1 00:00:00,000 --> 00:00:04,000 皆さんを別世界にお連れしましょう 2 00:00:04,000 --> 00:00:06,000 1日1ドル以下で暮らす 3 00:00:06,000 --> 00:00:10,000 貧しい人々との 4 00:00:10,000 --> 00:00:13,000 45年に及ぶ 5 00:00:13,000 --> 00:00:16,000 愛の物語をお話しします 6 00:00:18,000 --> 00:00:22,000 私はエリート主義で気取った 7 00:00:22,000 --> 00:00:26,000 高価な教育をインドで受けました 8 00:00:26,000 --> 00:00:29,000 もう自分を見失いそうでした 9 00:00:31,000 --> 00:00:33,000 外交官や教師 10 00:00:33,000 --> 00:00:36,000 医者になるように育てられ 11 00:00:36,000 --> 00:00:40,000 何にでもなることができましたが 12 00:00:40,000 --> 00:00:43,000 興味がありませんでした 私は3年の間 13 00:00:43,000 --> 00:00:45,000 スカッシュのインド・チャンピオンでした 14 00:00:45,000 --> 00:00:47,000 (笑) 15 00:00:47,000 --> 00:00:50,000 私にはあらゆる道が開けていました 16 00:00:50,000 --> 00:00:52,000 全てが足元にありました 17 00:00:52,000 --> 00:00:55,000 間違った選択をすることなどあり得ませんでした 18 00:00:55,000 --> 00:00:57,000 その時 好奇心から 19 00:00:57,000 --> 00:00:59,000 農村というのがどんな場所なのか 20 00:00:59,000 --> 00:01:01,000 住んで働いてみたくなりました 21 00:01:01,000 --> 00:01:03,000 1965年には 22 00:01:03,000 --> 00:01:07,000 過去最悪の飢饉が起きたビハール州に行き 23 00:01:07,000 --> 00:01:10,000 人々が空腹で死んでいくのを 24 00:01:10,000 --> 00:01:13,000 初めて目の当たりにしました 25 00:01:13,000 --> 00:01:16,000 それが私の人生を変えたのです 26 00:01:16,000 --> 00:01:18,000 家に戻り 27 00:01:18,000 --> 00:01:20,000 母親に言いました 28 00:01:20,000 --> 00:01:23,000 「村に住んで働きたいんだ」 29 00:01:23,000 --> 00:01:25,000 母親は卒倒しました 30 00:01:25,000 --> 00:01:28,000 (笑) 31 00:01:28,000 --> 00:01:30,000 「一体どうしたの? 32 00:01:30,000 --> 00:01:33,000 お前は何にでもなれる どんな仕事にも就けるのに 33 00:01:33,000 --> 00:01:35,000 村で働きたいだって? 34 00:01:35,000 --> 00:01:37,000 おかしくなっちゃったのかい?」 35 00:01:37,000 --> 00:01:39,000 「違う 僕は最高の教育を受けて 36 00:01:39,000 --> 00:01:41,000 考えたんだ 37 00:01:41,000 --> 00:01:44,000 自分なりのやり方で 38 00:01:44,000 --> 00:01:46,000 お返しがしたいんだ」と答えました 39 00:01:46,000 --> 00:01:48,000 「村で何をするんだい? 40 00:01:48,000 --> 00:01:50,000 仕事もお金もない 41 00:01:50,000 --> 00:01:52,000 危険だし 将来への見通しもないのに」 42 00:01:52,000 --> 00:01:54,000 「僕は村に住んで 43 00:01:54,000 --> 00:01:57,000 5年間 井戸を掘りたいんだ」 44 00:01:57,000 --> 00:01:59,000 「5年も井戸を掘るだって? 45 00:01:59,000 --> 00:02:02,000 インドで一番学費の高い学校に行ったのに 46 00:02:02,000 --> 00:02:04,000 井戸を掘りたいって言うのかい?」 47 00:02:04,000 --> 00:02:08,000 それから長いこと 母親は口をきいてくれませんでした 48 00:02:08,000 --> 00:02:11,000 私が家族の期待を裏切ったと思ったのです 49 00:02:13,000 --> 00:02:15,000 でも実際のところ 50 00:02:15,000 --> 00:02:18,000 私は貧しい人々が持つ 卓越した知識や能力を 51 00:02:18,000 --> 00:02:20,000 身を持って知りました 52 00:02:20,000 --> 00:02:23,000 それらは決して陽の目を見ることなく 53 00:02:23,000 --> 00:02:25,000 広く知られることも尊敬されることもなく 54 00:02:25,000 --> 00:02:27,000 大規模に使われることもありません 55 00:02:27,000 --> 00:02:29,000 私は「裸足の大学」を始めることにしました 56 00:02:29,000 --> 00:02:31,000 貧しい人のための大学です 57 00:02:31,000 --> 00:02:33,000 貧しい人々が大切にしていることを 58 00:02:33,000 --> 00:02:36,000 取り入れる大学です 59 00:02:37,000 --> 00:02:39,000 ティロニアの村を初めて訪れた時 60 00:02:39,000 --> 00:02:41,000 長老たちがやって来て言いました 61 00:02:41,000 --> 00:02:43,000 「警察から身を隠しているのか?」 