0:00:00.973,0:00:04.107 2014年は私にとって特別な年です 0:00:04.107,0:00:06.034 コンサルタントとして20周年 0:00:06.034,0:00:07.705 結婚20周年 0:00:07.705,0:00:10.887 一ヶ月後には50才になります 0:00:10.887,0:00:16.437 私は1964年にドイツの小さな街に生まれました 0:00:16.437,0:00:18.155 灰色の11月のある日 0:00:18.155,0:00:20.035 予定日を超えていました 0:00:20.035,0:00:23.518 病院の産婦人科は忙しく 0:00:23.518,0:00:28.023 その日多くの出産が予定されていて 0:00:28.023,0:00:30.145 実際 0:00:30.145,0:00:34.571 1964年はドイツで最も[br]出生率の高かった年なのです 0:00:34.571,0:00:36.591 130万人以上が生まれました 0:00:36.591,0:00:39.725 比べて去年は60万人 0:00:39.725,0:00:41.227 半分の数です 0:00:41.490,0:00:45.321 これはドイツの人口(年齢)[br]ピラミッドで 0:00:45.321,0:00:48.130 ここの上にある小さな点が私です 0:00:48.130,0:00:52.124 (笑)(拍手) 0:00:54.307,0:00:58.440 赤は潜在的労働力人口 0:00:58.440,0:01:02.689 15歳から65歳までの人口で 0:01:02.689,0:01:06.404 私はこの赤いエリアに興味があります 0:01:06.404,0:01:08.447 簡単なシミュレーションで 0:01:08.447,0:01:12.975 この年齢構造が数年でどう変わるか見てみましょう 0:01:12.975,0:01:14.414 このように 0:01:14.414,0:01:16.713 ピークが右へ移動して 0:01:16.713,0:01:23.238 多くのベビーブーマーと同じく[br]私は2030年に定年退職を迎えます 0:01:23.238,0:01:25.513 ところで この赤いエリアを予測するのに 0:01:25.513,0:01:28.382 出生率の予測値は必要ないんです 0:01:28.406,0:01:29.654 この赤い部分 つまり 0:01:29.678,0:01:33.290 2030年の潜在的労働世代人口は 0:01:33.291,0:01:36.589 今日もう確定しています 0:01:36.589,0:01:40.141 もし移民の流入率がそれ程[br]変わらないとすればですが 0:01:40.141,0:01:46.271 2030年と2014年の赤い部分を比べると 0:01:46.271,0:01:49.382 かなり小さくなるのが分かりますね 0:01:49.382,0:01:51.820 世界の状況をお見せする前に― 0:01:51.820,0:01:55.117 これはドイツにとって何を意味するのでしょう 0:01:55.117,0:01:59.204 労働力の供給は― 0:01:59.204,0:02:01.131 労働者たちの数は 0:02:01.131,0:02:04.800 ドイツで劇的に減少します 0:02:04.800,0:02:07.400 労働力の需要はどうでしょう? 0:02:07.400,0:02:09.211 ここが難しい部分ですが 0:02:10.163,0:02:14.970 コンサルタント達の得意の答えは 0:02:14.970,0:02:16.711 「時と場合によります」 0:02:16.711,0:02:19.079 なので私もそう言っていました 0:02:19.079,0:02:21.448 未来を予測することは避けたのです 0:02:21.448,0:02:22.957 憶測に過ぎない要素が[br]大きすぎるからです 0:02:22.957,0:02:24.513 その代わりに― 0:02:24.513,0:02:27.903 ドイツのGDPと生産性の成長を 0:02:27.903,0:02:29.598 過去20年に渡って見てみました 0:02:29.598,0:02:32.082 そして次のシナリオを計算したのです 0:02:32.082,0:02:36.563 もしドイツがこのGDPと生産性の[br]成長率を続けたいのなら[br] 0:02:36.563,0:02:38.676 ドイツで成長を維持するのに何人の労働者[br]が必要なのか 0:02:38.676,0:02:42.647 計算することができます 0:02:42.647,0:02:45.928 この緑のラインは労働力の需要です 0:02:45.928,0:02:49.209 ドイツは早くから人材不足に直面します 0:02:49.209,0:02:52.491 800万人が不足することになります。 