1 00:00:03,860 --> 00:00:09,200 主人公がゴリラじゃない『Ape Out』を 想像することは不可能に近い 2 00:00:09,200 --> 00:00:12,260 だが正に、世に出る前はそうだった 3 00:00:12,260 --> 00:00:17,740 設計の Gabe Cuzzillo によると、最初は時間ループ系の ステルスゲームを作ろうとしていたらしい 4 00:00:17,740 --> 00:00:21,300 「掴み動作」を使って 壁沿いをコソコソ移動するという内容だ 5 00:00:21,300 --> 00:00:27,680 だがゲーム内に警備員が居るのなら、当然 同じ仕組みで警備員を掴むことが可能なはずで 6 00:00:27,680 --> 00:00:30,580 これが警備員を人質にして 7 00:00:30,580 --> 00:00:32,860 壁にぶん投げる遊びに繋がった 8 00:00:32,860 --> 00:00:39,880 これが作中で一番面白い部分だと判明したので Gabe は方針を大胆に変更することを決め 9 00:00:39,880 --> 00:00:43,280 この構想を中心にして 実際にゲームを開発していった 10 00:00:43,280 --> 00:00:48,040 彼はステルスや時間ループなどの 不要な要素を全て削除した 11 00:00:48,040 --> 00:00:51,560 そしてこの面白さを増幅する為なら なんだってした 12 00:00:51,560 --> 00:00:57,680 最も顕著なのは、主人公のハゲ男を 300 ポンドの怒れるゴリラに替えたことだ 13 00:00:58,960 --> 00:01:04,100 これは「面白さを追う」と呼ばれる ゲーム設計の方法論の模範例だ 14 00:01:04,100 --> 00:01:10,220 開発者が最初に掲げた企画や 先入観に囚われてしまうのではなく 15 00:01:10,220 --> 00:01:15,080 ゲーム自体に目を向け、開発をどこへ導くべきか 見いだすという一見単純な方法論だ 16 00:01:15,080 --> 00:01:19,040 緻密な戦術ゲームの傑作とも言える 『Into the Breach』の例を見てみよう 17 00:01:19,040 --> 00:01:23,460 このゲームは一般的な ファミコンウォーズ系の作品として始まった 18 00:01:23,460 --> 00:01:28,060 敵はランダムに攻撃を選び ターンが来るまで次の行動を隠していた 19 00:01:28,060 --> 00:01:32,800 だがある敵は自分のターンで どこを攻撃するのか正確に示していた 20 00:01:32,800 --> 00:01:35,560 攻撃する予定のマスを 強調していたのだ 21 00:01:35,560 --> 00:01:40,720 Subset の開発者はこれが 一番楽しい部分であることに気付き 22 00:01:40,720 --> 00:01:46,360 ゲームの他の部分を、専らこの予告攻撃に 集中させることに決めたのだった 23 00:01:46,360 --> 00:01:51,640 またこれはスタジオが行うべき その他の意思決定を決めることに役立った 24 00:01:51,640 --> 00:01:54,720 敵がどこを攻撃する予定なのか 事前に把握しているなら― 25 00:01:54,720 --> 00:01:57,820 自分のユニットを攻撃ゾーンの外に 移動させることはできないだろうか? 26 00:01:57,820 --> 00:02:02,160 なるほど このゲームは恐らく 動かない建物を防衛する内容になる 27 00:02:02,160 --> 00:02:06,800 だからすぐに、攻撃が外れるように 敵を押し出さなければならない 28 00:02:06,800 --> 00:02:11,080 だが実は、これを悪用することで 敵に同士討ちをさせることもできる 29 00:02:11,080 --> 00:02:14,460 この手法を使う開発者が、頻繁に― 30 00:02:14,460 --> 00:02:18,940 「ゲームがある程度は、自らを設計した」と 言っている理由がよく分かるだろう 31 00:02:18,940 --> 00:02:23,420 『Crashlands』を開発した Butterscotch Shenanigans の Sam Coster は次のように述べる 32 00:02:23,880 --> 00:02:28,220 「私たちはこれをゲームが時間をかけて 自らを発見する過程だと考えています」 33 00:02:28,220 --> 00:02:34,840 「設計作業ではなく反復作業として ひたすらゲームを遊んで、聞いて、感じることで」 34 00:02:34,840 --> 00:02:38,580 「このゲームがどうなりたいのか 探ることが私たちの仕事です」 35 00:02:38,580 --> 00:02:40,580 「何が面白いのかをただ 追いかけていくのです」 36 00:02:41,200 --> 00:02:46,220 さて、ゲームが自分自身を設計するという発想は 次の大ヒットを狙っている人間にとって 37 00:02:46,220 --> 00:02:48,860 かなり刺激的な話だろう 38 00:02:48,860 --> 00:02:52,560 だがそんな素晴らしいアイデアが 天から降ってくる訳ではない 39 00:02:52,560 --> 00:02:54,430 ではどこから生まれるのか? 