62 00:02:43,000 --> 00:02:45,000 「違います」と答えました 63 00:02:45,000 --> 00:02:48,000 (笑) 64 00:02:49,000 --> 00:02:51,000 「試験に失敗したのか?」 65 00:02:51,000 --> 00:02:53,000 「違います」 66 00:02:53,000 --> 00:02:56,000 「政府の仕事に就けなかったのか」「違います」 67 00:02:56,000 --> 00:02:58,000 「ではここで何をしてるんだ? 68 00:02:58,000 --> 00:03:00,000 なぜここにいる? 69 00:03:00,000 --> 00:03:02,000 お前のような教育を受けた者は 70 00:03:02,000 --> 00:03:05,000 パリやニューデリー チューリッヒに行きたがるはずだ 71 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 お前はこの村で何をしている? 72 00:03:07,000 --> 00:03:10,000 話せないようなことがあるのか?」 73 00:03:10,000 --> 00:03:13,000 私は答えました 「違います 貧しい人だけのための 74 00:03:13,000 --> 00:03:15,000 大学を始めたいのです 75 00:03:15,000 --> 00:03:18,000 貧者にとって大切なことを教える大学です」 76 00:03:18,000 --> 00:03:22,000 長老たちは理にかなった深遠な助言をくれました 77 00:03:22,000 --> 00:03:24,000 「学位や資格を持った者は 78 00:03:24,000 --> 00:03:27,000 その大学には入れないでほしい」 79 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 というものです 80 00:03:29,000 --> 00:03:32,000 だから ここはインドで唯一 81 00:03:32,000 --> 00:03:35,000 博士号や修士号を持つ人は 82 00:03:35,000 --> 00:03:37,000 入ることができない大学です 83 00:03:37,000 --> 00:03:42,000 裸足の大学に入れるのは 84 00:03:42,000 --> 00:03:45,000 役立たずや失敗者 脱落者といった人たちです 85 00:03:45,000 --> 00:03:47,000 ここでは 自分の手で働き 86 00:03:47,000 --> 00:03:49,000 労働に尊厳を持たねばなりません 87 00:03:49,000 --> 00:03:52,000 コミュニティに役立つ技能を持つことを示し 88 00:03:52,000 --> 00:03:55,000 コミュニティに奉仕しなければなりません 89 00:03:55,000 --> 00:03:58,000 私たちは裸足の大学を設立し 90 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 プロ意識を定義しなおしました 91 00:04:00,000 --> 00:04:02,000 プロフェッショナルとは何でしょう? 92 00:04:02,000 --> 00:04:04,000 プロフェッショナルとは 93 00:04:04,000 --> 00:04:06,000 能力と自信そして信念を 94 00:04:06,000 --> 00:04:09,000 兼ね備えた人です 95 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 水脈を探す占い師はプロフェッショナルです 96 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 昔ながらの産婆も 97 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 プロフェッショナルです 98 00:04:16,000 --> 00:04:19,000 接骨医もプロフェッショナルです 99 00:04:19,000 --> 00:04:21,000 プロフェッショナルは世界中にいます 100 00:04:21,000 --> 00:04:25,000 どんな辺鄙な村にもいるのです 101 00:04:25,000 --> 00:04:28,000 こうした人々こそ 表舞台に出て 102 00:04:28,000 --> 00:04:31,000 自らの知識や能力の普遍性を 103 00:04:31,000 --> 00:04:33,000 示さねばなりません 104 00:04:33,000 --> 00:04:35,000 