1
00:00:00,000 --> 00:00:00,250
私たちが住んでいる惑星の70％が海で覆われています

2
00:00:03,000 --> 00:00:05,000
アーサー・C・クラークが私たちの惑星を

3
00:00:05,000 --> 00:00:08,000
呼ぶのにふさわしい名前は海の惑星だと言った時

4
00:00:08,000 --> 00:00:10,000
彼は的を得ていると思いました

5
00:00:10,000 --> 00:00:12,000
さて 海にはとてつもない生産力があります

6
00:00:12,000 --> 00:00:14,000
それは光合成の衛星画像によって

7
00:00:14,000 --> 00:00:16,000
新しい生命の生産量を見ればわかるでしょう

8
00:00:16,000 --> 00:00:19,000
事実 地球上で日々生まれる生命の半分を
海が生みだしているのです

9
00:00:19,000 --> 00:00:22,000
そればかりでなく私たちが呼吸する酸素の約半分も
海が生み出しているんですよ

10
00:00:22,000 --> 00:00:23,666
さて 地球上の多様な生物が海を住処にしていますが

11
00:00:25,332 --> 00:00:27,000
その海に生息している生物について
あまり分かっていません

12
00:00:27,000 --> 00:00:29,000
そこで本日 そのいくつかについて話してみたいと思います

13
00:00:29,000 --> 00:00:31,000
私たちが海からタンパク質を収穫する

14
00:00:31,000 --> 00:00:33,000
お話は含まれていません

15
00:00:33,000 --> 00:00:35,000
地球上で必要とされるタンパク質の10％くらいしか
海からとっていません

16
00:00:35,000 --> 00:00:38,000
島国の中には100％海からとっている国もありますけれども

17
00:00:38,000 --> 00:00:40,000
もしあなたが95%の生物圏(生物が生存可能な場所）まで

18
00:00:40,000 --> 00:00:42,000
潜って行ったら

19
00:00:42,000 --> 00:00:44,000
そこは直ちに暗闇の世界になっていることでしょう

20
00:00:44,000 --> 00:00:46,000
そしてそこには小さな光があるだけで

21
00:00:46,000 --> 00:00:48,000
その光は生物発光体から出ているのです

22
00:00:48,000 --> 00:00:50,000
ライトを照らして見ると

23
00:00:50,000 --> 00:00:52,000
時に目を見張るような生物が泳ぎ過ぎていくことでしょう

24
00:00:52,000 --> 00:00:54,000
これらは深海の住民

25
00:00:54,000 --> 00:00:56,000
つまり 海深くに生息する生物なんです

26
00:00:56,000 --> 00:00:59,000
潜り続けていくと 最後には 海底が見えてきます

27
00:00:59,000 --> 00:01:02,000
海の生息地が地球上のほとんどの表面を覆っていて 


28
00:01:02,000 --> 00:01:04,000
その他の生息地すべてをあわせたよりも ずっと広いのです

29
00:01:04,000 --> 00:01:06,000
海については未知でも月や火星の表面について

30
00:01:06,000 --> 00:01:08,000
私たちはもっとたくさんのことを知っています でも

31
00:01:08,000 --> 00:01:10,000
この月や火星から

32
00:01:10,000 --> 00:01:13,000
１グラムの食料 一呼吸分の酸素 そして水一滴さえも

33
00:01:13,000 --> 00:01:15,000
採取したことさえないにもかかわらずにですよ

34
00:01:15,000 --> 00:01:17,000
さて10年前のことですが

35
00:01:17,000 --> 00:01:20,000
マリン・ライフ・センサス(海洋生物調査)
と呼ばれる国際プログラムが開始されました

36
00:01:20,000 --> 00:01:22,000
そのプログラムにより
世界中の海洋に生息する

37
00:01:22,000 --> 00:01:24,000
生物の理解を促進しようとしました

38
00:01:24,000 --> 00:01:27,000
世界中から17のプロジェクトが加わりました

39
00:01:27,000 --> 00:01:29,000
これはさまざまな違ったプロジェクトの足跡です

40
00:01:29,000 --> 00:01:32,000
このプログラムにより全地球規模の調査が達成できたことを

41
00:01:32,000 --> 00:01:34,000
評価してもらいたいと思います

42
00:01:34,000 --> 00:01:36,000
フレデリック・グラッスルとジェシー・オースベルという
二人の科学者が

43
00:01:36,000 --> 00:01:39,000
マサチューセッツ州ウッズホールで出会ったことから
全てが始まりました

44
00:01:39,000 --> 00:01:41,000
ウッズホールには有名は海洋研究所があり
二人はそこのゲストとして招待されていました

45
00:01:41,000 --> 00:01:44,000
フレッドは海洋生物の多様性について嘆いていました

46
00:01:44,000 --> 00:01:47,000
何しろそれがどんどん減少するのに
放置されたままでしたから

47
00:01:47,000 --> 00:01:49,000
まあ それが議論の発端となりプログラムが誕生した訳です

48
00:01:49,000 --> 00:01:51,000
そしてこのプログラムには2700人の科学者が

49
00:01:51,000 --> 00:01:53,000
世界80カ国以上から参加しました

50
00:01:53,000 --> 00:01:56,000
科学者たちは総額６億５千万ドルの研究費で

51
00:01:56,000 --> 00:01:59,000
540の海洋研究に従事し

52
00:01:59,000 --> 00:02:01,000
