1 00:00:12,584 --> 00:00:15,840 まずは 地球の写真を 見てみましょう 2 00:00:16,160 --> 00:00:17,576 地球は本当に素晴らしいですね 3 00:00:17,600 --> 00:00:20,029 私は地質学者なので これを見ると 気持ちが高ぶりますが 4 00:00:20,053 --> 00:00:21,416 地球はともかく偉大です 5 00:00:21,440 --> 00:00:24,896 力強く ダイナミックで 絶えず変化しています 6 00:00:24,920 --> 00:00:26,720 生物にとって本当に素晴らしい場所です 7 00:00:27,780 --> 00:00:31,470 今日 皆さんにお話ししたいのは 地質学者としての私の見解— 8 00:00:31,470 --> 00:00:33,736 地球の過去を理解することが 9 00:00:33,740 --> 00:00:37,236 我々が持続可能な方法で この地球上で生きていくための 10 00:00:37,260 --> 00:00:40,340 意思決定を行なう上で役に立つ 情報を与え 指針になるということです 11 00:00:41,020 --> 00:00:44,756 地球の表面上では 目を見張るようなことが たくさん起こっています 12 00:00:44,780 --> 00:00:46,340 ここに少しズームインして 13 00:00:46,860 --> 00:00:50,516 地表で起きていることの一つについて 少しお話ししたいと思います 14 00:00:50,540 --> 00:00:53,286 物質は絶えず地表付近を 移動していますが 15 00:00:53,311 --> 00:00:56,547 その中でも大きな現象の一つは 高い山が浸食されてできた― 16 00:00:56,560 --> 00:00:59,036 砕屑物(さいせつぶつ)が運搬され そして海底に堆積することです 17 00:00:59,060 --> 00:01:01,016 このプロセスは絶えず行なわれていて 18 00:01:01,050 --> 00:01:03,436 地形を形作るのに 大きな影響を与えます 19 00:01:03,460 --> 00:01:05,355 例えばここ [北]インドには 20 00:01:05,379 --> 00:01:07,876 世界でも有数の大きな山が幾つかあり 21 00:01:07,900 --> 00:01:09,876 この衛星写真でも確認できますが 22 00:01:09,900 --> 00:01:14,076 川が山脈から海へと 砕屑物を運搬しています 23 00:01:14,100 --> 00:01:16,275 これらの川は ブルドーザーにたとえられます 24 00:01:16,300 --> 00:01:20,020 川は基本的に 山々を切り崩し 海に運んでいるからです 25 00:01:20,380 --> 00:01:21,716 少々ズームインすると 26 00:01:21,900 --> 00:01:23,641 それを確認できます 27 00:01:25,467 --> 00:01:27,197 一例を見てみましょう 28 00:01:27,213 --> 00:01:28,558 少々ズームインして 29 00:01:28,590 --> 00:01:31,180 ある川についてお話ししたいと思います 30 00:01:31,205 --> 00:01:33,955 ここには砕屑物を 海へと運ぶ川が描く 31 00:01:33,980 --> 00:01:36,076 美しい模様が見えますが 32 00:01:36,100 --> 00:01:37,716 これらの模様は不変ではありません 33 00:01:37,740 --> 00:01:40,426 流路が少し変わったり あるいは大きく変わったりして 34 00:01:40,450 --> 00:01:42,415 私達の生活に 大きな影響を与えることがあります 35 00:01:42,440 --> 00:01:44,836 その一例がこのコシ川です 36 00:01:44,860 --> 00:01:47,516 コシ川はこのように きれいなCの字を描いていて 37 00:01:47,540 --> 00:01:49,996 ネパールの大山脈を抜けるまでには 38 00:01:50,020 --> 00:01:52,156 大量の砕屑物 ― 39 00:01:52,180 --> 00:01:55,146 高い山々を浸食してできた 大量の土砂を運んでおり 40 00:01:55,170 --> 00:01:57,026 インドの広範囲に 41 00:01:57,050 --> 00:01:58,370 