WEBVTT 00:00:00.442 --> 00:00:04.513 1934年1月4日のこと 00:00:04.513 --> 00:00:07.529 ある若者が米国議会に 00:00:07.529 --> 00:00:09.914 報告を提出しました 00:00:09.914 --> 00:00:11.868 80年前のものですが 00:00:11.868 --> 00:00:16.528 それは ここに出席している人たちだけでなく 00:00:16.528 --> 00:00:22.222 地球上すべての人の生活を 未だに形作っています 00:00:22.222 --> 00:00:25.102 その若者は政治家ではなく 00:00:25.102 --> 00:00:27.101 ビジネスマンでもありませんでした 00:00:27.101 --> 00:00:28.438 市民活動家でも 00:00:28.438 --> 00:00:30.213 信仰指導者でさえありませんでした 00:00:30.213 --> 00:00:33.484 彼は思いがけないヒーローでして 00:00:33.484 --> 00:00:35.981 何と 経済の専門家でした 00:00:37.007 --> 00:00:39.552 彼の名前はサイモン・クズネッツ 00:00:39.552 --> 00:00:42.696 彼の提出した報告のタイトルは 00:00:42.696 --> 00:00:47.148 「1929-1932年の国民所得」でした NOTE Paragraph 00:00:47.148 --> 00:00:48.632 それは退屈で面白みの無い 00:00:48.632 --> 00:00:51.723 報告だろうと思われるでしょう 00:00:51.723 --> 00:00:53.805 みなさん その通りです 00:00:53.805 --> 00:00:56.260 ひどく退屈なものでした 00:00:56.260 --> 00:00:58.570 しかし その報告は 00:00:58.570 --> 00:01:01.503 今では国の成功を測る基礎となりました 00:01:01.503 --> 00:01:05.052 皆さんご存知の 「国内総生産」 00:01:05.052 --> 00:01:07.363 「GDP」として知られています NOTE Paragraph 00:01:07.363 --> 00:01:10.266 GDPはその後80年を 定義し また形作りました 00:01:10.266 --> 00:01:12.864 GDPはその後80年を 定義し また形作りました 00:01:12.864 --> 00:01:14.681 今日お話ししたい事は 00:01:14.681 --> 00:01:18.520 国の成功を測る別の方法について 00:01:18.520 --> 00:01:21.669 次の80年の定義付けと 形成をする別の方法についてです 00:01:21.669 --> 00:01:24.926 次の80年の定義付けと 形成をする別の方法についてです NOTE Paragraph 00:01:24.926 --> 00:01:26.817 まず始めにGDPがどのように 00:01:26.817 --> 00:01:30.726 私達の生活を支配しているか 理解しなければなりません 00:01:30.726 --> 00:01:32.986 クズネッツは危機の時代に 00:01:32.986 --> 00:01:34.708 提出されました 00:01:34.708 --> 00:01:36.734 アメリカの経済は 世界大恐慌に向けて 00:01:36.734 --> 00:01:38.349 急降下しつつあり 00:01:38.349 --> 00:01:41.434 政策立案者が苦闘している時代でした 00:01:41.434 --> 00:01:44.579 何が起こるのか全く分からず 苦闘していたのです 00:01:44.579 --> 00:01:47.961 彼らはデータも統計も 持ち合わせていなかったのです 00:01:47.961 --> 00:01:50.783 そこでクズネッツは アメリカ経済が生み出したものについて 00:01:50.783 --> 00:01:54.061 信頼できるデータを 00:01:54.061 --> 00:01:55.196 年次報告として 00:01:55.196 --> 00:01:58.264 彼らに提出したのです 00:01:58.264 --> 00:02:00.604 この情報を元に 00:02:00.604 --> 00:02:02.612 政策立案者は 00:02:02.612 --> 00:02:06.040 ついに大恐慌を 抜け出す事ができたのです 00:02:06.040 --> 00:02:07.922 クズネッツの発明は 00:02:07.922 --> 00:02:09.694 