1 00:00:00,000 --> 00:00:02,000 ゲイツ財団の仕事で 2 00:00:02,000 --> 00:00:04,000 私が一番好きなのは 3 00:00:04,000 --> 00:00:06,000 発展途上国を訪れることができることで 4 00:00:06,000 --> 00:00:08,000 実際かなり頻繁に行っています 5 00:00:08,000 --> 00:00:10,000 そしてそのような多くの辺境の地で 6 00:00:10,000 --> 00:00:12,000 その土地の母親達と交流すると 7 00:00:12,000 --> 00:00:14,000 私達の持つ共通点に 8 00:00:14,000 --> 00:00:16,000 とても驚かされます 9 00:00:16,000 --> 00:00:19,000 私達が子供に願うことは同じなのです 10 00:00:19,000 --> 00:00:22,000 子供達が大きくなって成功し 11 00:00:22,000 --> 00:00:25,000 健康で幸せな人生を送って欲しいのです 12 00:00:25,000 --> 00:00:28,000 でも貧困もいたるところで見られます 13 00:00:28,000 --> 00:00:31,000 その実態は 14 00:00:31,000 --> 00:00:33,000 規模としても範囲としても非常に衝撃的です 15 00:00:33,000 --> 00:00:36,000 初めてインドに行った時訪れた家は 16 00:00:36,000 --> 00:00:38,000 土間で水道もなければ 17 00:00:38,000 --> 00:00:40,000 電気もない状態でした 18 00:00:40,000 --> 00:00:43,000 それでもこれが世界中で見られる実際の光景なのです 19 00:00:43,000 --> 00:00:46,000 つまり私が驚くのは 20 00:00:46,000 --> 00:00:49,000 いかに彼らが何も所有していないかということです 21 00:00:49,000 --> 00:00:52,000 ただし1つだけ彼らのところにもあって驚いたものがあります: 22 00:00:53,000 --> 00:00:55,000 コカコーラです 23 00:00:55,000 --> 00:00:57,000 コカコーラはどこにでもあります 24 00:00:57,000 --> 00:00:59,000 実際に発展途上国に行くと 25 00:00:59,000 --> 00:01:01,000 いたるところでコカコーラを見かけます 26 00:01:01,000 --> 00:01:03,000 そこでこのような訪問から戻って 27 00:01:03,000 --> 00:01:05,000 開発について考えたり 28 00:01:05,000 --> 00:01:07,000 帰国する時に飛行機で 29 00:01:07,000 --> 00:01:10,000 「人々にコンドームやワクチンを配給するには」と考えていると 30 00:01:10,000 --> 00:01:13,000 つくづくコカコーラの偉力はすごいと思うわけです 31 00:01:13,000 --> 00:01:15,000 どうやってあんな僻地まで 32 00:01:15,000 --> 00:01:17,000 コーラを普及させているんだろう? 33 00:01:17,000 --> 00:01:19,000 コカコーラがやっているのに 34 00:01:19,000 --> 00:01:22,000 政府やNGOはどうして同じことができないんだろう? 35 00:01:22,000 --> 00:01:25,000 こう疑問に思ったのは私が初めてというわけでもありません 36 00:01:25,000 --> 00:01:27,000 でも私達のような活動団体としては 37 00:01:27,000 --> 00:01:30,000 まだまだ学ぶことが多くあります 38 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 コカコーラには圧倒されます 39 00:01:32,000 --> 00:01:35,000 15億本のコーラを 40 00:01:35,000 --> 00:01:38,000 毎日売っていて 41 00:01:38,000 --> 00:01:40,000 地球上の大人も子供も皆 42 00:01:40,000 --> 00:01:43,000 毎週コーラを飲んでいる計算になります 43 00:01:43,000 --> 00:01:46,000 ではなぜこれが重要なのでしょう? 