地球上の海洋生物の分布 多様性と個体数を

53
00:02:01,000 --> 00:02:04,000
調査したのです

54
00:02:04,000 --> 00:02:06,000
さて そこでの発見は何だったか

55
00:02:06,000 --> 00:02:08,000
私たちは目を見張るような新種を発見しました

56
00:02:08,000 --> 00:02:11,000
その新種は驚愕するような美しさで

57
00:02:11,000 --> 00:02:13,000
しかも海岸線から深海までのいたるところで発見され

58
00:02:13,000 --> 00:02:16,000
微生物から魚に至るまでです

59
00:02:16,000 --> 00:02:19,000
未知の生物の多様性に関しての調査に比べ

60
00:02:19,000 --> 00:02:21,000
分類学の専門家が手間取りました

61
00:02:21,000 --> 00:02:23,000
分類学者は新種を同定し

62
00:02:23,000 --> 00:02:25,000
目録化する知識を持った専門家です

63
00:02:25,000 --> 00:02:28,000
分類学者自体が絶滅危惧種でした

64
00:02:28,000 --> 00:02:30,000
事実 海に関しては４つから５つの新種が

65
00:02:30,000 --> 00:02:32,000
日々登録されています

66
00:02:32,000 --> 00:02:35,000
ですから とにかく膨大な数となるわけです

67
00:02:35,000 --> 00:02:38,000
さて私はカナダのニューファンドランド

68
00:02:38,000 --> 00:02:40,000
北米大陸の東海岸沖合の島の出身です。

69
00:02:40,000 --> 00:02:43,000
ニューファンドランドは人類史上最悪の漁場の

70
00:02:43,000 --> 00:02:45,000
乱獲に見舞われました

71
00:02:45,000 --> 00:02:47,000
この写真を見て下さい　
男の子がタラの横に立っていますね

72
00:02:47,000 --> 00:02:49,000
1900年頃のことです

73
00:02:49,000 --> 00:02:51,000
私がこの写真に写っている子ぐらいの時

74
00:02:51,000 --> 00:02:53,000
よく祖父と魚釣りに行ったものです

75
00:02:53,000 --> 00:02:55,000
でも私が釣った魚はこの魚の半分しかありませんでした

76
00:02:55,000 --> 00:02:57,000
まあ それが当時は普通の大きさだと思っていました

77
00:02:57,000 --> 00:02:59,000
こんな大きな魚なんて見たことがありませんでしたから

78
00:02:59,000 --> 00:03:02,000
今日 そこに行っても 
漁業がすっかり駄目になり20年も経っていますから

79
00:03:02,000 --> 00:03:05,000
魚を釣ることができたとしても
釣ること自体も難儀ですが

80
00:03:05,000 --> 00:03:07,000
釣った魚は 当時 私が釣った魚の半分くらいのものでしょう

81
00:03:07,000 --> 00:03:10,000
今 シフティングベースライン
（価値基準の変化）を経験しているわけです

82
00:03:10,000 --> 00:03:12,000
海の生産能力の大きさを

83
00:03:12,000 --> 00:03:14,000
私たちは理解していないのです

84
00:03:14,000 --> 00:03:17,000
自分の生涯で見たことがないからです

85
00:03:17,000 --> 00:03:20,000
今 殆どの人々が 私も含めて

86
00:03:20,000 --> 00:03:22,000
人間による海洋搾取がこの50年 いや恐らく この100年で

87
00:03:22,000 --> 00:03:24,000
ひどい状態に

88
00:03:24,000 --> 00:03:26,000
なってしまったと思っています

89
00:03:26,000 --> 00:03:28,000
そこで海洋生物調査は実際に入手可能な

90
00:03:28,000 --> 00:03:31,000
あらゆる情報を駆使し過去を検証しました

91
00:03:31,000 --> 00:03:33,000
レストランのメニューから

92
00:03:33,000 --> 00:03:35,000
修道院の記録や航海日誌まで

93
00:03:35,000 --> 00:03:37,000
海がどんなものであったかを調べるためには
何でも収集したのです

94
00:03:37,000 --> 00:03:39,000
科学データは第２次世界大戦ころまで

95
00:03:39,000 --> 00:03:41,000
遡れます

96
00:03:41,000 --> 00:03:43,000
事実 分かったことは

97
00:03:43,000 --> 00:03:45,000
海洋搾取が
なんとローマ時代に始まっていたのです

98
00:03:45,000 --> 00:03:48,000
勿論当時冷凍設備などはありませんでした

99
00:03:48,000 --> 00:03:50,000
だから漁師はその日に

100
00:03:50,000 --> 00:03:52,000
食べたり売りさばける量だけを獲っていました

101
00:03:52,000 --> 00:03:54,000
しかしローマ人は塩漬けにすることを思いつきました

102
00:03:54,000 --> 00:03:56,000
そして塩漬けすることで

103
00:03:56,000 --> 00:03:59,000
魚を蓄えたり 遠く離れたところに輸送できるようになりました

104
00:03:59,000 --> 00:04:02,000
その結果漁業の産業化が始まったのです

105
00:04:02,000 --> 00:04:05,000
このグラフは私たちが推測して 作成したものですが

106
00:04:05,000 --> 00:04:07,000
人類出現以前と比較して

107
00:04:07,000 --> 00:04:10,000
