0:00:07.136,0:00:10.385
二十歳のとき 私は天にも昇る心地でした

0:00:11.045,0:00:13.319
大学で東アジア研究を専攻していて

0:00:13.319,0:00:14.892
日本政府から

0:00:14.892,0:00:18.462
権威ある奨学金を勝ち取ったのです

0:00:19.234,0:00:22.191
一年間 東京に住め

0:00:22.752,0:00:25.139
日本の言葉や文化を

0:00:25.706,0:00:27.729
無償で学べるというものでした

0:00:28.907,0:00:33.659
私のようなお金のない若者にとっては[br]宝くじに当たったようなものでした

0:00:35.036,0:00:38.964
ある日 大学のキャンパスで[br]健康フェアがあり

0:00:39.686,0:00:44.490
私は面白半分に[br]血圧検査を受けてみました

0:00:45.943,0:00:50.504
驚いたことに[br]血圧が異常に高かったのです

0:00:52.063,0:00:55.481
看護師は すぐに私を大学の診療所に送り[br]追加検査をしたところ

0:00:55.481,0:00:58.126
尿の中にタンパク質が見つかりました

0:01:00.354,0:01:02.274
これは良い兆候ではありません

0:01:03.873,0:01:06.910
急いで専門医に診てもらい

0:01:07.767,0:01:08.859
数週間後には

0:01:08.859,0:01:12.972
私は腎臓を攻撃する[br]不治の自己免疫疾患にかかっていると

0:01:12.972,0:01:15.227
診断されました

0:01:16.478,0:01:19.808
医師が言うには 私の命は[br]もってあと５年ということでした

0:01:21.473,0:01:22.891
一瞬のうちに

0:01:23.390,0:01:27.578
私の人生は暗闇へと転落したように[br]感じられました

0:01:29.160,0:01:31.980
そして さらに悪いことに

0:01:31.980,0:01:34.490
私は奨学金を[br]返上しなくてはいけませんでした

0:01:34.490,0:01:35.718
（笑）

0:01:36.288,0:01:40.719
オハイオにとどまり[br]治療に専念しなければならなかったのです

0:01:42.492,0:01:45.615
この最初のショックが過ぎてから

0:01:47.356,0:01:50.360
私はあらためて同級生たちを見回しました

0:01:50.360,0:01:52.397
彼らがフリスビーを投げ

0:01:52.397,0:01:53.565
パーティーして

0:01:53.565,0:01:55.006
酔っ払っている姿に

0:01:56.619,0:01:57.704
腹が立ちました

0:01:59.146,0:02:03.119
なぜなら私はまだ20歳で

0:02:04.482,0:02:05.981
そして死が迫っていたからです

0:02:10.463,0:02:12.316
理性では わかっていたんです

0:02:12.316,0:02:16.963
怒りや敵意が 前に進むための[br]良い方法ではないことを

0:02:18.222,0:02:19.930
けれども 大きな問いがありました

0:02:19.930,0:02:21.870
この状況で私はどうしたらいいのか？

0:02:22.698,0:02:27.875
そして 頭の中では 大好きな[br]英雄物語のドキュメンタリーが

0:02:27.875,0:02:29.924
ぐるぐると回っていました

0:02:31.296,0:02:34.529
まるで 物語の主人公が

0:02:34.529,0:02:38.469
今までの快適な世界から投げ出され

0:02:38.469,0:02:41.919
危険な冒険へと旅立つような

0:02:42.769,0:02:46.717
ありふれた物語のようだったからです

0:02:48.889,0:02:50.601
もし冒険が成功すれば

0:02:50.601,0:02:53.586
自己の成長や 変容

0:02:53.586,0:02:55.034
そして新たな人生がやってきます

0:02:57.026,0:02:58.611
だから私は考えたのです

0:02:59.232,0:03:02.215
「この腎臓病が ヒーローの旅へ[br]誘っているのではないか」と

0:03:05.068,0:03:09.076
私は この腎臓病は[br]医学的なチャレンジというだけではなく

0:03:09.076,0:03:12.008
自分の内面における[br]精神的なチャレンジでもあるんだと

0:03:12.008,0:03:13.868
気づき始めました

0:03:14.687,0:03:16.302
しかし、どうすればいいのでしょう？

0:03:17.006,0:03:20.719
医者に電話して処方箋をもらうようには[br]簡単にはできません

0:03:23.431,0:03:24.360
そんな時

0:03:24.676,0:03:25.984
これ以上ないタイミングで

0:03:26.906,0:03:28.766