砕屑物は運搬されていきます 42 00:01:58,660 --> 00:02:00,956 この地域にズームインして 43 00:02:00,980 --> 00:02:04,409 コシ川で起きたことを少しお話しします 44 00:02:04,433 --> 00:02:06,996 河川系がいかに常に変化しているかを 知る一例です 45 00:02:07,020 --> 00:02:10,596 これは2008年8月に撮影した 衛星画像です 46 00:02:10,620 --> 00:02:12,316 この衛星画像は色付けがされていて 47 00:02:12,340 --> 00:02:14,516 草木などの植物は緑に 48 00:02:14,540 --> 00:02:16,196 水は青く映るようにしてあります 49 00:02:16,220 --> 00:02:19,756 ご覧のとおり ネパールを抜けたところで 50 00:02:19,780 --> 00:02:21,700 やはりC字型の流路を描いています 51 00:02:22,220 --> 00:02:24,236 これはモンスーンの季節の画像です 52 00:02:24,260 --> 00:02:26,756 この地域では8月がモンスーンの季節で 53 00:02:26,780 --> 00:02:29,676 川の近くに住む人なら洪水や 54 00:02:29,700 --> 00:02:33,272 少なくとも 洪水に伴う危険や不便と 無縁ではありません 55 00:02:33,540 --> 00:02:35,796 2008年に起きたことは 特に関心を引くことでした 56 00:02:35,820 --> 00:02:38,716 この川が移動する様子が 通常とは著しく異なっていたのです 57 00:02:38,740 --> 00:02:41,740 通常とは全く異なる氾濫が 起こったとも言えます 58 00:02:41,764 --> 00:02:44,516 コシ川はここを流れていますが 59 00:02:44,540 --> 00:02:47,116 これらの川は土砂を運搬しているので 60 00:02:47,140 --> 00:02:48,396 時に流れが詰まります 61 00:02:48,420 --> 00:02:50,556 こうした詰まりが原因で 川の流路が 62 00:02:50,580 --> 00:02:52,276 劇的に変わることがあります 63 00:02:52,300 --> 00:02:55,156 この衛星画像は わずか2週間後のものです 64 00:02:55,180 --> 00:02:57,116 ここに以前の川の流路― 65 00:02:57,140 --> 00:02:58,756 C字型の流路がありますが 66 00:02:58,780 --> 00:03:00,876 もう青くないことが分かります 67 00:03:00,900 --> 00:03:02,876 今では ここに青い流路があり 68 00:03:02,900 --> 00:03:05,356 画像の中央部分を流れています 69 00:03:05,380 --> 00:03:07,716 つまり コシ川が土手を 決壊させたのです 70 00:03:07,740 --> 00:03:10,436 参考までに このスケールバーの長さは約60キロです 71 00:03:10,460 --> 00:03:13,980 コシ川は突然 50キロ以上も 移動したことになります 72 00:03:14,660 --> 00:03:17,836 川の流れが詰まり 土手が決壊したのです 73 00:03:17,860 --> 00:03:19,956 これは約1週間後の画像です 74 00:03:19,980 --> 00:03:22,236 ここにかつての川の流路が見えますが 75 00:03:22,260 --> 00:03:24,916 川がそれまでの主要な流路から 遠く離れるような 76 00:03:24,940 --> 00:03:27,512 流路変更のプロセスが 続いているのが分かります 77 00:03:28,020 --> 00:03:30,076 想像に難くないことですが 78 00:03:30,100 --> 00:03:32,716 川の流路が頻繁に移動する このような地形では 79 00:03:32,740 --> 00:03:37,236 いつ どこで どのように流路変更が 起こるかを理解することがとても重要です 80 00:03:37,260 --> 00:03:41,140 このようなことは ずっと身近なところでも起こっています 81 00:03:41,740 --> 00:03:43,556 アメリカでは 82 00:03:43,580 --> 00:03:47,636 