どれだけ魚を失ったかを示しています

108
00:04:10,000 --> 00:04:12,000
生物の大多数のグループでは 失われたものが

109
00:04:12,000 --> 00:04:14,000
65％から98％に及んでいることを

110
00:04:14,000 --> 00:04:16,000
濃紺のバーが示しています

111
00:04:16,000 --> 00:04:19,000
さて危害を加えず保護した動物

112
00:04:19,000 --> 00:04:21,000
近年の海洋哺乳動物や海鳥などですが

113
00:04:21,000 --> 00:04:23,000
ある程度回復が伺えます

114
00:04:23,000 --> 00:04:25,000
だから まったく絶望的だということではないのです

115
00:04:25,000 --> 00:04:28,000
しかし 大抵の場合 私たちは塩漬けにし
取り尽してしまう行為に及んでいます

116
00:04:28,000 --> 00:04:30,000
さてこの線は大変興味深いものを示しています

117
00:04:30,000 --> 00:04:33,000
この写真はフロリダ沖合釣り大会の優勝魚です

118
00:04:33,000 --> 00:04:36,000
1950年代に撮影されたものです

119
00:04:36,000 --> 00:04:38,000
このスライドでは魚の大きさに着目してください

120
00:04:38,000 --> 00:04:40,000
1980年代に写された優勝魚を見ると

121
00:04:40,000 --> 00:04:42,000
こちらの魚の方がずっと小さい

122
00:04:42,000 --> 00:04:44,000
それにその他の変化にも気が付きますよね

123
00:04:44,000 --> 00:04:46,000
優勝魚として釣られた魚の種類も変わっています

124
00:04:46,000 --> 00:04:48,000
2007年までには優勝魚というには

125
00:04:48,000 --> 00:04:50,000
実に笑ってしまうようなサイズです

126
00:04:50,000 --> 00:04:52,000
でも笑っている場合じゃないんです

127
00:04:52,000 --> 00:04:54,000
海が多くの生産力をなくしてしまったのですから

128
00:04:54,000 --> 00:04:57,000
そして私たちにその責任があるのです

129
00:04:57,000 --> 00:04:59,000
じゃあ 何が残されているのか
実はかなり多くのものがあります

130
00:04:59,000 --> 00:05:02,000
わくわくするものがたくさんあるんです
これからそれについてちょっと話しましょう

131
00:05:02,000 --> 00:05:04,000
まず技術について少々触れておきたいと思います

132
00:05:04,000 --> 00:05:06,000
これはTED Conferenceですし

133
00:05:06,000 --> 00:05:08,000
聴衆の皆さんも技術について何か知りたいはずですよね

134
00:05:08,000 --> 00:05:10,000
深海から試料を採取するために

135
00:05:10,000 --> 00:05:12,000
遠隔操作の探査機を使います

136
00:05:12,000 --> 00:05:15,000
これがケーブル式探査機で 
海床まで降ろし

137
00:05:15,000 --> 00:05:18,000
海床で私たちの目となり手となって
働いてくれます

138
00:05:18,000 --> 00:05:21,000
2、3年前 私は海洋調査の旅に参加しようとしましたが

139
00:05:21,000 --> 00:05:24,000
日程が合わず 行けませんでした

140
00:05:24,000 --> 00:05:27,000
しかし衛星回線を通して家から参加できました それも

141
00:05:27,000 --> 00:05:30,000
犬が私の足下でうずくまり 
私は紅茶を飲みながら

142
00:05:30,000 --> 00:05:32,000
「そこでサンプルを採って」
と指示できるのです

143
00:05:32,000 --> 00:05:34,000
するとパイロットはきちんと採取してくれます

144
00:05:34,000 --> 00:05:37,000
そんなことが今日では技術によって可能なんですね

145
00:05:37,000 --> 00:05:39,000
10年前でさえ
こんなことはできませんでした

146
00:05:39,000 --> 00:05:41,000
技術によりこんな深海にある

147
00:05:41,000 --> 00:05:43,000
驚くような生息地から

148
00:05:43,000 --> 00:05:45,000
しかも光から遥か遠くの場所からも採取が可能になりました

149
00:05:45,000 --> 00:05:48,000
海洋から採取をするために使用する道具に

150
00:05:48,000 --> 00:05:50,000
音波があります

151
00:05:50,000 --> 00:05:52,000
音波は光よりずっと

152
00:05:52,000 --> 00:05:54,000
水中をよく伝播できるのが利点です

153
00:05:54,000 --> 00:05:56,000
つまり 音波を送ると

154
00:05:56,000 --> 00:05:59,000
魚のような物体に当たると反射するんです

155
00:05:59,000 --> 00:06:02,000
この画面では海洋生物調査の科学者が
２隻の船を使っています

156
00:06:02,000 --> 00:06:04,000
一隻の船が音波を出し それが反射する

157
00:06:04,000 --> 00:06:06,000
その音波を２隻目の船が受信するという仕掛けです

158
00:06:06,000 --> 00:06:09,000
この方法だと大変詳細な推測ができるんです

159
00:06:09,000 --> 00:06:11,000
この場合ですと2500億匹のニシンの群れがあることが

160
00:06:11,000 --> 00:06:13,000