宗教学の先生が 私に

0:03:28.766,0:03:34.111
禅の瞑想の実践法についての[br]古典的な本を紹介してくれたのです

0:03:36.287,0:03:41.032
日本では 歴史的に見て[br]禅は武士たちが実践するものであり

0:03:41.422,0:03:44.002
彼らが意識を強く集中させ

0:03:44.002,0:03:49.381
死への恐れや その他の感情を[br]変容させていくのに使っていました

0:03:51.501,0:03:54.669
直感的に私は 禅を武器に

0:03:54.669,0:04:00.825
この病を乗り越える[br]戦士になるという考えに惹かれました

0:04:02.849,0:04:05.258
それから毎晩

0:04:05.578,0:04:07.812
私は蒸し暑い屋根裏部屋のアパートで

0:04:08.513,0:04:11.572
目を閉じて座禅を組み

0:04:11.572,0:04:15.403
私の人生で最も暗かった時期

0:04:15.403,0:04:18.153
禅の瞑想に取り組みました

0:04:19.984,0:04:21.176
ひとつずつ

0:04:21.633,0:04:23.652
私は自分の内面の葛藤に向き合い

0:04:25.020,0:04:26.606
それらを観察し

0:04:26.606,0:04:28.291
受け入れるにつれて

0:04:30.056,0:04:30.899
少しずつ

0:04:32.018,0:04:34.269
次第にそれらは[br]小さくなりはじめました

0:04:36.314,0:04:37.402
少しずつ

0:04:38.309,0:04:40.310
それぞれの場所で

0:04:40.847,0:04:42.447
ゆっくりと 静けさが

0:04:43.847,0:04:45.913
感覚として広がっていきました

0:04:47.459,0:04:49.051
禅での集中は

0:04:49.551,0:04:52.376
気持ちの処し方を与えてくれました

0:04:52.951,0:04:54.857
なぜなら この時の私には これが

0:04:54.857,0:04:57.004
自分でコントロールできる[br]唯一のことだったのです

0:04:58.241,0:04:59.149
１年が経ち

0:04:59.547,0:05:01.165
２年 そして４年が経ち…

0:05:02.549,0:05:04.613
私は何とか生き続けていました

0:05:05.036,0:05:06.616
しかし 私が決心していたのは

0:05:06.616,0:05:10.260
自分が情熱を持てることだけを[br]しようということでした

0:05:11.428,0:05:13.522
私の情熱は 私を大学院へと導き

0:05:14.389,0:05:17.386
そこで私は「フロー体験」を研究していた

0:05:17.386,0:05:21.994
著名な心理学者の研究室と出会いました

0:05:22.844,0:05:26.397
「フロー体験」とは 活力や充足感を感じる

0:05:26.397,0:05:29.150
非常に集中した瞬間のことです

0:05:30.108,0:05:31.184
彼が発見したのは

0:05:31.184,0:05:34.580
自分の内面を管理し[br]フロー状態に持っていける人は

0:05:34.580,0:05:38.262
自分自身や他者とつながり

0:05:38.930,0:05:41.926
また 人生の意味や目的を[br]感じとれていたということでした

0:05:44.011,0:05:46.581
フロー理論は[br]私が禅から学び始めていたものを

0:05:46.581,0:05:49.361
科学の目を通じて示してくれました

0:05:52.497,0:05:54.853
その後 私たちの研究室は

0:05:54.853,0:05:57.731
心理学部から[br]マネジメントスクールへと移り

0:05:58.268,0:06:00.579
そこで私は[br]マインドフルネスと呼ばれるものを

0:06:00.579,0:06:03.597
長期に実践していた[br]プロフェッショナルたちを

0:06:03.597,0:06:05.727
研究する機会を得ました

0:06:05.727,0:06:07.625
マインドフルネスは 禅のように

0:06:07.625,0:06:09.406
内面を鍛える方法で

0:06:10.076,0:06:12.536
その手法のひとつは

0:06:12.536,0:06:18.016
過去に行き詰ったことや[br]未来に対する執着から

0:06:18.606,0:06:21.989
「今ここでこの瞬間に起きている」ことに[br]自分を戻してくれることです

0:06:23.591,0:06:25.847
プロフェショナルたちの中には[br]あらゆる分野の人がいました

0:06:26.455,0:06:28.661
フォーチュン500のCEO

0:06:28.661,0:06:33.321
世界的に有名な建築家や映画監督[br]芸術家 ミュージシャン 作家などです

0:06:33.960,0:06:35.557
そして 私は彼らに尋ねました

