1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 最初にご紹介するロボットはSTriDERです 2 00:00:03,000 --> 00:00:05,000 「三脚動的自励式試作ロボット」 3 00:00:05,000 --> 00:00:07,000 という意味です 4 00:00:07,000 --> 00:00:09,000 3本脚のロボットで 5 00:00:09,000 --> 00:00:12,000 自然からヒントを得ました 6 00:00:12,000 --> 00:00:14,000 でも自然界に3本脚の生き物なんて 7 00:00:14,000 --> 00:00:16,000 いたでしょうか? 8 00:00:16,000 --> 00:00:18,000 たぶんいないでしょう 9 00:00:18,000 --> 00:00:20,000 ではなぜ? どんな風に動くのでしょう? 10 00:00:20,000 --> 00:00:23,000 それをご説明する前に ポップカルチャーにちょっと目を向けましょう 11 00:00:23,000 --> 00:00:26,000 H G ウェルズの「宇宙戦争」の小説と映画はご存じでしょう 12 00:00:26,000 --> 00:00:28,000 今映っているのは 13 00:00:28,000 --> 00:00:30,000 人気ゲームの一場面です 14 00:00:30,000 --> 00:00:33,000 この架空の物語の中では 地球を脅かす宇宙人が 15 00:00:33,000 --> 00:00:35,000 3本脚ロボットとして描かれています 16 00:00:35,000 --> 00:00:39,000 でも私のロボット STriDERはこんな風には動きません 17 00:00:39,000 --> 00:00:42,000 これは動的シミュレーションの動画です 18 00:00:42,000 --> 00:00:44,000 ロボットがどんな風に動くかご覧ください 19 00:00:44,000 --> 00:00:47,000 ボディを180度反転させています 20 00:00:47,000 --> 00:00:50,000 1本の脚を 他の2本の脚の間に通し 倒れ込むのを支えます 21 00:00:50,000 --> 00:00:52,000 こんな風に歩くわけです 22 00:00:52,000 --> 00:00:54,000 人が二足歩行するときだって 23 00:00:54,000 --> 00:00:56,000 筋肉を使って脚を持ち上げて 24 00:00:56,000 --> 00:00:59,000 ロボットみたいに歩くわけではありません 25 00:00:59,000 --> 00:01:02,000 実際には 脚を振って 倒れるのを支え 立ち上がり 26 00:01:02,000 --> 00:01:05,000 脚を振って 倒れるのを支え…という具合にやっています 27 00:01:05,000 --> 00:01:08,000 体自体の重みや物理的な特性を ちょうど振り子のように 28 00:01:08,000 --> 00:01:10,000 利用しているのです 29 00:01:10,000 --> 00:01:14,000 私たちはこれを受動動的移動と呼んでいます 30 00:01:14,000 --> 00:01:16,000 私たちが歩くときも同じです 31 00:01:16,000 --> 00:01:18,000 位置エネルギーから 運動エネルギーへ 32 00:01:18,000 --> 00:01:20,000 位置エネルギーから 運動エネルギーへ 33 00:01:20,000 --> 00:01:22,000 繰り返し落下するプロセスです 34 00:01:22,000 --> 00:01:25,000 だから自然界にこんな生き物はいないにしても 35 00:01:25,000 --> 00:01:27,000 実際に生物からヒントを得て 36 00:01:27,000 --> 00:01:29,000 生物が歩く原理を応用しているのです 37 00:01:29,000 --> 00:01:32,000 だから生物をヒントにして作ったロボットというわけです 38 00:01:32,000 --> 00:01:34,000 これは私たちが次にやりたいと思っていることです 39 00:01:34,000 --> 00:01:38,000 脚を畳んで遠くへ打ち出します 40 00:01:38,000 --> 00:01:41,000 それから脚を出します スターウォーズみたいですね 41 00:01:41,000 --> 00:01:44,000 着地時はショックを吸収し 歩き出します 42 00:01:44,000 --> 00:01:47,000 この黄色いのは殺人光線じゃありませんよ 43 00:01:47,000 --> 00:01:49,000 単にカメラか他の種類の 44 00:01:49,000 --> 00:01:51,000 センサーを表しています 45 00:01:51,000 --> 00:01:53,000 高さが1.8メートルあるので 46 00:01:53,000 --> 00:01:56,000 藪のような障害物があっても見渡すことができます 47 00:01:56,000 --> 00:01:58,000 プロトタイプを2つ作りました 48 00:01:58,000 --> 00:02:01,000 最初に作ったのが 