0:00:06.902,0:00:10.822 四大元素の寺院で[br]何者かが魔法の警報装置に引っかかりました 0:00:10.822,0:00:14.300 あなたと他の僧侶たちが[br]そこに駆け付けたときには 0:00:14.300,0:00:17.360 大惨事に巻き込まれてしまったことに[br]あなたは気付きます 0:00:17.360,0:00:22.071 夜間に4人の若い弟子たちが[br]寺院内部の部屋に押し入り 0:00:22.071,0:00:25.031 神聖なる四大元素(火、空気、水、土)[br]の結晶を盗もうとしました 0:00:25.031,0:00:27.820 しかし警報が鳴り [br]彼らは慌てて 0:00:27.820,0:00:32.598 捕まる寸前で[br]各々が結晶を飲み込みました 0:00:32.598,0:00:36.358 彼らは結晶の凄まじい力を[br]制御する術がなく 0:00:36.358,0:00:41.655 制御不能な四大元素の化け物に[br]変身してしまいます 0:00:41.655,0:00:43.005 ありそうにないものの 0:00:43.005,0:00:47.639 隣にいた年老いた僧侶は[br]かつて似たようなことが起きたと言います 0:00:47.639,0:00:51.429 彼は「彼らが変身してしまう前に[br]誰がどの宝石を飲み込んだかを判断して 0:00:51.429,0:00:56.302 それぞれを適切な拘束フィールドに[br]入れなければならない 0:00:56.302,0:00:59.062 元素が持ち主に[br]次のように強制させるのだ 0:00:59.062,0:01:03.400 土と水の結晶を飲み込んだものは[br]真実を話さなければならず 0:01:03.400,0:01:08.041 火と空気の結晶を飲み込んだものは[br]嘘をつかなければならない」 0:01:08.041,0:01:12.005 若者たちは自らの罪の告白することを[br]とても恐れています 0:01:12.005,0:01:15.240 その代わりに [br]お互いを非難し始めました 0:01:15.240,0:01:18.240 「リクが水の結晶を盗りました!」[br]とスミが口走ります 0:01:18.240,0:01:19.830 リクが怒って話に割り込みます 0:01:19.830,0:01:22.635 「ベラが火の結晶を盗みました!」 0:01:22.635,0:01:26.660 そしてベラが「ヨナが空気の結晶を[br]食べるところを見ました!」と叫びます 0:01:26.660,0:01:29.645 ヨナは恐る恐る顔をあげて[br]首を振ります 0:01:29.645,0:01:34.311 「な…何が起きたかは分からないけど[br]スミは土の結晶は持っていません」 0:01:34.311,0:01:36.541 では 誰がどの結晶を食べたのでしょうか 0:01:36.541,0:01:42.717 一時停止をして考えてみましょう 0:01:42.717,0:01:46.537 逃れることはできません [br]これは少し試行錯誤を要します 0:01:46.537,0:01:48.224 しかし ややこしいことではありません 0:01:48.224,0:01:49.953 間違った予想をしたなら 0:01:49.953,0:01:53.963 結局 結論が[br]互いに矛盾していると気付き 0:01:53.963,0:01:57.163 最初の予想が間違いだと分かり 0:01:57.163,0:01:58.583 続けて考えることができます 0:01:58.583,0:02:02.273 これは背理法と呼ばれる方法です 0:02:02.273,0:02:07.254 コツはどこから予想を立てるかを[br]戦術的に考えることです 0:02:07.254,0:02:09.944 追加の仮定を立てる必要もなく 0:02:09.944,0:02:12.296 矛盾が生じない仮定もあるでしょう 0:02:12.296,0:02:16.296 望ましい仮定は[br]選択肢に最も強い制約を与え 0:02:16.296,0:02:21.307 したがって その正誤が判別した時に [br]最も情報が得られるものです 0:02:21.307,0:02:23.847 スミの発言を例にとってみましょう 0:02:23.847,0:02:26.056 仮にスミが真実を言っているならば 0:02:26.056,0:02:29.086 真実を言っている2人が特定できます 0:02:29.086,0:02:33.306 リクは水の結晶を持っていると分かり[br]しかもスミはウソをついていないので 0:02:33.306,0:02:35.246 スミが土の結晶を[br]持っていることになります 0:02:35.246,0:02:38.616 そして リクの言う通り[br]ベラが火の結晶を持っていることになりますが 0:02:38.616,0:02:43.556 ヨナが空気の結晶を持っているという[br]ベラの発言はウソになります 0:02:43.556,0:02:46.396 しかし 残されている選択肢は[br]空気だけです 0:02:46.396,0:02:51.055 これが矛盾で[br]最初の仮定が誤りだと分かります 0:02:51.055,0:02:53.125 さて スタート地点に戻りますが 0:02:53.125,0:02:57.322 今度はスミがウソをついているという[br]情報が加わっています 0:02:57.322,0:03:01.638 スミはウソをついているので[br]火か空気の結晶を飲み込んだことになります 0:03:01.638,0:03:04.563 よって ヨナは真実を語っており 0:03:04.563,0:03:07.364 彼は火や空気の結晶を[br]取っていないことになります 0:03:07.364,0:03:10.367 つまり ベラはヨナについて[br]ウソを話していたことになり 0:03:10.367,0:03:13.687 ベラが火か空気の結晶を[br]持っていることになります 0:03:13.687,0:03:17.672 スミがウソをついていたので[br]リクは火の結晶を盗んだはずはなく 0:03:17.672,0:03:20.619 火を持っている可能性があるのは[br]残ったヨナだけです 0:03:20.619,0:03:23.792 そして 2人のウソつきが判明したので 0:03:23.792,0:03:26.442 リクが土の結晶を持っているはずです 0:03:26.442,0:03:30.762 つまり ベラが火の結晶を [br]スミが空気の結晶を持っていることになります 0:03:30.762,0:03:33.765 結晶の魔法にかかる手前で 0:03:33.765,0:03:37.075 全員を適切な拘束フィールドに[br]閉じ込めることができました 0:03:37.075,0:03:39.975 この子どもたちに新たな能力を[br]制御する方法を教えるといった 0:03:39.975,0:03:41.925 難しい仕事に比べたら 0:03:41.925,0:03:45.605 誰がどの結晶を持っていたかを[br]解く方がよほど初歩的ですね