WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:03.000 私が7歳で妹が5歳の時 00:00:03.000 --> 00:00:06.000 2段ベッドの上で一緒に遊んでいました 00:00:06.000 --> 00:00:08.000 当時私は妹より2つ年上で・・・ 00:00:08.000 --> 00:00:11.000 今でも2つ年上ですが・・・ 00:00:11.000 --> 00:00:14.000 当時は何でも私が仕切っていて 00:00:14.000 --> 00:00:16.000 戦争ごっこをすることになりました 00:00:16.000 --> 00:00:18.000 それで2段ベッドの上で 00:00:18.000 --> 00:00:20.000 一方の端には 00:00:20.000 --> 00:00:22.000 私のG.I.ジョーの兵士と武器が並び 00:00:22.000 --> 00:00:25.000 もう一方には妹のマイリトルポニーが 00:00:25.000 --> 00:00:27.000 騎馬突撃に備えていました NOTE Paragraph 00:00:27.000 --> 00:00:29.000 あの日の午後起きたことに関しては 00:00:29.000 --> 00:00:32.000 見解の相違があるのですが 今日この場に妹は来ていないので 00:00:32.000 --> 00:00:34.000 皆さんに真実をお話しすることにしましょう 00:00:34.000 --> 00:00:36.000 (笑) 00:00:36.000 --> 00:00:38.000 妹はすこしばかり不器用なところがあって 00:00:38.000 --> 00:00:41.000 兄が押しも何もしていないのに 00:00:41.000 --> 00:00:43.000 突然ベッドの上から姿を消し 00:00:43.000 --> 00:00:45.000 床に落下しました 00:00:45.000 --> 00:00:47.000 妹に何が起きたのか恐る恐る 00:00:47.000 --> 00:00:50.000 ベッドの脇から覗いてみると 00:00:50.000 --> 00:00:52.000 妹は四つん這いで 00:00:52.000 --> 00:00:54.000 痛々しく着地していました NOTE Paragraph 00:00:54.000 --> 00:00:56.000 私は不安になりました 00:00:56.000 --> 00:00:58.000 危ないことをせず 大人しく 00:00:58.000 --> 00:01:01.000 妹と遊びなさいと 親にきつく言われていたからです 00:01:01.000 --> 00:01:04.000 特に一週間前に妹の腕を 00:01:04.000 --> 00:01:06.000 怪我させたばかりということもあって・・・ 00:01:06.000 --> 00:01:10.000 (笑) 00:01:10.000 --> 00:01:12.000 空想上の狙撃手から妹を守ろうと 00:01:12.000 --> 00:01:15.000 勇敢にも押し飛ばしたんです 00:01:15.000 --> 00:01:17.000 (笑) 00:01:17.000 --> 00:01:19.000 まだお礼も言ってもらっていませんが 00:01:19.000 --> 00:01:21.000 必死で助けようとしたんです 00:01:21.000 --> 00:01:23.000 妹は弾に気づきもしなかったんですから 00:01:23.000 --> 00:01:25.000 私はいつだって兄らしく振る舞ってきたのです NOTE Paragraph 00:01:25.000 --> 00:01:27.000 下にいる妹の顔を見ると 00:01:27.000 --> 00:01:29.000 痛みと苦しみと驚きに 00:01:29.000 --> 00:01:31.000 泣き声を上げそうになっていて 00:01:31.000 --> 00:01:34.000 冬の長いお昼寝中の両親を 今にもたたき起こさんとしていました 00:01:34.000 --> 00:01:36.000 パニくった7歳児の頭で 00:01:36.000 --> 00:01:39.000 悲劇を回避すべく思い付いた唯一のことをしました 00:01:39.000 --> 00:01:41.000 お子さんがいれば よく目にするでしょう 00:01:41.000 --> 00:01:43.000 こう言ったんです 「エイミー お願い 泣かないで 00:01:43.000 --> 00:01:45.000 どんな風に着地したかわかる? 