1 00:00:00,683 --> 00:00:05,083 2002年11月1日その日は 2 00:00:06,208 --> 00:00:08,958 私が校長として赴任した初日でしたが 3 00:00:09,677 --> 00:00:14,469 フィラデルフィア地区の学校に行ったのは これが初めてではありませんでした 4 00:00:15,218 --> 00:00:18,176 私はフィラデルフィアの公立学校を卒業し 5 00:00:18,625 --> 00:00:22,375 20年間 ノースフィラデルフィアの 6 00:00:22,792 --> 00:00:25,792 低所得家庭の底辺校で 特殊学級を 7 00:00:26,167 --> 00:00:27,783 受け持っていました 8 00:00:28,292 --> 00:00:29,875 そこでは犯罪が蔓延し 9 00:00:30,333 --> 00:00:33,625 アメリカ国内で 貧困が最も深刻な地域です 10 00:00:34,958 --> 00:00:38,559 新しい学校に足を踏み入れてすぐに 11 00:00:38,583 --> 00:00:42,500 女子生徒の間で大喧嘩が起こりました 12 00:00:44,083 --> 00:00:47,025 その場の事態を大急ぎで収拾させた後 13 00:00:47,500 --> 00:00:50,518 私はすぐに講堂で 14 00:00:50,542 --> 00:00:52,809 集会を開催して自己紹介をしました 15 00:00:52,833 --> 00:00:56,768 私が新しい校長です 16 00:00:56,792 --> 00:00:59,708 (拍手) 17 00:01:00,458 --> 00:01:02,333 私は内心怒りながら 歩み入りました 18 00:01:03,154 --> 00:01:04,522 ちょっと緊張して― 19 00:01:04,546 --> 00:01:05,684 (笑) 20 00:01:05,708 --> 00:01:07,458 でも とにかく私は 21 00:01:07,792 --> 00:01:10,292 最初が肝心だと思っていました 22 00:01:11,083 --> 00:01:14,917 私はできる限りの力をこめて あるべき姿を語り始めました 23 00:01:14,958 --> 00:01:17,600 生徒としての振る舞い 24 00:01:18,125 --> 00:01:22,083 学校で学ぶべきこと 25 00:01:22,625 --> 00:01:24,125 すると突然 26 00:01:25,042 --> 00:01:28,042 講堂の一番後ろにいた一人の女子生徒が 27 00:01:28,750 --> 00:01:30,042 立ち上がりました 28 00:01:30,875 --> 00:01:32,625 そしてこう言ったのです 「先生!先生!」 29 00:01:33,625 --> 00:01:34,792 そしてこう言ったのです 「先生!先生!」 30 00:01:35,750 --> 00:01:39,500 一同の視線が集まる中で 彼女は言いました 31 00:01:40,250 --> 00:01:43,868 「いつまで ここを学校と呼ぶの? 32 00:01:44,708 --> 00:01:47,375 ここは学校じゃないよ」 33 00:01:48,625 --> 00:01:50,417 たった一言で 34 00:01:51,125 --> 00:01:54,583 アシュレーが言ってのけたのは 35 00:01:55,167 --> 00:01:57,917 私が遥か昔 同じ地域の 36 00:01:58,292 --> 00:02:02,893 底辺校の生徒だったとき 思ってもはっきり口に出して 37 00:02:02,917 --> 00:02:06,750 言えなかった 気持ちそのものでした 38 00:02:07,500 --> 00:02:11,625 その学校は確かに学校とは 言えませんでした 39 00:02:13,000 --> 00:02:17,875 時を経て 10年後の2012年 40 00:02:19,083 --> 00:02:23,625 私は校長として 3つ目の底辺校に赴任しました 41 00:02:24,667 --> 00:02:29,625 ストロベリーマンション高校の校長は 4年間で4人目となっていました 42 00:02:30,750 --> 00:02:35,125 そこは「常に危険な底辺校」と分類されていました 43 00:02:35,708 --> 00:02:38,601 テストのスコアが低く 44 00:02:38,625 --> 00:02:41,351 武器やドラッグの持ち込み 45 00:02:41,375 --> 00:02:43,917 暴行、逮捕事件が多いのです 46 00:02:45,833 --> 00:02:49,726 新任校の扉に近づき 47 00:02:49,750 --> 00:02:51,518 中に入ろうとするとすぐに 48 00:02:51,542 --> 00:02:54,750 扉が鎖で施錠されているのに 気づきました 49 00:02:55,458 --> 00:02:58,851 アシュレーの声が甦ってきました 50 00:02:58,875 --> 00:03:01,833 「先生! 