後ろにあるSTriDER Iで 49 00:02:01,000 --> 00:02:03,000 手前にある小さいのがSTriDER IIです 50 00:02:03,000 --> 00:02:05,000 STriDER Iの問題は重すぎることです 51 00:02:05,000 --> 00:02:08,000 関節の調整などに使うモーターが 52 00:02:08,000 --> 00:02:10,000 たくさん入っていたためです 53 00:02:10,000 --> 00:02:14,000 それで機械的な機構を統合し 54 00:02:14,000 --> 00:02:17,000 1つのモーターですべての動作を 55 00:02:17,000 --> 00:02:19,000 制御できるようにしました 56 00:02:19,000 --> 00:02:22,000 メカトロニクスを使わずに機械的なもので問題を解決したのです 57 00:02:22,000 --> 00:02:25,000 新しい方は本体が軽いのでラボの中でも動かせます 58 00:02:25,000 --> 00:02:28,000 成功した第一歩でした 59 00:02:28,000 --> 00:02:30,000 まだまだ完璧ではありませんので 60 00:02:30,000 --> 00:02:33,000 やるべきことは たくさんあります 61 00:02:33,000 --> 00:02:36,000 次のロボットはIMPASSです 62 00:02:36,000 --> 00:02:40,000 「作動スポークシステムによる知的移動プラットフォーム」の略です 63 00:02:40,000 --> 00:02:43,000 車輪と脚のハイブリッドになっています 64 00:02:43,000 --> 00:02:45,000 リムのない車輪 あるいは 65 00:02:45,000 --> 00:02:47,000 スポークでできた車輪だと考えてください 66 00:02:47,000 --> 00:02:50,000 スポークが個々に動いて ハブを出入りします 67 00:02:50,000 --> 00:02:52,000 車輪と脚の組み合わせです 68 00:02:52,000 --> 00:02:54,000 文字通り「車輪を再発明」したわけです 69 00:02:54,000 --> 00:02:57,000 動いているところをお見せしましょう 70 00:02:57,000 --> 00:02:59,000 この映像では反応的アプローチを 71 00:02:59,000 --> 00:03:01,000 取っています 72 00:03:01,000 --> 00:03:04,000 足の触覚センサーを使って 73 00:03:04,000 --> 00:03:06,000 押すとへこむ柔らかい 74 00:03:06,000 --> 00:03:09,000 変化する地形の上を歩いています 75 00:03:09,000 --> 00:03:11,000 触覚センサーの情報をたよりに 76 00:03:11,000 --> 00:03:14,000 うまく柔らかい地形を移動しています 77 00:03:14,000 --> 00:03:18,000 大きな地形の変化に出会ったときはどうするのか? 78 00:03:18,000 --> 00:03:21,000 ここではロボットの高さの3倍以上ある 79 00:03:21,000 --> 00:03:23,000 障害物にぶつかっています 80 00:03:23,000 --> 00:03:25,000 すると計画的動作モードに切り替えます 81 00:03:25,000 --> 00:03:27,000 レーザー式の距離計や 82 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 カメラを使って障害物の大きさを識別し 83 00:03:29,000 --> 00:03:32,000 スポークをどう動かすか注意深く計画し 84 00:03:32,000 --> 00:03:34,000 調整することによって このように 85 00:03:34,000 --> 00:03:36,000 とても優れた機動性を発揮します 86 00:03:36,000 --> 00:03:38,000 こんなものをご覧になったのはきっと初めてでしょう 87 00:03:38,000 --> 00:03:41,000 私たちが開発した 88 00:03:41,000 --> 00:03:44,000 超高機動性ロボットIMPASSです 89 00:03:44,000 --> 00:03:46,000 ほら! すごいでしょう? 90 00:03:46,000 --> 00:03:49,000 自動車の運転では 91 00:03:49,000 --> 00:03:51,000 アッカーマン ステアリングと 92 00:03:51,000 --> 00:03:53,000 呼ばれる方法が使われます 93 00:03:53,000 --> 00:03:55,000 前輪がこの様に曲がります 94 00:03:55,000 --> 00:03:58,000 小さな車輪を持つロボットでは 多くの場合 95 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 差動ステアリングを使います 96 00:04:00,000 --> 00:04:03,000 左の車輪と右の車輪を逆向きに回転させるのです 97 00:04:03,000 --> 00:04:06,000 IMPASSの場合 様々な異なるタイプの動きをさせることができます 98 00:04:06,000 --> 00:04:09,000 例えば 左右の車輪が1つの車軸でつながり 角速度が同じであっても 99 00:04:09,000 --> 00:04:11,000 曲がらせることができます 100 00:04:11,000 --> 00:04:14,000 スポークの長さを変えてやれば良いのです 101 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 すると直径が変わって 左右に曲がります 102 00:04:16,000 --> 00:04:18,000 これはIMPASSにできる面白いことの 103 00:04:18,000 --> 00:04:21,000 ほんの一例です 104 00:04:21,000 --> 00:04:23,000 次のロボットはCLIMBeR 105 00:04:23,000 --> 00:04:26,000 「ケーブル支持式有足知的適合動作ロボット」です 106 00:04:26,000 --> 00:04:29,000 私はNASAのJPLの科学者たちとよく話をします 107 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 マーズローバーが有名ですね 108 00:04:31,000 --> 00:04:33,000 地質学者がいつも言っているのは 109 00:04:33,000 --> 00:04:36,000 科学的に本当に興味深い場所というのは 110 00:04:36,000 --> 00:04:39,000 いつも崖のようなところにあるということです 111 00:04:39,000 --> 00:04:41,000 現在のローバーでは行くことができません 112 00:04:41,000 --> 00:04:43,000 それで私たちは ごつごつした崖を 113 00:04:43,000 --> 00:04:46,000 よじ登れるロボットを作りたいと思いました 114 00:04:46,000 --> 00:04:48,000 それがこのCLIMBeRです 115 00:04:48,000 --> 00:04:50,000 3本脚で 見えにくいですが 116 00:04:50,000 --> 00:04:53,000 上にウィンチとケーブルがついています 117 00:04:53,000 --> 00:04:55,000 そして最適な足の置き場を見つけ 118 00:04:55,000 --> 00:04:57,000 力の分散のさせ方を 119 00:04:57,000 --> 00:05:00,000 リアルタイムで計算します 120 00:05:00,000 --> 00:05:03,000 表面にどれだけの力をかければ 121 00:05:03,000 --> 00:05:05,000 滑ったり転んだりしないか? 122 00:05:05,000 --> 00:05:07,000 安定したら 足を持ち上げ 123 00:05:07,000 --> 00:05:11,000 ウィンチを使って這い上がります 124 00:05:11,000 --> 00:05:13,000 捜索や救助のような用途にも使えるでしょう 125 00:05:13,000 --> 00:05:15,000 5年前に私はNASAのJPLで 126 00:05:15,000 --> 00:05:17,000 ひと夏の間 研究スタッフとして働きました 127 00:05:17,000 --> 00:05:21,000 その時すでにLEMURという6本脚ロボットが開発されていて 128 00:05:21,000 --> 00:05:24,000 これはそれをベースにした MARSです 129 00:05:24,000 --> 00:05:27,000 「多肢ロボットシステム」 六本脚を持つロボットです 130 00:05:27,000 --> 00:05:29,000 適応型の歩行プランナーを開発しました 131 00:05:29,000 --> 00:05:31,000 面白い荷物を積んでいますね 132 00:05:31,000 --> 00:05:33,000 学生たちは楽しいことをやりたがります 133 00:05:33,000 --> 00:05:36,000 凹凸のある地形を越えています 134 00:05:36,000 --> 00:05:38,000 こちらは粗い砂地の上を 135 00:05:38,000 --> 00:05:40,000 歩いているところです 136 00:05:40,000 --> 00:05:45,000 湿り具合とか砂粒の大きさによって 137 00:05:45,000 --> 00:05:47,000 脚の沈み加減のモデルを変更します 138 00:05:47,000 --> 00:05:51,000 足運びを環境に適応させることで このような地形をうまく渡ることができます 139 00:05:51,000 --> 00:05:53,000 すごく面白いものをご覧に入れましょう 140 00:05:53,000 --> 00:05:56,000 ラボを見学しに来る人はたくさんいるのですが 141 00:05:56,000 --> 00:05:58,000 お客様が来るとMARSはコンピュータの前に歩み寄り 142 00:05:58,000 --> 00:06:00,000 タイプし始めるのです 143 00:06:00,000 --> 