そうした知識や能力は 105 00:04:35,000 --> 00:04:37,000 活用され 応用され 106 00:04:37,000 --> 00:04:39,000 現代でも有効なのだと 107 00:04:39,000 --> 00:04:43,000 外の世界に示されなければなりません 108 00:04:43,000 --> 00:04:45,000 裸足の大学は 109 00:04:45,000 --> 00:04:49,000 ガンディーの生活と労働のスタイルを取り入れています 110 00:04:49,000 --> 00:04:53,000 食べるのも 眠るのも 働くのも床の上です 111 00:04:53,000 --> 00:04:55,000 契約書はありません 112 00:04:55,000 --> 00:04:58,000 20年間いることもできますし 明日去ることもできます 113 00:04:58,000 --> 00:05:01,000 誰も月に100ドル以上はもらえません 114 00:05:01,000 --> 00:05:04,000 お金のために来る人は 裸足の大学には向きません 115 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 働くため 挑戦するために 116 00:05:06,000 --> 00:05:08,000 裸足の大学に来るのです 117 00:05:08,000 --> 00:05:11,000 ここは物事を試し アイデアを生み出すための場です 118 00:05:11,000 --> 00:05:13,000 どんなアイデアでも試すことができます 119 00:05:13,000 --> 00:05:15,000 失敗は問題ではありません 120 00:05:15,000 --> 00:05:18,000 打ちのめされ傷ついても もう一度始めればよいのです 121 00:05:18,000 --> 00:05:21,000 ここは教師が学び手になり 学び手が教師になる 122 00:05:21,000 --> 00:05:24,000 唯一の大学です 123 00:05:24,000 --> 00:05:27,000 修了証を発行しない唯一の大学でもあります 124 00:05:27,000 --> 00:05:30,000 認証はコミュニティが行います 125 00:05:30,000 --> 00:05:32,000 自分が技術者であることを示すのに 126 00:05:32,000 --> 00:05:35,000 紙の証明書を壁に飾る必要はありません 127 00:05:37,000 --> 00:05:39,000 私がそう言うと こう返されました 128 00:05:39,000 --> 00:05:42,000 「その大学で何ができるのか 見せてくれ 129 00:05:42,000 --> 00:05:46,000 講釈はいいからやって見せろ」 130 00:05:46,000 --> 00:05:49,000 そこで私たちは1986年に 131 00:05:49,000 --> 00:05:52,000 最初の裸足の大学を建てました 132 00:05:52,000 --> 00:05:54,000 読み書きができない 133 00:05:54,000 --> 00:05:56,000 12人の裸足の大工が 134 00:05:56,000 --> 00:05:59,000 1平方フィートあたり1.5ドルで建てたのです 135 00:05:59,000 --> 00:06:03,000 150人がそこで暮らし 働きました 136 00:06:03,000 --> 00:06:06,000 大工たちは2002年にアガカーン賞を受賞しましたが 137 00:06:06,000 --> 00:06:09,000 裏に建築家がいたのではないかと疑われました 138 00:06:09,000 --> 00:06:11,000 「設計図は建築家が書いたけれど 139 00:06:11,000 --> 00:06:15,000 建物を作ったのは裸足の大工たちだ」と答えました 140 00:06:16,000 --> 00:06:19,000 それが信じてもらえなかったので 141 00:06:19,000 --> 00:06:21,000 5万ドルの賞金を返金することになりました 142 00:06:21,000 --> 00:06:25,000 審査員たちはティロニアの裸足の大学を 143 00:06:25,000 --> 00:06:28,000 中傷しているように見えました 144 00:06:28,000 --> 00:06:30,000 私は森林管理官に聞きました 145 00:06:30,000 --> 00:06:33,000 権力を持ち 資格の証明書を持つ専門家です 146 00:06:33,000 --> 00:06:36,000 「この場所に何を植えればいいでしょう?」