1 00:00:00,790 --> 00:00:06,881 映画製作者のジョルジュ・メリエスは もともとマジシャンでした 2 00:00:06,881 --> 00:00:13,641 映画は マジックを見せるには 最高のメディアです 3 00:00:13,641 --> 00:00:19,122 映画では 観客の見るものを 完璧にコントロールできるので 4 00:00:19,122 --> 00:00:23,479 製作者は より高度な 幻影を作ることを目指して 5 00:00:23,479 --> 00:00:27,773 さまざまな技術を 開発してきました 6 00:00:27,773 --> 00:00:32,588 動画自体 静止画を連続して 投影することで成り立つ― 7 00:00:32,588 --> 00:00:36,431 イリュージョンの産物です 8 00:00:36,431 --> 00:00:41,299 リュミエール兄弟が発明した映画を見た 当時の観客は心底 驚いたものです 9 00:00:41,299 --> 00:00:43,995 映画を見慣れた 現代の観客ですら 10 00:00:43,995 --> 00:00:46,915 スクリーンに 釘づけになります 11 00:00:46,915 --> 00:00:50,595 製作者たちは 現実との ギャップを利用することで 12 00:00:50,595 --> 00:00:53,142 大きな効果を上げます 13 00:00:53,142 --> 00:00:57,452 400年以上もの間 想像力豊かな人々は 14 00:00:57,452 --> 00:00:59,521 イリュージョンを 楽しんできました 15 00:00:59,521 --> 00:01:03,322 16世紀 ナポリの学者 デッラ・ポルタは 16 00:01:03,322 --> 00:01:08,924 観察と研究を積み重ね 17 00:01:08,924 --> 00:01:12,571 自然界を操作する方法を 学びました 18 00:01:12,571 --> 00:01:15,987 世界や 私達が知覚した 世界像を操ることが 19 00:01:15,987 --> 00:01:19,277 視覚効果の本質です 20 00:01:19,277 --> 00:01:21,459 映画芸術科学アカデミー 21 00:01:21,459 --> 00:01:23,811 科学技術評議会の協力により― 22 00:01:23,811 --> 00:01:26,971 視覚効果の本質を 掘り下げることで 23 00:01:26,971 --> 00:01:31,459 テクニックの裏側にある 真実が明らかになります 24 00:01:31,459 --> 00:01:36,803 視覚効果は イリュージョンの 原理に基づいています 25 00:01:36,803 --> 00:01:40,483 1 もの事は私達が知る 通りだという “先入観” ― 26 00:01:40,483 --> 00:01:44,556 2 もの事は私達の予想通り 展開するという “思い込み” ― 27 00:01:44,556 --> 00:01:47,053 3 “リアリティを支える背景知識” 28 00:01:47,053 --> 00:01:49,645 これは私達がもつ 世界に関する知識で 29 00:01:49,645 --> 00:01:51,247 スケール感などが よい例です 30 00:01:51,247 --> 00:01:55,324 そして皆がこだわる 4つ目の要素は 31 00:01:55,324 --> 00:01:59,429 “イリュージョンは絶対に 気付かれてはならない” 32 00:01:59,429 --> 00:02:02,532 このため 視覚効果は 33 00:02:02,532 --> 00:02:05,884 常に完璧を 目指してきました 34 00:02:05,884 --> 00:02:10,611 これからお見せするのは 手回しカメラを使っていた― 35 00:02:10,611 --> 00:02:15,691 映画の草創期から 最近の アカデミー賞受賞作まで 36 00:02:15,691 --> 00:02:20,898 視覚効果が進化し 時に繰り返す様子です 37 00:02:20,898 --> 00:02:24,386 お楽しみください 38 00:02:24,386 --> 00:02:29,349 「ジョルジュ・メリエスは 39 00:02:29,349 --> 00:02:33,725 映画には 夢を とらえる力があると― 40 00:02:33,725 --> 00:02:36,357 気づいた人物よ」 41 00:02:36,357 --> 00:02:38,933 気づいた人物よ」 42 00:02:38,933 --> 00:02:42,206 『月世界旅行』 (1902年) 43 00:02:42,206 --> 00:02:46,998 オリジナルの手彩色の再現 (2011年) 44 00:02:55,045 --> 00:02:58,891 『2001年宇宙の旅』 (1968年) 45 00:02:58,891 --> 00:03:02,412 アカデミー視覚効果賞 受賞 46 00:03:09,746 --> 00:03:11,866 「気分はどう ジェイク?」 