00:06:02,000 「こんにちは 私はMARSです 144 00:06:02,000 --> 00:06:06,000 バージニア工科大学ロボティクスラボRoMeLaへようこそ」 145 00:06:06,000 --> 00:06:08,000 これはアメーバロボットです 146 00:06:08,000 --> 00:06:11,000 技術的な詳細をご説明している時間はないのですが 147 00:06:11,000 --> 00:06:13,000 いくつか実験の様子をお見せしましょう 148 00:06:13,000 --> 00:06:15,000 実現可能性を検討している段階です 149 00:06:15,000 --> 00:06:19,000 弾性のある表面に位置エネルギーを蓄えて移動したり 150 00:06:19,000 --> 00:06:21,000 あるいは弾性コードを使って前後に動きます 151 00:06:21,000 --> 00:06:24,000 こちらはChIMERAで 152 00:06:24,000 --> 00:06:26,000 ペンシルバニア大の人たちと 153 00:06:26,000 --> 00:06:28,000 協力して作っている 154 00:06:28,000 --> 00:06:30,000 化学物質に反応する 155 00:06:30,000 --> 00:06:32,000 アメーバロボットです 156 00:06:32,000 --> 00:06:34,000 あるところにあることをすると 157 00:06:34,000 --> 00:06:40,000 魔法のように動き出します 変な生き物みたいですね 158 00:06:40,000 --> 00:06:42,000 お次は新しいロボットのRAPHaELです 159 00:06:42,000 --> 00:06:45,000 「弾性靱帯を持つ空気式ロボットハンド」です 160 00:06:45,000 --> 00:06:49,000 商用で非常に良いロボティクスハンドはたくさんありますが 161 00:06:49,000 --> 00:06:53,000 それらの問題は値段が高すぎるということです 何万ドルもします 162 00:06:53,000 --> 00:06:55,000 だから義肢という用途で使うのは 163 00:06:55,000 --> 00:06:57,000 あまり現実的ではありません 164 00:06:57,000 --> 00:07:01,000 私たちはこの問題に別な方向から取り組みたいと思いました 165 00:07:01,000 --> 00:07:04,000 電気モーターや電気機械アクチュエーターを使うのではなく 166 00:07:04,000 --> 00:07:06,000 圧搾空気を使っています 167 00:07:06,000 --> 00:07:08,000 関節のための新しいアクチュエーターを開発しました 168 00:07:08,000 --> 00:07:11,000 柔軟にできていて 空気圧を変えるだけで 169 00:07:11,000 --> 00:07:13,000 力加減を簡単に変えられます 170 00:07:13,000 --> 00:07:15,000 ジュースの空き缶を潰すことができますが 171 00:07:15,000 --> 00:07:18,000 生卵や電球のような壊れやすいものを 172 00:07:18,000 --> 00:07:21,000 掴むこともできます 173 00:07:21,000 --> 00:07:25,000 一番いいのは 最初のプロトタイプ作成に200ドルしか かからなかったことです 174 00:07:25,000 --> 00:07:28,000 次はヘビ型ロボットのシリーズで 175 00:07:28,000 --> 00:07:30,000 HyDRASという名前です 176 00:07:30,000 --> 00:07:32,000 「超高自由度ヘビ型連節ロボット」です 177 00:07:32,000 --> 00:07:35,000 このような地形を よじ登ることができます 178 00:07:35,000 --> 00:07:37,000 こちらはHyDRASの腕です 179 00:07:37,000 --> 00:07:39,000 12の自由度のあるロボットアームです 180 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 いかしているのはユーザインタフェースの部分です 181 00:07:41,000 --> 00:07:44,000 あのケーブルは光ファイバーです 182 00:07:44,000 --> 00:07:46,000 この学生は たぶん初めて使うのですが 183 00:07:46,000 --> 00:07:48,000 関節を様々に動かすことができます 184 00:07:48,000 --> 00:07:51,000 たとえばイラクなんかの交戦地帯では 185 00:07:51,000 --> 00:07:53,000 道端に爆弾があります 186 00:07:53,000 --> 00:07:56,000 現在はリモコン式の武装車両を送り込んでいますが 187 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 すごく時間がかかり 188 00:07:58,000 --> 00:08:02,000 複雑な腕を操作できるようオペレータを訓練するのも高く付きます 189 