と尋ねると 147 00:06:36,000 --> 00:06:38,000 土壌を一瞥して言いました 148 00:06:38,000 --> 00:06:40,000 「無理だ そんなことする価値もない 149 00:06:40,000 --> 00:06:42,000 水は無いし 土は岩だらけだ」 150 00:06:42,000 --> 00:06:44,000 私は困って言いました 151 00:06:44,000 --> 00:06:46,000 「わかった 村の長老のところに行って 152 00:06:46,000 --> 00:06:49,000 ここに何を植えればいいか聞いてみるよ」 153 00:06:49,000 --> 00:06:51,000 長老は静かに私を見て言いました 154 00:06:51,000 --> 00:06:53,000 「これとそれをあれと合わせればよい」 155 00:06:53,000 --> 00:06:56,000 今は本当にそのようになっています 156 00:06:57,000 --> 00:06:59,000 屋根に上ると 157 00:06:59,000 --> 00:07:01,000 女性たちが言いました 158 00:07:01,000 --> 00:07:04,000 「来ないで この技術を男たちに教えたくないの 159 00:07:04,000 --> 00:07:06,000 屋根を防水してるのよ」 160 00:07:06,000 --> 00:07:08,000 (笑) 161 00:07:08,000 --> 00:07:11,000 ヤシ糖とボンテンカ あと私にはわかりませんが 162 00:07:11,000 --> 00:07:13,000 他の何かを使っています 163 00:07:13,000 --> 00:07:15,000 1986年以来 水漏れしていません 164 00:07:15,000 --> 00:07:18,000 1986年からですよ 165 00:07:18,000 --> 00:07:21,000 この技術を女性たちは男に教えてくれません 166 00:07:21,000 --> 00:07:24,000 (笑) 167 00:07:24,000 --> 00:07:26,000 裸足の大学は 168 00:07:26,000 --> 00:07:30,000 完全に太陽で電気を起こす唯一の大学です 169 00:07:30,000 --> 00:07:32,000 すべての電気を太陽から作ります 170 00:07:32,000 --> 00:07:34,000 45kWのソーラーパネルが屋根にあり 171 00:07:34,000 --> 00:07:36,000 今後25年 それで全てを賄えます 172 00:07:36,000 --> 00:07:38,000 太陽が輝く限り 173 00:07:38,000 --> 00:07:40,000 電気については心配ありません 174 00:07:40,000 --> 00:07:42,000 これのすごいところは 175 00:07:42,000 --> 00:07:45,000 パネルを設置したのが 176 00:07:45,000 --> 00:07:48,000 8年間の初等教育しか受けていない 177 00:07:48,000 --> 00:07:51,000 ヒンドゥー教の僧侶だということです 178 00:07:51,000 --> 00:07:54,000 彼は中学校にも大学にも行っていませんが 179 00:07:54,000 --> 00:07:56,000 私が知る中で 世界の誰よりも 180 00:07:56,000 --> 00:08:00,000 太陽光発電のことをよく知っています 181 00:08:02,000 --> 00:08:04,000 裸足の大学では 182 00:08:04,000 --> 00:08:07,000 調理にも太陽が使われます 183 00:08:07,000 --> 00:08:10,000 太陽熱調理器を組み立てたのは 184 00:08:10,000 --> 00:08:13,000 女性たちです 185 00:08:13,000 --> 00:08:15,000 読み書きできない女性たちが 186 00:08:15,000 --> 00:08:17,000 とても洗練された太陽熱調理器を 187 00:08:17,000 --> 00:08:19,000 組み立てたのです 188 00:08:19,000 --> 00:08:22,000 パラボラ式で料理人不要の調理器です 189 00:08:25,000 --> 00:08:29,000 残念なのは 彼女たちがまるでドイツ人みたいに 190 00:08:29,000 --> 00:08:31,000 精密すぎることです 191 00:08:31,000 --> 00:08:33,000 (笑) 192 00:08:33,000 --> 00:08:36,000 インドの女性にここまで出来るとは思いませんでした 193 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 どこまでも精密に 194 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 彼女たちはその調理器を作り上げました 195 00:08:41,000 --> 00:08:43,000 60食分を 1日に2回 196 00:08:43,000 --> 00:08:45,000 太陽熱で作っています 197 00:08:45,000 --> 00:08:47,000 裸足の大学には歯医者がいます 198 00:08:47,000 --> 00:08:50,000 読み書きのできないお婆さんです 199 00:08:50,000 --> 00:08:52,000 7,000人の子どもたちの 200 00:08:52,000 --> 00:08:55,000 歯の面倒を見てきました 201 00:08:56,000 --> 00:08:58,000 裸足のテクノロジーです 202 00:08:58,000 --> 00:09:01,000 1986年には技術者も建築家も思いつきませんでしたが 203 00:09:01,000 --> 00:09:04,000 私たちは屋根から雨水を集めています 204 00:09:04,000 --> 00:09:06,000 