1 00:00:07,440 --> 00:00:12,380 [アンドレア・ジッテル:アート&デザイン] 2 00:00:22,840 --> 00:00:24,490 ジョシュアツリーは ある意味独特です 3 00:00:24,490 --> 00:00:27,250 ロサンジェルスから2時間半ですが 4 00:00:27,250 --> 00:00:29,760 砂漠の端に位置しています 5 00:00:29,760 --> 00:00:31,680 ですから 東に車を走らせれば 6 00:00:31,680 --> 00:00:34,090 完全に砂漠が開けます 7 00:00:34,090 --> 00:00:38,530 ここにいる人は皆 別の所から来た人ばかりです 8 00:00:39,519 --> 00:00:42,679 私はジョシュアツリーに住んで 14年になります 9 00:00:44,480 --> 00:00:48,820 アートの世界から離れた コミュニティに暮らしたかったのです 10 00:00:54,569 --> 00:00:58,989 デザインは人生と生活について 語るべきだと考えています 11 00:00:59,960 --> 00:01:04,099 アートを通じてデザインを語るのは 実に面白いです 12 00:01:05,440 --> 00:01:08,740 これまでに住んだ空間はすべて アート・プロジェクトにしてきました 13 00:01:08,750 --> 00:01:14,690 家にあるものはすべて 私の人生とともに進化を続けてきました 14 00:01:16,050 --> 00:01:18,280 この家に元々あったのはキッチンです 15 00:01:18,280 --> 00:01:21,500 キッチンの後ろに寝室があります 16 00:01:21,500 --> 00:01:26,160 この家を買ったときに 今いる この部屋を加えました 17 00:01:26,160 --> 00:01:27,710 ここは以前は私道で― 18 00:01:27,710 --> 00:01:31,750 今は息子の寝室です 19 00:01:34,820 --> 00:01:38,413 繰り返し自問する問いがあって 20 00:01:38,413 --> 00:01:43,140 それはなぜデザイナーではなく アーティストなのかというものです 21 00:01:43,600 --> 00:01:47,560 今から100年後の 美術史家が 22 00:01:47,560 --> 00:01:49,560 私の世代について語るとき 23 00:01:49,560 --> 00:01:52,760 デザインの世界で 起きていたことを語らずして 24 00:01:52,770 --> 00:01:55,130 文化的に意味のある形では 25 00:01:55,130 --> 00:01:59,650 もはや語り得ないのではと 思ったことがあります 26 00:02:00,540 --> 00:02:03,460 アーティストであることの 特権的な立場として 27 00:02:03,460 --> 00:02:07,230 単にその結果を見るために 28 00:02:07,230 --> 00:02:10,310 より実験的な事柄を 試みることができます 29 00:02:23,030 --> 00:02:25,650 ここではたくさんの素材を 注文しなければなりません 30 00:02:25,650 --> 00:02:27,290 すぐに出かけていって 買うというわけにはいかないのです 31 00:02:27,290 --> 00:02:29,360 これらの段ボール箱が届きます 32 00:02:29,360 --> 00:02:32,860 しばらくの間 段ボールを壁沿いに重ねて 33 00:02:32,860 --> 00:02:34,640 物を入れていましたが 34 00:02:34,640 --> 00:02:37,490 そこでどうにかして もっと耐久性のある構造に 35 00:02:37,490 --> 00:02:41,310 変えることはできないかと 考え始めました 36 00:02:45,340 --> 00:02:50,760 物がいかに用いられるべきかについての 曖昧さは意図的なものだと思います 37 00:02:50,760 --> 00:02:56,100 それが作品の一番面白い点の ひとつになっています 38 00:02:59,560 --> 00:03:03,740 誰かがこの作品のひとつを 自宅に所有して 39 00:03:03,740 --> 00:03:06,459 ドナルド・ジャッドの彫刻のように 40 00:03:06,459 --> 00:03:08,450 そのままの状態にしておくのか 