44 00:01:46,000 --> 00:01:49,000 世界で定めたミレニアム開発目標に向かって 45 00:01:49,000 --> 00:01:51,000 開発のスピードを 46 00:01:51,000 --> 00:01:54,000 どんどん加速して行くときに 47 00:01:54,000 --> 00:01:56,000 革新者から学ぶ必要があるからです 48 00:01:56,000 --> 00:01:58,000 そしてそのような革新者は 49 00:01:58,000 --> 00:02:01,000 どの分野にもいるからです 50 00:02:01,000 --> 00:02:03,000 コカコーラのような物を普及させるのは何か 51 00:02:03,000 --> 00:02:06,000 それが理解できれば 52 00:02:06,000 --> 00:02:09,000 応用して社会に役立てることができます 53 00:02:11,000 --> 00:02:13,000 コカコーラの実績が重要なのは 54 00:02:13,000 --> 00:02:16,000 これを分析して学ぶことができれば 55 00:02:16,000 --> 00:02:18,000 人々の命を救うことができるからです 56 00:02:18,000 --> 00:02:21,000 そこで少し時間を割いてコカコーラについて調べました 57 00:02:22,000 --> 00:02:24,000 コカコーラから私達が学べることは 58 00:02:24,000 --> 00:02:26,000 基本的に3つあると思います 59 00:02:26,000 --> 00:02:28,000 リアルタイムのデータを収集して 60 00:02:28,000 --> 00:02:31,000 ただちに商品に反映させること 61 00:02:31,000 --> 00:02:34,000 現地の起業家精神にあふれた人材を起用していること 62 00:02:34,000 --> 00:02:37,000 そして素晴らしいマーケティングをしていることです 63 00:02:37,000 --> 00:02:40,000 まずデータについて見てみましょう 64 00:02:40,000 --> 00:02:42,000 コカコーラの収益は非常に明確で 65 00:02:42,000 --> 00:02:45,000 株主に報告するので 利益を上げなければなりません 66 00:02:45,000 --> 00:02:47,000 その為データを収集し 67 00:02:47,000 --> 00:02:49,000 進捗の評価に用います 68 00:02:49,000 --> 00:02:51,000 コカコーラではフィードバックを回し続け 69 00:02:51,000 --> 00:02:53,000 何かを学ぶとそれを商品や 70 00:02:53,000 --> 00:02:55,000 マーケティングに反映させます 71 00:02:55,000 --> 00:02:57,000 市場分析の部署があるような体制です 72 00:02:57,000 --> 00:02:59,000 他の消費財メーカーと同じような感じです 73 00:02:59,000 --> 00:03:01,000 例えば107の区域に分かれたナミビアの 74 00:03:01,000 --> 00:03:03,000 コカコーラを経営しているとすると 75 00:03:03,000 --> 00:03:06,000 スプライトやファンタやコーラがどこで売れているのか 76 00:03:06,000 --> 00:03:08,000 缶入りなのかボトル入りなのか 77 00:03:08,000 --> 00:03:10,000 販売場所は町の小売店なのか 78 00:03:10,000 --> 00:03:12,000 スーパーなのか屋台なのか分かるわけです 79 00:03:12,000 --> 00:03:14,000 ですから売上げが下がってきたら 80 00:03:14,000 --> 00:03:16,000 どこに問題があるか確認し 81 00:03:16,000 --> 00:03:18,000 対応できます 82 00:03:19,000 --> 00:03:22,000 これをちょっと開発援助と比較してみましょう 83 00:03:23,000 --> 00:03:26,000 開発援助ではプロジェクトの終わりに 84 00:03:26,000 --> 00:03:29,000 評価報告が行なわれます 85 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 私も何度もそのような会議に出席しています 86 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 でもそのデータは 87 00:03:33,000 --> 00:03:36,000 利用するには全く遅すぎるのです 88 00:03:36,000 --> 00:03:38,000 あるNGOの人物に言わせれば 89 00:03:38,000 --> 00:03:40,000 これは暗闇でボーリングをしているようなものです 90 00:03:40,000 --> 00:03:43,000 球を投げるとピンがいくつか倒れる音がする 91 00:03:43,000 --> 00:03:46,000 でも暗いので どのピンが倒れたのか分からない 92 00:03:46,000 --> 00:03:49,000 灯りがついてからやっと効果がわかる 93 00:03:49,000 --> 00:03:51,000 でもリアルタイムのデータが 94 00:03:51,000 --> 00:03:54,000 灯りをともすのです 95 00:03:55,000 --> 00:03:57,000 では2つ目のコカコーラの素晴らしい点は? 