約１分で分かるのです

161
00:06:13,000 --> 00:06:16,000
しかもそのニシンの群れは
マンハッタン島くらい広がっているんです

162
00:06:16,000 --> 00:06:18,000
このような推測ができるなんて
実に素晴らしい漁具です

163
00:06:18,000 --> 00:06:21,000
何匹魚がいるかを把握できるのは重要です

164
00:06:21,000 --> 00:06:23,000
音波以外にも通信衛星タグというものも使っています

165
00:06:23,000 --> 00:06:25,000
この通信衛星タグは
海洋を移動する物を追跡できるんです

166
00:06:25,000 --> 00:06:27,000
動物が呼吸するために海面にあがります

167
00:06:27,000 --> 00:06:29,000
例えばこのゾウアザラシみたいにね

168
00:06:29,000 --> 00:06:31,000
ゾウアザラシが海面に出てくるとデータが送られ

169
00:06:31,000 --> 00:06:34,000
海のどこにいるのか 正確に把握できます

170
00:06:34,000 --> 00:06:36,000
このデータからゾウアザラシの足跡を作成できますよ

171
00:06:36,000 --> 00:06:38,000
例えば 濃紺の色をたどれば

172
00:06:38,000 --> 00:06:40,000
ゾウアザラシが北太平洋のどこにいるかが分かるでしょう

173
00:06:40,000 --> 00:06:43,000
あっ 今 気がついたのですが 
この中に色盲の方がいらしたらこのスライドじゃ 駄目ですね

174
00:06:43,000 --> 00:06:45,000
すみませんが それでも 私の説明におつきあいください

175
00:06:45,000 --> 00:06:47,000
さて 海面に浮上しない動物については

176
00:06:47,000 --> 00:06:49,000
ポップアップタグと呼ばれる器具があります

177
00:06:49,000 --> 00:06:52,000
これは光に関してや日出日没の時間に関しての
データを収集します

178
00:06:52,000 --> 00:06:54,000
つまり ポップアップタグはある時間になると海面に

179
00:06:54,000 --> 00:06:57,000
浮上し 私たちのところにデーターを送ってくれるのです

180
00:06:57,000 --> 00:07:00,000
とにかく海の下ではGPSは機能しませんから
この道具が必要なんです

181
00:07:00,000 --> 00:07:03,000
これから この青い帯状の部分が分かりますね

182
00:07:03,000 --> 00:07:05,000
この帯が海の中のホットスポットです

183
00:07:05,000 --> 00:07:07,000
このホットスポットの部分は最大優先して

184
00:07:07,000 --> 00:07:09,000
海洋保護をすべき場所です

185
00:07:09,000 --> 00:07:11,000
さて 皆さんもすでにお気付きかもしれませんが

186
00:07:11,000 --> 00:07:14,000
スーパーに行き買い物をするときに品物をスキャンしますね

187
00:07:14,000 --> 00:07:16,000
品物にはバーコードがついていて

188
00:07:16,000 --> 00:07:19,000
バーコードによってコンピューターが
どんな品物であるかを認識しますよね

189
00:07:19,000 --> 00:07:22,000
遺伝学者も遺伝子バーコードと言う
類似した方法を開発しました

190
00:07:22,000 --> 00:07:24,000
そのバーコードで何をするかというと

191
00:07:24,000 --> 00:07:26,000
ある生物が同じ種であればが必ず持つCO1と言う

192
00:07:26,000 --> 00:07:29,000
特別な遺伝子を使うのです　
この特別な遺伝子は種によって異なります

193
00:07:29,000 --> 00:07:31,000
つまり 明らかにどの種であるか

194
00:07:31,000 --> 00:07:33,000
識別できるのです

195
00:07:33,000 --> 00:07:35,000
どんなにお互いが似て見えたとしても

196
00:07:35,000 --> 00:07:37,000
生物学的には全く異種であることが分かるのです

197
00:07:37,000 --> 00:07:39,000
これに関して良い例を挙げてみたいと思います

198
00:07:39,000 --> 00:07:42,000
二人の若い女の子 ニューヨークの高校生の話ですが

199
00:07:42,000 --> 00:07:44,000
海洋生物調査の仕事をしていました

200
00:07:44,000 --> 00:07:47,000
ニューヨークのレストランや市場から魚を集め

201
00:07:47,000 --> 00:07:49,000
その魚のバーコードを調べました

202
00:07:49,000 --> 00:07:51,000
すると 魚の名前が違っていることが分かりました

203
00:07:51,000 --> 00:07:53,000
例えば

204
00:07:53,000 --> 00:07:55,000
マグロ とても高価な魚ですよね マグロという名前で

205
00:07:55,000 --> 00:07:58,000
売られていた魚は実はティラピアでした
ティラピアはマグロよりずっと安い魚ですね

206
00:07:58,000 --> 00:08:00,000
また絶滅危惧種の魚が

207
00:08:00,000 --> 00:08:02,000
ごくありふれた魚として売られていたことも分かりました

208
00:08:02,000 --> 00:08:04,000
バーコード法によって
魚の種類を調査でき

209
00:08:04,000 --> 00:08:07,000
また食糧の素性が分かるのです

210
00:08:07,000 --> 00:08:09,000
オーシャン・バイオジオグラフィック・インフォメーション・
システムは
海洋生物調査の全データベースです

