WEBVTT

00:00:06.133 --> 00:00:07.200
小学４年生になったとき

00:00:07.200 --> 00:00:10.493
僕は「Peer Helpers」
(助け合い計画)に参加しました

00:00:10.493 --> 00:00:13.613
これは僕のような一般の生徒が
身障者との統合教育である ―

00:00:13.613 --> 00:00:16.573
「Special Education」の生徒達と
交流できるプログラムです

00:00:16.573 --> 00:00:19.994
参加したとき
僕は何か新しいことを探していましたが

00:00:19.994 --> 00:00:22.056
僕の小学校では

00:00:22.056 --> 00:00:25.323
チェスクラブと 
助け合い計画しかなかったので

00:00:25.323 --> 00:00:27.004
選択肢は すごく限られていました

00:00:27.004 --> 00:00:30.894
でも 支援を受けている子供たちが
とても楽しそうに見えました

00:00:30.894 --> 00:00:32.994
授業を抜け出したり

00:00:32.994 --> 00:00:34.550
みんな一緒に座って お昼を食べたり

00:00:34.550 --> 00:00:36.903
散歩に行ったりしていました

00:00:36.903 --> 00:00:39.866
僕も仲間に加わりたくなったので
参加しました

00:00:39.866 --> 00:00:43.664
当時 全く想像もしていませんでしたが

00:00:43.664 --> 00:00:46.045
親友の一人となる人物に
出会うことになりました

00:00:46.045 --> 00:00:47.814
ヘンリー・ヘイガーです

00:00:47.814 --> 00:00:51.635
ヘンリーと彼の家族に初めて会った時は
大変でした

00:00:51.635 --> 00:00:54.466
初めて彼のお母さんと話した時のことを
はっきり覚えています

00:00:54.466 --> 00:00:56.126
何て話すべきか分からず

00:00:56.126 --> 00:00:58.036
こんなことを言ったと思います

00:00:58.036 --> 00:01:03.466
「こんにちは ヘイガーさん 
ヘンリーのお手伝いに来ました」

00:01:03.466 --> 00:01:06.376
自己紹介が終わってようやく

00:01:06.376 --> 00:01:08.585
お手伝いをする相手の
ヘンリーと対面しました

00:01:08.585 --> 00:01:11.756
初めは 何をすべきなのか
何を言えばいいのか分かりませんでした

00:01:11.756 --> 00:01:13.907
彼は重度の自閉症だし

00:01:13.907 --> 00:01:16.497
彼のような人に
接した経験がなかったのです

00:01:16.497 --> 00:01:17.674
正直に言って

00:01:17.674 --> 00:01:21.618
僕が 単にその場に行ったというよりは
既に彼の一番のパートナーになっていたのです

00:01:21.618 --> 00:01:24.457
僕は緊張していました
彼を怒らせるんじゃないかとか

00:01:24.457 --> 00:01:26.938
自分の行動が
彼を動揺させるのではと

00:01:26.938 --> 00:01:28.456
人間というものは正直なもので

00:01:28.456 --> 00:01:32.159
僕が緊張していたのは 人の性分として
自分と違う人が周りにいる中で

00:01:32.159 --> 00:01:34.457
落ち着かなかったんです

00:01:34.457 --> 00:01:36.487
それにも関わらず
その後３年以上もの間

00:01:36.487 --> 00:01:39.648
毎週水曜日 ヘンリーと一緒に
放課後のプログラムに参加しました

00:01:39.648 --> 00:01:41.908
社会生活や学問的なスキルを学びました

00:01:41.908 --> 00:01:43.258
例えば組織について学んだり

00:01:43.258 --> 00:01:44.230
宿題をしたり

00:01:44.230 --> 00:01:45.877
運動したり
気持ちを落ち着かせたり

00:01:45.877 --> 00:01:47.759
その日の予定を理解してもらったり

00:01:47.759 --> 00:01:49.885
思い通りにいかないときに
文句をいわないこととか

00:01:49.885 --> 00:01:51.819
たわいもない話をすることとかです

00:01:51.819 --> 00:01:54.708
でも 僕の理解では
彼がしたいのは

00:01:54.708 --> 00:01:57.139
コンピューターゲームです

00:01:57.139 --> 00:01:59.088
でも いつもできるわけではありません

00:01:59.088 --> 00:02:01.951
だから僕は他にできることを提案します

00:02:01.951 --> 00:02:03.299
たとえば 運動場を歩いたり