96 00:03:57,000 --> 00:03:59,000 この会社は現地の起業家精神あふれる人材を 97 00:03:59,000 --> 00:04:01,000 うまく利用していることです 98 00:04:01,000 --> 00:04:03,000 1928年からアフリカに進出していたものの 99 00:04:03,000 --> 00:04:06,000 コカコーラは長い間遠隔地まで普及していませんでした 100 00:04:06,000 --> 00:04:09,000 コカコーラのやり方は先進国のもので 101 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 大型トラックで配送するというものだったからです 102 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 そしてアフリカの僻地では 103 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 舗装道路を見つけるのが大変です 104 00:04:16,000 --> 00:04:18,000 でもコカコーラはあることに気づきました 105 00:04:18,000 --> 00:04:21,000 現地の人々が商品をまとめ買いして 106 00:04:21,000 --> 00:04:24,000 コカコーラの手が届かない地域で売っていることです 107 00:04:25,000 --> 00:04:27,000 そこでコカコーラはこのことについて少し調査しました 108 00:04:27,000 --> 00:04:29,000 そして1990年には 109 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 これらの現地起業家の教育をして 110 00:04:31,000 --> 00:04:33,000 小額の融資を行おうと決めたのです 111 00:04:33,000 --> 00:04:36,000 そして彼らに小型流通センターの役割を与え 112 00:04:36,000 --> 00:04:39,000 セールスマンを雇ってもらい 113 00:04:39,000 --> 00:04:42,000 自転車や屋台や荷車などで 114 00:04:42,000 --> 00:04:44,000 コカコーラを売りに行かせました 115 00:04:44,000 --> 00:04:46,000 現在アフリカでは 約3千か所のセンターで 116 00:04:46,000 --> 00:04:49,000 約1万5千人の人々が働いています 117 00:04:50,000 --> 00:04:52,000 タンザニアとウガンダでは 118 00:04:52,000 --> 00:04:54,000 これがコカコーラの売上げの 119 00:04:54,000 --> 00:04:56,000 90%を占めています 120 00:04:58,000 --> 00:05:00,000 では開発援助の方はどうか見てみましょう 121 00:05:00,000 --> 00:05:02,000 政府やNGOがコカコーラから 122 00:05:02,000 --> 00:05:04,000 学べることは何でしょうか? 123 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 政府やNGOも 124 00:05:06,000 --> 00:05:09,000 現地の起業家を採用する必要があります 125 00:05:09,000 --> 00:05:11,000 地元に住んでいる人たちこそが 126 00:05:11,000 --> 00:05:14,000 周りの不便な地域へのアクセスや 127 00:05:14,000 --> 00:05:17,000 変化を促すものが何かを分かっているからです 128 00:05:18,000 --> 00:05:20,000 素晴らしい例として 129 00:05:20,000 --> 00:05:23,000 エチオピアの新しい医療普及プログラムがあると思います 130 00:05:23,000 --> 00:05:25,000 エチオピア政府の課題は 131 00:05:25,000 --> 00:05:28,000 医療クリニックからとても遠い所にいる人が多いことでした 132 00:05:28,000 --> 00:05:31,000 医療クリニックに行くのに1日以上かかるのです 133 00:05:31,000 --> 00:05:34,000 つまり救急でも まさに出産しようとしている母親であっても 134 00:05:34,000 --> 00:05:37,000 医療クリニックに行こうとするのは無理なわけです 135 00:05:37,000 --> 00:05:39,000 これはよくないと思った政府は 136 00:05:39,000 --> 00:05:41,000 インドに出向いて手本となる 137 00:05:41,000 --> 00:05:43,000 ケーララ州のシステムを調査し 138 00:05:43,000 --> 00:05:45,000 それをエチオピアに適応させました 139 00:05:45,000 --> 00:05:47,000 そしてエチオピア政府は2003年に 140 00:05:47,000 --> 00:05:50,000 自国でこの新しいシステムを開始したのです 141 00:05:50,000 --> 00:05:53,000 3万5千人の医療普及の要員を養成し 142 00:05:53,000 --> 