40 00:02:54,430 --> 00:02:59,880 では、リズムに基づいたローグライク 『Crypt of the Necrodancer』の起源を見てみよう 41 00:02:59,880 --> 00:03:04,980 設計の Ryan Clark は『Spelunky』の 目まぐるしい意思決定を 42 00:03:04,980 --> 00:03:08,180 伝統的なターン制のダンジョン探索ゲームに 組み込みたいと考えていた 43 00:03:08,180 --> 00:03:10,820 そこで彼はローグライクの 簡単な試作品を作ることにした 44 00:03:10,820 --> 00:03:14,120 次のターンまで 1秒しかないという内容だ 45 00:03:14,120 --> 00:03:18,720 それを遊んでみると 音ゲーに近い性質があることに気付き 46 00:03:18,720 --> 00:03:21,920 音楽を主軸にすべきであることが 明らかになった 47 00:03:24,920 --> 00:03:29,720 または『Rocket League』を象徴する 空中技を見てみよう 48 00:03:29,720 --> 00:03:32,640 Psyonix がゲームの前身である― 49 00:03:32,640 --> 00:03:35,400 『Supersonic Acrobatic Rocket-Powered Battle-Cars』 に取り組んでいたとき 50 00:03:35,400 --> 00:03:37,900 彼らはそれ以来 販売戦略について多くの教訓を得た 51 00:03:37,900 --> 00:03:42,640 彼らは車同士が戦うゲームを作ったが 車が加速する仕組みを追加したいと思っていた 52 00:03:42,640 --> 00:03:46,640 そこで開発者は単純に、車両後部に 物理的な力を加えることにした 53 00:03:46,640 --> 00:03:52,980 試遊では、空中でその力を使うことで 競技場をロケットのように飛べることが判明した 54 00:03:52,980 --> 00:04:00,780 意図していなかったが、開発者たちはこの要素が 莫大な深みと新たな側面を付与していることに気付き 55 00:04:00,780 --> 00:04:02,360 そのまま維持した 56 00:04:02,360 --> 00:04:07,360 スタジオは「この仕組みを、ほぼ偶然によって 開発しました」と言っている 57 00:04:07,360 --> 00:04:11,600 実際、開発過程で発生した バグ、不具合、事故が 58 00:04:11,600 --> 00:04:15,060 機能に転じた事例は ゲーム史の中では珍しくない 59 00:04:15,060 --> 00:04:21,920 例えば神谷英樹は『鬼武者』で、敵を空中で 何度も斬りつけられるバグを発見した 60 00:04:21,920 --> 00:04:28,380 修正されてしまったが、神谷はこれを 『Devil May Cry』の主役級の仕組みに発展させた 61 00:04:28,380 --> 00:04:33,100 重要なのは、この過程には 初めのアイデアが必要になるという点だ 62 00:04:33,100 --> 00:04:39,140 それがズボラで、不鮮明で、独創性を欠いていても 実際に動く試作品を作ることが大切なのだ 63 00:04:39,140 --> 00:04:44,640 そして試作と試遊の過程で 新しいアイデアが生まれることになる 64 00:04:44,640 --> 00:04:49,460 またゲームの声に耳を傾け 注意深くなれるかどうかは開発者次第だ 65 00:04:49,460 --> 00:04:53,920 何が面白いのかを悟り その側面を探求することを いとわないこと 66 00:04:53,920 --> 00:04:57,540 たとえそれが当初考えていた企画と 完全に一致していなくてもだ 67 00:04:57,540 --> 00:05:02,900 『Gunpoint』は人に目掛けて 冷蔵庫を落とす宇宙ロボが主人公から 68 00:05:02,900 --> 00:05:07,160 建物をハッキングするスパイの パズルゲームに変容した 69 00:05:07,160 --> 00:05:12,220 当初のハッキングの仕組みは横スクロールの 