大陸に降る大半の雨水が ミシシッピ川へと排水されます 83 00:03:47,660 --> 00:03:50,036 ミシシッピ川はロッキー山脈や グレートプレーンズからの 84 00:03:50,060 --> 00:03:51,596 砕屑物を運搬しています 85 00:03:51,620 --> 00:03:54,836 全米のあらゆる場所からの 排水と砕屑物の運搬を行い 86 00:03:54,860 --> 00:03:56,780 メキシコ湾に放出します 87 00:03:57,420 --> 00:04:00,876 これが 私達がよく知る 現在のミシシッピ川の流路ですが 88 00:04:00,900 --> 00:04:02,996 いつもこの方向に 流れていた訳ではありません 89 00:04:03,020 --> 00:04:04,676 地質学的な記録を用いれば 90 00:04:04,700 --> 00:04:07,420 過去の流路を復元することができます 91 00:04:08,220 --> 00:04:10,516 例えば この赤い色のついた地域には 92 00:04:10,540 --> 00:04:14,076 約4600年前 ミシシッピ川が 流れていて 砕屑物を堆積させたことが 93 00:04:14,100 --> 00:04:15,740 分かっています 94 00:04:16,339 --> 00:04:18,435 そして約3500年前に ミシシッピ川は移動し 95 00:04:18,459 --> 00:04:20,836 ここにオレンジで描かれた流域を 流れるようになりました 96 00:04:20,860 --> 00:04:22,876 そしてさらに移動し続けます 97 00:04:22,900 --> 00:04:24,796 これが約2000年前 98 00:04:24,820 --> 00:04:26,516 1000年前 99 00:04:26,540 --> 00:04:27,756 700年前 100 00:04:27,780 --> 00:04:30,196 そして ごく最近の 500年前になってようやく 101 00:04:30,220 --> 00:04:33,059 我々がよく知る現在の流域を 流れるようになりました 102 00:04:34,179 --> 00:04:36,116 こうした移動の過程はとても重要で 103 00:04:36,140 --> 00:04:38,996 特にこのデルタ地帯は 104 00:04:39,020 --> 00:04:42,836 ミシシッピ川の流路変更によって 105 00:04:42,860 --> 00:04:45,476 陸と海の境界に 新たな土地を作り出しています 106 00:04:45,500 --> 00:04:47,436 これはとても価値のある 不動産となっていて 107 00:04:47,460 --> 00:04:52,716 このようなデルタ地帯は 世界で最も人口密度の高い土地に数えられます 108 00:04:52,740 --> 00:04:55,196 こうした地形の変化― それがどのように形成されて 109 00:04:55,220 --> 00:04:58,356 今後どのように変化し続けるのかを 理解することは 110 00:04:58,380 --> 00:05:00,780 そこに住む人々にとって とても重要なことです 111 00:05:01,580 --> 00:05:03,116 川の流路が少し変化することもあります 112 00:05:03,140 --> 00:05:06,036 これまでは 川の大規模な 流路変更の話をしてきましたが 113 00:05:06,060 --> 00:05:08,316 ここで流路の小規模な 移動についてお話しします 114 00:05:08,340 --> 00:05:10,876 アマゾン川流域の盆地まで飛びます 115 00:05:10,900 --> 00:05:12,916 ここにも大きな河川系があり 116 00:05:12,940 --> 00:05:17,316 アンデス山脈から排水し 砕屑物を削り取りながら 117 00:05:17,340 --> 00:05:19,156 南アメリカを横断して 118 00:05:19,180 --> 00:05:21,860 大西洋に放出します 119 00:05:22,660 --> 00:05:27,356 ここにズームインすると 見事にうねうねとした流路が見えます 120 00:05:27,380 --> 00:05:30,356 とても美しいですが これも不変ではありません 121 00:05:30,380 --> 00:05:32,116 流路は少しずつ変化しています 122 00:05:32,140 --> 