00:05:56,000 人々に直接医療ケアを提供するようにしました 143 00:05:56,000 --> 00:05:58,000 医療従業者の比率は 144 00:05:58,000 --> 00:06:02,000 たったの5年で 3万人に1人から 145 00:06:02,000 --> 00:06:05,000 2500人に1人となったのです 146 00:06:07,000 --> 00:06:09,000 これがどう人々の暮らしを変えられるか 147 00:06:09,000 --> 00:06:12,000 ちょっと考えてみてください 148 00:06:12,000 --> 00:06:15,000 医療普及従業者によってさまざまな支援が行なえます 149 00:06:15,000 --> 00:06:18,000 家族計画や妊婦の管理の手助けをしたり 150 00:06:18,000 --> 00:06:20,000 または子供の予防接種や 151 00:06:20,000 --> 00:06:23,000 出産に間に合うようにクリニックに行くためのアドバイスを 152 00:06:23,000 --> 00:06:25,000 妊婦にしたりもできます 153 00:06:26,000 --> 00:06:28,000 このようなことはエチオピアのような国では 154 00:06:28,000 --> 00:06:30,000 大きなインパクトがあるのです 155 00:06:30,000 --> 00:06:33,000 このおかげでエチオピアの子供の死亡率が 156 00:06:33,000 --> 00:06:35,000 2000年から2008年にかけて 157 00:06:35,000 --> 00:06:38,000 25%低下しました 158 00:06:38,000 --> 00:06:41,000 何十万人もの子供達がエチオピアでは生き延びています 159 00:06:41,000 --> 00:06:44,000 これもこの医療普及従業者プログラムのおかげです 160 00:06:45,000 --> 00:06:47,000 ではエチオピアの次のステップは何でしょうか? 161 00:06:47,000 --> 00:06:49,000 政府は既に議論を始めています 162 00:06:49,000 --> 00:06:52,000 「どうやってコミュニティの医療従業者に自分のアイデアを出してもらうか?」という 163 00:06:52,000 --> 00:06:54,000 話し合いを始めています 164 00:06:54,000 --> 00:06:56,000 「僻地の村での貢献度に基づいた 165 00:06:56,000 --> 00:06:59,000 報酬のあり方とは?」 166 00:06:59,000 --> 00:07:02,000 これが現地の起業家精神のある人材を活用し 167 00:07:02,000 --> 00:07:05,000 人々の可能性を解き放つやり方です 168 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 コカコーラの3つ目の成功要素は 169 00:07:09,000 --> 00:07:11,000 マーケティングです 170 00:07:11,000 --> 00:07:13,000 最終的にコカコーラの成功を左右する 171 00:07:13,000 --> 00:07:15,000 1つの重要な事実は 172 00:07:15,000 --> 00:07:17,000 人々の間で 173 00:07:17,000 --> 00:07:19,000 コカコーラの需要があることです 174 00:07:19,000 --> 00:07:21,000 これらの小規模起業家たちが 175 00:07:21,000 --> 00:07:23,000 コカコーラを売って収益を得ることができるのは 176 00:07:23,000 --> 00:07:26,000 屋台や荷車に積んだ瓶を1本残らず売っているからです 177 00:07:26,000 --> 00:07:29,000 つまりコカコーラの 178 00:07:29,000 --> 00:07:31,000 マーケティングに頼っているのです 179 00:07:31,000 --> 00:07:34,000 ではコカコーラのマーケティングの秘訣は何でしょう? 180 00:07:34,000 --> 00:07:36,000 憧れを抱かせることです 181 00:07:36,000 --> 00:07:38,000 商品が人々の理想とする生活を 182 00:07:38,000 --> 00:07:41,000 思い起こさせるのです 183 00:07:41,000 --> 00:07:43,000 グローバル企業であるにもかかわらず 184 00:07:43,000 --> 00:07:46,000 コカコーラは非常に地域的なアプローチをしています 185 00:07:46,000 --> 00:07:48,000 コカコーラのグローバルキャンペーンのスローガンは 186 00:07:48,000 --> 00:07:50,000 「Open Happiness」ですが 187 00:07:50,000 --> 00:07:52,000 地域になじむようにしています 188 00:07:52,000 --> 00:07:54,000 しかも何が人々を幸せにするか想像するのでなく 