00:01:45.000 --> 00:01:48.000 人間なら四つん這いで着地なんてしないよ 00:01:48.000 --> 00:01:51.000 これはつまり お前はユニコーンだってことさ」 NOTE Paragraph 00:01:51.000 --> 00:01:54.000 (笑) NOTE Paragraph 00:01:54.000 --> 00:01:57.000 ずるいやり方です 妹にとって 自分が痛みに耐える5歳児ではなく 00:01:57.000 --> 00:01:59.000 特別なユニコーンであるという考えほど 00:01:59.000 --> 00:02:01.000 魅力的なものはなかったでしょうから 00:02:01.000 --> 00:02:04.000 もちろん妹はそんな風に考えたことはありませんでした 00:02:04.000 --> 00:02:07.000 操作されている哀れな妹の小さな頭が 00:02:07.000 --> 00:02:09.000 葛藤しているのが見て取れました 00:02:09.000 --> 00:02:11.000 今経験している痛みと苦しみと驚きに 00:02:11.000 --> 00:02:13.000 すべてを傾けるか それとも 00:02:13.000 --> 00:02:15.000 新たに見出したユニコーンとしての 00:02:15.000 --> 00:02:17.000 自分に浸るか——そして後者が勝ちを収めました 00:02:17.000 --> 00:02:19.000 泣き出し 遊ぶのをやめて 親に言いつけ 00:02:19.000 --> 00:02:21.000 私に降りかかったであろう 00:02:21.000 --> 00:02:23.000 ネガティブな結果を引き起こす代わりに 00:02:23.000 --> 00:02:25.000 顔に笑みを広げてベッドの上に駆け戻り 00:02:25.000 --> 00:02:28.000 子ユニコーンの優美さを見せたのです・・・ 00:02:28.000 --> 00:02:30.000 (笑) 00:02:30.000 --> 00:02:32.000 ・・・痛む片足を引きずりながら NOTE Paragraph 00:02:32.000 --> 00:02:34.000 5歳と7歳という 00:02:34.000 --> 00:02:36.000 この幼年時代に私たちが体験したのは・・・ 00:02:36.000 --> 00:02:38.000 当時は何か理解していませんでしたが・・・ 00:02:38.000 --> 00:02:41.000 20年後に人間の脳の見方を変えることになる 00:02:41.000 --> 00:02:44.000 科学的革命の先駆けだったのです 00:02:44.000 --> 00:02:47.000 私たちが体験したのはポジティブ心理学と呼ばれるもので 00:02:47.000 --> 00:02:49.000 それは私がここにいる理由であり 00:02:49.000 --> 00:02:51.000 日々活動する力になっているものです NOTE Paragraph 00:02:51.000 --> 00:02:53.000 この研究について 学問の場以外の 00:02:53.000 --> 00:02:55.000 企業や学校などで話すようになったとき 00:02:55.000 --> 00:02:57.000 講演をグラフで始めたりしたらいけないと 00:02:57.000 --> 00:02:59.000 言われたものです でも講演のはじめに 00:02:59.000 --> 00:03:01.000 私が見せたいのはグラフなんです 00:03:01.000 --> 00:03:03.000 一見退屈なグラフに見えますが これこそ 00:03:03.000 --> 00:03:05.000 私が心躍らせ活動し始める理由なのです 00:03:05.000 --> 00:03:07.000 それにこのグラフは何も意味しません 00:03:07.000 --> 00:03:09.000 でっち上げたデータですから・・・ NOTE Paragraph 00:03:09.000 --> 00:03:13.000 (笑) NOTE Paragraph 00:03:13.000 --> 00:03:16.000 これが皆さんの調査データだったなら すごく興奮したでしょう 00:03:16.000 --> 00:03:18.000 非常にはっきりした傾向が見られます 00:03:18.000 --> 00:03:20.000 だから論文誌にも掲載されるでしょうし 00:03:20.000 --> 00:03:22.000 実際それが重要なすべてです 00:03:22.000 --> 00:03:24.000 曲線から外れた変な点がある事実は・・・ 00:03:24.000 --> 00:03:26.000 変わった人が混じっているのは・・・ 00:03:26.000 --> 00:03:29.000 さっき見て誰か分かっているので 00:03:29.000 --> 00:03:31.000 問題ではありません 00:03:31.000 --> 00:03:33.000 皆さんお分かりでしょうが 問題ないのです 00:03:33.000 --> 00:03:35.000 