貯金は大切だし
貯金すべきだと
誰もが思っています
それでも 貯金をする人は
減っています
シリーズ 働き方
すべきことは分かっています
問題は そのやり方です
それをお教えしましょう
貯金にまつわる行動には 賢さも
意志の強さも関係しません
貯金額は環境要因によるのです
例を挙げてみましょう
ある研究では
ひとつのグループに
月あたりの収入を提示しました
別のグループでは
週あたりで提示しました
週あたりで収入を
把握したグループの方が
1か月を通じて
うまくやりくりできたのです
ここで大事なのは
収入額そのものは変わっておらず
収入を把握する条件を
変えただけだということです
このような環境要因には
影響力があります
ですから もうご存じのヒントを
教えることはしません
預金口座の開設方法や
退職後に備えた貯金の仕方は
ここではお話ししません
お教えしたいのは
貯金しようという意志を
実際の行動につなげる方法です
実際の行動につなげる方法です
準備はいいですか?
まず第1に
「予め決めたことの力を
利用しよう」
基本的に 私たちは
2通りの自分を考えます
今の自分と
将来の自分です
将来の自分は完璧です
退職後に向けた貯金もするし
体重も落とせるし
両親にもっと電話もします
でも忘れがちなのは
将来の自分が
今の自分と同一人物だということです
貯金をするのに最適なタイミングは
確定申告後です
そこで ABテストをしました
第1グループには
確定申告前の
2月初旬に連絡しました
こう尋ねました
「税金の還付があったら
どのくらい貯金したいですか?」
これは実に難しい質問です
還付があるかも いくら戻ってくるかも
分からないのですから
でもとにかく聞きました
第2グループには
還付を受けた直後に尋ねました
「どのくらい貯金したいですか?」
結果はこうでした
還付を受けたばかりの
第2グループは
17%貯金したいと答えました
確定申告前の2月に聞いた
第1グループでは
貯金したい額に
17%ではなく27%と多い金額を
見積もっていました
なぜでしょう?
将来の自分を
思い描いているからです
将来の自分は27%
貯金できるはずです
貯金にまつわる行動における
大きな変化は
決定する環境を
変えたことによって生まれます
同じ力を利用してください
ちょっと考えて
今の自分には
ちょっと難しいことを
将来の自分に約束できることを
考えてみましょう
前もって貯金額を決めるアプリを
使ってみてください
ポイントは約束を守ることです
第2に 「変化の時を
味方につけよう」
年配者がハウスシェアできる
ウェブサイトで
実験を行いました
ソーシャルメディアに
2つの広告を出し
64歳の人々を対象としました
1つのグループでは
「老齢に差し掛かったあなた
退職後に備えていますか?
ハウスシェアが役立ちます」
もう1つのグループでは
もっと具体的に
「もうすぐあなたも65歳
退職後に備えていますか?
ハウスシェアが役立ちます」
2つめのグループでは
変化が訪れつつあることを
強調しました
あっという間に
変化を強調しただけで
クリック率や登録率が
上がりました
心理学で「フレッシュスタート効果」
と呼ばれるものです
新しい年や
新しい季節の始まりには
行動するモチベーションが
上がるのです
今すぐ 次の誕生日の前日に
予定を書き込みましょう
金銭関連で一番やりたいことを
考えるんです
それをやり遂げましょう
第3のポイントは
「ちょっとした
日々の支出を管理しよう」
いくつかの調査を行って
判明したのは
銀行の手数料の次に
人々が後悔する出費は
外食でした
外食費は
ほぼ毎日する出費で
じわじわ効いてくるものです
コーヒーやら
ブリトーやら...
どんどん積み重なって
貯金できなくなるのです
私がニューヨークに
住んでいた頃
支出を見直したところ
ライドシェアリング・アプリに
2,000ドルも費やしていました
ニューヨークの家賃よりも
多い金額でした
変えようと決めました
でも翌月も2,000ドル
使ってしまいました
情報だけでは
行動は変わらなかったのです
環境を変えなかったからです
4,000ドルも使ってしまったので
2つのことをしました
まず クレジットカード情報を
アプリから削除しました
代わりに月々300ドルしか使えない
デビットカードを登録しました
もっと必要なら
新しいカードを追加する手順を
踏まなければなりません
クリックや妨げるものが多いと
行動は変わります
私たちは機械ではないし
そろばんを持ち歩いて
実際の支出を加算して
使える金額と比較し続けられません
でも脳が得意なのは
自分がしたことの
回数を数え上げることです
そこで上限を設けました
ライドシェアリングの利用回数を
週3回までにしました
移動手段を制限したんです
夫のためにライドシェアリングの
費用を管理できたのは
環境要因を変えたからです
何の支出にお金を
使いがちかを見極めて
そうしにくいように
環境を変えてみましょう
以上が私のアドバイスです
でも1つ覚えておいてください
人間ですから 貯金や
支出や予算を立てるとなると
不合理なこともするでしょう
でも幸い 自覚していますし
ある環境でどう振る舞うかを
予測することもできます
貯金についても
そうしましょう
将来の自分のために
環境を変えてみませんか