無駄にされる水はほとんどありません 205 00:09:06,000 --> 00:09:08,000 すべての屋根は 地下にある 206 00:09:08,000 --> 00:09:10,000 40万リットルのタンクにつながっていて 207 00:09:10,000 --> 00:09:12,000 水を無駄にしないのです 208 00:09:12,000 --> 00:09:15,000 もし干ばつが4年続いたとしても 雨水を集めているので 209 00:09:15,000 --> 00:09:17,000 キャンパスにはまだ水があります 210 00:09:17,000 --> 00:09:20,000 6割の子どもは教育を受けていません 211 00:09:20,000 --> 00:09:22,000 羊やヤギなど 212 00:09:22,000 --> 00:09:24,000 動物の世話をしたり 213 00:09:24,000 --> 00:09:26,000 家の仕事をしなければならないからです 214 00:09:26,000 --> 00:09:29,000 そこで私たちは 子ども向けの夜間学校を 215 00:09:29,000 --> 00:09:31,000 始めようと思い立ちました 216 00:09:31,000 --> 00:09:33,000 ティロニアの夜間学校には 217 00:09:33,000 --> 00:09:36,000 75,000人以上の子どもが通いました 218 00:09:36,000 --> 00:09:38,000 教師ではなく子どもの都合に 219 00:09:38,000 --> 00:09:40,000 合わせたからです 220 00:09:40,000 --> 00:09:42,000 夜間学校で教えたのは 221 00:09:42,000 --> 00:09:44,000 民主主義に市民権 222 00:09:44,000 --> 00:09:47,000 土地の測り方や 223 00:09:47,000 --> 00:09:49,000 逮捕されたときにすべきこと 224 00:09:49,000 --> 00:09:53,000 家畜が病気にかかった時の対処法などです 225 00:09:53,000 --> 00:09:55,000 そんなことを夜間学校で教えます 226 00:09:55,000 --> 00:09:58,000 学校は全て太陽発電で電気を賄っています 227 00:09:58,000 --> 00:10:00,000 5年ごとに 228 00:10:00,000 --> 00:10:02,000 選挙を行います 229 00:10:02,000 --> 00:10:06,000 6歳から14歳までの子どもが 230 00:10:06,000 --> 00:10:09,000 民主的な手続きに参加して 231 00:10:09,000 --> 00:10:13,000 総理大臣を選びます 232 00:10:13,000 --> 00:10:16,000 今の総理は12歳です 233 00:10:17,000 --> 00:10:19,000 朝は20匹の山羊を世話していますが 234 00:10:19,000 --> 00:10:22,000 夜には総理大臣になります 235 00:10:22,000 --> 00:10:24,000 内閣もあって 236 00:10:24,000 --> 00:10:27,000 教育大臣 エネルギー大臣 健康大臣がいます 237 00:10:27,000 --> 00:10:29,000 彼らは150の学校と 238 00:10:29,000 --> 00:10:32,000 7,000人の生徒を管理・監督しています 239 00:10:34,000 --> 00:10:36,000 彼女は5年前「世界子ども大賞」を受賞し 240 00:10:36,000 --> 00:10:38,000 スウェーデンに行きました 241 00:10:38,000 --> 00:10:40,000 村を出たのはそれが初めてです 242 00:10:40,000 --> 00:10:43,000 スウェーデンなど見たこともありません 243 00:10:43,000 --> 00:10:45,000 でも体験したことに全く動じませんでした 244 00:10:45,000 --> 00:10:47,000 スウェーデンの女王が 私に聞きました 245 00:10:47,000 --> 00:10:50,000 「この子の自信はどこから来ているのですか? 246 00:10:50,000 --> 00:10:52,000 まだ12歳なのに 247 00:10:52,000 --> 00:10:55,000 全く動じていません」 248 00:10:55,000 --> 00:10:58,000 その子は女王の左にいましたが 私を見て 249 00:10:58,000 --> 00:11:01,000 そして女王の目をまっすぐに見て言いました 250 00:11:01,000 --> 00:11:04,000 「女王様に伝えて下さい 私は総理大臣なのですと」 251 00:11:04,000 --> 00:11:06,000 (笑) 252 00:11:06,000 --> 00:11:14,000 (拍手) 253 00:11:14,000 --> 00:11:18,000 読み書きのできない人が多いところでは 254 00:11:18,000 --> 00:11:21,000 操り人形を使います 255 00:11:21,000 --> 00:11:24,000 人形を使ってやり取りをします 256 00:11:30,000 --> 00:11:33,000 