41 00:03:08,450 --> 00:03:11,550 それとも 本や 旅行中に拾った石なんかを 42 00:03:11,550 --> 00:03:15,330 収納することにするかは 非常に興味深いです 43 00:03:16,380 --> 00:03:19,300 これは気に入っている作品のひとつで 44 00:03:19,310 --> 00:03:20,910 「格子」というモチーフに 立ち戻ります 45 00:03:20,910 --> 00:03:25,500 格子は人間の向上心の表れだ と思うのです 46 00:03:28,240 --> 00:03:30,180 あらゆるものが格子に基づいています 47 00:03:30,180 --> 00:03:32,130 カレンダーやスケジュール帳など 48 00:03:32,680 --> 00:03:35,940 人間の完璧を求める心なのです 49 00:03:35,940 --> 00:03:39,060 私が気に入っているのは 何かが完璧を目指し― 50 00:03:39,060 --> 00:03:41,599 私たちは本当に完璧な物に 仕上げようとするのに 51 00:03:41,599 --> 00:03:44,279 そうはならないという緊張感です 52 00:04:00,240 --> 00:04:04,160 大規模な織物の展覧会を 二度行いました 53 00:04:04,170 --> 00:04:06,770 織物をコンセプトとして 考えてきたのは 54 00:04:06,770 --> 00:04:08,770 格子であるからです 55 00:04:11,629 --> 00:04:13,760 不完全さを たくさん有しているようにも見え 56 00:04:13,760 --> 00:04:17,519 それが非常に興味深い理由です 57 00:04:19,209 --> 00:04:22,280 非常に規模の大きい織物を 作ることにしました 58 00:04:22,280 --> 00:04:25,770 小さな物をたくさん作って 自信をつけたのです 59 00:04:25,770 --> 00:04:27,250 (笑) 60 00:04:27,250 --> 00:04:28,510 人工的な自信かもしれませんが 61 00:04:28,510 --> 00:04:32,670 でもその過程で縦糸に たくさん問題が生じています 62 00:04:32,670 --> 00:04:34,690 [ジッテル、画面外で] 誰かが見ていればいいのに… 63 00:04:34,690 --> 00:04:35,810 「馬鹿ね 何でこんなことを しているのかしら…」 64 00:04:35,810 --> 00:04:37,060 [女性] 「信じられないわ!」って 65 00:04:37,060 --> 00:04:37,560 [ジッテル] ええ 66 00:04:37,560 --> 00:04:38,800 [女性] 手紙を送ってくれるかも 67 00:04:38,800 --> 00:04:39,960 [ジッテル] どうすればいいか 教えてくれるのね 68 00:04:39,960 --> 00:04:40,640 [女性] そう! 69 00:04:40,640 --> 00:04:41,420 [ジッテル] 素晴らしいわね 70 00:04:41,420 --> 00:04:42,420 [女性] メールして下さい! 71 00:04:42,430 --> 00:04:45,270 [ジッテル] 縦糸が均等でなくて 伸びてしまっています 72 00:04:45,270 --> 00:04:47,270 だからこうして木片を― 73 00:04:47,270 --> 00:04:50,150 木片をぶら下げています 74 00:04:51,960 --> 00:04:55,260 ここ数年の間 パネルという アイディアに取り組んでいます 75 00:04:55,260 --> 00:04:57,540 アートでありながら デザインでもあるという 76 00:04:57,540 --> 00:05:03,460 非常に微妙なミニマルな物の 交錯する点を見つけようとしています 77 00:05:16,360 --> 00:05:18,040 デザインには力があると言えるでしょう 78 00:05:18,050 --> 00:05:21,590 人々にずっと具体的な形で 関わるためです 79 00:05:21,590 --> 00:05:25,280 でもアートにはもっと余地と 80 00:05:25,280 --> 00:05:27,630 柔軟性があると思います 81 00:05:29,060 --> 00:05:33,980 そして私は成功と同じくらいに 失敗にもまた関心があるのです