『Deus Ex』に触発されたような 70 00:05:12,220 --> 00:05:15,020 ミニゲームの一つに過ぎなかった 71 00:05:15,020 --> 00:05:18,600 だが開発者の Tom Francis が 試作を始めてみるとすぐに 72 00:05:18,600 --> 00:05:22,640 最終的に『Gunpoint』となる ゲームが現れたのだ 73 00:05:22,640 --> 00:05:23,500 Tom 曰く― 74 00:05:24,060 --> 00:05:27,360 「これをパズルゲームにするべきだと すぐに分かりました」 75 00:05:27,360 --> 00:05:28,720 「パズルの仕組みでした」 76 00:05:28,720 --> 00:05:31,060 「そして『Gunpoint』は何になりたいのか 私に教えてくれたのです」 77 00:05:31,060 --> 00:05:33,560 「パズルになりたがっていたのは 明らかでした」 78 00:05:33,560 --> 00:05:37,860 「そして私は方針を転換して ハッキングの遊びをより拡張したのです」 79 00:05:37,860 --> 00:05:40,440 「それを中心にゲーム全体を設計しました」 80 00:05:40,960 --> 00:05:47,460 この方法論は、ゲーム開発の序盤に 最も重要な変化を起こす 81 00:05:47,460 --> 00:05:53,400 これこそが Sam Coster がゲームのことを 「可鍛性の白いマグマ玉」であると表現している点だ 82 00:05:53,400 --> 00:05:59,220 開発が進むにつれてそれは使えるものになり 形成されることで、決まった形に落ち着き始める 83 00:05:59,220 --> 00:06:04,380 例えば中身の制作について、Jonathan Blow は 『Braid』のパズルは 84 00:06:04,380 --> 00:06:09,520 時間操作エンジンが生んだ予期せぬ結果を 単に展示しただけだと述べている 85 00:06:09,520 --> 00:06:12,240 Blow 曰く― 「私は学芸員の役割でした」 86 00:06:12,240 --> 00:06:17,240 「答えを整理して、プレイヤーが楽しめるように 提示しただけです」 87 00:06:17,249 --> 00:06:19,249 詳細はこの動画を参照してほしい 88 00:06:19,249 --> 00:06:22,349 あるいはプレイヤーの反響を 聞くという方法もある 89 00:06:22,349 --> 00:06:27,000 Chris Hecker が『Spy Party』を作った時 プレイヤーはあらゆる種類の抜け穴や 90 00:06:27,000 --> 00:06:29,200 予想外の遊び方を発見した 91 00:06:29,200 --> 00:06:31,120 だがこうした「バグ」を 修正する代わりに― 92 00:06:31,120 --> 00:06:35,100 Chris は身を乗り出し そのバグをゲームの公式要素にした 93 00:06:35,100 --> 00:06:40,380 ゲーム体験を、心理戦や心理的トリックとして 推し進めたのだった 94 00:06:40,380 --> 00:06:44,640 そしてこの方法はゲーム開発の 全般的な方針として役立てることもできる 95 00:06:44,640 --> 00:06:47,440 『Subnautica』の開発者である Charlie Cleveland は次のように述べる 96 00:06:47,980 --> 00:06:49,840 「自分の行き先が分かっていると 思うでしょう」 97 00:06:49,840 --> 00:06:51,540 「そこは地平線上の どこかにあります」 98 00:06:51,540 --> 00:06:54,060 「そして道が多くてどう行けばいいのか 分からない」 99 00:06:54,060 --> 00:06:57,100 「でもゲームの声を聴けば、作品が向かいたい方向が 分かるでしょう」 100 00:06:57,580 --> 00:07:00,480 それこそが彼のスタジオが ホラーゲームを生み出した方法だ 101 00:07:00,480 --> 00:07:03,300 企画の初めには ホラーを作る意図は無かったのだ 102 00:07:05,200 --> 00:07:08,800 さて、明らかなことは このような設計過程を経ると 103 00:07:08,800 --> 00:07:12,600 ゲームが完成するまでにかかる時間の予測が 非常に困難になってしまう 104 00:07:12,600 --> 00:07:17,000 この方法論が独立系ゲームの業界で よく使われている一方で 105 00:07:17,000 --> 00:07:21,280 超大作ゲームのような厳しく組織化された世界では 