00:08:02,000 --> 00:08:04,000 このロボットなら直感的に操作できます 190 00:08:04,000 --> 00:08:08,000 この学生も恐らく初めて使っているのですが モノを拾い上げて操作する 191 00:08:08,000 --> 00:08:10,000 とても複雑なタスクをうまくこなしています 192 00:08:10,000 --> 00:08:13,000 このようにとても直感的なんです 193 00:08:15,000 --> 00:08:17,000 次のロボットは 現在の我々のスターです 194 00:08:17,000 --> 00:08:20,000 このDARwInには実際ファンクラブがあります 195 00:08:20,000 --> 00:08:23,000 「ダイナミック人型知的ロボット」です 196 00:08:23,000 --> 00:08:25,000 私たちはヒューマノイド つまり 197 00:08:25,000 --> 00:08:27,000 人型の歩くロボットにとても関心があります 198 00:08:27,000 --> 00:08:29,000 それで小型のものを作ってみることにしました 199 00:08:29,000 --> 00:08:31,000 2004年当時には 200 00:08:31,000 --> 00:08:33,000 とても革新的なことで 201 00:08:33,000 --> 00:08:35,000 実現可能性を探る研究でした 202 00:08:35,000 --> 00:08:37,000 どんな種類のモーターを使うべきか? 203 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 そもそも可能なのか? どのような制御が必要になるか? 204 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 これにはまだセンサーがついていません 205 00:08:41,000 --> 00:08:43,000 開ループ制御です 206 00:08:43,000 --> 00:08:45,000 皆さんはきっとご存じですね 207 00:08:45,000 --> 00:08:47,000 センサーなしでバランスを崩したら… 208 00:08:50,000 --> 00:08:51,000 (笑) 209 00:08:51,000 --> 00:08:53,000 この成功をベースとして 次の年には 210 00:08:53,000 --> 00:08:56,000 運動学に基づいてちゃんとした 211 00:08:56,000 --> 00:08:58,000 機械設計を行い 212 00:08:58,000 --> 00:09:00,000 2005年にDARwIn I が誕生しました 213 00:09:00,000 --> 00:09:02,000 立ち上がり 歩きます 214 00:09:02,000 --> 00:09:04,000 しかしまだコードが繋がっています 215 00:09:04,000 --> 00:09:08,000 外部の電源と 外部での計算処理に 216 00:09:08,000 --> 00:09:10,000 まだ頼っていました 217 00:09:10,000 --> 00:09:14,000 2006年に本当に面白いものになりました 218 00:09:14,000 --> 00:09:17,000 知性を持たせたのです 必要な計算能力を与えました 219 00:09:17,000 --> 00:09:19,000 1.5GHzのPentium M 220 00:09:19,000 --> 00:09:21,000 2つのFireWireカメラ 8つのジャイロ 加速度計 221 00:09:21,000 --> 00:09:24,000 足には4つのトルクセンサー リチウム電池 222 00:09:24,000 --> 00:09:28,000 DARwIn II は完全に自律的です 223 00:09:28,000 --> 00:09:30,000 遠隔操作はしていません 224 00:09:30,000 --> 00:09:33,000 ケーブルもついていません 周りを見回し ボールを探し 225 00:09:33,000 --> 00:09:36,000 周りを見回し ボールを探し 自律的な人工知能によって 226 00:09:36,000 --> 00:09:39,000 サッカーをプレーします 227 00:09:39,000 --> 00:09:42,000 見てみましょう この時はまさに私たちの最初の試行でした 228 00:09:42,000 --> 00:09:47,000 ゴーーール!! 