『アバター』 (2009年) 47 00:03:11,866 --> 00:03:13,320 「やあ みんな」 48 00:03:13,320 --> 00:03:14,322 アカデミー視覚効果賞 受賞 49 00:03:14,322 --> 00:03:17,710 「新しい身体へ ようこそ」 50 00:03:17,710 --> 00:03:21,029 「ゆっくり始めていこう」 「起きたいの?いいわよ」 51 00:03:21,029 --> 00:03:22,941 「ゆっくり・・・気をつけて」 52 00:03:22,941 --> 00:03:26,597 「機能障害はなさそうだ」 「ボーっとする?めまいは?」 53 00:03:26,597 --> 00:03:28,392 「足の指 動かせるね」 54 00:03:28,392 --> 00:03:30,801 『アリス ~不思議の国の大冒険~』 (1972年) 55 00:03:30,801 --> 00:03:34,361 「私 どうしたのかしら?」 56 00:03:38,329 --> 00:03:42,103 『アリス・イン・ワンダーランド』 (2010年) 57 00:03:42,103 --> 00:03:45,606 アカデミー視覚効果賞 ノミネート 58 00:03:48,363 --> 00:03:51,684 『ロスト・ワールド』 (1925年) 59 00:03:51,684 --> 00:03:54,453 ストップモーション・アニメーション 60 00:03:54,453 --> 00:03:58,713 『ジュラシック・パーク』 (1993年) 61 00:03:58,713 --> 00:04:02,031 CGアニメーション 62 00:04:02,031 --> 00:04:05,613 アカデミー視覚効果賞 受賞 63 00:04:14,653 --> 00:04:18,476 『スマーフ』 (2011年) 64 00:04:18,476 --> 00:04:22,751 Autodesk Mayaで制作した キーフレーム アニメーション 65 00:04:22,751 --> 00:04:25,373 『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』 (2011年) 66 00:04:25,373 --> 00:04:27,872 アカデミー視覚効果賞 ノミネート 67 00:04:27,872 --> 00:04:31,326 『メトロポリス』 (1927年) 68 00:04:31,326 --> 00:04:48,157 (音楽) 69 00:04:48,157 --> 00:04:52,444 『ブレードランナー』 (1982年) 70 00:04:52,444 --> 00:04:57,777 アカデミー視覚効果賞 ノミネート 71 00:05:00,233 --> 00:05:02,369 「もう大丈夫だ」 『雨ぞ降る』 (1939年) 72 00:05:02,369 --> 00:05:04,311 「心配するな」 73 00:05:04,311 --> 00:05:07,379 アカデミー特殊効果賞 受賞第一作 74 00:05:07,379 --> 00:05:15,934 (爆発音) 75 00:05:15,934 --> 00:05:21,687 「最悪の状況は過ぎた模様です」 『2012』 (2009年) 76 00:05:21,687 --> 00:05:25,825 CGによる破壊 77 00:05:32,557 --> 00:05:35,860 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 (2003年) 78 00:05:35,860 --> 00:05:39,284 ソフトウェアにより大規模な群衆を生成 79 00:05:39,284 --> 00:05:42,973 アカデミー視覚効果賞 受賞 80 00:05:42,973 --> 00:05:46,666 『ベン・ハー』 (1925年) 81 00:05:46,666 --> 00:05:50,500 ミニチュアと人形により動く群衆 82 00:05:54,698 --> 00:05:58,087 『グラディエーター』 (2000年) 83 00:05:58,087 --> 00:06:01,906 CGによる競技場とデジタル群衆 84 00:06:01,906 --> 00:06:05,493 アカデミー視覚効果賞 受賞 85 00:06:06,133 --> 00:06:11,437 『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』 (2011年) 86 00:06:11,437 --> 00:06:14,853 アカデミー視覚効果賞 ノミネート 87 00:06:23,895 --> 00:06:26,379 アカデミー科学技術評議会の協力により制作 88 00:06:26,379 --> 00:06:27,453 “今では 不可能なことも ありえないことも 実現できる ― ジョルジュ・メリエス” 89 00:06:27,453 --> 00:06:30,744 “今では 不可能なことも ありえないことも 実現できる ― ジョルジュ・メリエス” 90 00:06:30,744 --> 00:06:34,460 ありがとうございます