忌避されている理由がこれだ 106 00:07:21,280 --> 00:07:29,040 Tom Francis が二作目に『Heat Signature』を作った時 彼は「宇宙船に潜入する」という曖昧なアイデアが 107 00:07:29,040 --> 00:07:33,440 『Gunpoint』と同じく魔法のように 良くなることを期待していた 108 00:07:33,440 --> 00:07:35,260 しかし……そうはならなかった 109 00:07:35,260 --> 00:07:37,580 少なくとも、かなり長い間 良くならなかった 110 00:07:37,580 --> 00:07:40,280 実際、Tom は何がゲームを 面白くするのかを見つける為には― 111 00:07:40,280 --> 00:07:46,020 膨大な要素を制作する必要があることに気付き これが開発の長期化に繋がってしまった 112 00:07:46,020 --> 00:07:50,560 彼は宇宙船生成システム 人工知能、戦闘システムや 113 00:07:50,560 --> 00:07:53,580 経済を含む銀河の全体地図などを 作ることになった 114 00:07:53,580 --> 00:07:59,560 船内の戦闘が一番面白い要素だと理解するまでに Tom は何年もかかってしまった 115 00:07:59,560 --> 00:08:05,540 だから本当の慣用句は、ただの「面白さを追う」より もう少し長いことは覚えておく価値がある 116 00:08:05,540 --> 00:08:09,820 僕はこの慣用句の出自をこの男まで遡った Marc LeBlanc だ 117 00:08:09,820 --> 00:08:13,080 彼は『Thief』と『System Shock』に 取り組んだ開発者であり 118 00:08:13,080 --> 00:08:17,260 「MDA フレームワーク」のような概念の考案を 助けた教育者でもある 119 00:08:17,260 --> 00:08:23,860 この言葉を生み出した時、彼は 起業家の世界でよく知られた慣用句から始めた 120 00:08:23,860 --> 00:08:25,920 「まずは失敗してみる」という言葉だ 121 00:08:25,920 --> 00:08:29,560 この制作過程は、ゲームを 可能な限り早くまとめ上げて 122 00:08:29,560 --> 00:08:32,020 何が上手くいき、何がそうでないかを 見るためのものである 123 00:08:32,020 --> 00:08:36,000 失敗しても、それほど時間を無駄に しなかったのだから問題ではない 124 00:08:36,000 --> 00:08:40,980 だが所謂「失敗」は、次の試作でどの方向へ 進むべきかについて多くのことを教えてくれる 125 00:08:40,980 --> 00:08:45,940 では、反復作業を高速化するための 具体的な手法はあるのだろうか? 126 00:08:45,940 --> 00:08:51,260 まぁ、GMTK の視聴者であればご存知だろうが その 1つが「Game Jam」だ 127 00:08:51,260 --> 00:08:57,360 これは狂気のゲーム開発マラソンであり 週末の 2日以内でゲームを作らねばならない 128 00:08:57,360 --> 00:08:57,860 129 00:08:57,860 --> 00:09:02,400 Arvi Teikari は Game Jam で賞を獲得したパズルゲーム 『Baba is You』を考え出した人物で 130 00:09:02,400 --> 00:09:04,580 Game Jam ついて こう述べている 131 00:09:04,860 --> 00:09:08,100 「全体の意図は、頭に浮かんだ 試作品を使って」 132 00:09:08,100 --> 00:09:10,040 「それを中心に何かを 作ろうというものです」 133 00:09:10,040 --> 00:09:11,900 「もし上手くいかなくても大丈夫」 134 00:09:11,900 --> 00:09:13,860 「Game Jam の後で捨てても構いません」 135 00:09:13,860 --> 00:09:18,140 「Game Jam にかけた時間より長く そのアイデアに注力する訳ではないのです」 136 00:09:18,500 --> 00:09:24,480 別の手法は、Game Maker や Godot Engine などの 手早く試作できるソフトを活用することだ 137 00:09:24,480 --> 00:09:30,420 あるいは紙で試作したり、LEGO や PS4 の制作系ソフト『Dreams』を使う 138 00:09:30,420 --> 00:09:34,280 既にゲームの大部分が出来ていて ただ中身を増やしたいだけの場合は 139 00:09:34,280 --> 00:09:38,800 特注のレベル制作ツールを開発すれば 製作作業を高速化できる 140 00:09:38,800 --> 00:09:41,240 そして一緒に手伝ってくれる人を 増やす 141 00:09:41,240 --> 00:09:45,780 それで『マリオギャラクシー2』で、任天堂は 簡素なレベル設計ツールを開発し 142 00:09:45,780 --> 00:09:49,600 チーム全員が独創的な仕掛けを 考案できるよう促した 143 00:09:49,600 --> 00:09:55,620 また設計や仕組みに早く集中するために 仮仕様の絵素材や、音楽、物語を使うこともできる 144 00:09:55,620 --> 00:10:00,140 Klei が『Don't Starve』の最初期の Game Jam 試作を制作していたとき 145 00:10:00,140 --> 00:10:03,120 主人公の実際の見た目は…… 146 00:10:03,120 --> 00:10:04,960 『ゼルダの伝説』のリンクだった 147 00:10:04,960 --> 00:10:07,860 そして最後に 絶対に変更できない要素が 148 00:10:07,860 --> 00:10:10,860 実際に役立つことがある 149 00:10:10,860 --> 00:10:13,120 thatgamecompany の Sunni Pavolic によると 150 00:10:13,120 --> 00:10:17,680 『風ノ旅ビト』の制作時 スタジオは非常に反復的な方法論を用いたが 151 00:10:17,680 --> 00:10:22,860 このゲームは「愛」を探求する作品であるという アイデアを常に念頭に置いていたらしい 152 00:10:22,860 --> 00:10:26,500 これによってチーム全員が従うべき 方向性が明確になり 153 00:10:26,500 --> 00:10:31,540 発見・開発できるアイデアの範囲を 狭めることに役立った 154 00:10:34,460 --> 00:10:38,380 だからこの動画から持ち帰ってもらいたいことが 1つだけある 155 00:10:38,380 --> 00:10:42,260 完璧なアイデアが現れるのを待つのは 止めることだ 156 00:10:42,260 --> 00:10:47,300 『Ape Out』『Crypt of the Necrodancer』 『Crashlands』のようなゲームを見て 157 00:10:47,300 --> 00:10:50,800 こうした作品は直感的な閃きによって 設計されたのだと思い込むのは簡単だ 158 00:10:50,800 --> 00:10:53,400 一度も停滞せずに完成したのだという 思い込みだ 159 00:10:53,400 --> 00:10:57,560 そして同じくらい優れたアイデアが思いつかないなら わざわざ作ってみる必要など無いだろ? 160 00:10:57,560 --> 00:11:02,140 だが僕がこの動画で示したように そうした思い込みは、誤解にもほどがある 161 00:11:02,140 --> 00:11:06,140 実際、これらの開発者全員を 結びつけるのは 162 00:11:06,140 --> 00:11:08,800 彼らは始めて そして何かを作ったという点だ 163 00:11:08,800 --> 00:11:15,080 そしてその時― 開発者が新たなアイデアを試し 試作品を遊び、バグさえ生み出した時にようやく 164 00:11:15,080 --> 00:11:17,820 そのゲームが形作られ始めたのだ 165 00:11:17,820 --> 00:11:22,420 彼らが偉大な開発者である理由は 素晴らしいアイデアを考案したからではなく 166 00:11:22,420 --> 00:11:27,060 ゲームの声を聞くことを知っていたからであり 辿るべき道を知っていたからであり 167 00:11:27,060 --> 00:11:29,660 早く頻繁に失敗する方法を 知っていたからであり 168 00:11:29,660 --> 00:11:33,900 異なるアイデアを融合させて 一貫性を生み出す方法を知っていたからなのだ 169 00:11:34,600 --> 00:11:38,620 だから Game Maker’s Toolkit を視聴して ゲームを作りたいと思っているのなら 170 00:11:38,620 --> 00:11:40,960 完璧なアイデアを待っていてはダメだ 171 00:11:40,960 --> 00:11:42,380 何かを作ってみよう 172 00:11:42,380 --> 00:11:46,360 そして、ゲームの声を聞き その面白さを追うといいだろう 173 00:11:46,360 --> 00:11:53,220 そうすれば、ゲームそれ自体が、多少なりとも 自らを設計していることを発見するかもしれない