この人形はジャオキム・チャチャ 257 00:11:33,000 --> 00:11:37,000 300歳です 258 00:11:37,000 --> 00:11:40,000 私の精神分析医であり 教師であり 259 00:11:40,000 --> 00:11:42,000 医者 弁護士 260 00:11:42,000 --> 00:11:44,000 そして資金援助者でもあります 261 00:11:44,000 --> 00:11:46,000 実際にお金を集め 262 00:11:46,000 --> 00:11:49,000 論争を収めてくれます 263 00:11:49,000 --> 00:11:52,000 村で起きる問題を 解決してくれるのです 264 00:11:52,000 --> 00:11:54,000 何か問題が起きたり 265 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 学校の出席率が下がったり 266 00:11:56,000 --> 00:11:58,000 教師と親とが揉めたりすると 267 00:11:58,000 --> 00:12:01,000 人形が教師と親を皆の前に呼んで 268 00:12:01,000 --> 00:12:03,000 こう言います「握手をしなさい 269 00:12:03,000 --> 00:12:05,000 学校へは来させないといけません」 270 00:12:07,000 --> 00:12:09,000 この人形たちは 世界銀行の報告書を 271 00:12:09,000 --> 00:12:11,000 リサイクルして作ったものです 272 00:12:11,000 --> 00:12:13,000 (笑) 273 00:12:13,000 --> 00:12:20,000 (拍手) 274 00:12:20,000 --> 00:12:24,000 太陽光で村に電気を起こすという 275 00:12:24,000 --> 00:12:26,000 この分散型でわかりやすい取り組みを 276 00:12:26,000 --> 00:12:28,000 ラダックからブータンとの国境まで 277 00:12:28,000 --> 00:12:31,000 インド各地で行ってきました 278 00:12:33,000 --> 00:12:35,000 人々を訓練して 279 00:12:35,000 --> 00:12:38,000 村で太陽光発電を始めるのです 280 00:12:39,000 --> 00:12:41,000 ラダックに行った時 281 00:12:41,000 --> 00:12:43,000 この女性に尋ねました 282 00:12:43,000 --> 00:12:46,000 気温はマイナス40度 家の両側は雪に覆われ 283 00:12:46,000 --> 00:12:49,000 屋根から出て来なければなりません 284 00:12:49,000 --> 00:12:51,000 彼女に 285 00:12:51,000 --> 00:12:53,000 「太陽光発電の良いところは 286 00:12:53,000 --> 00:12:55,000 何ですか?」と尋ねると 287 00:12:55,000 --> 00:12:57,000 しばらく考えてから こう答えました 288 00:12:57,000 --> 00:13:01,000 「初めて 冬に夫の顔を見ることができるようになりました」 289 00:13:01,000 --> 00:13:04,000 (笑) 290 00:13:04,000 --> 00:13:06,000 アフガニスタンにも行きました 291 00:13:06,000 --> 00:13:11,000 インドで学んだのは 292 00:13:11,000 --> 00:13:15,000 男は訓練しがたいということです 293 00:13:15,000 --> 00:13:19,000 (笑) 294 00:13:19,000 --> 00:13:21,000 男は落ち着きがなく 295 00:13:21,000 --> 00:13:23,000 野心を持ち 296 00:13:23,000 --> 00:13:26,000 抑えがたく移り気で 297 00:13:26,000 --> 00:13:28,000 しかも資格の証明書を欲しがります 298 00:13:28,000 --> 00:13:30,000 (笑) 299 00:13:30,000 --> 00:13:33,000 男が証明書を欲しがるのは 300 00:13:33,000 --> 00:13:35,000 地球中どこでも同じです 301 00:13:35,000 --> 00:13:38,000 なぜか? 田舎を離れて街に行き 302 00:13:38,000 --> 00:13:41,000 仕事を探したいからです 303 00:13:41,000 --> 00:13:44,000 私たちは素晴らしい解決策を見出しました 304 00:13:44,000 --> 00:13:46,000 お婆さんを訓練するのです 305 00:13:48,000 --> 00:13:50,000 今の世界で最善の 306 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 コミュニケーション方法は何でしょう? 