189 00:07:54,000 --> 00:07:56,000 例えばラテンアメリカなどに出かけて行って 190 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 そこでは幸せが家族との生活に関係していると 191 00:07:58,000 --> 00:08:00,000 理解した上で行なっています 192 00:08:00,000 --> 00:08:02,000 南アフリカでは 193 00:08:02,000 --> 00:08:04,000 幸せは 194 00:08:04,000 --> 00:08:07,000 コミュニティで尊敬されること関連しています 195 00:08:08,000 --> 00:08:11,000 これはワールドカップのキャンペーンで実際に行なわれました 196 00:08:11,000 --> 00:08:13,000 そのキャンペーン用にコカコーラが制作したこの曲を聴いてみましょう 197 00:08:13,000 --> 00:08:16,000 ソマリのヒップホップ・アーチストによる「ウェイヴィン フラッグ」 198 00:08:17,000 --> 00:08:20,000 (ビデオ) ケイナーン: ♫ オー ♫ 199 00:08:20,000 --> 00:08:24,000 ♫ オー♫ 200 00:08:24,000 --> 00:08:26,000 ♫ オー♫ 201 00:08:26,000 --> 00:08:30,000 ♫ オー♫ 202 00:08:30,000 --> 00:08:33,000 ♫ 自由をあげる 情熱をあげる ♫ 203 00:08:33,000 --> 00:08:36,000 ♫ 理由をあげる 進めるように  ♫ 204 00:08:36,000 --> 00:08:39,000 ♫ 今試合を始める選手たちは ♫ 205 00:08:39,000 --> 00:08:43,000 ♫ 僕らを1つにして 信じさせてくれる ♫ 206 00:08:43,000 --> 00:08:46,000 ♫ 街では僕らは上を向き ♫ 207 00:08:46,000 --> 00:08:49,000 ♫ 束縛するものがなくなって ♫ 208 00:08:49,000 --> 00:08:52,000 ♫ 喜びで いっぱいになる ♫ 209 00:08:52,000 --> 00:08:55,000 ♫ いたるところで どの国でも ♫ 210 00:08:56,000 --> 00:08:58,000 気持ちがすごく明るくなるでしょう? 211 00:08:58,000 --> 00:09:00,000 でもコカコーラはここで止めませんでした 212 00:09:00,000 --> 00:09:02,000 18ヶ国語それぞれのバージョンを作りました 213 00:09:02,000 --> 00:09:04,000 そしてこの曲は 214 00:09:04,000 --> 00:09:07,000 17カ国のポップチャートでNo.1となりました 215 00:09:07,000 --> 00:09:10,000 私が子供の頃聴いたある曲を思い出させます 216 00:09:10,000 --> 00:09:13,000 「愛するハーモニー」と言う曲で 217 00:09:13,000 --> 00:09:16,000 これもポップチャートNo.1となりました 218 00:09:16,000 --> 00:09:19,000 この2つの曲には共通点があります 219 00:09:19,000 --> 00:09:21,000 同じ「喜び」そして「一体感」の 220 00:09:21,000 --> 00:09:24,000 メッセージが込められていることです 221 00:09:25,000 --> 00:09:28,000 医療と開発援助の分野ではどうでしょうか? 222 00:09:28,000 --> 00:09:31,000 こちらは憧れでなく 223 00:09:31,000 --> 00:09:33,000 回避で成り立っています 224 00:09:33,000 --> 00:09:35,000 皆さんもこのようなメッセージを聞いたことがあると思います 225 00:09:35,000 --> 00:09:38,000 「コンドームを使用してエイズ感染を防ごう」 226 00:09:38,000 --> 00:09:41,000 「下痢を起こさないように手を洗いましょう」 227 00:09:41,000 --> 00:09:44,000 「ウェーヴィン フラッグ」のようには全く聞こえませんね 228 00:09:46,000 --> 00:09:48,000 また私達は基本的なところで間違っていると思います 229 00:09:48,000 --> 00:09:50,000 何かが必要である場合 230 00:09:50,000 --> 00:09:52,000 人は自動的にそれを欲するものだと 231 00:09:52,000 --> 00:09:55,000 私達は思っていますが 232 00:09:55,000 --> 00:09:57,000 それは間違いだと思います 233 00:09:57,000 --> 00:10:00,000 世界中でだんだん変化が起こり始めている兆しはあります 234 00:10:00,000 --> 00:10:03,000 例として公衆衛生が挙げられます 235 