とても便利だと思われたため 00:02:09.694 --> 00:02:11.382 世界中に広がってゆきました 00:02:11.382 --> 00:02:13.851 そして今日 すべての国では 00:02:13.851 --> 00:02:16.815 GDPが集計されています NOTE Paragraph 00:02:16.815 --> 00:02:19.922 しかし 実のところ 00:02:19.922 --> 00:02:23.466 クズネッツはそれに対して 警告を唱えてもいたのです 00:02:23.466 --> 00:02:25.447 それは報告の序章にあります 00:02:25.447 --> 00:02:27.481 7ページ目で彼は述べています 00:02:27.481 --> 00:02:30.110 「国の社会福祉そのものは 00:02:30.110 --> 00:02:31.664 上述した国家収入をものさしとして 00:02:31.664 --> 00:02:33.664 推量することは滅多にできない」 00:02:33.664 --> 00:02:35.601 推量することは滅多にできない」 00:02:35.601 --> 00:02:38.969 世界最高の キャッチフレーズではなく 00:02:38.969 --> 00:02:42.598 経済学者の慎重な言いまわしでしたが 00:02:42.598 --> 00:02:44.774 言いたいことははっきりしています 00:02:44.774 --> 00:02:46.508 GDPは道具に過ぎない 00:02:46.508 --> 00:02:49.566 経済のパフォーマンスを測る ものに過ぎないと言っています 00:02:49.566 --> 00:02:52.534 私達の幸福を測るものではないのです 00:02:52.534 --> 00:02:57.351 すべての決定を導く 手引きではないはずなのです NOTE Paragraph 00:02:57.351 --> 00:03:00.221 しかし クズネッツ氏の警告は無視され 00:03:00.221 --> 00:03:01.777 私達の世界では 00:03:01.777 --> 00:03:04.900 GDPがグローバル経済の 00:03:04.900 --> 00:03:07.177 成功を測る基準となってしまいました 00:03:07.177 --> 00:03:10.406 GDPが上がると政治家は自慢します 00:03:10.406 --> 00:03:11.690 マーケットは動き 00:03:11.690 --> 00:03:13.564 何兆ドルもの資本金が 00:03:13.564 --> 00:03:14.988 世界中をめぐっていきます 00:03:14.988 --> 00:03:16.739 どの国で富が増えていて 00:03:16.739 --> 00:03:18.580 どの国で富が減っているかに基づいて 00:03:18.580 --> 00:03:21.204 それらすべてはGDPで測られています 00:03:21.204 --> 00:03:22.533 我々の社会が 00:03:22.533 --> 00:03:26.908 さらなるGDPを創出するための エンジンに成り果てたのです NOTE Paragraph 00:03:26.908 --> 00:03:30.443 GDPには弱点があります 00:03:30.443 --> 00:03:32.973 環境を無視して 00:03:32.973 --> 00:03:36.629 軍需産業や刑務所ビジネスを 発展と捉えながら 00:03:36.629 --> 00:03:39.871 幸福感や人々の事は考慮されません 00:03:39.878 --> 00:03:44.621 そして 公平さや正義について まったく言及されていません 00:03:44.621 --> 00:03:47.321 だとすればむしろ 当たり前ではありませんか 00:03:47.324 --> 00:03:50.155 GDPにのって進軍するこの世界が 00:03:50.155 --> 00:03:53.432 迫りくる環境災害の対応にもたつき 00:03:53.432 --> 00:03:56.938 怒りと闘争に満たされているのは? NOTE Paragraph 00:03:56.938 --> 00:04:01.331 もっとふさわしい社会の測り方は 00:04:01.341 --> 00:04:06.724 実際人々の上に起こっている 事に基づいて測られるべきです 00:04:06.724 --> 00:04:08.686 十分に食料があるか? 00:04:08.686 --> 00:04:10.762 読み書きができるか? 00:04:10.762 --> 00:04:12.500 治安は大丈夫か? 00:04:12.500 --> 00:04:14.655 権利があるか? 