やあ、僕はマーク
『Mind Over Magnet』というゲームを作ってる
愉快なパズルプラットフォーマーで
お察しの通り、磁石が出てくる
さて、クリスマス休暇を経て
ゲーム開発に戻ったとき
自分の Steam 開発者ダッシュボードに
面白いボタンがあることに気づいた
守秘義務契約とかのせいで
見せられないが
要は次の Next Fest に
ゲームを提出するボタンだ
これは Valve が主催する
オンラインのゲーム集会で
開発者は近々発売するゲームの
デモ版を披露できて
かなり強力な宣伝手法であることが
実証されている
というか、中毒性の高いポーカー系の
ローグライク『Balatro』が
2月の Next Fest でどうなったか見てくれ
だから『Mind Over Magnet』を6月に開催される
次の Next Fest に提出するしかないと思った
予告編映像やデモ版を作る必要があるし
1個の非常に厄介な問題を
解決する必要があった
何ヶ月も僕を悩ませていた問題だ
説明しよう
Developing - Episode 13
僕のゲームはドット絵だろ?
でもその画像はかなり大きい
というか、マグナスを
マリオやマデリンと比べてほしい
つまり通常の空間は
1280 x 720 画素でいっぱいになる
だから旧式の 720p モニターで
遊んでいるなら最高だ 完全一致
そして僕のように素敵な 1440p モニターで
遊んでいるならクールだ
全画素を2倍にすればいい
そしてとても素敵な 4K テレビで遊んでいるなら
全画素を3倍にすればいい
だが 1080p の場合は?
Valve の調査によると、この画面解像度が
PC で最も多く使われている
これは 720p の 1.5 倍の大きさだから
ちょっと厄介だ
そして、まあ、半画素なんてものは
存在しない
さて、この問題には
いくつかの対処法がある
1つは Unity に処理させることだ
例えばここに画素を足すとか
あそこの画素を消すとかやって
そういう半画素の全てを
画素の全マス目に収めるわけだ
だが言うほど完璧ではない
見た目が本当に歪んで醜くなる
角度や曲面については特にそうだ
もう1つの解決策はアンチエイリアシングを使って
ギザギザをボカすことだが
全体がボケて見えるし
もはやクッキリしたレトロなドット絵ではない
そして解決策3は、いやCか
名前は忘れたが
画素をそのままにして
画面の周りにめちゃデカい縁取りを設ける
すると全体が小さくズームアウトされる
僕はこれらの方法を全て試した
設定メニューに画面の縁取りを追加する
画素一致モードを入れた
システムのコードを書いて
画素が整数倍にならないときにだけ
アンチエイリアシングが
適用されるようにした
そして時々
もしかしたらプレイヤーは
醜い歪んだ画質に気づかないし
僕だけの問題なんじゃないかと思った
でも結局、最悪の中からマシな妥協点を
探しているような気がした
僕は長い時間をかけて
これらの間を行ったり来たりして
この3つの解決策の中から、まあ大体
このゲームに合いそうなものを見つけようとした
もちろん、第4の解決策もあるが
それについては考えたくもない
上手くいくだろうが
言いたくはない
分かった、言うよ
全てのドット絵を削除して
ゲームの全てのグラフィックスを
新しい 4K 対応の画像に置き換える
でも…それってイカれてるだろ?
それでゲームの全てのドット絵を
新しい 4K 対応の画像に置き換えた
全ての画像を3倍に拡大して
ペンツールやシェイプとかの
Photoshop のベクターツールで作り直した
全てのボタン、全てのドア、全ての装飾オブジェクト
全ての磁石、全ての UI 要素だ
そして意外にも
思ったほど時間はかからなかった
というか僕のドット絵はもともと線が太いし
単純な形と簡素な色で出来ている
あとこの新たに得た画素領域に
細部の描写を追加するのはやめた
Steam Deck とかの小さい画面でも
超読みやすくしたかったからだ
そして背景美術も
作り直さないことにした
代わりにドット絵のまま残して
被写界深度フィルターをかけてボカした
でも誰も知る必要ないだろ?