先生! 51 00:03:02,833 --> 00:03:04,958 ここは学校じゃないよ」 52 00:03:05,792 --> 00:03:08,958 廊下は貧弱な照明で 薄暗く 53 00:03:09,708 --> 00:03:13,018 教室には 古く壊れた家具や 54 00:03:13,042 --> 00:03:15,309 机が山積みになっており 55 00:03:15,333 --> 00:03:19,833 何千もの未使用の教材も ありました 56 00:03:20,625 --> 00:03:23,042 ここは学校ではありませんでした 57 00:03:24,292 --> 00:03:26,083 学期が始まってしばらくすると 58 00:03:26,750 --> 00:03:31,125 私は教室がほぼ空になっているのに 気づきました 59 00:03:31,958 --> 00:03:34,042 生徒たちはただ怯えていました 60 00:03:34,750 --> 00:03:38,750 整列着席をしながらも 何か起こるのではと怯え 61 00:03:39,583 --> 00:03:44,333 学食では 「ただ飯」と 繰返し からかわれては怯え 62 00:03:44,792 --> 00:03:49,417 あらゆる暴力沙汰や いじめに怯えていました 63 00:03:49,792 --> 00:03:53,250 ここは学校ではなかったのです 64 00:03:55,375 --> 00:03:58,101 それから教師たちは 65 00:03:58,125 --> 00:04:02,375 自分の身の安全すら心配なので 自らの職務にも 66 00:04:02,833 --> 00:04:08,476 生徒たちにも何の期待もしていません 67 00:04:08,500 --> 00:04:11,809 それが学校の文化の 破壊に加担していることにも 68 00:04:11,833 --> 00:04:14,042 全く気づいていませんでした 69 00:04:14,500 --> 00:04:17,541 この点が最も厄介でした 70 00:04:18,791 --> 00:04:21,625 そうです アシュレーの言う通りでした 71 00:04:22,833 --> 00:04:24,708 彼女の学校ばかりではありません 72 00:04:25,667 --> 00:04:27,809 貧困の中で暮らす子供たちの通う学校の 73 00:04:27,833 --> 00:04:29,893 あまりにも多くは 74 00:04:29,917 --> 00:04:32,750 全くもって 学校とは言えない状態なのです 75 00:04:33,583 --> 00:04:35,292 しかしこれは変えられる 76 00:04:35,958 --> 00:04:40,625 ストロベリーマンション高校で どう取り組んだのかお話しします 77 00:04:42,083 --> 00:04:45,375 私と一緒に働いた事のある人なら誰でも こう言うのですが 78 00:04:45,917 --> 00:04:47,958 私はスローガンで有名なのです 79 00:04:48,583 --> 00:04:49,625 (笑) 80 00:04:50,000 --> 00:04:53,530 さて今日は改革に必要な 最高傑作の3つを 81 00:04:53,554 --> 00:04:56,887 持ってきました 82 00:04:57,917 --> 00:04:59,667 まず最初のスローガンは 83 00:05:00,458 --> 00:05:02,833 「リーダーが先頭に立て」 84 00:05:03,750 --> 00:05:05,870 私は常に信じてきました 85 00:05:05,894 --> 00:05:09,768 学校で 何が起きようが起きまいが 86 00:05:09,792 --> 00:05:11,250 それは校長次第なのだと 87 00:05:11,958 --> 00:05:13,417 私は校長であり 88 00:05:13,833 --> 00:05:17,458 私は先頭に立つことが求められています 89 00:05:18,125 --> 00:05:20,822 私は校長室に こもることもせず 90 00:05:20,846 --> 00:05:23,667 仕事を人に任せることもせず 91 00:05:23,691 --> 00:05:27,136 恐れることなく 子どもにとって問題となる 92 00:05:27,160 --> 00:05:29,060 いかなる事柄にも対処しました 93 00:05:29,084 --> 00:05:32,058 それで嫌われても気にしませんでした 94 00:05:33,228 --> 00:05:34,941 指導者は 95 00:05:34,965 --> 00:05:38,063 一人では成立しません 96 00:05:38,788 --> 00:05:41,451 そこで私は 子供たちの可能性を 97 00:05:41,475 --> 00:05:44,559 