00:04:14.655 --> 00:04:17.784 差別の無い社会に住んでいるか? 00:04:17.784 --> 00:04:24.222 自分の将来と子供達の将来は 環境破壊から保護されているか? 00:04:24.222 --> 00:04:27.223 これらはGDPが 答えようとせず 00:04:27.223 --> 00:04:31.016 また答える事のできない問い掛けです NOTE Paragraph 00:04:31.016 --> 00:04:33.571 もちろんこれまでにも 00:04:33.571 --> 00:04:36.563 GDP論を超えてゆこうとする 努力もありましたが 00:04:36.563 --> 00:04:37.938 今こそ社会の測り方に 00:04:37.938 --> 00:04:39.212 革命を起こす時が来たと 00:04:39.212 --> 00:04:42.952 私は信じています 00:04:42.952 --> 00:04:45.628 今こそ その時だと言えるのは 00:04:45.628 --> 00:04:47.862 2008年の金融危機で 00:04:47.862 --> 00:04:50.681 経済発展への依存に 00:04:50.681 --> 00:04:52.712 惑わされた事を 私達は目撃したからです 00:04:52.712 --> 00:04:55.096 そして アラブの春で 00:04:55.096 --> 00:04:56.941 チュニジアのような 00:04:56.941 --> 00:04:59.691 経済の優等生のような国であっても 00:04:59.691 --> 00:05:01.216 彼らの社会が 不満に溢れていた事も 00:05:01.216 --> 00:05:04.495 私達は目撃しました 00:05:04.495 --> 00:05:08.183 今ではクズネッツ氏の 想像の及ばない方法で 00:05:08.183 --> 00:05:10.498 データを集積 解析できる テクノロジーさえ持ち合わせている 00:05:10.498 --> 00:05:14.545 だからこそ今が「その時」なのです NOTE Paragraph 00:05:14.545 --> 00:05:19.428 今日は「社会進歩指数」を紹介します 00:05:19.428 --> 00:05:22.155 それは社会の幸福を測るもので 00:05:22.155 --> 00:05:24.912 GDPとは全く関係がありません 00:05:24.912 --> 00:05:28.563 世界を見る まったく新しい方法です 00:05:28.569 --> 00:05:30.179 社会進歩指数は 00:05:30.179 --> 00:05:31.502 3つの次元において 00:05:31.502 --> 00:05:33.449 良い社会とは何かを定義します 00:05:33.449 --> 00:05:36.940 良い社会とは何かを定義します 00:05:36.940 --> 00:05:41.035 第一に すべての人に生活に必要な 00:05:41.035 --> 00:05:43.885 食料 水 住居 治安が備わっているか? 00:05:43.885 --> 00:05:46.605 第二に すべての人が 00:05:46.605 --> 00:05:49.436 教育 情報 健康 持続可能な環境などの 00:05:49.436 --> 00:05:53.948 生活を向上させるための構成要素が 得られるか 00:05:53.948 --> 00:05:57.632 第三に すべての個人に 00:05:57.632 --> 00:06:00.412 目標 夢 熱意を障害無く 00:06:00.412 --> 00:06:02.260 成し遂げる事のできる 00:06:02.260 --> 00:06:03.417 機会があるだろうか? 00:06:03.417 --> 00:06:04.964 権利 自由な選択 00:06:04.964 --> 00:06:06.353 平等を持ち合わせ 00:06:06.353 --> 00:06:07.875 最先端の知識を得られているだろうか? 00:06:07.875 --> 00:06:11.336 最先端の知識を得られているだろうか? 