00:05:35,756 過去30年ほどの衛星画像を用いて 123 00:05:35,780 --> 00:05:37,916 どのように変化するか 実際に確認できます 124 00:05:37,940 --> 00:05:42,116 少しの間 この川の湾曲部を どれでもよいので観察してください 125 00:05:42,140 --> 00:05:45,116 同じ場所にそう長く留まっていないことが 分かりますね 126 00:05:45,140 --> 00:05:47,420 流れを変え 発展し 模様を変形させていきます 127 00:05:48,940 --> 00:05:51,316 特に この地域に注目すると 128 00:05:51,340 --> 00:05:54,316 お気づきでしょうか 本流から完全に分離して 129 00:05:54,340 --> 00:05:55,756 ループ状の水路が出来ています 130 00:05:55,780 --> 00:05:57,356 まるで鞭を打ちならすようにし 131 00:05:57,380 --> 00:06:00,060 ある地点で川が分断されます 132 00:06:00,460 --> 00:06:02,076 ご参考までに言うと 133 00:06:02,100 --> 00:06:07,036 ここでも1、2シーズンの間に 6キロ以上も 134 00:06:07,060 --> 00:06:08,740 川の流路が変わりました 135 00:06:09,180 --> 00:06:12,076 私達が住む大地の景観は 136 00:06:12,100 --> 00:06:14,516 山が浸食されてできた砕屑物が 137 00:06:14,540 --> 00:06:15,876 海へと運搬されるうちに 138 00:06:15,900 --> 00:06:17,516 常に少しずつ姿を変えています 139 00:06:17,540 --> 00:06:18,996 常に変化しています 140 00:06:19,020 --> 00:06:21,276 このようなプロセスを 理解することによって 141 00:06:21,300 --> 00:06:24,236 持続可能なやり方で この大地で 上手に暮らしていくことができます 142 00:06:24,260 --> 00:06:27,316 でも 地表で現在起きていることの 情報しか持ち合わせていなければ 143 00:06:27,340 --> 00:06:29,676 理解することはとても困難です 144 00:06:29,700 --> 00:06:31,756 いいですか? 観測データは多くはありません 145 00:06:31,780 --> 00:06:36,396 例えば 30年分の衛星写真が あるだけです 146 00:06:36,420 --> 00:06:39,516 こうしたプロセスの理解を深めるには より多くの観測データが必要です 147 00:06:39,540 --> 00:06:41,156 さらに我々が知るべきことは 148 00:06:41,180 --> 00:06:44,396 私たちが土地を占有し 土地に手を加えるにつれ 149 00:06:44,420 --> 00:06:45,676 地形が気候変動や 150 00:06:45,700 --> 00:06:48,540 土地の利用の仕方の変化に どう反応するかということです 151 00:06:49,260 --> 00:06:51,796 ここで岩石の有用性が 明らかになります 152 00:06:51,820 --> 00:06:54,316 川が流れ 153 00:06:54,340 --> 00:06:57,236 山が削られててできた 砕屑物が海へと運搬される時に 154 00:06:57,260 --> 00:07:00,716 時に 砂や粘土や礫が少しだけ 川底に留まることがあります 155 00:07:00,740 --> 00:07:03,436 留まった物質は川底に埋積し 156 00:07:03,460 --> 00:07:07,196 長い年月をかけて 大規模で厚さのある堆積物となり 157 00:07:07,220 --> 00:07:09,236 やがて岩石になります 158 00:07:09,260 --> 00:07:11,836 このことが意味するのは このような場所を訪ね 159 00:07:11,860 --> 00:07:14,556 大規模で厚く積み重なった 堆積岩を見て 160 00:07:14,580 --> 00:07:16,076 時間を遡れば 161 00:07:16,100 --> 00:07:18,836 その土地のかつての様子が 分かるということです 162 00:07:18,860 --> 00:07:20,996 これは 地形を復元し 163 00:07:21,020 --> 00:07:25,340 地形の発展を理解するのに 役立つやり方です 164 00:07:26,260 --> 00:07:27,876 同時にとても便利です 165 00:07:27,900 --> 00:07:30,876 地球には壮大な歴史があったからです そうですよね? 