単に削除すればいいのですから 00:03:35.000 --> 00:03:37.000 削除できるのは 明らかに測定誤差だからで 00:03:37.000 --> 00:03:39.000 それが測定誤差である理由は 00:03:39.000 --> 00:03:42.000 私のデータを台無しにしてしまうからです NOTE Paragraph 00:03:42.000 --> 00:03:44.000 経済 統計 心理といった授業で 00:03:44.000 --> 00:03:47.000 最初に教えているのが何かと言うと 00:03:47.000 --> 00:03:50.000 統計的に適切な方法で異常値を抹消する方法です 00:03:50.000 --> 00:03:52.000 一番良い曲線が得られるよう 00:03:52.000 --> 00:03:54.000 異常値を消すにはどうすれば良いか? 00:03:54.000 --> 00:03:56.000 もし私の見出そうとしているのが 00:03:56.000 --> 00:03:59.000 「平均的な人は鎮痛剤を何錠飲むべきか」なら それは結構ですが 00:03:59.000 --> 00:04:01.000 見出したいと思っているのが 潜在能力や 00:04:01.000 --> 00:04:03.000 幸福 生産性 エネルギー 00:04:03.000 --> 00:04:05.000 創造性の秘密であるなら このやり方は 00:04:05.000 --> 00:04:07.000 科学の名による「平均」教崇拝です NOTE Paragraph 00:04:07.000 --> 00:04:09.000 「子どもが教室で読み方を学ぶ早さ」 00:04:09.000 --> 00:04:11.000 について質問をしたなら 科学者は 00:04:11.000 --> 00:04:13.000 「平均的な子どもが教室で読み方を学ぶ早さ」に言い換えます 00:04:13.000 --> 00:04:15.000 「平均的な子どもが教室で読み方を学ぶ早さ」に言い換えます 00:04:15.000 --> 00:04:17.000 そして平均に合わせて教室を仕立てるのです 00:04:17.000 --> 00:04:19.000 この曲線で平均より下になるようなら 00:04:19.000 --> 00:04:21.000 心理学者は色めき立つでしょう 00:04:21.000 --> 00:04:24.000 それは抑鬱傾向にあるか障害を持っているということで 00:04:24.000 --> 00:04:26.000 両方なら言うことありません 00:04:26.000 --> 00:04:28.000 そう望むのは 精神医のビジネスモデルは 00:04:28.000 --> 00:04:30.000 1つの問題を抱えて診療を受けに来た人に 00:04:30.000 --> 00:04:32.000 問題を10個抱えていると自覚させ 00:04:32.000 --> 00:04:34.000 繰り返し通院させることだからです 00:04:34.000 --> 00:04:36.000 必要なら子ども時代にも遡り 00:04:36.000 --> 00:04:38.000 最終的には患者を正常に戻したいと思いますが 00:04:38.000 --> 00:04:40.000 正常というのは単に平均的というに過ぎません NOTE Paragraph 00:04:40.000 --> 00:04:42.000 ポジティブ心理学が指摘するのは 00:04:42.000 --> 00:04:44.000 平均的に過ぎないものを研究していたら 00:04:44.000 --> 00:04:46.000 平均的なものにしかなれないということです 00:04:46.000 --> 00:04:48.000 ポジティブな異常値を消してしまうのはなく 00:04:48.000 --> 00:04:50.000 あのような分布を見たら むしろ積極的に 00:04:50.000 --> 00:04:52.000 なぜかと問うべきです ある人たちの能力は— 00:04:52.000 --> 00:04:54.000 なぜ曲線の遙か上なのか? 00:04:54.000 --> 00:04:56.000 知的能力 運動能力 音楽センス 00:04:56.000 --> 00:04:58.000 創造性 エネルギーのレベル 00:04:58.000 --> 00:05:00.000 困難に直面したときの反発力 ユーモアのセンス 00:05:00.000 --> 00:05:03.000 それが何であれ 取り除いてしまうのではなく 研究したいのです 00:05:03.000 --> 00:05:05.000 そうすれば みんなを 00:05:05.000 --> 00:05:07.000 平均まで引き上げるだけでなく 00:05:07.000 --> 00:05:10.000 自分の会社や 世界中の学校の平均自体を引き上げる方法だって 00:05:10.000 --> 00:05:12.000 