0:02:52.491,0:02:55.928 これは現在の労働人口の20%以上になります 0:02:55.928,0:02:58.598 とても大きな数です 0:02:58.598,0:03:00.711 それからいくつかのシナリオを計算してみて 0:03:00.711,0:03:03.173 このような図になりました 0:03:04.565,0:03:06.446 ギャップを埋めるのに 0:03:06.446,0:03:10.509 ドイツは劇的に移民の数を[br]増やさなければならず 0:03:10.509,0:03:12.715 女性の労働力をもっと[br]増やさなければなりません 0:03:12.715,0:03:14.480 退職年齢を先に延ばし― 0:03:14.480,0:03:16.895 これは今年早められたばかりですけれど― 0:03:16.895,0:03:19.658 これらの政策が一度に必要になります 0:03:19.658,0:03:23.721 ここでドイツが失敗すると[br]経済成長は停滞することになります 0:03:23.721,0:03:26.043 もう成長は見込めません 何故か? 0:03:26.043,0:03:29.456 それはこの成長の基盤となる[br]労働者たちがいないからです 0:03:29.456,0:03:33.913 企業は他の場所で従業員たちを[br]探すことになります 0:03:33.913,0:03:35.289 でも一体どこで? 0:03:36.730,0:03:40.776 我々は世界のGDPの70%以上を占める[br] 0:03:40.776,0:03:44.378 世界の15経済圏について 0:03:44.378,0:03:47.980 労働力の需要と供給をシミュレートしました 0:03:47.980,0:03:51.584 すると2020年までに[br]このような姿が浮かび上がります 0:03:51.584,0:03:54.277 青は労働力の供給過剰 0:03:54.277,0:03:56.762 赤は労働力の不足 0:03:56.762,0:04:00.454 グレーはその間のボーダーラインの国々です 0:04:00.454,0:04:06.560 2020年までにいくつかの国々では[br]まだ労働の供給過剰が見られます 0:04:06.560,0:04:08.743 イタリア、フランス、アメリカ等です 0:04:08.743,0:04:13.340 しかし2030年にはこれは劇的に変化し 0:04:13.340,0:04:17.961 世界的にほとんどの大きな経済圏で労働力が不足します 0:04:17.961,0:04:20.817 世界的にほとんどの大きな[br]経済圏で労働力が不足します 0:04:20.817,0:04:23.673 これはBRICの内の3カ国を含みます 0:04:23.673,0:04:26.529 過去の一人っ子政策の影響が現れる中国 0:04:26.529,0:04:30.453 ブラジルとロシアです 0:04:30.453,0:04:34.168 さて 実を言うと 0:04:34.168,0:04:38.974 現実には 状況は更に困難になります 0:04:38.974,0:04:42.317 ここでお見せしているのは平均値に過ぎません 0:04:42.317,0:04:44.013 これを平均値から戻し 0:04:44.013,0:04:46.633 スキルレベル別に内訳を見てみると 0:04:46.633,0:04:47.950 見えてきたのは 0:04:47.950,0:04:51.884 ハイスキル労働力の不足率が更に高まり 0:04:51.884,0:04:56.063 ロースキル労働力が部分的に[br]余剰するという状況です 0:04:56.063,0:04:59.221 つまり 全体的な労働力不足に加えて 0:04:59.221,0:05:03.453 将来 社会はスキルのミスマッチが[br]蔓延する状況に直面することになります 0:05:03.477,0:05:05.176 これが意味するところは 至る所で 0:05:05.200,0:05:07.265 教育、資格、 0:05:07.289,0:05:12.322 政府や企業でのスキルアップ等の[br]大きな課題が生まれるということです 0:05:12.322,0:05:16.814 次に目を向けたのは [br]ロボット、自動化、テクノロジーです 0:05:16.814,0:05:21.306 テクノロジーは生産性を押上げ [br]この未来図を塗り替えるでしょうか? 0:05:21.306,0:05:24.584 これへの短い答えは 0:05:24.584,0:05:27.862 先ほどの数値はテクノロジーによる[br]生産性の押上げをすでに含んでいた 0:05:27.862,0:05:31.140 というものです 0:05:33.884,0:05:36.628 長い答えはこうなります 0:05:36.628,0:05:39.113 また ドイツを例に取ってみましょう 0:05:39.113,0:05:42.355 ドイツ人達は 生産性に関しては 0:05:42.355,0:05:45.597 定評があります 0:05:45.597,0:05:49.224 90年代に私は2年ほど[br]ボストンオフィスで働きました 0:05:49.224,0:05:52.851 そこを去る際 シニアパートナーが[br]私に言ったのは 0:05:52.851,0:05:56.480 「もっとドイツ人達をよこしてくれ[br]機械みたいに働いてくれるからね」 0:05:56.480,0:06:00.967 (笑) 0:06:00.967,0:06:04.259 1998年のことでした 0:06:04.259,0:06:08.028 16年後 きっと全く逆のことを言うでしょう 0:06:08.028,0:06:11.797 「もっと機械をよこしてくれ[br]ドイツ人みたいに働いてくれるからね」 0:06:11.797,0:06:15.566 (笑)(拍手) 0:06:18.108,0:06:22.811 テクノロジーが製造業だけでなく 0:06:22.811,0:06:24.808 多くの仕事に取って変わるでしょう 0:06:24.808,0:06:26.666 オフィスワーカー達も例外無く 0:06:26.690,0:06:29.521 ロボットやAI、ビッグデータや自動化によって 0:06:29.521,0:06:32.036 取って代わられるかも知れません 0:06:33.120,0:06:38.042 もはや鍵となる問いは―テクノロジーが[br]こうした仕事をするようになるのか ではなく 0:06:38.042,0:06:41.688 いつ どの位早くその時が訪れ [br]どの位の規模で?という問いです 0:06:41.688,0:06:43.383 言い換えれば 0:06:43.383,0:06:46.974 テクノロジーは世界的な労働力不足を[br]解決するのか? 0:06:46.974,0:06:50.565 答えは[br]イエス アンド ノー です。 0:06:50.565,0:06:54.156 今の答えはより洗練された[br]「時と場合によります」ですね 0:06:54.156,0:06:55.203 (笑) 0:06:55.227,0:07:00.310 自動車産業を例に取りましょう 0:07:00.310,0:07:04.814 そこでは40%以上の産業ロボットが[br]既に導入されており 0:07:04.814,0:07:07.546 自動化が始まっています 0:07:09.332,0:07:14.659 1980年には電気部品は[br]自動車の生産コストの 0:07:14.659,0:07:17.329 10%以下しか占めていませんでしたが 0:07:17.329,0:07:20.580 今日これは30%以上になり 0:07:20.580,0:07:25.403 2030年までに50%以上になるでしょう 0:07:25.427,0:07:29.608 これらの新しい電子部品や[br]アプリケーションは 0:07:29.632,0:07:33.317 新たなスキルを必要とし[br]新たな雇用を生み出しました 0:07:33.317,0:07:37.002 認知システム工学のようなものです 0:07:37.002,0:07:40.688 運転手と電子制御システムとの[br]やりとりを最適化する仕事です 0:07:42.081,0:07:48.668 1980年には誰もそんな仕事が生まれるなど[br]想像もできませんでした 0:07:49.534,0:07:51.027 そして実は 0:07:51.051,0:07:55.246 車の製造に関わった人々の数は 0:07:55.246,0:07:58.659 ロボットや自動化が始まっても 0:07:58.659,0:08:01.677 過去10年に渡り少ししか変わっていません 0:08:01.677,0:08:03.443 これは何を意味しているのでしょう? 0:08:03.443,0:08:05.856 もちろん テクノロジーは多くの作業に取って代わります 0:08:05.880,0:08:11.707 でも同時に多くの新たな仕事やスキルが生まれて 0:08:11.731,0:08:17.768 そのことはテクノロジーは全体的にスキルの[br]ミスマッチを悪化させるということを意味します 0:08:17.768,0:08:19.510 このような脱・平均値化は 0:08:19.510,0:08:23.111 政府や企業にとっての危機的な[br]課題を露わにしていきます 0:08:25.175,0:08:29.006 高スキルな人々― 0:08:29.006,0:08:33.046 人材は次の10年 重要になります 0:08:33.046,0:08:38.688 もしこうした人材達が不足しがちな資源だとすれば[br]彼らのことをより良く理解するべきです 0:08:38.688,0:08:41.636 彼らは海外で働いても[br]いいと思っているだろうか? 0:08:41.636,0:08:43.402 どんな仕事を好むだろうか? 0:08:44.552,0:08:49.593 答えを見つけるために 今年[br]我々は世界的に調査を行いました 0:08:49.617,0:08:54.870 189カ国からの20万人の[br]求職者たちが対象です 0:08:56.021,0:09:01.449 移住はギャップを埋める主要なポイントです 0:09:01.469,0:09:03.013 少なくとも短い期間の解決策になります 0:09:03.013,0:09:05.613 ですから流動性について質問しました 0:09:05.613,0:09:10.234 これら20万人の60%以上が 0:09:10.234,0:09:12.834 海外で働いてもいいと回答しました 0:09:12.834,0:09:14.994 私の予想より高い値でした 0:09:14.994,0:09:18.407 21歳から30歳の従業員たちをみると 0:09:18.407,0:09:20.706 その数値は更に高いものでした 0:09:20.706,0:09:24.026 国別に見てみると 0:09:24.026,0:09:29.227 確かに世界で人々は流動的でしたが[br]一部だけだとわかりました 0:09:29.227,0:09:33.279 最も移住を好まない国は[br]ロシア、ドイツ、アメリカでした 0:09:34.358,0:09:37.632 では人々の好む移住先は? 