211
00:08:09,000 --> 00:08:11,000
オーシャン・バイオジオグラフィック・インフォメーション・
システムは
海洋生物調査の全データベースです

212
00:08:11,000 --> 00:08:14,000
誰でもアクセス可能で
自由にそのデータをダウンロードできます

213
00:08:14,000 --> 00:08:17,000
そこには海洋生物調査からの資料もありますが

214
00:08:17,000 --> 00:08:19,000
それに加え皆さんもデータを提供することができます

215
00:08:19,000 --> 00:08:21,000
それを使ってできることは

216
00:08:21,000 --> 00:08:24,000
種の分布や海のどこに生物がいるかを示すことができます

217
00:08:24,000 --> 00:08:26,000
ここにある図は手持ちのデータで作成しました

218
00:08:26,000 --> 00:08:29,000
これは最も採集努力をしているところです

219
00:08:29,000 --> 00:08:31,000
今ご覧になっているデータは

220
00:08:31,000 --> 00:08:33,000
特に上手く採集できた北大西洋地域

221
00:08:33,000 --> 00:08:35,000
北海

222
00:08:35,000 --> 00:08:37,000
そして北米東海岸のものです

223
00:08:37,000 --> 00:08:40,000
この赤い色の地域がかなりデータ採取ができた地域で

224
00:08:40,000 --> 00:08:42,000
青い色や黒色の部分が

225
00:08:42,000 --> 00:08:44,000
殆どデータ採取ができていない地域です

226
00:08:44,000 --> 00:08:46,000
ですから 今まで10年間調査しても

227
00:08:46,000 --> 00:08:49,000
依然として調査し尽くせない地域がたくさんあります

228
00:08:49,000 --> 00:08:52,000
さて テキサス州の科学者グループが
メキシコ湾で研究していますが

229
00:08:52,000 --> 00:08:54,000
彼らは報酬なしで

230
00:08:54,000 --> 00:08:56,000
メキシコ湾の生物の多様性について

231
00:08:56,000 --> 00:08:58,000
英知を結集しようと決心しました

232
00:08:58,000 --> 00:09:01,000
研究者はすべての種のリスト

233
00:09:01,000 --> 00:09:03,000
どこにどのような生物がいるかの
リスト作成に一丸となっていましたし

234
00:09:03,000 --> 00:09:06,000
これはとても難解かつ
科学的な任務であるように見受けられました

235
00:09:06,000 --> 00:09:09,000
しかし その時 石油掘削施設「ディープ・ホライズン」の
事故により原油が流出し

236
00:09:09,000 --> 00:09:11,000
報酬を期待せずにしていた研究が

237
00:09:11,000 --> 00:09:14,000
つまり経済的な理由を何も持っていなかった研究が

238
00:09:14,000 --> 00:09:16,000
突如 大変重要な情報になりました

239
00:09:16,000 --> 00:09:19,000
つまり生態系がどのように回復するのか
回復にはどのくらいの期間が必要か

240
00:09:19,000 --> 00:09:21,000
またこれから起きる訴訟や

241
00:09:21,000 --> 00:09:24,000
数十億ドルの物議をかもす話し合いが

242
00:09:24,000 --> 00:09:27,000
どのように決着していくのかという点で
非常に重大な情報となるのです

243
00:09:27,000 --> 00:09:29,000
さて 私たちが発見したものは何か？

244
00:09:29,000 --> 00:09:31,000
それを話すために何時間もかかるのでもちろん
今ここでは話せません

245
00:09:31,000 --> 00:09:33,000
海洋生物調査の発見から

246
00:09:33,000 --> 00:09:35,000
印象的ないくつかを話しましょう

247
00:09:35,000 --> 00:09:38,000
発見とは 多様性のホットスポットはどこか？

248
00:09:38,000 --> 00:09:41,000
海洋生物の大半の種はどこで見つかるか？

249
00:09:41,000 --> 00:09:43,000
良く知られている種の位置を描いてみると

250
00:09:43,000 --> 00:09:45,000
このような分布が得られます

251
00:09:45,000 --> 00:09:47,000
沿岸生物群については―

252
00:09:47,000 --> 00:09:49,000
つまり海岸近くに生息する生物は

253
00:09:49,000 --> 00:09:51,000
熱帯地域が一番多様性に富んでいます

254
00:09:51,000 --> 00:09:53,000
このことは 実は以前から分かっていたことですから

255
00:09:53,000 --> 00:09:55,000
新発見とは言えません

256
00:09:55,000 --> 00:09:57,000
でも 本当にわくわくすることは

257
00:09:57,000 --> 00:09:59,000
海洋生物群―岸から遠くの生物たちは

258
00:09:59,000 --> 00:10:01,000
実は中間緯度で多様であると言うことです

259
00:10:01,000 --> 00:10:04,000
保護すべき海洋域の優先順位づけをしようというなら

260
00:10:04,000 --> 00:10:07,000
管理者はこの種のデータを利用できます

261
00:10:07,000 --> 00:10:10,000
皆さんだって地球規模でこれを利用できるし
地域ごとにも利用できるます

262
00:10:10,000 --> 00:10:13,000
だからこそ 多様性に関するデータは
とても価値があるのです

263
00:10:13,000 --> 00:10:16,000
さて 海洋生物調査が発見した多くの生物の種が

264
00:10:16,000 --> 00:10:18,000
小さく見つけにくいんですが

265