00:06:11.336 --> 00:06:14.700 これら 社会進歩の枠組みからなる 00:06:14.700 --> 00:06:18.035 12の要素が一緒になっています 00:06:18.035 --> 00:06:20.123 これら12の要素が 国々がどのように運営されているかを 00:06:20.123 --> 00:06:23.554 測る指標となっています 00:06:23.554 --> 00:06:26.683 努力や意思の指標ではなく 00:06:26.683 --> 00:06:28.931 本物の成果を測っています 00:06:28.931 --> 00:06:32.133 国がどれだけ国民の健康に 費やしたかではなく 00:06:32.133 --> 00:06:36.446 国民の寿命の長さや生活の質を測ります 00:06:36.446 --> 00:06:41.045 政府が偏見に立ち向かう法律を 通過させたかではなく 00:06:41.045 --> 00:06:45.475 人々が偏見を経験したかで測ります NOTE Paragraph 00:06:45.475 --> 00:06:46.835 でも皆さんが知りたいのは 00:06:46.835 --> 00:06:49.851 どの国が一番かでしょう? (笑) 00:06:49.851 --> 00:06:51.668 わかってる わかってます そうですよね 00:06:51.668 --> 00:06:53.194 では お見せしましょう 00:06:53.194 --> 00:06:55.590 このグラフをご覧ください 00:06:55.590 --> 00:06:56.934 ここにあるグラフの 00:06:56.934 --> 00:07:01.140 縦軸座標は社会進歩指標を表しています 00:07:01.146 --> 00:07:02.481 高いほど良いのです 00:07:02.481 --> 00:07:04.503 そして比較のために 00:07:04.503 --> 00:07:05.825 冗談めいていますが 00:07:05.825 --> 00:07:09.684 横軸座標は1人あたりのGDPです 00:07:09.693 --> 00:07:11.583 右に行くほど多くなります 00:07:11.583 --> 00:07:14.737 世界の国々の中で 00:07:14.737 --> 00:07:18.127 社会進歩指数が一番高いのは 00:07:18.127 --> 00:07:21.486 社会進歩指数が一番高いのは 00:07:21.486 --> 00:07:24.882 ニュージーランドです 00:07:24.882 --> 00:07:28.398 (拍手) NOTE Paragraph 00:07:28.398 --> 00:07:31.215 いいですね ぜひ行きたいですね 00:07:31.215 --> 00:07:33.537 (笑) 00:07:33.537 --> 00:07:36.399 社会進歩指数が最も低いのは 00:07:36.399 --> 00:07:38.714 残念ですが チャドです 00:07:38.716 --> 00:07:41.638 行った事がありません たぶん来年行ってみます 00:07:41.638 --> 00:07:43.447 (笑) 00:07:43.447 --> 00:07:45.639 いや 再来年かも NOTE Paragraph 00:07:45.639 --> 00:07:47.212 今皆さんが何を考えているか よく分かります 00:07:47.212 --> 00:07:48.592 「えー でも 00:07:48.592 --> 00:07:50.988 ニュージーランドのGDPは 00:07:50.988 --> 00:07:52.850 チャドより高いからだろう!」 00:07:52.850 --> 00:07:55.344 良い指摘です 00:07:55.344 --> 00:07:56.806 では他の2つの国を 00:07:56.806 --> 00:07:58.069 お見せしましょう 00:07:58.069 --> 00:08:00.495 これはアメリカ合衆国です 00:08:00.495 --> 00:08:03.242 ニュージーランドよりも ずっと豊かではありますが 00:08:03.242 --> 00:08:05.688 社会進歩指数では低くなっています 00:08:05.688 --> 00:08:08.340 そしてセネガル 00:08:08.340 --> 00:08:12.337 チャドよりも社会進歩指数が高いのですが 00:08:12.337 --> 00:08:14.286 GDPは同じレベルです 00:08:14.286 --> 00:08:16.035 何が起きているのでしょうか ご覧ください 00:08:16.035 --> 00:08:18.536 こちらは 00:08:18.536 --> 00:08:20.744 132の測定可能な国 00:08:20.744 --> 00:08:23.082 すべてを点で表しています 00:08:23.082 --> 00:08:24.581 たくさんの点が出ました 00:08:24.581 --> 00:08:26.323 すべて説明する事はできませんが 00:08:26.323 --> 00:08:28.056 まとめて説明すると 00:08:28.056 --> 00:08:32.876 G7に所属する国で 