307 00:13:52,000 --> 00:13:54,000 テレビではありません 308 00:13:54,000 --> 00:13:56,000 電報でもありません 309 00:13:56,000 --> 00:13:58,000 電話でもありません 310 00:13:58,000 --> 00:14:00,000 女性に話すことです 311 00:14:00,000 --> 00:14:03,000 (笑) 312 00:14:03,000 --> 00:14:07,000 (拍手) 313 00:14:07,000 --> 00:14:09,000 初めてアフガニスタンに行った時 314 00:14:09,000 --> 00:14:11,000 3人の女性を選んで言いました 315 00:14:11,000 --> 00:14:13,000 「彼女たちをインドに連れて行きたい」 316 00:14:13,000 --> 00:14:15,000 答えは「無理だ 部屋からも出ないのに 317 00:14:15,000 --> 00:14:17,000 インドに連れて行くなんて」 318 00:14:17,000 --> 00:14:19,000 「わかった 旦那も連れて行こう」 319 00:14:19,000 --> 00:14:21,000 と言って 一緒に連れて来ました 320 00:14:21,000 --> 00:14:24,000 女性の方が男たちよりも賢かったのはもちろんです 321 00:14:24,000 --> 00:14:26,000 半年間で 322 00:14:26,000 --> 00:14:29,000 彼女たちにどう教えたのでしょう? 323 00:14:29,000 --> 00:14:31,000 手話です 324 00:14:31,000 --> 00:14:34,000 書き言葉ではなく 325 00:14:34,000 --> 00:14:36,000 話し言葉でもなく 326 00:14:36,000 --> 00:14:39,000 手話を使いました 327 00:14:39,000 --> 00:14:41,000 半年後には 328 00:14:41,000 --> 00:14:45,000 彼女たちは太陽光発電の技術者になり 329 00:14:45,000 --> 00:14:48,000 家に帰り 太陽光で村に電気を起こしました 330 00:14:48,000 --> 00:14:50,000 この女性は戻って 331 00:14:50,000 --> 00:14:53,000 最初の村に太陽光発電を取り入れ 332 00:14:53,000 --> 00:14:55,000 ワークショップを開きました 333 00:14:55,000 --> 00:14:58,000 3人の女性がアフガニスタンの村で 334 00:14:58,000 --> 00:15:01,000 太陽光発電を始めたのです 335 00:15:01,000 --> 00:15:03,000 この女性は 336 00:15:03,000 --> 00:15:05,000 55歳 並外れたお婆さんです 337 00:15:05,000 --> 00:15:10,000 アフガニスタンの200戸の住宅に太陽光発電を取り入れました 338 00:15:10,000 --> 00:15:13,000 壊れたものはありません 339 00:15:13,000 --> 00:15:16,000 彼女はアフガニスタン政府の技術部門に行き 340 00:15:16,000 --> 00:15:18,000 そこの長に 341 00:15:18,000 --> 00:15:20,000 直流と交流の違いについて話をしました 342 00:15:20,000 --> 00:15:22,000 彼は知らなかったのです 343 00:15:22,000 --> 00:15:25,000 この3人の女性が27人の女性を訓練し 344 00:15:25,000 --> 00:15:28,000 アフガニスタンの100の村で太陽光発電が始まりました 345 00:15:28,000 --> 00:15:31,000 アフリカにも行って 346 00:15:31,000 --> 00:15:33,000 同じことをしました 347 00:15:33,000 --> 00:15:36,000 8~9カ国から来た女性たちが同じテーブルに座り 348 00:15:36,000 --> 00:15:39,000 おしゃべりをしていますが 言葉が違うので 349 00:15:39,000 --> 00:15:41,000 互いに何を言っているのかはわかりません 350 00:15:41,000 --> 00:15:43,000 でも身振り手振りを巧みに使って 351 00:15:43,000 --> 00:15:45,000 意思を通わせ 352 00:15:45,000 --> 00:15:47,000 太陽光発電の技術者になるのです 353 00:15:47,000 --> 00:15:50,000 シエラレオネでは 354 00:15:50,000 --> 00:15:53,000 大臣が夜遅くに 355 00:15:53,000 --> 00:15:55,000 偶然この村を車で通り過ぎ 356 00:15:55,000 --> 00:15:58,000 戻って来て「この電気はどうしたんだ?」と尋ねました 357 00:15:58,000 --> 00:16:00,000 村人が「二人のお婆さんが...」と言うと 358 00:16:00,000 --> 00:16:03,000 「お婆さんだって?」と大臣はとても驚きました 359 00:16:03,000 --> 00:16:06,000 「どこでそんな技術を覚えたんだ?」「インドです」 360 00:16:06,000 --> 00:16:08,000 大臣はすぐ大統領に報告しました 361 00:16:08,000 --> 00:16:10,000 「太陽光発電する村をご存知ですか?」 