229 00:09:48,000 --> 00:09:51,000 RoboCupという大会があります 230 00:09:51,000 --> 00:09:53,000 ご存じの方がどれくらいいるかわかりませんが 231 00:09:53,000 --> 00:09:58,000 国際的な自律ロボットによるサッカー競技会です 232 00:09:58,000 --> 00:10:01,000 RoboCupの目標は 2050年までに 233 00:10:01,000 --> 00:10:03,000 等身大の 234 00:10:03,000 --> 00:10:06,000 自律ヒューマノイド型ロボットで 235 00:10:06,000 --> 00:10:10,000 人間のワールドカップ優勝チームと試合をして 236 00:10:10,000 --> 00:10:12,000 勝つことです 237 00:10:12,000 --> 00:10:14,000 それが真の目標です 野心的な目標ですが 238 00:10:14,000 --> 00:10:16,000 私たちはやれると信じています 239 00:10:16,000 --> 00:10:19,000 2008年は中国で行われました 240 00:10:19,000 --> 00:10:21,000 この競技会にアメリカから参加したのは 241 00:10:21,000 --> 00:10:23,000 私たちが最初でした 242 00:10:23,000 --> 00:10:26,000 今年2009年はオーストラリアで行われました 243 00:10:26,000 --> 00:10:28,000 3対3で全く自律的に 244 00:10:28,000 --> 00:10:30,000 試合を行います 245 00:10:30,000 --> 00:10:32,000 そら入った! 246 00:10:33,000 --> 00:10:35,000 ロボット同士で 247 00:10:35,000 --> 00:10:38,000 チームプレーを競うのです 248 00:10:38,000 --> 00:10:40,000 とても見応えのある エキサイティングな 249 00:10:40,000 --> 00:10:44,000 競技イベントの形を取った研究イベントです 250 00:10:44,000 --> 00:10:46,000 これは美しいルイ ヴィトンカップの 251 00:10:46,000 --> 00:10:48,000 トロフィーです 252 00:10:48,000 --> 00:10:50,000 最高のヒューマノイドに与えられる賞です 253 00:10:50,000 --> 00:10:52,000 来年には是非 このトロフィーを初めて 254 00:10:52,000 --> 00:10:54,000 アメリカに持ち帰るチームに 255 00:10:54,000 --> 00:10:56,000 なりたいと思っています 256 00:10:56,000 --> 00:10:59,000 (拍手) 257 00:10:59,000 --> 00:11:01,000 DARwInは他にもたくさんの才能があります 258 00:11:01,000 --> 00:11:04,000 去年はホリデーコンサートで 259 00:11:04,000 --> 00:11:07,000 ロアノーク交響楽団の指揮をしました 260 00:11:07,000 --> 00:11:10,000 これは次世代のロボットDARwIn IV です 261 00:11:10,000 --> 00:11:13,000 より賢く より速く より強くなっています 262 00:11:13,000 --> 00:11:15,000 その能力を披露しようとしています 263 00:11:15,000 --> 00:11:18,000 「俺はマッチョだ 俺は強いんだ」 264 00:11:18,000 --> 00:11:21,000 ジャッキー チェンみたいな 265 00:11:21,000 --> 00:11:24,000 カンフーアクションだってできます 266 00:11:24,000 --> 00:11:26,000 (笑) 267 00:11:26,000 --> 00:11:28,000 そして歩き去ります これがDARwIn IV です 268 00:11:28,000 --> 00:11:30,000 ロビーでご覧いただけます 269 00:11:30,000 --> 00:11:32,000 これをアメリカ初の 270 00:11:32,000 --> 00:11:35,000 走れるロボットにしたいと思っていますので ご期待ください 271 00:11:35,000 --> 00:11:38,000 私たちのエキサイティングなロボットの動作をご覧頂きました 272 00:11:38,000 --> 00:11:41,000 では私たちの成功の秘密は何でしょう? 273 00:11:41,000 --> 00:11:43,000 どうやって考え出しているのか? 274 00:11:43,000 --> 00:11:45,000 どうやってアイデアを発展させているのか? 275 00:11:45,000 --> 00:11:47,000 私たちは都市域を完全自動走行する 276 00:11:47,000 --> 00:11:49,000 自動車を作り DARPAアーバンチャレンジで 277 00:11:49,000 --> 00:11:51,000 50万ドルの賞金を獲得しました 278 00:11:51,000 --> 00:11:53,000 私たちはまた 視覚障害者が運転できる 279 00:11:53,000 --> 00:11:55,000 世界最初の車も作りました 280 00:11:55,000 --> 00:11:57,000 これは視覚障害ドライバーチャレンジと呼んでいます 281 00:11:57,000 --> 00:12:01,000 まだまだお話ししたいエキサイティングなロボティクスプロジェクトがたくさんあります 282 00:12:01,000 --> 00:12:03,000 これは私たちが2007年秋に 283 00:12:03,000 --> 00:12:06,000 ロボティクス関係のコンペで受賞したものです 284 00:12:06,000 --> 00:12:08,000 秘密は5つあります 285 00:12:08,000 --> 00:12:10,000 まずどこからインスピレーションを得るか 286 00:12:10,000 --> 00:12:12,000 イマジネーションの閃きをどうやって得ているかです 287 00:12:12,000 --> 00:12:15,000 これは本当のことで 私自身の話です 288 00:12:15,000 --> 00:12:17,000 夜眠るとき 明け方の3時か4時頃ですが 289 00:12:17,000 --> 00:12:20,000 横になって目を閉じると 線や円や 290 00:12:20,000 --> 00:12:22,000 いろいろな形が浮遊して 291 00:12:22,000 --> 00:12:25,000 組み合わさり ある種のメカを形作ります 292 00:12:25,000 --> 00:12:27,000 そうすると私は 「ああ これはいいな」と思い 293 00:12:27,000 --> 00:12:29,000 ベッドの脇に置いてあるノートと 294 00:12:29,000 --> 00:12:32,000 特別なLEDライト付きペンを取り出します 295 00:12:32,000 --> 00:12:34,000 明かりを点けて妻を起こしたくはないので 296 00:12:34,000 --> 00:12:36,000 思いついたことをすべて書き 絵を描いて 297 00:12:36,000 --> 00:12:38,000 それから眠りにつきます 298 00:12:38,000 --> 00:12:40,000 毎朝一番にやるのは 299 00:12:40,000 --> 00:12:42,000 一杯のコーヒーよりも 歯磨きよりも先にするのは 300 00:12:42,000 --> 00:12:44,000 そのノートを開いて見ることです 301 00:12:44,000 --> 00:12:46,000 多くの場合何も書かれていません 302 00:12:46,000 --> 00:12:48,000 時々何か書かれていますが 303 00:12:48,000 --> 00:12:51,000 大抵 自分でも何が書いてあるのかわかりません 304 00:12:51,000 --> 00:12:54,000 朝の4時に寝ぼけて書いたのですから無理もありません 305 00:12:54,000 --> 00:12:56,000 解読する必要があります 306 00:12:56,000 --> 00:12:59,000 でも時々そこに すごいアイデアが書かれていることがあります 307 00:12:59,000 --> 00:13:01,000 「見つけた!」という瞬間です 308 00:13:01,000 --> 00:13:03,000 すぐに書斎に走り コンピュータの前に座って 309 00:13:03,000 --> 00:13:05,000 アイデアを打ち込み スケッチを描き 310 00:13:05,000 --> 00:13:08,000 そうやってアイデアのデータベースに保存します 311 00:13:08,000 --> 00:13:10,000 そして公募があると 312 00:13:10,000 --> 00:13:12,000 要件に合う可能性のあるアイデアを 313 00:13:12,000 --> 00:13:14,000 その中から探します 314 00:13:14,000 --> 00:13:16,000 ピッタリのものがあれば 研究企画書を書いて 315 00:13:16,000 --> 00:13:20,000 研究資金を獲得します 私たちの研究プログラムはそうやって始まります 316 00:13:20,000 --> 00:13:23,000 しかしイマジネーションの閃きだけでは十分ではありません 317 00:13:23,000 --> 00:13:25,000 そのようなアイデアをどうやって発展させるのか? 318 00:13:25,000 --> 00:13:28,000 私たちのラボRoMeLaでは 素晴らしい 319 00:13:28,000 --> 00:13:31,000 ブレインストーミングセッションをやっています 320 00:13:31,000 --> 00:13:33,000 みんな集まって 課題や 321 00:13:33,000 --> 00:13:35,000 社会的問題について議論し 話し合います 322 00:13:35,000 --> 00:13:38,000 始める前にルールを確認します 323 00:13:38,000 --> 00:13:40,000 そのルールとは 324 00:13:40,000 --> 00:13:43,000 「誰のアイデアも批判しない 325 00:13:43,000 --> 00:13:45,000 どんな意見も批判しないこと」です 326 00:13:45,000 --> 00:13:47,000 これはとても重要で 学生は 327 00:13:47,000 --> 00:13:50,000 自分の意見や考えを他の人がどう思うか不安になったり 328 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 怖れたりするものだからです 329 00:13:52,000 --> 00:13:54,000 このルールを徹底するだけで 学生たちは 330 00:13:54,000 --> 00:13:56,000 驚くほど自由にアイデアを出せるようになります 