0:06:35.557,0:06:37.919
「もしマインドフルネスの実践を[br]していなかったら

0:06:37.919,0:06:40.555
あなたの人生は[br]どうなっていたと思いますか？」

0:06:41.032,0:06:42.310
彼らは口々に言いました

0:06:43.090,0:06:46.273
「私の人生はとても複雑で

0:06:47.273,0:06:52.273
いつも一度に いろんな方向へと[br]引っ張られている

0:06:52.581,0:06:57.123
もし マインドフルネスを通して[br]心の軸を持ち 地に足をつけ

0:06:57.123,0:06:58.703
正気でいられなかったら

0:06:59.983,0:07:01.771
私はきっと死んでいたと思う」

0:07:03.612,0:07:05.011
私は衝撃を受けました

0:07:06.034,0:07:08.563
経営学の領域には[br]大切な何かが欠けているのではないかと

0:07:09.314,0:07:12.901
経営学に関する教育の[br]ほとんどは

0:07:12.901,0:07:15.331
自分の外側で起きることばかりに[br]注力していて

0:07:15.331,0:07:18.161
大切であるはずの[br]自分の内側からのリーダーシップに関しては

0:07:18.161,0:07:19.732
ほとんど何も語られていませんでした

0:07:21.115,0:07:22.763
私はそこに機会があると感じました

0:07:24.049,0:07:25.454
大学院からの賛同もあり

0:07:25.454,0:07:30.824
エグゼクティブたちに過酷なチャレンジを[br]経験させる授業を開発しました

0:07:31.662,0:07:34.209
彼らは 注意を逸らすものに[br]あふれた世の中で

0:07:34.209,0:07:36.189
精神を集中させる方法を[br]学ぶ必要がありました

0:07:36.509,0:07:38.461
彼らは 自分の感情的な反応について

0:07:38.461,0:07:40.091
しっかりと観察する必要があり

0:07:40.521,0:07:41.934
また 自分のエゴに対して

0:07:41.934,0:07:44.514
ひるまずに 向き合わなくてはなりません

0:07:45.530,0:07:47.971
この授業は[br]気の弱い人向けではありませんでした

0:07:48.818,0:07:50.325
そして 驚いたことに

0:07:50.325,0:07:52.308
この授業に 参加した人たちが[br]いたのです！

0:07:53.751,0:07:57.851
ある会社のCEOはこの授業のために[br]３時間も運転して通ってくれました

0:07:58.582,0:08:03.041
私の同僚は「彼はとても気難しい人だよ」と[br]私に忠告し

0:08:03.800,0:08:08.667
他の仕事仲間も彼の鋭い眼光と短気に[br]おびえていました

0:08:10.790,0:08:13.040
彼らはニヤリと笑って

0:08:13.040,0:08:16.157
当時 教員の中で最年少だった私に

0:08:16.157,0:08:17.670
「幸運を祈るよ！」と言うのです

0:08:18.748,0:08:21.127
まるでライオンの中に[br]投げ入れられたような気持ちでした

0:08:22.171,0:08:23.929
そのCEOは最前列に座り

0:08:24.730,0:08:26.143
しばらく静かにしていました

0:08:26.852,0:08:29.390
しかし 時間が経つにつれて[br]彼は心を開き始めたのです

0:08:29.949,0:08:34.300
彼は 無限に続くEメールや[br]顧客が求める即時対応に

0:08:34.300,0:08:37.501
すっかり圧倒されていることを[br]告白しました

0:08:38.525,0:08:41.010
絶え間なく続くマルチタスクが[br]彼の人生をおかしくし

0:08:41.010,0:08:44.830
採算をあげるためのプレッシャーが[br]さらにストレスを高めていました

0:08:47.195,0:08:49.492
次第に彼が気づき始め

0:08:50.822,0:08:52.200
私に言ったのは

0:08:52.710,0:08:54.510
彼自身が逆に

0:08:54.510,0:08:58.843
犠牲者の役割を喜んで演じていた[br]ということでした

0:09:00.753,0:09:03.258
大したことに聞こえないかもしれませんが

0:09:04.259,0:09:06.793
CEOとして その自分の状況を[br]認めたということが

0:09:07.931,0:09:10.554
実は彼のターニングポイントになったのです

0:09:12.276,0:09:14.494
時間が経つにつれて

0:09:15.199,0:09:19.446
彼はどれだけ自分が他者に対して[br]冷淡で無関心だったか自覚し

0:09:20.456,0:09:23.688
どれだけ彼のマネジメントスタイルが[br]カッとなりやすく 自分の感情に飲み込まれ

0:09:24.482,0:09:27.613