信じる仲間で 最高幹部チームを結成し 98 00:05:44,583 --> 00:05:48,432 どんなに些細なことにも 一丸となって取り組みました 99 00:05:48,456 --> 00:05:53,059 例えば どの子も安全なロッカーが 持てるように 100 00:05:53,083 --> 00:05:55,997 どのロッカーにも錠が かけられるようにしました 101 00:05:56,583 --> 00:06:00,015 校内の全ての掲示板を明るく カラフルに装飾し 102 00:06:00,039 --> 00:06:02,892 前向きなメッセージを掲示しました 103 00:06:03,428 --> 00:06:06,555 学校の正門の鎖錠を外し 104 00:06:06,579 --> 00:06:08,674 電球を取り替え 105 00:06:08,698 --> 00:06:11,854 全ての教室を徹底的に掃除し 106 00:06:11,878 --> 00:06:16,353 必要のない全ての教科書を リサイクルに出し 107 00:06:16,377 --> 00:06:20,307 古い教材や家具を大量に捨てました 108 00:06:20,692 --> 00:06:23,568 一日に2つの巨大なコンテナを 一杯にしました 109 00:06:24,875 --> 00:06:27,432 そして当然のことですが 私たちは 110 00:06:27,456 --> 00:06:29,392 学校予算全体の 111 00:06:29,857 --> 00:06:33,779 抜本的な立て直しに取りかかりました 112 00:06:33,803 --> 00:06:38,658 より多くの教員や補助職員を雇う資金を 再割り当てするためです 113 00:06:39,733 --> 00:06:45,268 学校の全日程をゼロから見直し 114 00:06:45,292 --> 00:06:49,171 多様な始業時刻や終業時刻 115 00:06:49,195 --> 00:06:52,347 補講や特進クラス 116 00:06:52,792 --> 00:06:56,392 課外活動やカウンセリングを 117 00:06:56,416 --> 00:06:58,249 授業日全体に追加しました 118 00:06:59,717 --> 00:07:01,650 計画の全てを見直したのです 119 00:07:04,217 --> 00:07:07,208 私たちは人員配置をし 120 00:07:08,473 --> 00:07:14,121 全てのサポーターや警官が どこにいるか特定し 居場所が常に 121 00:07:14,145 --> 00:07:15,549 わかるようにしました 122 00:07:15,573 --> 00:07:19,476 学校側でも終日モニタリングし 123 00:07:19,500 --> 00:07:22,275 これまでで最高の発案である 124 00:07:22,299 --> 00:07:25,933 学校全体の行動規範を定めました 125 00:07:25,957 --> 00:07:27,692 その名も「交渉の余地なし」という 126 00:07:28,137 --> 00:07:29,841 いつ何時も 127 00:07:32,368 --> 00:07:36,775 前向きな行動を促す 行動体系でした 128 00:07:37,131 --> 00:07:38,317 その結果ですか? 129 00:07:39,085 --> 00:07:43,213 ストロベリーマンション高校は 常に危険な学校のリストから除外されました 130 00:07:43,237 --> 00:07:45,676 赴任した一年目のことです 131 00:07:45,700 --> 00:07:48,613 (拍手) 132 00:07:51,800 --> 00:07:56,215 それまでは連続5年で常に危険な学校の リストに載っていたのです 133 00:07:56,732 --> 00:08:00,732 指導者たちは 不可能を可能にします 134 00:08:01,939 --> 00:08:03,993 2つ目のスローガンです 135 00:08:04,865 --> 00:08:07,467 「だから何? それがどうした?」 136 00:08:07,491 --> 00:08:08,573 (笑) 137 00:08:08,597 --> 00:08:12,875 (拍手) 138 00:08:13,483 --> 00:08:15,317 データを見て 139 00:08:15,718 --> 00:08:17,788 職員と話し合うと 140 00:08:17,812 --> 00:08:19,726 ストロベリーマンション高校が 141 00:08:19,750 --> 00:08:23,683 「常に危険な底辺校」である理由が 次々と出てきました 142 00:08:24,129 --> 00:08:28,996 わずか68%の生徒しか 定期的に通学していないというのです 143 00:08:29,020 --> 00:08:32,049 100%の生徒が貧困家庭で暮らし 144 00:08:32,587 --> 00:08:35,506 