00:02:03.299 --> 00:02:04.564
エアロバイクに乗ったり

00:02:04.564 --> 00:02:05.979
バスケットボールをしたりとかです

00:02:05.979 --> 00:02:07.427
彼は 同意したりしなかったり

00:02:07.427 --> 00:02:08.828
時には 彼の方から

00:02:08.828 --> 00:02:12.501
丁寧に 別の行動を提案してきます

00:02:12.501 --> 00:02:15.831
何年か経つと 彼はちょっとした会話を
とても上手できるようになりました

00:02:15.831 --> 00:02:17.256
それは 私とだけではなく

00:02:17.256 --> 00:02:19.239
誰に対してもできるようになりました

00:02:19.239 --> 00:02:21.463
これは統合教育の目標のひとつです

00:02:21.463 --> 00:02:24.643
統合教育には 利点があります
友情を育んだり

00:02:24.643 --> 00:02:27.238
「個別教育計画」の目標達成度を高めたり

00:02:27.238 --> 00:02:30.491
そして学習効果を高める
より大切な機会が形成されるからです

00:02:30.491 --> 00:02:33.633
でも そんなことを別にしても
色んな場所に行って楽しめます

00:02:33.633 --> 00:02:36.840
ヘンリーと僕が バーミンガムの下町にある
マックウェン科学センターに

00:02:36.840 --> 00:02:38.740
行った時のことを覚えています

00:02:38.740 --> 00:02:41.451
僕たちは魚やアカエイやサメを見て
楽しんでいました

00:02:41.451 --> 00:02:43.582
でも 想像してみてください
科学センターで

00:02:43.582 --> 00:02:47.861
10代の少年２人が意味もなく
クスクス笑い合っているのを

00:02:47.861 --> 00:02:50.040
ヘンリーと僕は
ただのクスクス笑いの後に

00:02:50.040 --> 00:02:51.591
大笑いを始めたのです

00:02:51.591 --> 00:02:53.642
彼と一緒にいるとき
最高に楽しいですし

00:02:53.642 --> 00:02:56.111
彼と一緒に過ごす時間を
いつも楽しみにしていますが

00:02:56.111 --> 00:02:58.703
「助け合い計画」の相手としての
外出ではありませんでした

00:02:58.703 --> 00:03:01.532
親友である２人が出かけ
サメを見ていただけです

00:03:01.532 --> 00:03:04.425
ヘンリーと過ごし
彼に何をしてあげたかをお話しできますが

00:03:04.425 --> 00:03:08.012
みなさんに聞いてほしいこと
めったに話題にならないこと ―

00:03:08.012 --> 00:03:10.835
それは ヘンリーもまた
僕を助けてくれたということです

00:03:10.835 --> 00:03:13.012
彼は 僕を我慢強くしてくれましたし

00:03:13.012 --> 00:03:15.876
障害のある子どもへの接し方が
上手になりました

00:03:15.876 --> 00:03:18.292
そして自分とは違う人々に対しての

00:03:18.292 --> 00:03:20.202
思いやりの気持ちが高まったと思います

00:03:20.202 --> 00:03:23.574
彼と接する中で
我慢強くなったといえます

00:03:23.574 --> 00:03:26.890
例えば ヘンリーは
概念を学ぶこととか

00:03:26.890 --> 00:03:28.054
学校の課題をすることとか

00:03:28.054 --> 00:03:30.004
質問への返事に
時間がかかることがあります

00:03:30.004 --> 00:03:33.293
だから いらいらせずに
質問を繰り返すことや

00:03:33.293 --> 00:03:36.225
少なくとも いらいらの気持ちを
顔に出さないことを学びました

00:03:36.225 --> 00:03:40.104
そんな僕のことを 僕の母親に
伝えてやって下さい

00:03:40.104 --> 00:03:41.634
誤解のないように言っておくと

00:03:41.634 --> 00:03:45.532
何度もいらいらしましたが
彼に当たることはできないのです

00:03:45.532 --> 00:03:48.183
彼はわざと困らせようと
してはいないのですから

00:03:48.183 --> 00:03:51.284
彼は時間をかけて
自分なりのベストの方法でやるべきことを

00:03:51.284 --> 00:03:52.624
こなしているんです

00:03:52.624 --> 00:03:55.103
これを理解することで
人生のあらゆる面で

00:03:55.103 --> 00:03:57.105
自分の忍耐強さが増しました

00:03:57.105 --> 00:03:58.892
そして忍耐強さの他にも

00:03:58.892 --> 00:04:01.955
