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00:00:00,000 --> 00:00:03,000
私は小児ガンの医師で

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00:00:03,000 --> 00:00:07,000
スタンフォードで幹細胞の研究もしていますが

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00:00:07,000 --> 00:00:10,000
そこでは主に骨髄移植に携わってきました

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00:00:10,000 --> 00:00:12,000
ジル ボルト テイラーが去年人間の脳を

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00:00:12,000 --> 00:00:14,000
持ってきた事に刺激され

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00:00:14,000 --> 00:00:17,000
1リットルの骨髄液を持ってきました

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00:00:17,000 --> 00:00:20,000
骨髄液は実際多くの患者さんを救うために

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00:00:20,000 --> 00:00:22,000
私達が使用しているものです

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00:00:22,000 --> 00:00:25,000
その患者さんのほとんどは　白血病　リンパ腫

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00:00:25,000 --> 00:00:27,000
その他の進行した悪性腫瘍を抱えています

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00:00:27,000 --> 00:00:31,000
数年前 私はスタンフォードで移植の研修生をしていました

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00:00:31,000 --> 00:00:33,000
私は手術室にいて

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00:00:33,000 --> 00:00:35,000
そこにはドナー志願のボブがいました

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00:00:35,000 --> 00:00:37,000
私達は国内のある白血病の子供の命を救うため

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00:00:37,000 --> 00:00:39,000
彼の骨髄液を送ろうとしていました

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00:00:39,000 --> 00:00:41,000
実際どうやって骨髄液を採取するのでしょう？

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00:00:41,000 --> 00:00:45,000
手術室のメンバーはそろっているし 一般的な麻酔設備 看護士

18
00:00:45,000 --> 00:00:47,000
そして 私の前には他の医者もいます

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00:00:47,000 --> 00:00:49,000
ボブは手術台にいます このような小さい針

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00:00:49,000 --> 00:00:51,000
それほど大きくない針を使います

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00:00:51,000 --> 00:00:53,000
やり方はこうです

22
00:00:53,000 --> 00:00:55,000
基本的にこれをやわらかい組織に貫通させ

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00:00:55,000 --> 00:00:57,000
固い骨に穴をあけるのです

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00:00:57,000 --> 00:00:59,000
尻の中に--これは専門用語です

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00:00:59,000 --> 00:01:03,000
そして骨髄液を10ml吸引します

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00:01:03,000 --> 00:01:05,000
毎回 注射器で

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00:01:05,000 --> 00:01:08,000
それを看護師に渡します 彼女はそれを容器に入れ

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00:01:08,000 --> 00:01:11,000
私に返します これを何度も繰り返します

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00:01:11,000 --> 00:01:13,000
大体200回くらい

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00:01:13,000 --> 00:01:15,000
最後には腕は痛み始め 手にはタコができます

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00:01:15,000 --> 00:01:17,000
ボブは言うまでもありません

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00:01:17,000 --> 00:01:19,000
彼のお尻はこんな

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00:01:19,000 --> 00:01:21,000
スイスチーズの様になってしまいます

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00:01:21,000 --> 00:01:25,000
私が思ったのは　この処置は40年間変わっていない

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00:01:25,000 --> 00:01:27,000
もっといい方法があるだろうということでした

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00:01:27,000 --> 00:01:30,000
そこで考えたのは 器具を最小限に挿入する方法です

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00:01:30,000 --> 00:01:32,000
新しい装置 メローマイナ―（骨髄採取器）です

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00:01:32,000 --> 00:01:34,000
これだけです

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00:01:34,000 --> 00:01:37,000
ではメローマイナ―の機能をお見せしましょう

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00:01:37,000 --> 00:01:39,000
患者の模型です

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00:01:39,000 --> 00:01:41,000
骨に何十回も針を挿入する代わりに

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00:01:41,000 --> 00:01:43,000
腰の前か後ろに一回だけ挿入します

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00:01:43,000 --> 00:01:46,000
それから弾力性のある電動カテーテル

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00:01:46,000 --> 00:01:49,000
それには針金の輪が先端に付いていて

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00:01:49,000 --> 00:01:52,000
腰の固い骨の内側の輪郭に沿って動きます

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00:01:52,000 --> 00:01:54,000
こうして とても速く たくさんの骨髄液を

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00:01:54,000 --> 00:01:57,000
1つの穴から吸い出すことができます