分かるかもしれません NOTE Paragraph 00:05:12.000 --> 00:05:14.000 このグラフが私にとって大切なのは 00:05:14.000 --> 00:05:16.000 ニュースを見ていると その大半は 00:05:16.000 --> 00:05:18.000 ポジティブでなく ネガティブなものだからです 00:05:18.000 --> 00:05:21.000 ニュースの多くは殺人や汚職や病気や自然災害といった話です 00:05:21.000 --> 00:05:23.000 そのため脳は 現実はネガティブなこと 00:05:23.000 --> 00:05:25.000 ばかりだと思い込みます 00:05:25.000 --> 00:05:27.000 俗に言う 医学部症候群を 00:05:27.000 --> 00:05:29.000 起こすのです 00:05:29.000 --> 00:05:31.000 医学部に行った知人がいれば分かりますが 00:05:31.000 --> 00:05:33.000 彼らは医学部での最初の年に 00:05:33.000 --> 00:05:35.000 様々な症状や病気について読むうちに 00:05:35.000 --> 00:05:37.000 ふと どれも自分に該当すると気づくのです NOTE Paragraph 00:05:37.000 --> 00:05:40.000 私にはボボという義理の弟がいて・・・また別な話になりますが 00:05:40.000 --> 00:05:43.000 ボボはユニコーンのエイミーと結婚しました 00:05:43.000 --> 00:05:46.000 イエールの医学部にいるボボから 00:05:46.000 --> 00:05:49.000 電話がかかってきて言うのです 00:05:49.000 --> 00:05:51.000 「ショーン 僕はハンセン病みたいだ」 00:05:51.000 --> 00:05:53.000 (笑) 00:05:53.000 --> 00:05:55.000 イエールでもきっと珍しことでしょう 00:05:55.000 --> 00:05:58.000 私には哀れなボボをどう慰めていいのか分かりませんでした 00:05:58.000 --> 00:06:00.000 何しろ 先週ずっと思い悩んでいた更年期障害を NOTE Paragraph 00:06:00.000 --> 00:06:02.000 克服したばかりだったんですから (笑) NOTE Paragraph 00:06:02.000 --> 00:06:05.000 これで分かるのは 必ずしも現実が私たちを形作るのではなく 00:06:05.000 --> 00:06:08.000 脳が世界を見るレンズによって 私たちの現実は形作られるということです 00:06:08.000 --> 00:06:11.000 そのレンズを変えれば 自分の幸福を変えられるばかりでなく 00:06:11.000 --> 00:06:14.000 あらゆる学習や仕事の結果を変えることもできるのです NOTE Paragraph 00:06:14.000 --> 00:06:16.000 私がハーバードに願書を出したのは 00:06:16.000 --> 00:06:19.000 やってみただけで 入れるとは思わず 経済的余裕もありませんでした 00:06:19.000 --> 00:06:21.000 2週間後に軍の奨学金が取れ 入学を許可されました 00:06:21.000 --> 00:06:24.000 突然 可能性のなかったことが現実になったのです 00:06:24.000 --> 00:06:27.000 ハーバードに入ったとき 他の人もみんな それを名誉に思い 00:06:27.000 --> 00:06:29.000 興奮していることだろうと思いました 00:06:29.000 --> 00:06:31.000 周りが自分より頭のいい人ばかりでも 00:06:31.000 --> 00:06:33.000 そこにいること自体を幸せに感じるだろうと・・・ 00:06:33.000 --> 00:06:35.000 しかし必ずしもそうではないことに 00:06:35.000 --> 00:06:37.000 気がつきました 00:06:37.000 --> 00:06:39.000 大学での4年の後 00:06:39.000 --> 00:06:41.000 寮で他の学生たちと8年過ごしましたが・・・ 00:06:41.000 --> 00:06:44.000 ハーバードに頼まれたんです 留年したんじゃありませんよ 00:06:44.000 --> 00:06:48.000 (笑) 00:06:48.000 --> 00:06:51.000 問題を抱えている学生のカウンセリングを頼まれたんです 00:06:51.000 --> 00:06:53.000 その時やった調査や指導で気づいたのは 00:06:53.000 --> 00:06:55.000 ハーバードに入るという成功に 00:06:55.000 --> 