00:10:03,000 --> 00:10:05,000 毎年150万人の子供が 236 00:10:05,000 --> 00:10:07,000 下痢で死亡していますが 237 00:10:07,000 --> 00:10:10,000 大半は野外排便のせいです 238 00:10:10,000 --> 00:10:13,000 でも解決法はあります トイレの設置です 239 00:10:13,000 --> 00:10:16,000 ところが世界中で何度も同じ結果になっています 240 00:10:16,000 --> 00:10:19,000 トイレを設置してもそのままだと 241 00:10:19,000 --> 00:10:21,000 誰も使用しないのです 242 00:10:21,000 --> 00:10:23,000 自分の家の厚板として再利用したり 243 00:10:23,000 --> 00:10:25,000 穀物の倉庫にしたりしています 244 00:10:25,000 --> 00:10:27,000 ニワトリ小屋になっているのさえ見たことがあります 245 00:10:27,000 --> 00:10:29,000 (笑い) 246 00:10:29,000 --> 00:10:31,000 でも衛生問題に対応し実際に下痢をなくすには 247 00:10:31,000 --> 00:10:34,000 どんなマーケティングが必要とされるのでしょうか 248 00:10:34,000 --> 00:10:36,000 それはそのコミュニティに働きかけることです 249 00:10:36,000 --> 00:10:38,000 まず村の屋外で排便することが 250 00:10:38,000 --> 00:10:40,000 よくないという理由を説明し 251 00:10:40,000 --> 00:10:42,000 理解してもらいます 252 00:10:42,000 --> 00:10:45,000 それからトイレを見せて これは近代的な最新設備だと 253 00:10:45,000 --> 00:10:48,000 位置づけするのです 254 00:10:48,000 --> 00:10:50,000 インド北部のある州では 255 00:10:50,000 --> 00:10:53,000 トイレを求婚に結びつけることまでしています 256 00:10:53,000 --> 00:10:56,000 でも効果があるんです これらの見出しを見てください 257 00:10:56,000 --> 00:11:00,000 (笑い) [男達よ 言い寄る前にトイレの設置」「トイレなし? 嫁もなし」 258 00:11:00,000 --> 00:11:02,000 本当ですよ 259 00:11:02,000 --> 00:11:04,000 女性達はトイレのない男性との結婚を拒否しています 260 00:11:04,000 --> 00:11:07,000 トイレなしなら 結婚もなし 261 00:11:07,000 --> 00:11:09,000 (笑い) 262 00:11:09,000 --> 00:11:12,000 でもこの見出しはただ面白いだけではなく斬新です 263 00:11:12,000 --> 00:11:15,000 斬新なマーケティングのキャンペーンです 264 00:11:15,000 --> 00:11:17,000 それにそれ以上重要なのが 265 00:11:17,000 --> 00:11:19,000 人の命を救うということです 266 00:11:20,000 --> 00:11:22,000 これを見てください 267 00:11:22,000 --> 00:11:24,000 部屋にいるのは大勢の青年達と 268 00:11:24,000 --> 00:11:26,000 私の夫のビルです 269 00:11:26,000 --> 00:11:29,000 この青年達が待っているのは何か想像できますか? 270 00:11:30,000 --> 00:11:33,000 割礼してもらうのを待っているのです 271 00:11:33,000 --> 00:11:35,000 信じられますか? 272 00:11:35,000 --> 00:11:38,000 割礼することで男性のHIV感染が 273 00:11:38,000 --> 00:11:40,000 60%減少すると知られています 274 00:11:40,000 --> 00:11:43,000 財団でこの結果を初めて聞いたとき 275 00:11:43,000 --> 00:11:45,000 正直言ってビルと私は少し困惑しました 276 00:11:45,000 --> 00:11:48,000 「誰が進んで割礼してもらおうなんて思う?」と言っていました 277 00:11:48,000 --> 00:11:50,000 でもこの青年達はそうだと分かりました 278 00:11:50,000 --> 00:11:52,000 その方がいいと自分のガールフレンドが言うのを 279 00:11:52,000 --> 00:11:54,000 聞いているからです 280 00:11:54,000 --> 00:11:57,000 またセックスライフが向上すると思っているからです 281 00:11:58,000 --> 00:12:01,000 つまり 人々が医療と開発援助で 282 00:12:01,000 --> 00:12:03,000 何を実際に求めているか 283 00:12:03,000 --> 00:12:05,000 理解し始めれば 284 00:12:05,000 --> 00:12:07,000 コミュニティに変化をもたらし 285 00:12:07,000 --> 00:12:10,000 国全体に変化をもたらすことができるのです 286 00:12:11,000 --> 00:12:14,000 これらがどうしてそんなに重要なのでしょう? 