362 00:16:10,000 --> 00:16:13,000 翌日 閣僚の半数がそのお婆さんに会いに来ました 363 00:16:13,000 --> 00:16:15,000 「この電気はどうしたんだ?」 364 00:16:15,000 --> 00:16:19,000 私が呼ばれて「150人のお婆さんを訓練できるか?」と聞かれたので 365 00:16:19,000 --> 00:16:21,000 私は「自分にはできませんが 366 00:16:21,000 --> 00:16:23,000 お婆さんたちが訓練してくれます」 367 00:16:23,000 --> 00:16:26,000 そしてシエラレオネに初の「裸足の訓練センター」が作られ 368 00:16:26,000 --> 00:16:30,000 150人のお婆さんが訓練を受けました 369 00:16:30,000 --> 00:16:32,000 次はガンビアです 370 00:16:32,000 --> 00:16:35,000 訓練するお婆さんを選ぶために 371 00:16:35,000 --> 00:16:37,000 ガンビアの村を訪れました 372 00:16:37,000 --> 00:16:39,000 どの人が良いかはわかっていました 373 00:16:39,000 --> 00:16:42,000 村人が集まり2人の女性の名を挙げましたが 374 00:16:42,000 --> 00:16:44,000 「いや この人がいい」と答えました 375 00:16:44,000 --> 00:16:46,000 「なぜだ 彼女は英語を話さないのに」 376 00:16:46,000 --> 00:16:49,000 「身振り手振りで十分だ 彼女の話し方が気に入った」 377 00:16:49,000 --> 00:16:51,000 「気難し屋の夫がいる 無理だ」と言われ 378 00:16:51,000 --> 00:16:53,000 夫を呼びました 379 00:16:53,000 --> 00:16:56,000 威張った政治家で 携帯を手に持ち「ダメだ」と言いました 380 00:16:56,000 --> 00:16:59,000 「なぜ?」「見ろ こんなに美人じゃないか」 381 00:16:59,000 --> 00:17:01,000 「その通り とてもきれいな人だ」 382 00:17:01,000 --> 00:17:03,000 「インド人と駆け落ちしたらどうする?」 383 00:17:03,000 --> 00:17:05,000 彼はそれを心配していました 384 00:17:05,000 --> 00:17:08,000 そこで「大丈夫 携帯に電話してくれるよ」と言いました 385 00:17:08,000 --> 00:17:11,000 彼女は出発した時にはただのお婆さんでしたが 386 00:17:11,000 --> 00:17:13,000 虎のようになって帰って来ました 387 00:17:13,000 --> 00:17:15,000 飛行機から降りると 388 00:17:15,000 --> 00:17:18,000 退役軍人のように報道陣へ語りかけました 389 00:17:18,000 --> 00:17:21,000 国営の報道機関を巧みに操り 390 00:17:21,000 --> 00:17:23,000 スターになりました 391 00:17:23,000 --> 00:17:26,000 半年後に再訪して「旦那さんはどこですか?」と聞くと 392 00:17:26,000 --> 00:17:28,000 「さあ 知らないわ」 393 00:17:28,000 --> 00:17:30,000 (笑) 394 00:17:30,000 --> 00:17:32,000 成功譚です 395 00:17:32,000 --> 00:17:34,000 (笑) 396 00:17:34,000 --> 00:17:37,000 (拍手) 397 00:17:37,000 --> 00:17:43,000 私が伝えたいのは 398 00:17:43,000 --> 00:17:47,000 解決策を外に求める必要はないということです 399 00:17:47,000 --> 00:17:49,000 内にある解決策を探して下さい 400 00:17:49,000 --> 00:17:52,000 どんな場所でも 身近な人が解決策を持っています 401 00:17:52,000 --> 00:17:54,000 彼らの話に耳を傾けて下さい 402 00:17:54,000 --> 00:17:56,000 心配することはありません 403 00:17:56,000 --> 00:17:59,000 世界銀行ではなく 地元の人の声を聞いて下さい 404 00:17:59,000 --> 00:18:02,000 解決策を知っているのは彼らなのです 405 00:18:02,000 --> 00:18:05,000 最後に マハトマ・ガンディーの言葉を引用します 406 00:18:05,000 --> 00:18:07,000 「はじめに彼らはあなたを無視し 407 00:18:07,000 --> 00:18:09,000 次に笑い 408 00:18:09,000 --> 00:18:11,000 そして戦いを挑んできます 409 00:18:11,000 --> 00:18:13,000 そしてあなたは勝利します」 410 00:18:13,000 --> 00:18:15,000 ありがとう 411 00:18:15,000 --> 00:18:46,000 (拍手)