僕たちだけの秘密だ
そして全ての作業の後
僕はゲームの見た目に本当に満足してる
マグナスは魅力や個性が増した
このゲームはもはや一般的なドット絵の
独立系ゲームには見えない
そしてゲームは問題なく動いてる
4K テレビでも、1080p モニターでも
Steam Deck の小さい画面でも
同じように使える
問題なく動く
そして奇妙なことに
良い妥協案を探すのに費やした時間よりも
アート素材を作り直す時間の方が短かった
ここからとても良い教訓を得た
2つの教訓だ
1つは先に計画を立てること
僕は最終的なカメラシステムを作る
ずっとずっとずっと前にドット絵を作っていて
それらが上手く機能することを
期待していたが、ダメだった
というか Unity にはピクセルパーフェクトカメラ
というボタンがあって
これを有効にすれば全て完璧になると思っていたが
これは愚かで甘い考えだった
これはそういう仕組みではないが
今なら分かる
だがもう1つの教訓は
妥協案、抜け穴、回避策を探すことが
名案に感じることもあるが
それは怠惰な逃げ道だってことだ
そして時には歯を食いしばって
精力的にキツい仕事をやって
ちゃんと機能する真の解決策を
作ったほうがいい場合もある
だから今後は
時間を節約するために
真の解決策へすぐに直行するつもりだ
さて、そんな感じの悪夢が片付いたので
次の作業に進むときが来た
予告編の制作だ
これは長い間先延ばしにしていたものだ
単純にゲームがまだ完成していなくて
予告編で見せるものが少ないからだ
僕はワールド1を完成させたが
それを見せるだけなら
予告編全体で、同じ青緑色をした
下水道の同じ映像が
2分間にわたってずっと続くことになる
ゲームの内容を上手く描写できてない
そこで僕は古代の技法を使うことにした
「成功するまで偽る」だ
この場合は文字通り、作ることだ
というのも
多くの要素はまだ全然完成していない
ステージはまだプレイテストされてないし
現在の背景は開発に使ってる図面状のやつだ
背景は中途半端だし
色々な仕掛けはまだ完全に実装されてない
これらを全てまとめてコンテンツを作っても
それが完成版に 100% 収録されるわけではないが
ゲームがどんな感じになるのかを示してくれる
余談だが
僕はこれを上手くやりすぎたと思う
予告編を投稿した後
たくさんの人から
ゲームの完成を祝うコメントをもらったが
受け取るよ、ありがとう
実際は完成してない
どれも完成したフリだ!
それでこの新しいステージを
自分でプレイして録画した
音楽は流してないが予告編に使えるように
効果音は鳴らしておいた
あと画面解像度の話を
またするのを承知で
全てを 4K で録画したが
予告編は 1080p なので
ズームイン時に画質を損なうことなく
一番面白い部分を切り取ることができる
その後、この映像を
Adobe Premiere に入れて
最も面白い場面を全て切り取った
面白いアニメーション、仕掛けの描写
物語の場面といった具合だ
ところで、音楽に関しては
実はついにゲームの作曲家が決まったので
あの非常に長い Google 申込ページを
閉じることができる
申し込んでくれたみんな
本当にありがとう
作曲家はまだゲームに取り組む準備ができてないので
この予告編には
僕のお気に入りの音声素材集である
Epidemic Sound を使った
Epidemic Sound のクールなところは…
この動画は Epidemic Sound の広告ではないが
概要欄にあるリンクをクリックすると
僕は Epidemic Sound から報酬を得る
楽曲を落とすとき、曲全体だけでなく
構成要素を個別に使うこともできる
メロディ、ベース、ドラムなどだ
つまりドラムを分離して
映像をドラムの拍子に合わせて変化させることができる
こんな感じだ
予告編の物語的な流れに関しては
まずは磁気ビームでブロックを持ち上げるとかの
単純なものから始めている
それからテンポを下げて
マグナスを登場キャラとして紹介する
次にマグナスが仕組みとして
できることを見せて
それからゲームの後半で出てくる
他の要素を高速編集で見せる
他の磁石、他の仕掛け、他のワールドなどだ
そして最後に Steam のウィッシュリストに
入れるよう呼びかける
これは史上最高の予告編ではない
僕は1日でこれを作ったし
使用する映像もそれほど多くないし
単純に僕は Derek Lieu ではない
あらゆる独立系ゲームの
すごい予告編を作ってる男のことだ
でも今のところ目的を果たしてると思う
これを YouTube や他の SNS に投稿したら
ゲームのウィッシュリストが
3万件以上になった
Next Fest の開催前から
かなり良い結果だ
そして最後はデモ版だ
デモ版にどれだけの内容を入れたらいいのか
100% 確信が持てない
予告編と同じように
デモ版がワールド1だけだと
ゲーム全体のプレイがどんな感じか
あまり示すことができない
だからワールド2とかワールド2の半分とか
何かを入れるべきかもしれない
なのでそれを作り始める必要がある
だがいずれの場合でも
このゲームを完成させるために取り組むしかないと思う
例えば『Balatro』に話を戻すと
このゲームは Steam Next Fest の期間中に
大きな話題になり
その数週間後に正式発売されたわけだ
『Pepper Grinder』も似た感じで
Steam Next Fest での初披露から
約1ヶ月に発売される予定だ
だから6月の Next Fest で
自分のゲームを披露するなら
7月か8月の発売を
目指す必要があるだろう
それほど先のことではないから
このゲームを作り続けたほうがいい!