最も高ランクだったのはカナダ 00:08:32.876 --> 00:08:34.980 私の国 イギリスは 00:08:34.980 --> 00:08:37.697 まずまずな感じで 00:08:37.697 --> 00:08:39.062 誰も気に留めないでしょうが 00:08:39.062 --> 00:08:41.240 フランスには勝ちました 00:08:41.240 --> 00:08:44.167 (笑い声) 00:08:48.737 --> 00:08:51.004 経済新興国を見ると 00:08:51.004 --> 00:08:54.338 BRICSのトップは おめでとう ブラジルでした 00:08:54.338 --> 00:08:56.044 (拍手) 00:08:56.044 --> 00:08:57.831 やった 万歳! 00:08:57.831 --> 00:08:59.773 ブラジルに行きましょう 00:08:59.773 --> 00:09:01.306 ブラジルは南アフリカに勝ちました 00:09:01.306 --> 00:09:02.599 そしてロシア 00:09:02.599 --> 00:09:03.733 中国 00:09:03.733 --> 00:09:05.307 インドです 00:09:05.307 --> 00:09:07.672 GDPが高くて 00:09:07.672 --> 00:09:11.025 一番右に表示されているが 00:09:11.025 --> 00:09:12.968 社会進歩指数が低い国は 00:09:12.968 --> 00:09:14.946 クウェートです 00:09:14.946 --> 00:09:16.637 ブラジルより少し上で 00:09:16.637 --> 00:09:18.956 社会進歩指数が高い国は 00:09:18.956 --> 00:09:20.456 コスタリカ共和国です 00:09:20.456 --> 00:09:24.431 西ヨーロッパの国々と同じ 社会進歩指数ですが 00:09:24.431 --> 00:09:26.400 GDPでは劣っています NOTE Paragraph 00:09:26.400 --> 00:09:28.682 私のスライドが ごちゃごちゃしてきたので 00:09:28.682 --> 00:09:30.364 点の話に戻りたいと思います 00:09:30.364 --> 00:09:31.818 国の名前を消して 00:09:31.818 --> 00:09:34.732 回帰線を表示させます 00:09:34.732 --> 00:09:36.385 このグラフはGDPと社会進歩指数の関係性の 00:09:36.385 --> 00:09:38.896 平均値を表しています 00:09:38.896 --> 00:09:41.138 最初に気づかされるのは 00:09:41.138 --> 00:09:42.993 傾向線の周囲に 00:09:42.993 --> 00:09:44.690 たくさんノイズがあることです 00:09:44.690 --> 00:09:46.275 これが示しているのは 00:09:46.275 --> 00:09:49.157 GDPは必然ではないということを 00:09:49.157 --> 00:09:52.192 証明しています 00:09:52.192 --> 00:09:55.395 一人当たりGDPがどれだけだろうと関係なく 00:09:55.395 --> 00:09:58.593 GDPを達成するよりずっと低リスクで 00:09:58.593 --> 00:10:00.596 もっと多くの社会的進歩を 果たす機会はあるのです 00:10:00.596 --> 00:10:02.056 次に気づかされるのは 00:10:02.056 --> 00:10:04.559 貧困国では 00:10:04.559 --> 00:10:06.532 曲線が急になっている点です 00:10:06.532 --> 00:10:07.807 これが示しているのは 00:10:07.807 --> 00:10:09.060 貧困国がもう少し多めの GDPを得られて 00:10:09.060 --> 00:10:10.954 貧困国がもう少し多めの GDPを得られて 00:10:10.954 --> 00:10:12.737 医師 看護師 00:10:12.737 --> 00:10:15.409 給水設備 衛生設備などに 00:10:15.409 --> 00:10:16.782 投資できたならば 00:10:16.782 --> 00:10:18.801 GDPとして得た資金で 00:10:18.801 --> 00:10:20.387 大規模な社会的進歩が望めるという点です 00:10:20.387 --> 00:10:23.962 好例としては過去20-30年で 00:10:23.962 --> 00:10:25.963 貧困国のいくつかが 