00:10:18,000 --> 00:10:20,000
しかし小さいものばかりだとは限りません

266
00:10:20,000 --> 00:10:22,000
例えば信じがたいことですが

267
00:10:22,000 --> 00:10:24,000
３キロもあるロブスターが科学者の目を逃れていました

268
00:10:24,000 --> 00:10:26,000
実は数年前

269
00:10:26,000 --> 00:10:29,000
南アフリカの漁師が輸出許可を申請した時に初めて

270
00:10:29,000 --> 00:10:32,000
これが新種だと言うことに気がついたんです

271
00:10:32,000 --> 00:10:34,000
同様にこの黄金V昆布もそうです これは

272
00:10:34,000 --> 00:10:36,000
アラスカの低水位線の下で採取されたのですが

273
00:10:36,000 --> 00:10:38,000
恐らく新種です

274
00:10:38,000 --> 00:10:40,000
長さが３メートルもあるにもかかわらず

275
00:10:40,000 --> 00:10:42,000
これもまた科学者の目から逃れていました

276
00:10:42,000 --> 00:10:45,000
どうですか こいつ 
このアオリイカは長さが７メートルあります

277
00:10:45,000 --> 00:10:48,000
公正を期すために言いますが
これは大西洋中央海嶺の深海に棲息しているから

278
00:10:48,000 --> 00:10:50,000
とても見つけにくかったのです

279
00:10:50,000 --> 00:10:53,000
大きい わくわくするような生き物が
これからまだまだ発見される可能性があるんですよ

280
00:10:53,000 --> 00:10:56,000
この写真のエビを私たちは
ジュラシック・シュリンプというあだ名で呼んでいるんですが

281
00:10:56,000 --> 00:10:58,000
これは50年前にとっくに絶滅したと思われています

282
00:10:58,000 --> 00:11:00,000
少なくとも海洋生物調査が発見するまでのことですけれども

283
00:11:00,000 --> 00:11:03,000
でもこのエビはオーストラリアの沖合で棲息し
なかなか元気にやっていますよ

284
00:11:03,000 --> 00:11:06,000
海はあまりに広大ですから

285
00:11:06,000 --> 00:11:08,000
長い間 秘密をかくすことができるんですね

286
00:11:08,000 --> 00:11:11,000
そう だからスティーブン・スピルバーグも悩んでいますよね

287
00:11:11,000 --> 00:11:14,000
生物分布についてですが
実際には 分布は劇的に変化するんです

288
00:11:14,000 --> 00:11:17,000
私たちの記録の一つによると

289
00:11:17,000 --> 00:11:20,000
ハイイロミズナギドリは

290
00:11:20,000 --> 00:11:22,000
はるかニュージーランドから

291
00:11:22,000 --> 00:11:24,000
アラスカまで 壮大な渡りをしますが

292
00:11:24,000 --> 00:11:26,000
常夏を求めて帰っていきます

293
00:11:26,000 --> 00:11:28,000
そのような渡りを一生繰り返していくのです

294
00:11:28,000 --> 00:11:30,000
ホホジロザメ・カフェについても話したことがありますが

295
00:11:30,000 --> 00:11:33,000
ホホジロザメ・カフェとはホホジロザメが群がっている
太平洋上のある場所のことを言います

296
00:11:33,000 --> 00:11:35,000
なぜそこで群がっているのか私たちにはわかりません
本当に全然わからないのです

297
00:11:35,000 --> 00:11:37,000
これを解くのは未来の課題です

298
00:11:37,000 --> 00:11:39,000
高校時代に教えられてきたことに

299
00:11:39,000 --> 00:11:42,000
動物は生きるために酸素が必要だということがありますね

300
00:11:42,000 --> 00:11:45,000
さてこの小さいな奇妙な動物 1ミリの半分しかないサイズで

301
00:11:45,000 --> 00:11:47,000
カリスマ性なんて微塵もありません

302
00:11:47,000 --> 00:11:49,000
1980年代初頭に発見されたばかりです

303
00:11:49,000 --> 00:11:51,000
これについてとても興味深いことは

304
00:11:51,000 --> 00:11:54,000
数年前 海洋生物調査の科学者が発見したことです

305
00:11:54,000 --> 00:11:56,000
どんなことかというと こいつは地中海の深海で

306
00:11:56,000 --> 00:11:58,000
酸素がごく少ない沈殿物の中でもすくすくと育つんです

307
00:11:58,000 --> 00:12:00,000
要するに 分かったことは

308
00:12:00,000 --> 00:12:02,000
動物は酸素なしでも生きることができる
少なくともそういった動物がいる

309
00:12:02,000 --> 00:12:05,000
そしてそういう動物は
とても厳しい環境にも適応できるということです

310
00:12:05,000 --> 00:12:08,000
もし海から水を吸い出してしまったら

311
00:12:08,000 --> 00:12:10,000
残るものは

312
00:12:10,000 --> 00:12:12,000
海床にある生物のバイオマスです

313
00:12:12,000 --> 00:12:15,000
この巨大なバイオマスは
南極と北極の近くに多く見られますが

314
00:12:15,000 --> 00:12:18,000
その中間にはあまり見られません

315
00:12:18,000 --> 00:12:20,000
私たちは極端な条件下でも生物を発見しました

316
00:12:20,000 --> 00:12:22,000
私たちが発見した新生物は

317
00:12:22,000 --> 00:12:24,000
氷の中で生きていました

318
00:12:24,000 --> 00:12:26,000
