WEBVTT

00:00:06.797 --> 00:00:10.852
私が９歳の頃 先生とは
肩書であると思っていました

00:00:10.852 --> 00:00:13.316
教室の前に立ち

00:00:13.316 --> 00:00:16.276
聞いている生徒に向かって
授業をする人だと

00:00:16.276 --> 00:00:19.661
私は低所得の家の子の為の
私立校に５年間通いました

00:00:19.661 --> 00:00:23.376
多くの友達は勉強に興味を失っていました

00:00:23.376 --> 00:00:25.826
授業を聞かない生徒もいれば

00:00:25.826 --> 00:00:28.509
何日も学校に来ない
生徒もいました

00:00:28.509 --> 00:00:33.038
先生にとって プレッシャーやストレスに
なっていることに気づきました

00:00:33.038 --> 00:00:34.734
そこで 疑問に思いました

NOTE Paragraph

00:00:34.734 --> 00:00:37.683
40人の生徒をたった一人で教えることの

00:00:37.683 --> 00:00:40.789
難しさとは どんなものだろうと

00:00:40.789 --> 00:00:44.379
なぜ生徒は一人の先生に
頼る必要があるのか疑問に思いました

00:00:44.379 --> 00:00:48.373
いつになったら 自分たちには
「一人」の先生がいることに気づくのだろうと

00:00:48.373 --> 00:00:50.784
この状況を何とかしたかったのです

00:00:50.784 --> 00:00:56.374
そこで いつでも どんなやり方であろうと
可能な限り 先生の手助けをすることにしました

00:00:56.374 --> 00:00:59.741
毎日 先生の代わりに出席をとり

00:00:59.741 --> 00:01:02.197
黒板に日程を書きました

00:01:02.197 --> 00:01:03.591
課題が出たら

00:01:03.591 --> 00:01:07.854
問題を解くのに手間取っている
生徒達に教えてあげました

00:01:07.854 --> 00:01:10.045
先生が休んだ日は

00:01:10.045 --> 00:01:15.428
何をするべきかを
電話で聞きました

00:01:15.428 --> 00:01:20.826
そして言われたとおり クラスの様子を見て
学ぶべき重要な語句を示したり

00:01:20.826 --> 00:01:25.106
算数の問題を与えたり
時には宿題を出すこともありました

00:01:25.106 --> 00:01:28.090
時が経つにつれて 手伝う
クラスメートが増えていきました

00:01:28.090 --> 00:01:33.070
少しづつ 自主的に学ぶことが
身についてきたのです

NOTE Paragraph

00:01:33.070 --> 00:01:37.710
しばらく この状況が続きました
でも もっと何かしたかったのです

NOTE Paragraph

00:01:37.710 --> 00:01:41.562
多くの友達はリーディングと
文章読解に手助けが必要でした

00:01:41.562 --> 00:01:45.286
友達のピンキーと私は
読書が大好きだったので

00:01:45.286 --> 00:01:47.649
読書クラブをつくりました

00:01:47.649 --> 00:01:50.928
このクラブには４、５、６年生の
生徒がいて

00:01:50.928 --> 00:01:53.781
ほとんどの生徒のリーディングの
レベルは低かったです

NOTE Paragraph

00:01:53.781 --> 00:01:57.755
絵が多く字数の少ない本から
ゆっくりと始めていきました

00:01:57.755 --> 00:02:00.038
それが読めるようになったら

00:02:00.038 --> 00:02:05.348
字数の多い本を読んでもらい
難易度を上げていきました

00:02:05.348 --> 00:02:08.486
登場人物や性格

00:02:08.486 --> 00:02:11.942
主な出来事やストーリーの主題などについて
ディスカッションしました

NOTE Paragraph

00:02:11.942 --> 00:02:16.902
何度かやったあと 先生がテストをしたら
点数が上がっていたのです

00:02:16.902 --> 00:02:22.637
たった１ヶ月で リーディングの
レベルが1.5 伸びている子もいました

00:02:22.637 --> 00:02:23.533
やがて

00:02:23.533 --> 00:02:28.393
お年寄りと読書サークルを開く
機会に恵まれました

00:02:28.393 --> 00:02:30.111
こういった経験の後

00:02:30.111 --> 00:02:34.831
自分の年齢や
自分が在籍していたクラスに関わらず

00:02:34.831 --> 00:02:38.203
ほんの短い間でも
自分が先生になったことを誇りに思いました

NOTE Paragraph

00:02:38.203 --> 00:02:40.184
皆さんに質問があります

00:02:40.184 --> 00:02:43.803
皆さんは何かに情熱を持っていますか？

00:02:43.803 --> 00:02:47.281
もちろんイエスですね
私にもたくさんあります

NOTE Paragraph

00:02:47.281 --> 00:02:51.719
料理 編み物 ガーデニング 
絵を描くことなどです

00:02:51.719 --> 00:02:55.970
こういった情熱を持てるのは人生で
出会ったいろいろな先生達のおかげです

00:02:55.970 --> 00:02:59.445
私の先生であるファラーンさんは
学校の庭師です

00:02:59.445 --> 00:03:02.315
パーマカルチャー(環境重視の持続型農業)
について教わりました

00:03:02.315 --> 00:03:07.125
最近は新しいガーデニング手法
アクアポニックスについて教わっています

00:03:07.125 --> 00:03:09.806
他には 母に料理を
教わりました

00:03:09.806 --> 00:03:13.312
母が留守の時に
自分の事が自分でできるようにと

00:03:13.312 --> 00:03:17.541
どちらも先生という肩書は
ついていないことにお気づきですね

00:03:17.541 --> 00:03:19.998
しかしそれぞれの分野では
先生なのです

00:03:19.998 --> 00:03:24.237
考えてみて下さい あなたの人生に
そういった先生はいますか

00:03:24.237 --> 00:03:26.558
もちろんいますよね

NOTE Paragraph

00:03:26.558 --> 00:03:27.689
私のコミュニティーでは

00:03:27.689 --> 00:03:31.604
いろいろな人々から異なる事を
学ぶことができます

00:03:31.604 --> 00:03:36.186
たとえばゴミ収集の組織のあり方
清掃人からは掃除の仕方

00:03:36.186 --> 00:03:39.945
大工さんからは数学
主婦からは料理

00:03:39.945 --> 00:03:43.317
お店の経営者からは商売について
学ぶことができます

00:03:43.317 --> 00:03:47.897
しかし 私たちは こういった人々から
学べるなどと 考えることはあるでしょうか？

00:03:47.897 --> 00:03:51.703
いいえ 私たちは その人たちの
年齢 性別 職業をみて 教わることは

00:03:51.703 --> 00:03:53.295
何も無いと
決め付けてしまいます

NOTE Paragraph

00:03:53.295 --> 00:03:56.684
しかし実際は彼らから多くの
異なる事を教わることができます

00:03:56.684 --> 00:03:59.054
私は誰しもが先生だと
信じています

00:03:59.054 --> 00:04:01.075
あなたも先生であり 私も先生なのです

00:04:01.075 --> 00:04:05.033
年齢 性別 職業に関わらずです

00:04:05.033 --> 00:04:08.707
私たちのまわりにいる人々を
先生として見ることが出来たなら

00:04:08.707 --> 00:04:12.339
いつの日か先生と生徒の割合が
完全に１:１になると信じています

00:04:12.339 --> 00:04:13.749
ありがとうございました