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00:01:57,000 --> 00:01:59,000
同じ穴からいくつもの経路も作れます

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00:01:59,000 --> 00:02:01,000
ロボットも必要ありません

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00:02:01,000 --> 00:02:04,000
ボブは1つ穴をあけるだけで　非常に素早く

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00:02:04,000 --> 00:02:08,000
局所麻酔で外来で 骨髄液採取ができるのです

52
00:02:08,000 --> 00:02:11,000
スタンフォードで少額の交付金をいただいたので

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00:02:11,000 --> 00:02:13,000
試作品を作り　少し実験をしてみました

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00:02:13,000 --> 00:02:15,000
私達のチームはこの技術を発展させ

55
00:02:15,000 --> 00:02:19,000
最終的に2匹の大きな動物 つまり豚での研究をしました

56
00:02:19,000 --> 00:02:21,000
驚いたことに結果は 普通の採取器に比べ

57
00:02:21,000 --> 00:02:24,000
骨髄液だけでなく　10倍もの幹細胞の活動を含んだ骨髄液を

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00:02:24,000 --> 00:02:26,000
このメローマイナ―で採取することができたのです

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00:02:26,000 --> 00:02:29,000
この方法は昨年FDAによって認可されました

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00:02:29,000 --> 00:02:32,000
実際の患者です 針金が柔軟にカーブに沿っていますね

61
00:02:32,000 --> 00:02:35,000
同じ患者の同じ穴から2回吸引します

62
00:02:35,000 --> 00:02:37,000
これは局所麻酔で外来で行われました

63
00:02:37,000 --> 00:02:40,000
そして私達はまた従来より3倍から6倍も多くの

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00:02:40,000 --> 00:02:43,000
幹細胞を同じ患者から採取出来ました

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00:02:43,000 --> 00:02:46,000
これは私たちに重要な物でしょうか？骨髄液は成体幹細胞の宝庫です

66
00:02:46,000 --> 00:02:48,000
皆さんは胚性幹細胞をご存じですね

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00:02:48,000 --> 00:02:51,000
大きな可能性がありながら　まだ臨床試験はされていません

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00:02:51,000 --> 00:02:53,000
成体幹細胞は私達の骨髄の中に

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00:02:53,000 --> 00:02:55,000
造血幹細胞も含め 体中にあります

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00:02:55,000 --> 00:02:57,000
私達はそれを40年以上

71
00:02:57,000 --> 00:02:59,000
幹細胞治療に利用してきました

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00:02:59,000 --> 00:03:02,000
ここ10年間で　骨髄幹細胞の利用は激増し

73
00:03:02,000 --> 00:03:05,000
様々な病気を治療しています

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00:03:05,000 --> 00:03:07,000
心臓病　血管の病気

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00:03:07,000 --> 00:03:09,000
整形外科　再生医学の患者の治療

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00:03:09,000 --> 00:03:11,000
また神経病学ではパーキンソン病や

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00:03:11,000 --> 00:03:13,000
糖尿病にまで

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00:03:13,000 --> 00:03:15,000
私達は今年

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00:03:15,000 --> 00:03:17,000
"メローマイナ―2.0"を商品化しました

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00:03:17,000 --> 00:03:19,000
これがより多くの幹細胞を採取する手掛かりとなり

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00:03:19,000 --> 00:03:21,000
よい成果をあげられることを心待ちにしてます

82
00:03:21,000 --> 00:03:23,000
これのおかげでより多くの人が骨髄ドナー登録し

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00:03:23,000 --> 00:03:25,000
人命救助をしてくれることでしょう

84
00:03:25,000 --> 00:03:27,000
さらに　あなたが自分の骨髄幹細胞を若くて

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00:03:27,000 --> 00:03:29,000
健康な時に預け　将来利用するという事が

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00:03:29,000 --> 00:03:32,000
可能になるかもしれません

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00:03:32,000 --> 00:03:34,000
最後に-- ここに骨髄移植成功者たちの

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00:03:34,000 --> 00:03:36,000
写真が一枚あります

89
00:03:36,000 --> 00:03:38,000
こうして彼らはスタンフォードで毎年集っているのです

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00:03:38,000 --> 00:03:40,000
この技術により将来この写真の中に

91
00:03:40,000 --> 00:03:42,000
より多くの人々を見られることを望んでおります

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00:03:42,000 --> 00:03:44,000
ありがとうございました

93
00:03:44,000 --> 00:03:50,000
（拍手）