その生物は氷中の食物連鎖を支えています

319
00:12:26,000 --> 00:12:28,000
この目を見張るようなイエティークラブも
私たちが発見しました

320
00:12:28,000 --> 00:12:31,000
これはイースター島の沸騰する
熱水孔の近くで生きています

321
00:12:31,000 --> 00:12:33,000
このカニは

322
00:12:33,000 --> 00:12:36,000
本当に世間から注目を浴びました

323
00:12:36,000 --> 00:12:39,000
もっとも深い熱水孔は5千メートル

324
00:12:39,000 --> 00:12:42,000
一番高温なものが407度であるということは既知のことです

325
00:12:42,000 --> 00:12:44,000
そしてその熱水孔が南太平洋と南極にもありますが

326
00:12:44,000 --> 00:12:46,000
そこでは何の生物も発見されませんでした

327
00:12:46,000 --> 00:12:49,000
新しい環境には依然として今後発見を待つ領域があり

328
00:12:49,000 --> 00:12:51,000
未知ということに関していうなら
本当にたくさんのことがまだわかっていません

329
00:12:51,000 --> 00:12:53,000
ではこれから簡単に未知のものについて

330
00:12:53,000 --> 00:12:55,000
まとめていきましょう

331
00:12:55,000 --> 00:12:58,000
第一に海にはどのくらいの種類の魚がいるのか

332
00:12:58,000 --> 00:13:00,000
現実的にはどの海洋生物より 
私たちは魚に関して知っています

333
00:13:00,000 --> 00:13:02,000
海の哺乳類は別としてね

334
00:13:02,000 --> 00:13:05,000
これまでの発見率から予測して

335
00:13:05,000 --> 00:13:08,000
この先どのくらいの種を発見できるんでしょうか

336
00:13:08,000 --> 00:13:10,000
これについては実際 計算してみたのですが

337
00:13:10,000 --> 00:13:13,000
1万6500種類の海の種が知られており

338
00:13:13,000 --> 00:13:15,000
あと千から4千くらいを発見することになるでしょう

339
00:13:15,000 --> 00:13:17,000
ということで
私たちはかなり上手くやりました

340
00:13:17,000 --> 00:13:19,000
つまり75％について もしくは90％くらいも

341
00:13:19,000 --> 00:13:21,000
魚については分かっているのです

342
00:13:21,000 --> 00:13:24,000
しかし先ほど申し上げたように魚についてなら
一番分かっているということです

343
00:13:24,000 --> 00:13:27,000
私たちの知識レベルはほかの生物に関しては
依然として低いのです

344
00:13:27,000 --> 00:13:29,000
この数字は実は新しい論文に基づいたもので

345
00:13:29,000 --> 00:13:32,000
PLoSバイオロジーから発表されます

346
00:13:32,000 --> 00:13:34,000
その内容は
あと何種の生物種が

347
00:13:34,000 --> 00:13:36,000
陸上と海にいるかという推定です

348
00:13:36,000 --> 00:13:38,000
分かったことは

349
00:13:38,000 --> 00:13:41,000
海に関して９％くらいの生物の種が解明されており

350
00:13:41,000 --> 00:13:43,000
つまり海洋生物調査以降でさえも91％が依然として

351
00:13:43,000 --> 00:13:45,000
発見されていないのです

352
00:13:45,000 --> 00:13:47,000
つまり結局200万種類にも

353
00:13:47,000 --> 00:13:49,000
なるということです

354
00:13:49,000 --> 00:13:51,000
これからもたくさんやるべきことはあります

355
00:13:51,000 --> 00:13:53,000
未知のことに関してはね

356
00:13:53,000 --> 00:13:55,000
次にこのバクテリアは

357
00:13:55,000 --> 00:13:58,000
これはチリの沿岸沖で見つけられた
バクテリアの群れの一部です

358
00:13:58,000 --> 00:14:00,000
このような群れをあわせると
実にギリシア全土覆うくらいの大きさになります

359
00:14:00,000 --> 00:14:03,000
今 話題にしているこのバクテリアは
実際に裸眼でも見られます

360
00:14:03,000 --> 00:14:06,000
これがどのくらいのバイオマスになるのか想像もできます

361
00:14:06,000 --> 00:14:08,000
でも微生物に関して実に驚くべきなのは

362
00:14:08,000 --> 00:14:10,000
微生物には非常に多様性があるということです

363
00:14:10,000 --> 00:14:12,000
一滴の海水には

364
00:14:12,000 --> 00:14:14,000
160もの違った微生物のタイプが含まれていると
言ってもいいでしょう

365
00:14:14,000 --> 00:14:16,000
海全体には

366
00:14:16,000 --> 00:14:19,000
10億以上もの違った微生物がいる
可能性があると考えられています

367
00:14:19,000 --> 00:14:22,000
だから本当に興味がそそられるのです　
一体微生物はそこで何をしているのでしょうね

368
00:14:22,000 --> 00:14:24,000
私たちには本当のことが分からないのです

369
00:14:24,000 --> 00:14:26,000
さてこの調査で最も面白いことは

370
00:14:26,000 --> 00:14:28,000
地球規模の科学の役割です

371
00:14:28,000 --> 00:14:30,000
夜 光のイメージの中で私たちは

372
00:14:30,000 --> 00:14:32,000