ところで、この数週間で
僕はかなり良いことを発見した
あまり大袈裟に言いたくないが
このゲームを完成させるための生産手法だ
これは『Portal』を作った Valve の手法から
大きな影響を受けた
Valve のプレイテスト哲学という動画で
説明したやつだ
基本的にはこんな感じだ
火曜から木曜は、ゲームの新しいコンテンツを作る
新しいステージ、凝った新しい背景
新しいカットシーン
ゲームの新しいものなら何でもだ
金曜はバグ修正をする
Trello の増え続けるやることリストから
数個の項目を削除し
そのバグを解決する良い方法を見つけ出して
さらにバグ修正をする
それから1日の終わりに
現時点のものを検査して
新しいビルドを書き出す
それから数人のプレイテスターに配布する
いつもは Twitter の誰かだが
プレイテスターは最大で3人だ
そして月曜に Twitter の DM を確認して
素敵なプレイテスト映像を入手する
映像全体を見て
変えたい部分をできるだけ多く書き留める
例えば、バグや
もっと磨くべきところや
簡単すぎるステージや
難しすぎるステージや
面倒くさすぎるステージや
その部分の開発時には予見してなかった抜け道などだ
今までゲーム開発を通じて
この工程を色々な形でやってきたが
今では完璧な工程になったと思う
例えば以前は
ビルドを一度に渡す人数が多すぎた
それだと膨大な量の映像を見るハメになる
これは圧倒されるし
誰かがバグや抜け道を
偶然見つけても
同じ問題が出てくる映像をあと9本も見るのは
本当につらいし
それほど有益でもない
それとプレイテスト用ビルドは週の半ばに配布しているが
その後はちょっと身動きがとれなくなる
プレイテスト映像が戻ってくるまで
何もできないからだ
だから金曜にやれば
みんなは週末にプレイして
僕は休みながら『Balatro』を
プレイできるってわけだ
そしてこの工程によって
ゲームが本当に形になりつつある
新しいコンテンツは
最初は少し粗削りで実験的なものだが
すぐにプレイテストが行われるし
長い間ゲームにあったものや
初期のステージは大勢のテスターに確認されて
ちょっとした微調整やバグ修正が行われ
今や本格的に
磨かれた良いものになりつつある
そしてこの工程によって
このゲームは Next Fest で披露した直後に
完成するだろうと
いくぶん自信を持っているが
僕がここに立って、やってきたことを
ダラダラと話していてもゲームは完成しないから
しばらくの間、開発に戻ろうと思う
プレイテストをしたり、テスト映像を見たり
新しいコンテンツを作ったり
バグ修正をしたり
『Balatro』をやる必要がある
前述の予定を見て、今日の日付と照合すれば
僕が何をしているか分かるだろう
毎度のことだが GMTK の支援者は
最新ビルドをいつでも自由にプレイできる
だが金銭的に番組を支援してない場合は…
というか支援してほしいが
Steam でウィッシュリストに追加すれば
次の Next Fest でデモ版が配信されたときに
通知が届くようになる
ご視聴ありがとう
また近いうちに会おう
(字幕翻訳:Nekofloor)