WEBVTT 00:00:14.210 --> 00:00:16.540 言葉の不思議 00:00:16.540 --> 00:00:18.029 “Inaugurate” とは 00:00:18.029 --> 00:00:22.004 事業や政策の開始・発表 時代の幕開けや 00:00:22.004 --> 00:00:26.002 官公庁に人を正式に 迎え入れることを意味します 00:00:26.002 --> 00:00:28.511 “inaugurate” は おそらくラテン語の 00:00:28.511 --> 00:00:30.772 “avis” から生まれた言葉で 00:00:30.772 --> 00:00:32.430 「鳥」を意味します 00:00:32.430 --> 00:00:34.850 古代ローマにおいて “avis” は 00:00:34.850 --> 00:00:39.362 ラテン語の動詞で「話す」という意味の “garrire” と複合しました 00:00:39.362 --> 00:00:43.516 2つの言葉が合わさり “augur” が生まれ 00:00:43.516 --> 00:00:46.680 それは文字どおり 「鳥に語りかける人」を意味しました 00:00:46.680 --> 00:00:49.908 比喩的に“augur” は アウグル(卜占官)という 00:00:49.908 --> 00:00:52.384 宗教に関する役人を 指すようになりました 00:00:52.384 --> 00:00:55.489 占い師や預言者の一種で 00:00:55.489 --> 00:00:59.751 鳥の様子を観察して 神意を探る役割です 00:00:59.751 --> 00:01:01.585 重要な決定は 必ずアウグルに 00:01:01.585 --> 00:01:04.676 相談してから下されました 00:01:04.676 --> 00:01:07.783 アウグルは 鳥の飛翔パターンや方角 00:01:07.783 --> 00:01:09.038 その鳴き声 00:01:09.038 --> 00:01:10.956 一般的な行動を分析し 00:01:10.956 --> 00:01:15.684 その徴候から 神意を予測しました 00:01:15.684 --> 00:01:19.649 “augur” から動詞の “inaugurare” が生まれ 00:01:19.649 --> 00:01:23.272 「鳥の飛翔をもとに預言する」 という意味になり 00:01:23.272 --> 00:01:26.438 後に 「預言が好ましい ものであった場合に 00:01:26.438 --> 00:01:29.604 捧げ物をする・遂行する」という 意味になりました 00:01:29.604 --> 00:01:32.968 ローマの公職者たちは 預言が吉兆の時だけ 00:01:32.968 --> 00:01:36.823 就任が許されたのです 00:01:36.823 --> 00:01:38.328 数世紀を経て 00:01:38.328 --> 00:01:41.884 この言葉は最終的に 英語に変化し 00:01:41.884 --> 00:01:43.914 “inaugurate” になりました 00:01:43.914 --> 00:01:47.130 ここに至るまでに 迷信の意味を失い 00:01:47.130 --> 00:01:49.105 政治用語として 00:01:49.105 --> 00:01:51.634 正式に受け入れられたのです