:11:31,899 「いや 違う 違う 違う 言葉にアクセントがあるでしょう 215 00:11:31,899 --> 00:11:33,086 どこの出身ですか?」 216 00:11:33,086 --> 00:11:34,114 (笑) 217 00:11:34,114 --> 00:11:37,196 それで私は言いました 「ああ 私は聾者なので」 218 00:11:37,196 --> 00:11:39,929 「まさか 今話しているじゃないですか 219 00:11:39,929 --> 00:11:41,034 どこの出身ですか?」 220 00:11:41,034 --> 00:11:42,127 「はいはい 221 00:11:42,127 --> 00:11:43,333 (笑) 222 00:11:43,333 --> 00:11:44,797 その通り 私はアフリカ出身 223 00:11:44,797 --> 00:11:46,243 だからアフリカなまりです」 224 00:11:46,243 --> 00:11:48,268 (笑) 225 00:11:48,601 --> 00:11:52,250 つまり 皆さんが思うより 骨が折れることもあります 226 00:11:52,250 --> 00:11:53,982 でもいいんです いいんです 227 00:11:53,982 --> 00:11:55,862 (笑) 228 00:11:55,862 --> 00:12:00,010 でも それ以外にも 否定的な反応をされることがあります 229 00:12:00,250 --> 00:12:02,935 橋は一方からだけでは架けられません 230 00:12:02,935 --> 00:12:06,652 自発的に 皆さんのところに 来てくれる相手が必要です 231 00:12:06,970 --> 00:12:09,130 私は多くの困った状況に遭遇してきました 232 00:12:09,130 --> 00:12:14,990 たとえば人が私に言います 「なんでわざわざ 法律大学院に行くの? 233 00:12:15,680 --> 00:12:18,500 法廷でどうやって意思疎通するつもり?」 234 00:12:18,500 --> 00:12:21,924 また 私のことをあざ笑い 私の意見に取り合わない人もいました 235 00:12:21,924 --> 00:12:24,209 私のことを「聾者で話せない」と思うからです 236 00:12:24,209 --> 00:12:25,679 あるいは 人が私を見て 237 00:12:25,679 --> 00:12:28,989 考えることといったら 通訳の費用だけだったりします 238 00:12:29,889 --> 00:12:32,644 でも私はそういう人々にこう言います 239 00:12:32,644 --> 00:12:35,322 いいですよ 人にはそういうところもありますから 240 00:12:35,322 --> 00:12:37,360 人の信念はそれぞれです 241 00:12:37,360 --> 00:12:41,219 でも大事なことは 皆さんが人々と架ける橋が 242 00:12:41,219 --> 00:12:43,189 それらを補ってくれることです 243 00:12:43,189 --> 00:12:46,230 皆さんの架ける橋が 社会を前進させるのです 244 00:12:46,230 --> 00:12:49,960 皆さんが橋を架けるにつれ その数は増えていきます 245 00:12:49,960 --> 00:12:52,382 そして皆さんを信じなかった人の数は 246 00:12:52,382 --> 00:12:53,402 減っていくでしょう 247 00:12:53,402 --> 00:12:54,615 よく聞いてください 248 00:12:54,615 --> 00:12:56,709 私が法科大学院で修了証書をもらう時 249 00:12:56,709 --> 00:13:00,391 メールで修了証書を送る相手全員の リストを持っていますからね(笑) 250 00:13:00,391 --> 00:13:01,391 メールで修了証書を送る相手全員の リストを持っていますからね(笑) 251 00:13:01,391 --> 00:13:02,414 彼らは後悔するでしょう (笑) 252 00:13:02,414 --> 00:13:03,414 彼らは後悔するでしょう (笑) 253 00:13:03,414 --> 00:13:04,532 後悔するでしょう 254 00:13:07,030 --> 00:13:10,420 これは 私が大学で築いた橋の1つの例です 255 00:13:10,420 --> 00:13:12,870 私のルームメイト達は 私にとって最高の仲間です 256 00:13:12,870 --> 00:13:17,330 私が勇気を出して 踏み出さなければ 出会えなかった仲間です 257 00:13:17,330 --> 00:13:20,726 私が知る限り 最高の仲間への ささやかな賛辞でした 258 00:13:20,726 --> 00:13:22,043 賛辞! 259 00:13:22,043 --> 00:13:23,541 (笑) 260 00:13:24,071 --> 00:13:25,985 私の結論はこうです 261 00:13:25,985 --> 00:13:28,680 私は橋の真ん中に立っていて 262 00:13:28,939 --> 00:13:31,011 自分がどの世界に属するかは 263 00:13:31,011 --> 00:13:35,324 選ばなくていいのだと 本当に良く 分かっています 264 00:13:35,694 --> 00:13:37,399 「ヘザーの世界」にいられるのです 265 00:13:37,399 --> 00:13:39,724 だから皆さんにも 自分の世界が持てます 266 00:13:39,724 --> 00:13:41,509 他人の言うことを誰が気にしますか? 267 00:13:42,499 --> 00:13:48,119 私達 皆が手を伸ばし 繋がりながらも 自分らしくあること ― それらの影響を 268 00:13:48,119 --> 00:13:50,040 世界に波及させるべきだと思います 269 00:13:50,040 --> 00:13:53,625 そして皆さんは橋の向こう側に見る光景に 270 00:13:53,625 --> 00:13:56,960 とても驚くだろうと思います 271 00:13:56,960 --> 00:14:02,233 だから手を伸ばし 他者を受け入れ 多様な経験を理解するよう努めましょう 272 00:14:02,233 --> 00:14:04,674 他者が自分の経験を 理解することを受け入れましょう 273 00:14:04,674 --> 00:14:07,816 皆さんの経験が良くても悪くても 274 00:14:07,816 --> 00:14:10,649 それは他者に影響を与えるでしょう 275 00:14:10,649 --> 00:14:11,859 ありがとうございました 276 00:14:11,859 --> 00:14:13,440 (笑)