00:06:58.000 はじめは幸せを感じていても 2週間も経つと 00:06:58.000 --> 00:07:01.000 頭を占めているのはハーバードにいられるありがたみでも 00:07:01.000 --> 00:07:03.000 哲学や物理の勉強のことでもなく 00:07:03.000 --> 00:07:05.000 競争 勉強の重荷 厄介な問題 00:07:05.000 --> 00:07:07.000 ストレス 不満といったことなのです NOTE Paragraph 00:07:07.000 --> 00:07:09.000 ハーバードに入ったばかりの頃 00:07:09.000 --> 00:07:12.000 生まれ育ったテキサス州の田舎町から遊びにきた友達と一緒に 00:07:12.000 --> 00:07:14.000 一年生の食堂ホールに入りました 00:07:14.000 --> 00:07:16.000 食堂を見回していた友達が言いました 00:07:16.000 --> 00:07:18.000 「この食堂 ハリー・ポッターに出てくる 00:07:18.000 --> 00:07:20.000 ホグワーツみたいだな」その通りでした 00:07:20.000 --> 00:07:22.000 映画のホグワーツと ハーバードの食堂です 00:07:22.000 --> 00:07:24.000 それから友達は言いました 00:07:24.000 --> 00:07:26.000 「ハーバードで幸福の研究をするなんて 00:07:26.000 --> 00:07:28.000 時間の無駄じゃないの? ハーバードの学生でいて 00:07:28.000 --> 00:07:30.000 どうして不幸に思えるのか分からないよ」 NOTE Paragraph 00:07:30.000 --> 00:07:32.000 この質問には 00:07:32.000 --> 00:07:34.000 幸福に関する科学を理解する鍵が隠れています 00:07:34.000 --> 00:07:36.000 この質問は 人の幸福の度合いが 00:07:36.000 --> 00:07:39.000 その人の周囲の環境を見て言い当てられるものと仮定していますが 00:07:39.000 --> 00:07:41.000 実際には 周囲のことがすべて分かったとしても 00:07:41.000 --> 00:07:44.000 その人の長期的な幸福について予想できるのは10%くらいで 00:07:44.000 --> 00:07:46.000 あとの90%は周囲の環境ではなく 00:07:46.000 --> 00:07:48.000 脳が周囲の環境をどう処理するかに 00:07:48.000 --> 00:07:50.000 かかっているということです 00:07:50.000 --> 00:07:52.000 そして私たちが 00:07:52.000 --> 00:07:54.000 幸福と成功の法則を変えられれば 00:07:54.000 --> 00:07:56.000 私たちにできることが変わり 00:07:56.000 --> 00:07:58.000 現実を変えることもできるのです 00:07:58.000 --> 00:08:00.000 私たちの発見は 仕事での成功について 00:08:00.000 --> 00:08:02.000 IQによって予測できるのは25%だけで 00:08:02.000 --> 00:08:04.000 残りの75%は 00:08:04.000 --> 00:08:07.000 楽観の度合いや 周りからのサポート 00:08:07.000 --> 00:08:10.000 ストレスを脅威ではなく挑戦と受け取る能力にかかっているのです NOTE Paragraph 00:08:10.000 --> 00:08:13.000 ニューイングランドでも最も格式高い寄宿学校の人と話したとき 00:08:13.000 --> 00:08:15.000 彼らは言いました「それは存じています 00:08:15.000 --> 00:08:18.000 だから私たちは勉強を教えるだけでなく 健康週間を設けています 00:08:18.000 --> 00:08:21.000 みんな楽しんでいますよ 世界的な専門家に話をしてもらうんです 00:08:21.000 --> 00:08:23.000 月曜の夜は“青年期の憂鬱” 00:08:23.000 --> 00:08:25.000 火曜の夜は“学校における暴力といじめ” 00:08:25.000 --> 00:08:27.000 水曜の夜は“摂食障害” 00:08:27.000 --> 00:08:29.000 木曜の夜は“薬物乱用” 00:08:29.000 --> 00:08:32.000 金曜の夜は“危険なセックス”にするか“幸福”にするかで 00:08:32.000 --> 00:08:35.000 まだ決めかねています」(笑) 00:08:35.000 --> 00:08:37.000 私は「金曜の夜はたいていの人がそうですよ」と答えました (笑) 