両親が揃うのがわずか1%で 145 00:08:36,173 --> 00:08:37,804 多くの子供たちは 146 00:08:37,828 --> 00:08:41,376 親が投獄されていたり ひとり親家庭でした 147 00:08:41,400 --> 00:08:45,704 39%の生徒が支援を必要とし 148 00:08:45,728 --> 00:08:48,140 州のデータによれば 149 00:08:48,695 --> 00:08:52,993 生徒の内 数学に長けているのは 6%で 150 00:08:53,017 --> 00:08:55,993 国語が堪能なのも 10%にすぎません 151 00:08:58,817 --> 00:09:02,743 子供たちとその置かれた状況が 如何にひどいものであるかを 152 00:09:02,767 --> 00:09:06,726 一部始終 説明してくれた― 153 00:09:06,750 --> 00:09:08,442 彼らを見て言いました 154 00:09:09,162 --> 00:09:12,520 「だから何なの? それがどうしたの? 155 00:09:13,088 --> 00:09:14,891 この先どうするかが大事よね?」 156 00:09:14,915 --> 00:09:17,874 (拍手) 157 00:09:20,654 --> 00:09:25,908 そんな「理由」を なくすことが 私の最も重要な責務となりました 158 00:09:26,552 --> 00:09:29,614 私たちはこれらの「理由」を 一つ一つ解決し 159 00:09:29,614 --> 00:09:32,194 プロの教育者に必要なスキルを 身につけながら 160 00:09:32,194 --> 00:09:37,150 教育・学習に専念できる 環境構築への道を切り開いていきました 161 00:09:38,037 --> 00:09:40,156 様々な観察を行った後 分かったことは 162 00:09:40,180 --> 00:09:44,875 こんなに多くの才能溢れる 子供たちが数多くいるというのに 163 00:09:45,462 --> 00:09:48,226 教師には教える内容はわかっていても 164 00:09:48,250 --> 00:09:51,217 教える方法がわからないということでした 165 00:09:51,798 --> 00:09:56,872 そこで私たちはクラス全員の生徒の 166 00:09:56,896 --> 00:10:00,636 一人一人のニーズに合うように 167 00:10:00,660 --> 00:10:05,454 少人数クラスでの指導に 168 00:10:05,478 --> 00:10:06,779 焦点を当てました 169 00:10:07,170 --> 00:10:08,383 結果ですか? 170 00:10:09,149 --> 00:10:13,802 1年後 州のデータによると 171 00:10:13,826 --> 00:10:18,137 我が校のテストスコアは数学で171% 172 00:10:18,161 --> 00:10:20,782 国語で107%向上しました 173 00:10:20,806 --> 00:10:23,767 (拍手) 174 00:10:25,300 --> 00:10:27,582 この先私たちには とても長い 175 00:10:28,049 --> 00:10:29,983 道のりが待っていますが 176 00:10:30,625 --> 00:10:36,991 今私たちは「だから何?それがどうした?」 の姿勢であらゆる障害に取り組んでいます 177 00:10:38,377 --> 00:10:42,462 こうして私の第3のスローガンが登場します 178 00:10:42,486 --> 00:10:44,136 (笑) 179 00:10:44,160 --> 00:10:47,989 「あなたを愛していると言う人が 誰もいない日には 180 00:10:48,678 --> 00:10:52,285 私が言うわ いつだって」 181 00:10:53,079 --> 00:10:54,875 生徒たちは問題を抱えています 182 00:10:55,875 --> 00:11:00,424 社会的、感情的、経済的問題です 183 00:11:00,448 --> 00:11:02,140 決して想像もつかないものです 184 00:11:03,056 --> 00:11:05,394 それは親自体の問題であったり 185 00:11:05,418 --> 00:11:08,240 まったく本人の問題である事もあります 186 00:11:09,375 --> 00:11:12,893 ストロベリーマンション高校が 向上し続けている 187 00:11:12,917 --> 00:11:16,843 秘訣を聞かれたら こう言わなければなりません 188 00:11:17,405 --> 00:11:20,538 生徒たちを愛しているからだと 189 00:11:20,935 --> 00:11:23,403 そして彼らの可能性を無条件に 190 00:11:23,427 --> 00:11:24,953 