WEBVTT 00:00:05.010 --> 00:00:07.739 やあ、"Every Frame a Painting"の トニーです 00:00:07.819 --> 00:00:10.468 今日は僕が大好きな作品の 監督についてです 00:00:10.568 --> 00:00:14.119 でもその前に率直に言わせてください 僕が思うに近頃のコメディ映画は 00:00:14.189 --> 00:00:16.769 特にアメリカの作品は すっかり道に迷っています 00:00:16.879 --> 00:00:19.549 ジョーク、役者、会話や物語にも 問題はありますが 00:00:19.659 --> 00:00:21.140 そこまで嫌いではありません 00:00:21.240 --> 00:00:23.390 僕が本当に不安なのは映画作り、 00:00:23.490 --> 00:00:27.040 ジョークを伝える画面や音の使い方が ただ… 00:00:27.159 --> 00:00:30.390 "何?" "これ、つまーんなーい" 00:00:30.500 --> 00:00:32.050 "さっくじょー…" 00:00:32.190 --> 00:00:33.729 まあ、好みは人それぞれです 00:00:33.809 --> 00:00:37.389 自分が面白いと思ったものは面白い こういう映画が悪いのでも 00:00:37.479 --> 00:00:40.949 それを好きな貴方が悪いわけでもない 僕が言ってるのは、こういう映画は 00:00:41.049 --> 00:00:43.819 映画じゃない ちょっと編集された即興劇です 00:00:43.929 --> 00:00:46.390 全員がじっと立って クローズアップで互いに話している 00:00:46.490 --> 00:00:49.919 こういうジョークに視覚的要素は ほぼありません。圧倒的に音声です 00:00:50.039 --> 00:00:53.300 しかも音声全てではなく会話だけ 本当に悲しいことです 00:00:53.409 --> 00:00:55.948 だってこれは映画の可能性の ほんの一部にすぎません 00:00:56.068 --> 00:00:58.018 アニメや種々のCMを除いて 00:00:58.128 --> 00:01:00.569 ビジュアル・コメディは退化しています 00:01:00.689 --> 00:01:04.860 だからこそ貴方がこういったものを好きなら エドガー・ライトをいくら勧めても足りません 00:01:04.970 --> 00:01:08.250 "医者だろ、自分でやりな" "そうだぞ、クソ野郎" 00:01:08.360 --> 00:01:12.680 彼は全ての可能性を使って映画を 作っている数少ないうちの一人です 00:01:12.800 --> 00:01:16.617 だからこそ、彼は他の人が見ない部分に ユーモアを見つけられるのです 00:01:16.699 --> 00:01:18.970 例を挙げましょう 物語に合わせて登場人物を 00:01:19.050 --> 00:01:21.779 町から町へ移動させる必要があります どう撮りますか? 00:01:21.899 --> 00:01:25.170 そして、そこから笑いを作れますか? …まあ、無理でしょう 00:01:25.289 --> 00:01:28.189 セカンドユニットを派遣して 左から右へのあらゆるパンを撮って 00:01:28.299 --> 00:01:31.309 分かりやすい目印の建物や標識も入れて ヘリコプターからの映像も織り交ぜて 00:01:31.429 --> 00:01:34.639 さらに観客が飽きないように 楽しい曲を入れなければ 00:01:38.129 --> 00:01:42.530 こんなのは怠惰な作り方でつまらない 見飽きています 00:01:42.650 --> 00:01:46.370 この類の場面でも本当に独創力があれば どうなるでしょう? 00:01:59.140 --> 00:02:01.890 どうでしょう!しかもただ 短いカットの連続ではありません 00:02:01.990 --> 00:02:04.069 視覚的な良い物語が つめ込まれています 00:02:04.169 --> 00:02:07.549 この2つのタクシーのショットは 出発地と目的地を明確に伝えています 00:02:07.639 --> 00:02:10.348 この2つのショットは 文明社会からの遠離を強調しています 00:02:10.448 --> 00:02:12.800 主人公は常に 前か右を向いているので 00:02:12.930 --> 00:02:15.260 演出が遵守されている 音楽が小さくなって 00:02:15.360 --> 00:02:17.410 効果音が大きいと 各カットが不調和で面白い 00:02:17.550 --> 00:02:20.790 サイモン・ペッグと ライアン・ゴズリングの素晴らしい演技もある 00:02:21.150 --> 00:02:24.953 そうですね、的外れな例でした その通り。不公平だ 00:02:27.640 --> 00:02:31.649 さて、恐ろしい世紀末的な 出来事が起きる映画で 00:02:31.759 --> 00:02:34.679 あなたが事前にその前兆を見せるために 登場人物がテレビの重要なことに 00:02:34.789 --> 00:02:37.800 気づいていないとさせるならば どうやって見せますか? 