00:08:37.000 --> 00:08:40.000 私は「金曜の夜はたいていの人がそうですよ」と答えました (笑) 00:08:40.000 --> 00:08:43.000 (拍手) 00:08:43.000 --> 00:08:45.000 彼らにはお気に召さなかったようです 00:08:45.000 --> 00:08:47.000 電話でしばらく沈黙があって それから言いました 00:08:47.000 --> 00:08:49.000 「喜んでおたくの学校でお話ししますが 00:08:49.000 --> 00:08:52.000 それは“健康週間”というより“病気週間”ですね 00:08:52.000 --> 00:08:54.000 あらゆるネガティブなことを解説しながら 00:08:54.000 --> 00:08:56.000 ポジティブな話はまるでしていません」 NOTE Paragraph 00:08:56.000 --> 00:08:58.000 病気がないのが健康ではありません 00:08:58.000 --> 00:09:00.000 健康になるためには 00:09:00.000 --> 00:09:03.000 幸福と成功の法則を反転させる必要があるのです 00:09:03.000 --> 00:09:05.000 この3年間に私は45カ国を巡り 00:09:05.000 --> 00:09:07.000 学校や不況下の企業とともに 00:09:07.000 --> 00:09:09.000 取り組んできました 00:09:09.000 --> 00:09:11.000 気づいたのは ほとんどの企業や学校で 00:09:11.000 --> 00:09:13.000 考えられている成功の法則は 00:09:13.000 --> 00:09:15.000 「一生懸命がんばれば成功できる 00:09:15.000 --> 00:09:18.000 成功すれば幸せになれる」というものだということです 00:09:18.000 --> 00:09:20.000 これは多くの人の子育てや マネジメント法 00:09:20.000 --> 00:09:22.000 動機付け方法の基礎になっています NOTE Paragraph 00:09:22.000 --> 00:09:25.000 これの問題は 科学的に間違っており 逆だということです 00:09:25.000 --> 00:09:28.000 第一に 成功するたびに脳がするのは 00:09:28.000 --> 00:09:30.000 成功の定義を再設定するということです 00:09:30.000 --> 00:09:32.000 良い成績を取れば もっと良い成績を取る 00:09:32.000 --> 00:09:34.000 良い学校に入ったら さらに良い学校に入る 00:09:34.000 --> 00:09:36.000 良い仕事に就いたら さらに良い仕事に就く 00:09:36.000 --> 00:09:38.000 販売目標を達成したら 目標をさらに上げる 00:09:38.000 --> 00:09:41.000 幸せが成功の向こう側にあるのなら 脳はいつまでもたどり着けません 00:09:41.000 --> 00:09:43.000 私たちがしてきたのは 社会が一体となって 00:09:43.000 --> 00:09:46.000 幸せを認知できる範囲外に追いやるということです 00:09:46.000 --> 00:09:48.000 それは私たちが「成功したら幸せになれる」 00:09:48.000 --> 00:09:50.000 と考えているからです NOTE Paragraph 00:09:50.000 --> 00:09:52.000 でも私たちの脳はそれとは逆の順に働くのです 00:09:52.000 --> 00:09:55.000 現状へのポジティブさの度合いを引き上げられれば 00:09:55.000 --> 00:09:58.000 その人の脳は「幸福優位性」を発揮し始めます 00:09:58.000 --> 00:10:00.000 つまりポジティブな脳は ネガティブな脳や 00:10:00.000 --> 00:10:02.000 ストレス下の脳よりも 00:10:02.000 --> 00:10:04.000 ずっと良く機能するということです 00:10:04.000 --> 00:10:07.000 知能が上がり 創造性が高まり 活力が増大します 00:10:07.000 --> 00:10:09.000 実際 あらゆる仕事上の結果が 00:10:09.000 --> 00:10:11.000 改善されることがわかりました 00:10:11.000 --> 00:10:13.000 ポジティブな状態の脳は 00:10:13.000 --> 00:10:16.000 ネガティブな状態の脳より31%生産性が高くなります 00:10:16.000 --> 00:10:18.000 販売で37%成績が上がります 00:10:18.000 --> 00:10:20.000 ネガティブやニュートラルでなく 