00:10:25.963 --> 00:10:28.173 経済発展と良い政策によって 00:10:28.173 --> 00:10:30.045 貧困から抜け出したことです NOTE Paragraph 00:10:30.045 --> 00:10:32.242 しかし少し曲線の先を見てみると 00:10:32.242 --> 00:10:34.351 線が平になっていきます 00:10:34.351 --> 00:10:36.603 余剰GDPで得られる社会的進歩が 00:10:36.603 --> 00:10:39.839 次第に減少しています 00:10:39.839 --> 00:10:42.513 曲線のこの部分にあたる 00:10:42.513 --> 00:10:45.076 世界の人口が増えれば増えるほど 00:10:45.076 --> 00:10:47.300 GDPが発展をはかる指標として 00:10:47.300 --> 00:10:49.084 使い難くなってきていることを 00:10:49.084 --> 00:10:51.600 示しています 00:10:51.600 --> 00:10:53.747 ブラジルの例を見てみましょう NOTE Paragraph 00:10:53.747 --> 00:10:54.970 こちらがブラジルです 00:10:54.970 --> 00:10:57.837 社会進歩指数は100点中の約70点で 00:10:57.841 --> 00:11:00.335 1人あたりのGDPは年間14,000ドルです 00:11:00.335 --> 00:11:03.256 ブラジルは曲線の上にあります 00:11:03.256 --> 00:11:05.142 ブラジルはGDPを 社会進歩指数に転換する面で 00:11:05.142 --> 00:11:08.467 かなり良い線をいっています 00:11:08.467 --> 00:11:10.454 しかし ブラジルはどうなって行くのでしょう 00:11:10.454 --> 00:11:11.966 ブラジルであれば 00:11:11.966 --> 00:11:13.738 大胆な経済計画を適応して 00:11:13.738 --> 00:11:16.041 GDPを次の十年で2倍にできるかもしれません 00:11:16.041 --> 00:11:19.657 しかし それは計画の半分でしかありません 00:11:19.657 --> 00:11:21.934 いいえ 半分以下でしょう 00:11:21.934 --> 00:11:25.182 ブラジルは社会進歩指数において どこに行こうとしているのでしょう? 00:11:25.186 --> 00:11:27.504 ブラジルは 00:11:27.504 --> 00:11:29.239 社会的進歩を 00:11:29.239 --> 00:11:30.816 停滞、或いは後退させながら 00:11:30.816 --> 00:11:32.706 成長率を増加させて 00:11:32.706 --> 00:11:34.055 GDPを増加させるかもしれません 00:11:34.055 --> 00:11:35.241 しかしブラジルには 00:11:35.241 --> 00:11:36.973 ロシアのようになって欲しくはありません 00:11:36.973 --> 00:11:39.288 ブラジルには 00:11:39.288 --> 00:11:44.241 GDPから社会進歩指数を 作り出す面で もっと有能であって欲しい 00:11:44.241 --> 00:11:46.539 ロシアよりはニュージーランドのように なって欲しいところです 00:11:46.539 --> 00:11:48.119 そのためには 00:11:48.119 --> 00:11:50.776 ブラジルは社会進歩指数を 00:11:50.776 --> 00:11:52.468 発展計画において優先し 00:11:52.468 --> 00:11:54.880 ただもっぱら成長するだけでなく 00:11:54.880 --> 00:11:57.532 社会進歩指数とともに 成長する必要があります 00:11:57.532 --> 00:12:00.150 社会進歩指数がなし得る事は 00:12:00.150 --> 00:12:02.760 GDPの事だけでなく 00:12:02.760 --> 00:12:04.820 人々の生活を実際に改善させる 00:12:04.820 --> 00:12:07.399 包括的で持続的な成長を含めた 00:12:07.399 --> 00:12:11.818 発展の枠組みの再構築です 00:12:11.818 --> 00:12:14.394 それは国家のことだけではありません NOTE Paragraph 00:12:14.394 --> 00:12:17.184 今年すでに 00:12:17.184 --> 