00:02:37.928 --> 00:02:40.371 テレビを2秒だけ映して 00:02:40.467 --> 00:02:43.407 人物がテレビを無視する様子を映すか 00:02:43.527 --> 00:02:46.015 "パーティーやるってさ 家が完成した" 00:02:46.132 --> 00:02:47.663 こうするか 00:02:47.761 --> 00:02:52.231 "宗教家たちは言っています 審判の日だと…" 00:02:55.382 --> 00:02:57.527 "報告が増えています…" 00:02:59.239 --> 00:03:00.710 "人々は文字通り…" 00:03:02.130 --> 00:03:03.286 まだある 00:03:03.409 --> 00:03:06.107 一人が酒を飲まないと言い 00:03:06.222 --> 00:03:10.447 がっかりさせた場合はどう表現するか 00:03:10.553 --> 00:03:13.203 飲酒について話すだろうか 00:03:13.347 --> 00:03:16.111 "今夜は飲まないと妻に言ってきた" 00:03:16.490 --> 00:03:18.031 "明日用があるんだ" 00:03:18.140 --> 00:03:19.880 "みんなで楽しんで" 00:03:19.997 --> 00:03:22.187 "用って何だよ" 00:03:22.374 --> 00:03:23.768 またはこう 00:03:23.897 --> 00:03:24.894 "何!?" 00:03:33.726 --> 00:03:34.952 "信じないぞ" 00:03:35.065 --> 00:03:37.894 これが凡庸な編集との違いだ 00:03:38.013 --> 00:03:42.280 よくあるシーンを新手法で使っている 00:03:42.512 --> 00:03:46.027 優れた編集は演出で笑いを起こす 00:03:46.152 --> 00:03:48.098 これはボードウェルの例だ 00:03:48.230 --> 00:03:50.630 何かが画面に現れる 00:03:50.771 --> 00:03:52.171 "ちゃんとやれ" 00:03:52.308 --> 00:03:55.198 "お前がこのクソを投げたらどうだ" 00:03:59.888 --> 00:04:02.808 入れるのと逆の発想もある 00:04:02.918 --> 00:04:06.586 "だからミス・ローラ さようなら" 00:04:07.992 --> 00:04:09.031 "さよならローラ" 00:04:10.416 --> 00:04:12.426 ズームもある 00:04:14.874 --> 00:04:17.320 "トランクの中を見せてください" 00:04:22.235 --> 00:04:24.056 クレーンアップもいい 00:04:24.182 --> 00:04:25.560 "ほんとにごめん…" 00:04:25.916 --> 00:04:27.645 "家に帰りたい" 00:04:27.804 --> 00:04:29.776 "わかるわシェリー" 00:04:29.922 --> 00:04:32.151 "いやほんとに帰るから起こして" 00:04:32.907 --> 00:04:34.807 パンも使える 00:04:46.237 --> 00:04:50.320 フレームに入ってないものも重要なのだ 00:04:50.451 --> 00:04:51.908 フレームとは何だろう 00:04:52.032 --> 00:04:54.220 コメディの一要素だろうか 00:04:54.336 --> 00:04:56.506 使えるときは使える 00:05:05.783 --> 00:05:08.625 エドガー・ライトの8要素をまとめてみた 00:05:08.756 --> 00:05:11.690 他の監督のも合わせてどうぞ 00:05:15.304 --> 00:05:17.989 1. フレームに面白く入れる 00:05:18.140 --> 00:05:19.352 "どうぞ" 00:05:22.317 --> 00:05:23.430 "電話だ" 00:05:23.547 --> 00:05:28.081 "法の適用に場所は関係ない 結構だ" 00:05:28.212 --> 00:05:30.709 フレームから面白く出す 00:05:32.448 --> 00:05:34.282 "ちゃんとスイッチ切れよ" 00:05:37.052 --> 00:05:39.889 "あやしいところはないな" 00:05:44.338 --> 00:05:46.723 3. 出して戻す 00:05:46.910 --> 00:05:48.293 "まだいる?" 00:05:56.023 --> 00:05:56.762 "ああ" 00:06:08.059 --> 00:06:10.946 4. シーンの切り替えを合わせる 00:06:17.990 --> 00:06:19.836 "調子はどう?" 00:06:19.956 --> 00:06:20.890 "ウォレス!" 00:06:21.863 --> 00:06:24.946 5. 効果音を完璧に合わせる 00:06:28.392 --> 00:06:29.486 "キムと別れたの?" 00:06:29.577 --> 00:06:31.953 "キムとはもう何でもないよ" 00:06:34.742 --> 00:06:37.354 "テープは好きにしろ" 00:06:38.171 --> 00:06:40.807 6. 動きと音を合わせる 00:06:46.942 --> 00:06:51.408 "ビールは 全部 飲み 干した グァ 行こう" 00:06:53.342 --> 00:06:56.036 7. 光を超ドラマチックに見せる 00:07:06.627 --> 00:07:07.760 "女子は謎だ" 00:07:07.871 --> 00:07:09.874 "ラモーナに会うのは禁止" 00:07:09.993 --> 00:07:12.803 "1年彼女がいなくても関係ない" 00:07:13.603 --> 00:07:14.880 8. … 00:07:15.344 --> 00:07:16.974 "近道しよう" 00:07:26.302 --> 00:07:27.949 9番目も追加 00:07:28.031 --> 00:07:29.371 "蜂の巣よ" 00:07:37.422 --> 00:07:41.456 参考にしてほしい 映画は遊び場だ 00:07:41.587 --> 00:07:44.127 今度映画館に行った時は 00:07:44.256 --> 00:07:47.813 Vine以下のクソに満足しないでほしい