地上にはたくさんの地域があり

373
00:14:32,000 --> 00:14:35,000
人間の発展が顕著な地域もあれば

374
00:14:35,000 --> 00:14:37,000
そうではない地域もある しかし

375
00:14:37,000 --> 00:14:39,000
その間には大きな暗い地域が存在し

376
00:14:39,000 --> 00:14:41,000
それがまだ未到の海です

377
00:14:41,000 --> 00:14:43,000
もう一点指摘したいことは

378
00:14:43,000 --> 00:14:45,000
海は繋がっていると言うことです

379
00:14:45,000 --> 00:14:47,000
海洋生物は各国間の境界線など気にしていません

380
00:14:47,000 --> 00:14:49,000
彼らは自分の意思で動いています

381
00:14:49,000 --> 00:14:52,000
だからこそ地球規模での協力が

382
00:14:52,000 --> 00:14:54,000
さらに一層重要になるのです

383
00:14:54,000 --> 00:14:56,000
私たちは既にたくさんの楽園を失ってきました

384
00:14:56,000 --> 00:14:59,000
例えば こういうマグロは北海ではかつて豊富だったのに

385
00:14:59,000 --> 00:15:01,000
今ではほとんどいなくなっています

386
00:15:01,000 --> 00:15:04,000
地中海の海深くではトロール網漁業をしていますが

387
00:15:04,000 --> 00:15:06,000
網に引っかかるものは魚よりもゴミの方が多いのです

388
00:15:06,000 --> 00:15:09,000
深海なんですよ 地球に残された まだ人類が汚していないと

389
00:15:09,000 --> 00:15:11,000
思われている深海の環境がこのざまなんです

390
00:15:11,000 --> 00:15:13,000
まだまだ他にも圧力はかかっています

391
00:15:13,000 --> 00:15:16,000
海洋の温暖化同様 海洋の酸性化も大きな懸念事項です

392
00:15:16,000 --> 00:15:19,000
これによる影響が珊瑚礁でも見られることでしょう

393
00:15:19,000 --> 00:15:22,000
数十年という単位で 私たちが生きている間にも

394
00:15:22,000 --> 00:15:24,000
珊瑚礁が損なわれていくのを目の当たりにするでしょう

395
00:15:24,000 --> 00:15:27,000
残りの生涯をかけ 
と言っても限られた期間しかありませんが

396
00:15:27,000 --> 00:15:29,000
海に関するこういった懸念を
何度も何度も繰り返し話していくつもりです

397
00:15:29,000 --> 00:15:31,000
しかし私としては
もう少し明るい感じで終わらせたいと思っています

398
00:15:31,000 --> 00:15:33,000
そこで大きな課題は

399
00:15:33,000 --> 00:15:35,000
残されたものを守り通すということです

400
00:15:35,000 --> 00:15:37,000
残されたものにも
依然として目を見張るような美があるのですから

401
00:15:37,000 --> 00:15:39,000
そして海には生産力があり

402
00:15:39,000 --> 00:15:42,000
海の中では起きている様々なこと 
それがすべて人間に関係しています

403
00:15:42,000 --> 00:15:45,000
だから利己的な観点からでさえも
私たちは過去したことよりも

404
00:15:45,000 --> 00:15:47,000
もっと良いことをする必要があるんです

405
00:15:47,000 --> 00:15:49,000
従って こういったホットスポットを認識し

406
00:15:49,000 --> 00:15:51,000
そこを保護するために最大限努力しなくてはなりません

407
00:15:51,000 --> 00:15:53,000
このような写真を見ると 
その美しさにはっとさせられますが

408
00:15:53,000 --> 00:15:55,000
そればかりか海が供給する酸素によって

409
00:15:55,000 --> 00:15:57,000
私たちの呼吸を助けているのです

410
00:15:57,000 --> 00:16:00,000
海洋生物調査の科学者たちは雨の中も 寒さの中も

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00:16:00,000 --> 00:16:02,000
水中でも水上でも調査研究を行い

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00:16:02,000 --> 00:16:04,000
この驚くべき発見

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00:16:04,000 --> 00:16:06,000
静かなこの広大な未知なるもの

414
00:16:06,000 --> 00:16:09,000
海洋生物に見たこの目を見張るような適応に
光を当てる努力をしてきました

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00:16:09,000 --> 00:16:12,000
チリの山岳に暮らすヤクの牧人であろうが

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00:16:12,000 --> 00:16:15,000
ニューヨークの株式仲買人であろうが

417
00:16:15,000 --> 00:16:17,000
エジンバラに住むTEDの関係者であろうが

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00:16:17,000 --> 00:16:19,000
海に関係しています

419
00:16:19,000 --> 00:16:21,000
つまり海が生き続ける限り私たちも生き続けるのです

420
00:16:21,000 --> 00:16:23,000
ご清聴ありがとうございました

421
00:16:23,000 --> 00:16:25,000
（拍手）