287 00:12:14,000 --> 00:12:17,000 これが全部一緒に実施されたらどうなるかについて話しましょう 288 00:12:17,000 --> 00:12:19,000 この3つのことを連動させるとどうなるかです 289 00:12:19,000 --> 00:12:22,000 説得力のある例の一つにポリオがあると思います 290 00:12:23,000 --> 00:12:27,000 20年でポリオは99%減少しました 291 00:12:27,000 --> 00:12:29,000 1988年を振り返ってみると 292 00:12:29,000 --> 00:12:32,000 世界中で約35万人の 293 00:12:32,000 --> 00:12:34,000 ポリオ患者がいました 294 00:12:34,000 --> 00:12:37,000 これが2009年には1600人に減っています 295 00:12:37,000 --> 00:12:40,000 一体どうやって減ったのでしょう? 296 00:12:40,000 --> 00:12:42,000 インドのような国を見てみると 297 00:12:42,000 --> 00:12:45,000 10億人以上の人々が暮らしています 298 00:12:45,000 --> 00:12:48,000 でも麻痺症の報告をする 299 00:12:48,000 --> 00:12:50,000 地域の医師が3万5000人いて 300 00:12:50,000 --> 00:12:53,000 臨床医や薬局からの大規模な報告システムがあります 301 00:12:53,000 --> 00:12:56,000 そして250万本のワクチンがあります 302 00:12:57,000 --> 00:12:59,000 でもこの話をもう少し具体的に説明します 303 00:12:59,000 --> 00:13:01,000 インドの北部のビハール州に住む 304 00:13:01,000 --> 00:13:03,000 シュリランという 305 00:13:03,000 --> 00:13:05,000 18ヶ月の男の子の話をします 306 00:13:05,000 --> 00:13:08,000 今年の8月8日 シュリランは麻痺を訴え 307 00:13:08,000 --> 00:13:11,000 13日に両親に連れられて医者に行きました 308 00:13:12,000 --> 00:13:14,000 医者は8月14日と15日に便サンプルを採取し 309 00:13:14,000 --> 00:13:16,000 8月25日には 310 00:13:16,000 --> 00:13:19,000 1型ポリオであると確認されました 311 00:13:19,000 --> 00:13:22,000 8月30日には遺伝子検査が終わり 312 00:13:22,000 --> 00:13:25,000 シリアンの病原ウイルスの種類が分かりました 313 00:13:25,000 --> 00:13:27,000 ウイルスの発生源は二ヶ所考えられていました 314 00:13:27,000 --> 00:13:30,000 国境を越えてすぐ北にあるネパールか 315 00:13:30,000 --> 00:13:33,000 すぐ南にあるジャールカンド州です 316 00:13:33,000 --> 00:13:36,000 幸いなことに遺伝子検査で 317 00:13:36,000 --> 00:13:38,000 北から来たウイルスだと確認されました 318 00:13:38,000 --> 00:13:40,000 もし南から来ていたら 感染影響の規模は 319 00:13:40,000 --> 00:13:42,000 もっと大きくなっていた筈だからです 320 00:13:42,000 --> 00:13:44,000 もっと沢山の人々が感染していた筈だからです 321 00:13:44,000 --> 00:13:46,000 それで最後にはどうなったかと言うと 322 00:13:46,000 --> 00:13:49,000 9月4日にポリオの標準作業である 323 00:13:49,000 --> 00:13:51,000 大がかりな掃討運動があり 324 00:13:51,000 --> 00:13:53,000 シュリランの住む地域で 325 00:13:53,000 --> 00:13:55,000 200万人が予防接種を受けました 326 00:13:55,000 --> 00:13:57,000 つまり1ヶ月もしないうちに 327 00:13:57,000 --> 00:13:59,000 1件の麻痺症の発見が 328 00:13:59,000 --> 00:14:02,000 ターゲットを絞った予防接種プログラムに発展したのです 329 00:14:02,000 --> 00:14:05,000 おかげでその地域でのポリオ感染はあと1件だけでした 