166 00:07:30,900 --> 00:07:35,710 この映像は 地球史における 167 00:07:35,710 --> 00:07:39,356 この6億年間の古地理を 復元したものです 168 00:07:39,380 --> 00:07:41,356 ここではとても短く再現しています 169 00:07:41,380 --> 00:07:44,116 プレートが移動するにつれ 170 00:07:44,140 --> 00:07:47,276 気候が変わり 海水準が変動したことが分かっています 171 00:07:47,300 --> 00:07:50,956 過去にさかのぼれば 様々な地形や 172 00:07:50,980 --> 00:07:53,716 自然環境があったことが分かります 173 00:07:53,740 --> 00:07:55,116 タイムマシンに乗って 174 00:07:55,140 --> 00:07:56,476 過去を見れたらの話ですが― 175 00:07:56,500 --> 00:07:58,236 タイムマシンは実はあるんです 176 00:07:58,259 --> 00:08:01,595 これらの時代に堆積した岩石を 見ることができるからです 177 00:08:01,620 --> 00:08:03,636 一例として 178 00:08:03,660 --> 00:08:05,876 地球の過去における 特別な時代をご覧頂きます 179 00:08:05,900 --> 00:08:09,116 約5千5百万年前 実に急激な温暖化が発生しました 180 00:08:09,140 --> 00:08:11,636 何が起こったかというと 181 00:08:11,660 --> 00:08:13,476 大量の二酸化炭素が大気中に放出され 182 00:08:13,500 --> 00:08:17,356 急激で かつ極端な 地球規模の温暖化が起きたのです 183 00:08:17,380 --> 00:08:20,036 温暖と言っても 相当な暖かさで 184 00:08:20,060 --> 00:08:23,036 ワニやヤシの木の類が 185 00:08:23,060 --> 00:08:26,076 北はカナダから 南はパタゴニアまで見られました 186 00:08:26,100 --> 00:08:29,276 この時代はとても温暖で しかも本当に突然 暖かくなりました 187 00:08:29,300 --> 00:08:30,516 私達は時間を遡って 188 00:08:30,540 --> 00:08:33,596 この時代に堆積した岩石を見つけて 189 00:08:33,620 --> 00:08:37,220 温暖化の影響による地形の変化を 復元することができます 190 00:08:37,659 --> 00:08:39,556 イェーイ ここに岩石が見えます 191 00:08:39,580 --> 00:08:41,916 (笑) 192 00:08:41,940 --> 00:08:43,676 たくさんの岩石が積み重なっています 193 00:08:43,700 --> 00:08:45,316 この黄色い部分は 194 00:08:45,340 --> 00:08:47,076 化石化した川です 195 00:08:47,100 --> 00:08:48,767 このモデルで示すような環境のもとで 196 00:08:48,791 --> 00:08:52,076 5千5百万年前に 堆積したものです 197 00:08:52,100 --> 00:08:55,196 私たち地質学者は現地を訪ね これらを詳細に調べ 198 00:08:55,220 --> 00:08:56,649 地形を復元できます 199 00:08:57,340 --> 00:08:58,836 ここにもう1つの例があります 200 00:08:58,860 --> 00:09:01,316 この黄色い部分が化石化した川です 201 00:09:01,340 --> 00:09:02,876 その上にもう1つあります 202 00:09:02,900 --> 00:09:06,196 私達は現地に行き 細部を見て 大きさを測ったり 観察したり 203 00:09:06,220 --> 00:09:07,596 特徴的な値を測ります 204 00:09:07,620 --> 