信じているからだと 191 00:11:26,000 --> 00:11:27,637 彼らを見ていると 192 00:11:28,235 --> 00:11:31,007 その将来が気になって仕方ありません 193 00:11:31,869 --> 00:11:35,564 それは私が彼らの中の一人だからです 194 00:11:36,542 --> 00:11:39,392 私もノースフィラデルフィアの 貧困の中で育ちました 195 00:11:40,261 --> 00:11:45,378 学校とは言えない学校に通う気持ちが わかるのです 196 00:11:46,184 --> 00:11:49,434 一体どうしたら貧困から抜け出せるのか 197 00:11:49,458 --> 00:11:53,108 そう考えることの意味が わかっているのです 198 00:11:54,092 --> 00:11:56,946 しかし私は素晴らしい母のお陰で 199 00:11:58,496 --> 00:12:01,562 取り巻く貧困に拘らず 200 00:12:01,586 --> 00:12:04,168 夢見る能力を手に入れました 201 00:12:05,161 --> 00:12:06,359 だから― 202 00:12:06,383 --> 00:12:08,831 (拍手)― 203 00:12:08,855 --> 00:12:13,948 生徒たちを自分たちの夢や 204 00:12:13,972 --> 00:12:16,745 人生の目標に向かわせようとするのなら 205 00:12:16,769 --> 00:12:19,377 彼らの人となりを知らなければなりません 206 00:12:20,042 --> 00:12:22,894 私は彼らと共に 時間を過ごさなければなりません 207 00:12:22,918 --> 00:12:25,318 そこで 毎日のランチを 切り盛りすることにしました 208 00:12:25,342 --> 00:12:26,631 (笑) 209 00:12:26,655 --> 00:12:28,167 私はランチルームで 210 00:12:28,896 --> 00:12:32,914 生徒たちとプライバシーに 深く関わる話をします 211 00:12:33,830 --> 00:12:35,913 その日が誕生日なら 212 00:12:35,937 --> 00:12:37,866 「ハッピーバースデー」の歌を歌います 213 00:12:37,890 --> 00:12:40,036 ものすごく歌が下手なのに 214 00:12:40,060 --> 00:12:42,092 (笑) 215 00:12:42,116 --> 00:12:43,840 よく彼らに尋ねます 216 00:12:43,864 --> 00:12:47,797 「どうしてこんなに下手な歌を 歌ってもらいたいの?」 217 00:12:47,821 --> 00:12:49,659 (笑) 218 00:12:49,683 --> 00:12:51,867 するとこんな言葉が返って来ます 219 00:12:52,284 --> 00:12:54,660 「だって特別って感じが好きなんだもの」 220 00:12:56,259 --> 00:12:59,062 私たちは毎月 集会を開きます 221 00:12:59,611 --> 00:13:02,541 彼らの関心事に耳を傾け 222 00:13:02,565 --> 00:13:06,326 心の中で何を思っているのか知るためです 223 00:13:06,784 --> 00:13:11,817 彼らは教師たちに聞いてきます 「なぜ規則に従わなきゃいけないの?」 224 00:13:12,255 --> 00:13:14,850 「なぜこんなにたくさんの罰則があるの?」 225 00:13:15,168 --> 00:13:18,135 「なぜしたいことだけしちゃダメなの?」 226 00:13:18,159 --> 00:13:20,390 (笑) 227 00:13:20,414 --> 00:13:24,175 生徒が聞き 私が一つ一つの質問に 正直に答えます 228 00:13:24,932 --> 00:13:30,907 このように 互いに耳を傾けることで どんな誤解も解くことができます 229 00:13:31,860 --> 00:13:35,392 あらゆる時間が教育の時間となります 230 00:13:36,965 --> 00:13:38,175 私の報酬 231 00:13:39,359 --> 00:13:40,525 規則や罰則に対して 232 00:13:42,759 --> 00:13:47,258 交渉の余地なく対応する 私への報酬は 233 00:13:47,839 --> 00:13:49,746 彼らからの熱い敬意です 234 00:13:50,564 --> 00:13:51,967 私はそう言い続けます 235 00:13:52,878 --> 00:13:57,064 それがあってこそ 私たちは共に物事を 成し遂げることが出来るのです 236 00:13:57,952 --> 00:14:01,567 生徒たちは私に期待されていると はっきり自覚しています 237 00:14:02,000 --> 00:14:07,153 校内放送で期待してますよ というメッセージを繰り返し伝えます 238 00:14:07,656 --> 00:14:09,269 忘れないように― 239 00:14:09,293 --> 00:14:11,509 (笑) 240 00:14:11,533 --> 00:14:15,166 軸となる価値について繰り返します 241 00:14:15,190 --> 00:14:19,818 集中、伝統、卓越 242 00:14:20,172 --> 00:14:23,109 誠実と忍耐です 243 00:14:23,133 --> 00:14:25,631 毎日思い出させています 244 00:14:25,655 --> 00:14:29,447 いかに教育が本当に自分たちの生活を 変えることが出来るかを 245 00:14:30,216 --> 00:14:33,054 毎日のアナウンスを 同じ言葉で締めくくります 246 00:14:33,414 --> 00:14:37,267 「あなたを愛していると言う人が 誰もいない日には 247 00:14:37,291 --> 00:14:39,032 私が言うわ 248 00:14:39,056 --> 00:14:41,026 いつだって」 249 00:14:42,076 --> 00:14:44,017 アシュレーの 250 00:14:44,893 --> 00:14:47,763 「先生!先生! 251 00:14:48,224 --> 00:14:50,740 ここは学校じゃないよ」という言葉が 252 00:14:51,064 --> 00:14:53,646 ずっと私の心に刻み付けられています 253 00:14:54,354 --> 00:14:59,782 私たちが本当に貧困に立ち向かい 254 00:14:59,806 --> 00:15:01,774 真の向上を目指すなら 255 00:15:01,798 --> 00:15:03,942 貧困にあえぐ子供たちの 役に立ってこそ 256 00:15:04,442 --> 00:15:08,631 本物の学校なのだと 257 00:15:08,655 --> 00:15:11,260 肝に銘じなければなりません 258 00:15:11,284 --> 00:15:13,539 学校は 259 00:15:13,563 --> 00:15:16,517 (拍手) 260 00:15:17,458 --> 00:15:21,240 学校は生徒たちが 周囲の世界に向けて舵を取る為 261 00:15:21,264 --> 00:15:25,392 彼らに知識を与え 精神の鍛練をする場所です 262 00:15:26,112 --> 00:15:28,758 全ての答えは分からないけれど 263 00:15:29,458 --> 00:15:35,075 はっきりしているのは 校長は職権を与えられ 264 00:15:35,500 --> 00:15:41,018 貧困にあえぐ子供たちの目的に 適う学校にしていく責任がある事です 265 00:15:41,042 --> 00:15:43,268 私たちは誠実に指導し 266 00:15:43,292 --> 00:15:46,917 大きな課題に直面した時 267 00:15:46,941 --> 00:15:52,726 立ち止まって自問しなければなりません 「だから何?それがどうした? 268 00:15:52,750 --> 00:15:55,406 この先どうするかが大事よね?」 269 00:15:56,060 --> 00:15:57,549 そして指導をする時 270 00:15:58,063 --> 00:15:59,968 決して忘れてはならないのは 271 00:16:00,677 --> 00:16:03,893 生徒は誰一人残らず 272 00:16:03,917 --> 00:16:05,520 ただの子どもだということ 273 00:16:05,990 --> 00:16:10,942 しばしば 世間の「かくあるべし」という 要求に脅かされているだけなのです 274 00:16:11,797 --> 00:16:17,782 でも たとえ世間がどんな要求をしようとも 275 00:16:18,139 --> 00:16:21,414 教師だけは 絶えず生徒に希望を持たせ 276 00:16:21,438 --> 00:16:23,984 惜しみなく思いやりを注ぎ 277 00:16:24,656 --> 00:16:27,782 生徒の可能性を堅く信じ 278 00:16:27,806 --> 00:16:29,997 変わることなく 期待をかけてやるべきです 279 00:16:30,303 --> 00:16:32,739 そして 頻繁に こう言ってやらなければなりません 280 00:16:33,117 --> 00:16:36,693 あなたを愛していると言う人が 誰もいない日には 281 00:16:36,717 --> 00:16:39,538 私が言うわ いつだって 282 00:16:39,844 --> 00:16:41,057 ありがとう 283 00:16:41,081 --> 00:16:44,164 (拍手) 284 00:16:52,058 --> 00:16:53,408 ありがとう 神様