特別支援が必要な子どもたちと
接することがうまくなりました

00:04:01.955 --> 00:04:03.235
日々の学校生活で

00:04:03.235 --> 00:04:06.805
多くの生徒たちは 特別支援学級に
生徒がいないかのように

00:04:06.805 --> 00:04:08.406
振舞っています

00:04:08.406 --> 00:04:09.875
そういう生徒は廊下を通るときに

00:04:09.875 --> 00:04:11.146
友達に話しかけても

00:04:11.146 --> 00:04:13.266
支援が必要な生徒のことは
無視しているのです

00:04:13.266 --> 00:04:17.205
彼らと 前向きに かつ助けになる方法で
関わっている人はそうはいません

00:04:17.205 --> 00:04:20.487
でも僕はヘンリーのような生徒と
接する中で学んだことは

00:04:20.487 --> 00:04:22.776
皆さんが 支援が必要な生徒を
無視することで

00:04:22.776 --> 00:04:25.246
大切な機会を逃しているということです

00:04:25.246 --> 00:04:28.833
小学４年生から中学１年生まで
僕はヘンリーだけを手伝い

00:04:28.833 --> 00:04:31.054
そこで築いた
パートナーシップや友情は

00:04:31.054 --> 00:04:33.986
僕が得ることのできた
最高のものです

00:04:33.986 --> 00:04:35.765
ヘンリーを手伝うことが本当に好きで

00:04:35.765 --> 00:04:40.057
助け合いパートナーになったことは
人生で最高の決断でした

00:04:40.057 --> 00:04:43.466
でも残念なことに 全ての生徒には
この機会が与えられていません

00:04:43.466 --> 00:04:48.157
調べてみたところ ショックを受けました

00:04:48.157 --> 00:04:52.286
助け合いパートナーがいる学校でも
その数は不十分で

00:04:52.286 --> 00:04:56.038
さらに困ったことに 
特別支援学級で働く先生の人数や

00:04:56.038 --> 00:04:58.147
支援が不足している学校もあるんです

00:04:58.147 --> 00:05:00.060
では これについて 考えてみましょう

00:05:00.060 --> 00:05:03.567
特別支援学級にいる多くの生徒は

00:05:03.567 --> 00:05:07.299
必要とするサービスを
十分には受けていません

00:05:07.299 --> 00:05:10.948
しかも 彼らに十分なサービスを
提供していない学校に

00:05:10.948 --> 00:05:12.598
最も共通している理由は

00:05:12.598 --> 00:05:15.039
資金やスタッフが不足していることだと
私は思います

00:05:15.039 --> 00:05:19.247
でも 標準に達していない学校で
苦しんでいるのは生徒たちです

00:05:19.247 --> 00:05:22.149
考えてみてください
学習障害を抱える全ての子どもたちのことを

00:05:22.149 --> 00:05:24.879
どれほど学習の上で
助けを必要としているかを

00:05:24.879 --> 00:05:27.368
学び無くては
職には付けないかもしれないし

00:05:27.368 --> 00:05:29.079
今の世の中で
生きぬくために必要な

00:05:29.079 --> 00:05:31.500
社会的スキルを
学べないかもしれないし

00:05:31.500 --> 00:05:33.009
自律性も育たないだろうし

00:05:33.009 --> 00:05:35.828
豊かな人間関係も育まれないでしょう

00:05:35.828 --> 00:05:38.361
これらの要素は
全て互いに関係しており

00:05:38.361 --> 00:05:40.881
僕がヘンリーと関わる中で
改善していったことです

00:05:40.881 --> 00:05:43.121
何年もの年月を経て
彼の人との接し方は

00:05:43.121 --> 00:05:45.603
大きく改善したといえます

00:05:45.603 --> 00:05:48.612
それは 彼が運に恵まれていたおかげです

00:05:48.612 --> 00:05:51.129
多くのスタッフに支えられた
優れた統合教育計画と

00:05:51.129 --> 00:05:54.522
助け合い計画が盛んな地域に
住んでいたのですから

00:05:54.522 --> 00:05:58.931
でも 先ほど申し上げたように 全ての学校が
いや実際には大半の学校が

00:05:58.931 --> 00:06:01.750
特別支援教育を十分に
サポートしていないために

00:06:01.750 --> 00:06:03.732
支援を必要とする子供たちにとって

00:06:03.732 --> 00:06:06.493
自らを最大限 成長させることを
困難にしています

00:06:06.493 --> 00:06:08.730