コントロールを失ってしまいやすいかを[br]見つめるようになっていきました

0:09:29.269,0:09:31.606
そして私へメールをよこしました

0:09:31.606,0:09:37.492
「自分がどんな執着をもっていたのか[br]少しずつ見えてきた

0:09:38.397,0:09:40.794
自分自身のプライドや見栄、強欲さも」

0:09:41.694,0:09:42.714
それに 彼を驚かせたのは

0:09:42.714,0:09:45.532
自分が心を開き[br]無防備で 弱い人間となった時

0:09:46.506,0:09:48.697
彼は 力強さや自由を[br]感じるようになったのです

0:09:49.641,0:09:52.212
「たぶん…」[br]彼は言いました

0:09:52.212,0:09:56.441
「たぶん 私は 思いやりとはどういうことか[br]分かり始めているのかもしれない」

0:09:57.389,0:09:59.195
授業が終わったとき

0:09:59.305,0:10:01.685
彼の目には微笑みがありました

0:10:02.185,0:10:03.224
私は彼に尋ねました

0:10:03.224,0:10:06.004
「この授業はあなた個人の人生に[br]どんな影響を与えましたか？」

0:10:06.004,0:10:07.233
彼は言いました

0:10:07.233,0:10:13.209
「私には35年間 自分に私的な人生なんて[br]なかったことに気づいたんだ

0:10:14.892,0:10:16.824
思い返してみると 昔の私は[br]もっと髪が長くて

0:10:18.027,0:10:20.689
意識とか精神性に興味をもっていた

0:10:21.125,0:10:22.136
その後 私は結婚し

0:10:22.567,0:10:23.479
子供が生まれ

0:10:23.978,0:10:26.269
家族を支えないといけない[br]と思うようになった

0:10:28.394,0:10:29.832
そして職を持ち

0:10:31.622,0:10:32.625
立ち止まることはなかった

0:10:35.031,0:10:38.896
気づくと 自分の願いなんて[br]いつの間にか静かに消え去っていた」

0:10:40.051,0:10:42.216
彼の顔には 涙が流れていました

0:10:43.229,0:10:45.159
「妻がこの前 私にこう言うんだ

0:10:45.159,0:10:46.881
『何があったのか知らないけれど

0:10:46.881,0:10:49.768
最近のあなたは 結婚した頃のあなたに[br]戻った気がするわ』」

0:10:51.344,0:10:56.176
それを聞いた瞬間[br]私は雷に打たれたよう気持ちでした

0:10:56.906,0:11:00.751
彼のような「難しい人」に起きた[br]大きな転換こそ

0:11:01.925,0:11:06.088
私が人生をかけて取り組むことだと[br]教えてくれたのです

0:11:06.383,0:11:08.910
そして私は 安定した[br]研究者としてのキャリアを辞め

0:11:08.910,0:11:13.609
本当に必要だと感じる[br]この仕事をすることにしました

0:11:15.281,0:11:17.949
その後 10年以上授業をする中で

0:11:17.949,0:11:19.744
彼が最初の一人と言えるのですが

0:11:19.744,0:11:26.637
心の底から 根本的に不満を溜めている[br]「難しい人たち」と数多く出会いました

0:11:26.726,0:11:30.388
彼らは 自分のもつ才能やスキル[br]そして知性のすべてを

0:11:31.638,0:11:34.367
成功するために役立て[br]それを楽しんでいました

0:11:34.367,0:11:36.862
しかし 最終的に[br]彼らは満足できませんでした

0:11:38.700,0:11:41.004
ですが どうすれば良いのか[br]わからなかったのです

0:11:41.540,0:11:43.592
だからこそ 彼らは[br]不満を溜め込んでしまうのです

0:11:44.747,0:11:46.949
「検証なき人生は生きるに値しない」

0:11:46.949,0:11:48.167
とソクラテスは言いますが、

0:11:48.167,0:11:51.038
実際にどう検証すれば良いのかなんて[br]誰も教えてくれません

0:11:52.313,0:11:55.600
その秘訣は 「今」に意識をおく力を

0:11:55.600,0:11:56.920
養うことにあると 私は思います

0:11:56.920,0:11:59.591
なぜなら それが自分自身への気づきを[br]高めるからです

0:11:59.591,0:12:02.601
そして その自己への気づきが[br]変化の機会を生み出すのです

0:12:02.601,0:12:05.677
これが 自分自身の変容につながるのです

0:12:07.478,0:12:11.642
社会として 私たちは「意識の向け方」に[br]充分に意識を向けていません

0:12:12.202,0:12:14.990