00:10:20.000 --> 00:10:22.000 ポジティブなときに 医者は19%早く正確に 00:10:22.000 --> 00:10:24.000 診断するようになります 00:10:24.000 --> 00:10:26.000 これは法則を反転させられることを示しています 00:10:26.000 --> 00:10:29.000 現状に対してポジティブになることさえできれば 00:10:29.000 --> 00:10:31.000 脳は より熱心に 速く 知的に働き 00:10:31.000 --> 00:10:34.000 その結果として より成功するようになるのです NOTE Paragraph 00:10:34.000 --> 00:10:37.000 幸福と成功の法則をひっくり返すことができれば 00:10:37.000 --> 00:10:39.000 自分の脳に本当は何ができるのか見えてきます 00:10:39.000 --> 00:10:41.000 ポジティブなときに脳で増加するドーパミンには 00:10:41.000 --> 00:10:43.000 2つの役割があります 00:10:43.000 --> 00:10:45.000 幸福感を引き起こすだけでなく 00:10:45.000 --> 00:10:47.000 あらゆる学習機能をオンにして 00:10:47.000 --> 00:10:50.000 世界に対して違ったやり方で適応できるようにするのです NOTE Paragraph 00:10:50.000 --> 00:10:52.000 脳がよりポジティブになるよう 00:10:52.000 --> 00:10:54.000 訓練する方法を私たちは見つけました 00:10:54.000 --> 00:10:57.000 ほんの2分半でできることを21日続けるだけで 00:10:57.000 --> 00:10:59.000 脳の回路を書き換えて 00:10:59.000 --> 00:11:01.000 より楽観的でより成功するように 00:11:01.000 --> 00:11:03.000 脳が働くようになります 00:11:03.000 --> 00:11:05.000 今ではどこの会社に行っても 00:11:05.000 --> 00:11:07.000 これを教えることにしています 00:11:07.000 --> 00:11:09.000 ありがたく思うことを毎日新たに 00:11:09.000 --> 00:11:11.000 3つ書くというのを21日間続けましょう 00:11:11.000 --> 00:11:13.000 それを終える頃には 00:11:13.000 --> 00:11:15.000 世の中にネガティブなものではなく 00:11:15.000 --> 00:11:18.000 ポジティブなものをまず見つけようとするパターンが身につきます NOTE Paragraph 00:11:18.000 --> 00:11:20.000 過去24時間のポジティブな体験を日記に書けば 00:11:20.000 --> 00:11:22.000 脳がそれを追体験することになります 00:11:22.000 --> 00:11:25.000 運動は行動が大切であることを脳に教えます 00:11:25.000 --> 00:11:27.000 瞑想は 00:11:27.000 --> 00:11:30.000 私たちが複数のタスクを同時にしようとして陥る 00:11:30.000 --> 00:11:32.000 文化的なADHDを克服して 00:11:32.000 --> 00:11:35.000 手元にある1つのタスクに集中できるようにします 00:11:35.000 --> 00:11:37.000 そして意識して親切な行動を取りましょう 00:11:37.000 --> 00:11:39.000 メールソフトを開くたび 支えてくれる人の誰かに 称賛や感謝の気持ちの 00:11:39.000 --> 00:11:41.000 メールソフトを開くたび 支えてくれる人の誰かに 称賛や感謝の気持ちの 00:11:41.000 --> 00:11:43.000 ポジティブなメールを書くという人もいます NOTE Paragraph 00:11:43.000 --> 00:11:45.000 このような活動をすることで 00:11:45.000 --> 00:11:47.000 体同様に脳だってトレーニングできます 00:11:47.000 --> 00:11:50.000 そして幸福と成功の法則を反転させ 00:11:50.000 --> 00:11:53.000 ポジティブな波紋を広げるだけでなく 00:11:53.000 --> 00:11:55.000 本当の革命を生み出すことができるのです NOTE Paragraph 00:11:55.000 --> 00:11:57.000 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:11:57.000 --> 00:12:00.000 (拍手)