00:12:21.751 非営利組織Imazonは初めてブラジルで 00:12:21.751 --> 00:12:26.408 地方での社会進歩指数の利用に着手しました 00:12:26.408 --> 00:12:28.868 アマゾン地域で行いました 00:12:28.868 --> 00:12:32.655 そこはヨーロッパと同じ程度のサイズで 00:12:32.656 --> 00:12:35.084 2400万の人々が住む 貧しい場所です 00:12:35.084 --> 00:12:36.994 こちらがその結果です 00:12:36.994 --> 00:12:38.629 800の自治体に 00:12:38.629 --> 00:12:42.133 分けられています 00:12:42.133 --> 00:12:43.816 この地域における 00:12:43.816 --> 00:12:46.034 本当の生活の質についての詳細な情報が 00:12:46.034 --> 00:12:47.977 ここに表されています 00:12:47.977 --> 00:12:49.957 アマゾンの熱帯雨林を保護しながら 00:12:49.957 --> 00:12:52.286 人々の生活の質を向上させる発展計画を 00:12:52.286 --> 00:12:54.000 人々の生活の質を向上させる発展計画を 00:12:54.000 --> 00:12:55.677 Imazon 政府 企業 00:12:55.677 --> 00:12:58.014 自治体からのパートナーと共に 00:12:58.014 --> 00:13:01.250 自治体からのパートナーと共に 00:13:01.250 --> 00:13:04.221 作り上げています 00:13:04.221 --> 00:13:06.122 これは始まりに過ぎません 00:13:06.122 --> 00:13:08.501 あなたも どの国 地域 都市や自治体でも 00:13:08.501 --> 00:13:13.656 社会進歩指数を作る事ができます 00:13:13.656 --> 00:13:15.729 「TEDx」がそうであるように 00:13:15.729 --> 00:13:17.971 これは「社会進歩指数x」です 00:13:17.971 --> 00:13:21.165 誰でも用いる事ができるツールです NOTE Paragraph 00:13:21.165 --> 00:13:24.045 たまに私達はこう言います 00:13:24.045 --> 00:13:30.365 GDPは神から託された 十戒の石板ではない(笑い声) 00:13:30.365 --> 00:13:34.360 GDPは20世紀の発明品で 00:13:34.360 --> 00:13:39.152 20世紀の問題に立ち向かいました 00:13:39.152 --> 00:13:41.004 21世紀には 00:13:41.004 --> 00:13:43.456 高齢化 肥満 気候変動など 00:13:43.456 --> 00:13:46.564 私達は新たな問題に直面します 00:13:46.564 --> 00:13:48.223 これらに立ち向かうためには 00:13:48.223 --> 00:13:50.243 新たなツールが 00:13:50.243 --> 00:13:53.997 新たな発展を 評価するツールが必要です NOTE Paragraph 00:13:53.997 --> 00:13:56.395 非営利組織 チャリティー 00:13:56.395 --> 00:13:58.925 ボランティア団体 自治体などが 00:13:58.925 --> 00:14:00.894 私達の社会に貢献できているかどうか 00:14:00.894 --> 00:14:04.700 測る事ができたらどうなるか 想像してみてください 00:14:04.700 --> 00:14:07.768 企業が経済的な貢献度を競うだけでなく 00:14:07.768 --> 00:14:11.179 社会の進展への貢献度を競う姿を 00:14:11.179 --> 00:14:15.003 想像してみてください 00:14:15.003 --> 00:14:18.950 私達が政治家が本当に私達の生活を 00:14:18.950 --> 00:14:23.146 向上させているように責任を問える事を 想像してみてください 00:14:23.146 --> 00:14:26.131 政府 企業 自治体 私に あなたが 00:14:26.131 --> 00:14:31.199 今世紀と社会の進展を作るために 00:14:31.199 --> 00:14:36.690 共に働く姿を 想像してみてください 00:14:36.704 --> 00:14:37.783 ありがとうございました 00:14:37.783 --> 00:14:43.815 (拍手)