330 00:14:05,000 --> 00:14:07,000 このようにして大規模な流行が 331 00:14:07,000 --> 00:14:09,000 防止できます 332 00:14:09,000 --> 00:14:11,000 またこれは現地の人々がデータに 333 00:14:11,000 --> 00:14:14,000 アクセスできると何が可能か示しています 334 00:14:14,000 --> 00:14:17,000 人の命を救えるのです 335 00:14:17,000 --> 00:14:20,000 ポリオに関する課題の1つは依然としてマーケティングです 336 00:14:20,000 --> 00:14:22,000 でも皆さんが思うようなことではないかもしれません 337 00:14:22,000 --> 00:14:24,000 それは現場でのマーケティングではありません 338 00:14:24,000 --> 00:14:26,000 「麻痺症だと思ったら子供を医者に連れて行くこと 339 00:14:26,000 --> 00:14:28,000 または予防接種を受けさせること」と 340 00:14:28,000 --> 00:14:30,000 親に伝えることではありません 341 00:14:30,000 --> 00:14:33,000 私達の課題は資金供与者の間でのマーケティングです 342 00:14:33,000 --> 00:14:35,000 この20年間 先進主要8カ国はポリオに関して 343 00:14:35,000 --> 00:14:37,000 惜しみない多大な寄付をしてくれてきました 344 00:14:37,000 --> 00:14:40,000 でも「ポリオ疲れ」とも言える状態になってきていて 345 00:14:40,000 --> 00:14:42,000 資金提供国はポリオの為の出資に 346 00:14:42,000 --> 00:14:44,000 協力してくれなくなってきています 347 00:14:44,000 --> 00:14:47,000 来年の夏にはポリオ資金が尽きてしまうと予想されています 348 00:14:47,000 --> 00:14:50,000 つまりこの目標を達成するのに 349 00:14:50,000 --> 00:14:52,000 99%のところまで来たのに 350 00:14:52,000 --> 00:14:55,000 資金がなくなってしまうところなのです 351 00:14:55,000 --> 00:14:58,000 マーケティングがもっと希望に満ちていたらと思います 352 00:14:58,000 --> 00:15:00,000 どれだけ長い道のりを歩んできて 353 00:15:00,000 --> 00:15:02,000 この病気を撲滅したら 354 00:15:02,000 --> 00:15:04,000 どれほど素晴らしいかに 355 00:15:04,000 --> 00:15:06,000 皆が関心を集めるようになったら 356 00:15:06,000 --> 00:15:08,000 「ポリオ疲れ」とポリオに 357 00:15:08,000 --> 00:15:10,000 終止符を打てると思います 358 00:15:10,000 --> 00:15:12,000 そしてそれができたら 359 00:15:12,000 --> 00:15:14,000 世界中全ての国で全員に施す 360 00:15:14,000 --> 00:15:17,000 ポリオの予防接種を止められます 361 00:15:17,000 --> 00:15:19,000 ポリオは2番目に地球上から 362 00:15:19,000 --> 00:15:22,000 撲滅された単なる病気となるのです 363 00:15:22,000 --> 00:15:24,000 目標達成はもう目の前です 364 00:15:24,000 --> 00:15:27,000 そしてこの成功はまさに可能なのです 365 00:15:28,000 --> 00:15:31,000 もしコカコーラのマーケティング部が私のところに来て 366 00:15:31,000 --> 00:15:34,000 幸せの定義をしてくれと言ったら 367 00:15:35,000 --> 00:15:37,000 私が描く幸せとは 368 00:15:37,000 --> 00:15:40,000 母親が健康な赤ちゃんを腕に抱く姿だと 369 00:15:40,000 --> 00:15:42,000 言うでしょう 370 00:15:42,000 --> 00:15:45,000 私にとってそれが心からの幸せです 371 00:15:47,000 --> 00:15:50,000 ですからあらゆる分野の革新者から学べば 372 00:15:50,000 --> 00:15:53,000 私達が一体となって築く未来には 373 00:15:53,000 --> 00:15:55,000 あらゆるところに 374 00:15:55,000 --> 00:15:57,000 コカコーラのように 375 00:15:57,000 --> 00:15:59,000 幸せがあるはずです 376 00:15:59,000 --> 00:16:01,000 ありがとうございます 377 00:16:01,000 --> 00:16:07,000 (拍手)