でも今 学校が
支援が必要な子どもたちに対する

00:06:08.730 --> 00:06:10.931
サポートを提供し始め

00:06:10.931 --> 00:06:13.418
彼らが成長しているとしましょう

00:06:13.418 --> 00:06:15.011
彼らの可能性について話しています

00:06:15.011 --> 00:06:16.851
社会人となる準備が整い

00:06:16.851 --> 00:06:18.921
より堅固な社会的スキルを
学んでいるとしましょう

00:06:18.921 --> 00:06:22.262
もし学校が十分な数の教師や
教師によるサポートを

00:06:22.262 --> 00:06:24.272
特別支援学級の生徒に
与えていないなら

00:06:24.272 --> 00:06:27.751
その役割は
僕たち生徒たちに託されればいいのです

00:06:27.751 --> 00:06:31.674
生徒たちはステップアップして
仲間のクラスメートを支援すべきです

00:06:31.674 --> 00:06:34.311
ここにいる全ての生徒が
手助けできる力があるのです

00:06:34.311 --> 00:06:38.914
問題が起きた時の対応が最も難しいものの
誰にでもできると思います

00:06:38.914 --> 00:06:43.124
皆さんが特別支援学級を支援する
最善かつ最も効率的な方法のひとつは

00:06:43.124 --> 00:06:45.662
助け合い計画を作ったり
参加したりすることです

00:06:45.662 --> 00:06:48.993
参加すればすぐに
自分が違う人間になったように感じるでしょう

00:06:48.993 --> 00:06:52.543
それは 他者にどれほど影響を与えたを
理解するからです

00:06:52.543 --> 00:06:54.324
他者への支援が
自分にも影響を与えるので

00:06:54.324 --> 00:06:56.885
「いくらか貢献できた」と
感じることになり

00:06:56.885 --> 00:07:00.574
大事なことは 支援を必要とする人と
強固な友情が築かれることです

00:07:00.574 --> 00:07:05.034
だから支援への参加は 昼食を別として
学校生活の中で最高に素晴しいことなのです

00:07:05.034 --> 00:07:09.273
勉強を楽しんでいる人も
支援の順番が来るまで待ちましょう

00:07:09.273 --> 00:07:11.507
僕は 毎週火曜日と一部の木曜日に
支援していて

00:07:11.507 --> 00:07:13.246
学校に着くと すごくわくわくします

00:07:13.246 --> 00:07:15.967
教室に入る時間が来ると
わくわくしてきて

00:07:15.967 --> 00:07:18.494
楽しみである支援相手の仲間みんなに
挨拶するんです

00:07:18.494 --> 00:07:21.105
助け合いパートナーになることは
特権だと考えるべきです

00:07:21.105 --> 00:07:24.364
皆さんが仲間に
ポジティブな影響を与えられるだけでなく

00:07:24.364 --> 00:07:26.637
彼らも 皆さんを助けてくれるし

00:07:26.637 --> 00:07:29.683
それによって
長く続く友情を築けるからです

00:07:29.683 --> 00:07:33.215
時に大変なこともあるし
良き助け合いパートナーとして

00:07:33.215 --> 00:07:34.994
表彰されることも 決してありません

00:07:34.994 --> 00:07:38.134
でも 友達作りに
表彰される必要ありませんね？

00:07:38.134 --> 00:07:39.776
友だちこそが最高のご褒美なんです

00:07:39.776 --> 00:07:43.045
助け合いパートナーになることで
自分が一人の人間であり

00:07:43.045 --> 00:07:46.426
人生の目的は 自分の人生だけでなく
他人の人生にもあると気づかせてくれました

00:07:46.426 --> 00:07:48.784
だから ここにいる生徒の皆さんには

00:07:48.784 --> 00:07:51.285
助け合いパートナーに
なって欲しいと訴えるんです

00:07:51.285 --> 00:07:52.507
きっと気に入りますよ！

00:07:52.507 --> 00:07:55.945
皆さんの学校に支援プログラムがない場合は
校長先生や教育委員会に相談して

00:07:55.945 --> 00:07:58.775
プログラムを作りましょう
彼らは本当に必要としているのですから

00:07:58.775 --> 00:08:00.246
そちらでお聴きの保護者の方々

00:08:00.246 --> 00:08:03.517
息子さんや娘さんに
助け合いプログラムへの参加を勧めてください

00:08:03.517 --> 00:08:07.366
たった８語の言葉が
皆さんと人生と他人の人生を変えるのだから

00:08:07.366 --> 00:08:09.835
「私は支援メンバーになりたいんです」