00:09:09,996 例えば 今示した特徴から 205 00:09:10,020 --> 00:09:13,476 この川はおそらく 水深およそ90センチ程度だったと推測できます 206 00:09:13,500 --> 00:09:15,596 5千5百万年前の世界を 散歩してみたとしたら 207 00:09:15,620 --> 00:09:17,860 この可愛らしい小川は 歩いて渡れます 208 00:09:18,580 --> 00:09:21,476 川の跡の上下にある赤い部分は 209 00:09:21,500 --> 00:09:23,276 太古の土が堆積したものです 210 00:09:23,300 --> 00:09:27,156 これを調べれば ここにどんな生物が生まれ 成長していたのかが分かりますし 211 00:09:27,180 --> 00:09:30,740 川と それが作り出す氾濫源との関係も 理解できます 212 00:09:31,780 --> 00:09:36,156 詳細に調べれば かつての川の流れ方や地形を 213 00:09:36,180 --> 00:09:39,036 ある程度特定して 復元できます 214 00:09:39,060 --> 00:09:41,540 この特定の場所の この時代の調査では 215 00:09:42,260 --> 00:09:43,476 この特定の場所の この時代の調査では 216 00:09:43,500 --> 00:09:46,236 突然起きた温暖化以前の様子を調べると 217 00:09:46,260 --> 00:09:49,876 川は山から海へと蛇行しながら流れ 218 00:09:49,900 --> 00:09:55,036 先ほどご覧いただいた アマゾン川流域に似ていたことでしょう 219 00:09:55,060 --> 00:09:57,516 でも気候変動が始まると たちまち 220 00:09:57,540 --> 00:09:59,020 川は劇的に変化します 221 00:09:59,580 --> 00:10:01,436 突然 川幅が大きく広がり 222 00:10:01,460 --> 00:10:05,020 この地域の広範囲に渡って 流路が大きく変化し始めました 223 00:10:05,980 --> 00:10:09,876 川はやがては 気候変動が起こる前と 似たような様子に戻りましたが 224 00:10:09,900 --> 00:10:13,716 川はやがては 気候変動が起こる前と 似たような様子に戻りましたが 225 00:10:13,740 --> 00:10:15,380 とても長い時間がかかりました 226 00:10:16,340 --> 00:10:20,196 私達は地質学的な時間を遡り このような復元を行なうことで 227 00:10:20,220 --> 00:10:22,836 このような気候変動や 人類の土地利用による影響で 228 00:10:22,860 --> 00:10:26,636 地形がどのように変わったのかを 理解することができます 229 00:10:26,660 --> 00:10:28,756 川の変化の仕方や 230 00:10:28,780 --> 00:10:33,556 川が流れのパターンや 動きを変える理由の一部は 231 00:10:33,580 --> 00:10:37,516 温暖化で地表に降り注ぐ 雨量が増えたことによって 232 00:10:37,540 --> 00:10:39,476 説明されます 233 00:10:39,500 --> 00:10:42,036 より多くの堆積物が浸食され そして運搬されことにより 234 00:10:42,060 --> 00:10:43,900 川の流れが変わるのです 235 00:10:44,780 --> 00:10:46,876 結局のところ 236 00:10:46,900 --> 00:10:49,516 地表に住む限り 237 00:10:49,540 --> 00:10:52,916 私達は 資源や 動的に変化する 環境に住むことに伴うリスクを 238 00:10:52,940 --> 00:10:55,916 注意深く管理する必要があります 239 00:10:55,940 --> 00:10:59,876 それを持続可能なやり方で行なう 唯一の手段は 240 00:10:59,900 --> 00:11:02,116 地球の過去において 地形がどのように発達し 241 00:11:02,140 --> 00:11:06,236 変化したかという情報を 活用することです 242 00:11:06,260 --> 00:11:07,476 ありがとう 243 00:11:07,500 --> 00:11:11,940 (拍手)