大切にもしていないし それを評価したり[br]その力を養おうともしていません

0:12:15.501,0:12:18.041
私たちはもっと「意識の向け方」を[br]大切にしないといけないのです！

0:12:19.055,0:12:21.788
私たちがは いつになったら[br]自覚するんでしょうか

0:12:21.788,0:12:25.948
その場にいる全員が パソコンを[br]見つめているようなミーティングは

0:12:25.948,0:12:27.818
本当の意味で[br]ミーティングではないのです

0:12:28.956,0:12:31.602
同様に おばあちゃんとの[br]「ブラックベリー」の思い出は

0:12:31.602,0:12:33.298
電話のブラックベリーではなく

0:12:33.298,0:12:34.567
手作りパイの方であるべきです

0:12:34.764,0:12:35.412
（笑）

0:12:36.772,0:12:39.742
「意識の向け方」の質とは 人生の質なんです

0:12:40.216,0:12:41.708
それは 人間関係の質であり

0:12:41.708,0:12:42.903
仕事の質でもあるんです

0:12:43.223,0:12:48.031
「意識の向け方」こそ 自分自身 そして[br]他者とつながるための

0:12:48.031,0:12:49.251
秘密の原材料なのです

0:12:49.866,0:12:53.686
マインドフルネスや禅は「大切なものに[br]意識を向ける」力を高める方法でもあり

0:12:53.686,0:12:55.979
より「フロー」と共に生きることができます

0:12:57.987,0:13:00.856
私が続けてきた実践は

0:13:00.856,0:13:04.330
５年生存率を超えさせてくれたと[br]考えたいと思っています

0:13:05.131,0:13:07.271
しかし 何年にもわたり教鞭をとった後

0:13:07.571,0:13:10.715
酷い慢性疲労や通風[br]そして否定できない検査結果のすべてが

0:13:11.084,0:13:13.578
死が近づいていると私に伝えていました

0:13:14.293,0:13:18.181
ところが 最初の診断から16年が経ち

0:13:18.181,0:13:21.145
医者から「腎臓移植で命が救われる[br]はずだ」と言われ

0:13:22.538,0:13:24.479
それが新たな問題を提示しました

0:13:26.579,0:13:28.203
私は助けを求める必要があったのです

0:13:28.865,0:13:30.252
それはまるで

0:13:30.800,0:13:34.058
「誰も来てくれないかもしれない」と[br]密かに恐れながら

0:13:34.058,0:13:37.180
誕生日パーティーを開くようなものでした

0:13:38.916,0:13:40.682
そして私は 先のCEOのように

0:13:40.912,0:13:46.619
自分の恐れやプライドや弱さに[br]向き合わなければいけませんでした

0:13:46.619,0:13:47.857
生きるために

0:13:48.764,0:13:52.914
最終的に25人がドナーとして名乗りを上げ

0:13:53.526,0:13:56.704
そのうち13人がかつての教え子でした

0:13:57.671,0:14:01.527
想像をはるかに超えた[br]多くの助けを得ることができたのです

0:14:03.221,0:14:04.121
幸いにも

0:14:04.519,0:14:07.155
その中の一人と[br]型が一致することがわかました

0:14:08.617,0:14:10.075
そのおかげで 今 私はここにいます

0:14:10.075,0:14:11.412
まだ生きています

0:14:11.412,0:14:14.447
（拍手）

0:14:16.547,0:14:20.803
私は かつて苦痛とは[br]ネガティブなことだと思っていました

0:14:22.368,0:14:25.025
けれども 正しいツールさえあれば

0:14:25.025,0:14:28.765
成長のための燃料となりえることを[br]学びました

0:14:30.088,0:14:34.876
さらに 強さや勇気 そして愛のある道へと[br]私を導いてくれました

0:14:37.165,0:14:42.531
人はみな 自分の中に[br]自分の内面を美しくする力を持っていると

0:14:42.531,0:14:44.606
私は信じています

0:14:47.108,0:14:48.526
私の望みは

0:14:49.056,0:14:53.826
私たちみんなが それぞれの人生という旅の[br]戦士になることです

0:14:54.809,0:14:56.711
なぜなら 我々がそうなったとき[br]変えられるのです

0:14:57.144,0:14:58.558
自分の心

0:14:58.558,0:15:00.099
意識の持ち方

0:15:00.104,0:15:01.707
そして未来を

0:15:02.594,0:15:04.064
ありがとうございました

0:15:04.073,0:15:05.958
（拍手）