331 00:13:56,000 --> 00:13:59,000 彼らはすごいクールでクレージーな素晴らしいアイデアを持っています 332 00:13:59,000 --> 00:14:02,000 部屋全体に創造的なエネルギーが充満しているかのようです 333 00:14:02,000 --> 00:14:05,000 そうやってアイデアを発展させるのです 334 00:14:05,000 --> 00:14:08,000 もう時間がありませんが もう1つお話ししておきたいのは 335 00:14:08,000 --> 00:14:12,000 アイデアを閃めかせ 展開させるだけでは十分でないということです 336 00:14:12,000 --> 00:14:14,000 TEDで素晴らしい講演がありました 337 00:14:14,000 --> 00:14:17,000 ケン ロビンソン卿です 338 00:14:17,000 --> 00:14:19,000 彼は教育や学校がいかに 339 00:14:19,000 --> 00:14:21,000 創造力を殺しているかという話をしました 340 00:14:21,000 --> 00:14:24,000 これには実際2つの面があります 341 00:14:24,000 --> 00:14:27,000 独創的なアイデアと 創造力と 342 00:14:27,000 --> 00:14:29,000 工学的直感だけでは 343 00:14:29,000 --> 00:14:32,000 できることが限られています 344 00:14:32,000 --> 00:14:34,000 ただの工作以上のことをやり 345 00:14:34,000 --> 00:14:36,000 趣味のロボットを越え 346 00:14:36,000 --> 00:14:39,000 しっかりした研究に基づいて本当に大きなロボティクスの 347 00:14:39,000 --> 00:14:41,000 課題に取り組もうと思ったら 348 00:14:41,000 --> 00:14:44,000 他にも必要になるものがあります そこが学校の生きてくる部分です 349 00:14:44,000 --> 00:14:47,000 悪者たちと戦うバットマンは 350 00:14:47,000 --> 00:14:49,000 ユーティリティーベルトや 引っ掛けフックや 351 00:14:49,000 --> 00:14:51,000 さまざまな小道具を持っています 352 00:14:51,000 --> 00:14:53,000 私たちロボティクス研究者 エンジニア 353 00:14:53,000 --> 00:14:58,000 サイエンティストにとって そのツールに当たるのが大学の授業や教程なのです 354 00:14:58,000 --> 00:15:00,000 数学 微分方程式 355 00:15:00,000 --> 00:15:02,000 線形代数 科学 物理 356 00:15:02,000 --> 00:15:05,000 最近では化学や生物学まで活用しています 357 00:15:05,000 --> 00:15:07,000 これらは私たちが必要とするツールなのです 358 00:15:07,000 --> 00:15:09,000 ツールがたくさんあるほど バットマンは 359 00:15:09,000 --> 00:15:11,000 悪者相手に効果的に戦うことができます 360 00:15:11,000 --> 00:15:15,000 私たちには 大きな問題に取り組むための足がかりが増えます 361 00:15:15,000 --> 00:15:18,000 教育というのはとても重要なのです 362 00:15:18,000 --> 00:15:20,000 またそれだけでなく 363 00:15:20,000 --> 00:15:22,000 本当に熱心に 働く必要があります 364 00:15:22,000 --> 00:15:24,000 私は学生にいつも言っています 365 00:15:24,000 --> 00:15:26,000 「賢く働き そして熱心に働くこと」 366 00:15:26,000 --> 00:15:29,000 後ろに出ている写真は午前3時のラボの様子です 367 00:15:29,000 --> 00:15:31,000 私たちのラボに午前3時とか4時に来ていただけば 368 00:15:31,000 --> 00:15:33,000 きっと学生たちがまだ働いているでしょう 369 00:15:33,000 --> 00:15:36,000 私がしろと言ったからではありません みんなすごく楽しいからやっているんです 370 00:15:36,000 --> 00:15:38,000 これが最後の点に繋がります 371 00:15:38,000 --> 00:15:40,000 「楽しみを忘れないこと」 372 00:15:40,000 --> 00:15:43,000 これこそ私たちの成功の一番の秘密です みんな本当に楽しんでやっています 373 00:15:43,000 --> 00:15:46,000 最高の生産性は楽しんでいるときにこそ得られるのです 374 00:15:46,000 --> 00:15:48,000 それが私たちのしていることです 375 00:15:48,000 --> 00:15:50,000 以上です どうもありがとうございました 376 00:15:50,000 --> 00:15:55,000 (拍手)