0:09:37.632,0:09:42.462 7位はオーストラリア 28%の人々が[br]移住していいと考えています 0:09:42.462,0:09:46.780 そしてフランス、スイス、ドイツ、[br]カナダ、イギリスと続き 0:09:46.804,0:09:50.109 世界で一番の人気はアメリカです 0:09:50.744,0:09:54.239 さてこの20万人達の好む仕事は? 0:09:54.263,0:09:55.746 仕事に何を求めているのでしょう? 0:09:57.043,0:10:03.475 26のリストのうち 給料は8番目 0:10:03.475,0:10:08.003 上位4つは職場の文化についてでした 0:10:08.003,0:10:09.558 第4位 0:10:09.558,0:10:12.554 上司との良好な関係 0:10:12.554,0:10:16.571 第3位 ワーク・ライフ・バランス 0:10:16.571,0:10:20.332 第2位 同僚との良好な関係 0:10:20.332,0:10:23.727 第1位は世界中で同じです 0:10:23.751,0:10:27.340 自分の仕事に対して評価されること 0:10:28.321,0:10:31.152 つまり 感謝されるということです 0:10:31.152,0:10:34.496 年に一度のボーナスじゃなく 0:10:34.496,0:10:37.986 毎日のことです 0:10:37.986,0:10:41.413 つまり 世界的な労働力危機は個人的な問題に集約されます 0:10:41.413,0:10:44.840 人は認められたいのです 0:10:44.840,0:10:48.267 皆そうではないでしょうか? 0:10:51.302,0:10:54.882 それでは点と点をつないでみましょう 0:10:54.882,0:10:57.250 私たちはこれから[br]世界規模の危機に直面します 0:10:57.250,0:11:00.222 全体的な労働力不足 0:11:00.222,0:11:02.173 スキルのミスマッチ 0:11:02.173,0:11:05.307 文化的な課題 0:11:05.307,0:11:09.231 そしてこの世界規模の労働力不足は[br]目前に迫っています 0:11:09.231,0:11:11.971 今私たちはちょうどターニングポイントにいます 0:11:11.971,0:11:16.359 私たち―政府や企業は何ができるのでしょう? 0:11:16.359,0:11:17.962 全ての企業は 0:11:17.962,0:11:19.749 そして全ての国々は 0:11:19.749,0:11:21.677 人材戦略が必要です 0:11:21.677,0:11:24.649 そして今直ぐに行動すること です 0:11:24.649,0:11:28.596 この人材戦略には4つの柱があります 0:11:28.596,0:11:30.407 1つめは 計画 0:11:30.407,0:11:36.537 様々な仕事やスキルについて[br]需要と供給を予測します 0:11:36.537,0:11:41.272 労働力プランニングはファイナンシャル・[br]プランニングよりも重要になります 0:11:42.109,0:11:45.732 2つめは優れた人材を[br]どう惹きつけるかということ 0:11:45.732,0:11:48.831 ジェネレーションY、女性、[br]そして定年退職者達もです 0:11:49.865,0:11:53.854 3つめ 従業員の教育とスキルアップです 0:11:53.878,0:11:56.433 スキルアップの課題が山積みです 0:11:57.666,0:11:59.500 4つめ 0:11:59.500,0:12:02.029 どう優れた人材を維持するるか 0:12:02.053,0:12:03.399 ということは 0:12:03.423,0:12:08.298 職場でどう感謝と良好な関係の[br]文化を実現するかです 0:12:11.643,0:12:17.675 しかしその根底にある重要な要因は[br]どう私たちの態度を改善するかです 0:12:18.424,0:12:20.564 従業員は資源であり資産です 0:12:22.704,0:12:24.402 コストでもただの頭数でもなければ 0:12:24.402,0:12:26.100 機械でもなく・・・ 0:12:26.100,0:12:27.800 「ドイツ人達」でもないのです 0:12:27.800,0:12:29.278 ありがとうございました 0:12:29.302,0:12:33.189 (拍手)