1 00:00:24,739 --> 00:00:26,571 皆さん こんにちは 2 00:00:26,571 --> 00:00:27,975 私はエイプリルです 3 00:00:28,765 --> 00:00:33,823 8年前 私の人生で 一番大きくて 最高なプレゼントをもらいました 4 00:00:34,293 --> 00:00:38,535 私が2歳の頃から 毎晩読み聞かせを してくれたお母さんが 5 00:00:38,535 --> 00:00:41,060 ついに 子供向けの本屋さんを 開店したんです 6 00:00:41,470 --> 00:00:45,243 今もその日のことを覚えています お店の中は暖かく 素敵な場所で 7 00:00:45,973 --> 00:00:51,244 本棚が太陽の光で きらきらしていて 私は本の匂いを嗅ぎました 8 00:00:51,524 --> 00:00:54,051 そして今も覚えているのは お母さんが私を 9 00:00:54,051 --> 00:00:57,221 腕の中に抱いて 本を読んで くれた幸せな時間です 10 00:00:59,261 --> 00:01:02,709 「蔓(つる)に覆われた パリの古びた家に 11 00:01:02,709 --> 00:01:06,499 12人の小さな女の子が 2列になって住んでいました」 12 00:01:07,989 --> 00:01:13,299 時が経ち 男の子によく間違えられる 幼い子供だった私は 13 00:01:13,299 --> 00:01:16,549 今 ステージの上で 皆さんの前に立つ 大きな女の子に成長しました 14 00:01:16,769 --> 00:01:20,320 しかし 読書が好きなことは 変わらないままです 15 00:01:20,320 --> 00:01:23,919 読書中に 指しゃぶりを しなくなったこと以外は 16 00:01:24,729 --> 00:01:27,900 読書をする自由さと 選択の自由さは 17 00:01:27,900 --> 00:01:30,949 お母さんが私に与えてくれた 最高の贈り物の一つです 18 00:01:31,439 --> 00:01:35,339 本屋の経営は お金を稼ぐためには 最善の選択ではないかもしれませんが 19 00:01:35,339 --> 00:01:38,380 お母さんは 高給な仕事を辞めた ことを後悔したことはありません 20 00:01:38,380 --> 00:01:41,190 そして 小さな本屋の経営に 力を注いでいます 21 00:01:41,190 --> 00:01:43,029 彼女は 自分の仕事について とても誇りを持っています 22 00:01:43,029 --> 00:01:46,781 私や他の子供たちに 読書への 情熱を与えてくれています 23 00:01:47,201 --> 00:01:51,349 本に囲まれて 私は 熱心な読書家になりました 24 00:01:51,349 --> 00:01:54,600 どこに行くにも 本を持っていきます 25 00:01:55,130 --> 00:01:57,998 レストランで 食事が来るのを 待つ間に本を読みます 26 00:01:58,118 --> 00:02:00,779 通学の途中に 地下鉄で 本を読みます 27 00:02:01,169 --> 00:02:03,768 毎晩 寝る前に本を読みます 28 00:02:04,938 --> 00:02:07,290 本を読むことは 時を超えた旅です 29 00:02:07,290 --> 00:02:10,318 本を読まなかったら 知らなかった 場所を訪れることができます 30 00:02:10,318 --> 00:02:14,808 想像力、冒険、発見の世界を 体験できます 31 00:02:15,178 --> 00:02:17,628 例えば『不思議の国のアリス』 32 00:02:18,128 --> 00:02:22,040 あの本を読んだ時 私はアリスと一緒に 不思議の国に落下しました 33 00:02:22,400 --> 00:02:24,658 とっても へんてこですが ありありと見えます 34 00:02:25,198 --> 00:02:28,627 その世界では ウサギが言葉を話し トランプが兵隊をしていて 35 00:02:28,907 --> 00:02:30,861 猫が自由自在に 姿を消すことができます 36 00:02:31,321 --> 00:02:33,009 本を読み進めるうちに 37 00:02:33,009 --> 00:02:35,760 不思議の国に戻って もう一度 あのへんてこな世界を 38 00:02:35,760 --> 00:02:38,898 体験したいと何度も思いました 39 00:02:39,178 --> 00:02:40,858 だから この絵を描きました 40 00:02:42,598 --> 00:02:44,449 描いたのは チェシャ猫 41 00:02:44,449 --> 00:02:46,492 巨大なキノコの上のイモムシ 42 00:02:46,492 --> 00:02:47,949 そして女の子です 43 00:02:47,949 --> 00:02:50,381 その女の子が アリスなのか 自分自身なのかは分かりません 44 00:02:50,381 --> 00:02:53,001 その絵を描いた時 とても幼かったんです 45 00:02:53,001 --> 00:02:54,138 でも 心から願っていました 46 00:02:54,138 --> 00:02:56,968 あの本の中で暮らせたらって 47 00:02:57,888 --> 00:03:00,699 本の中では 48 00:03:00,699 --> 00:03:05,620 退屈したアリスがウサギを追いかけ 不思議の国に転げ落ちました 49 00:03:05,620 --> 00:03:07,200 一方で 現実の世界では 50 00:03:07,200 --> 00:03:11,039 本はいつも 普段の生活の退屈さから 私たちを救い出し 51 00:03:11,039 --> 00:03:13,017 魔法の世界に連れて行ってくれます 52 00:03:13,017 --> 00:03:14,398 例えば 53 00:03:14,398 --> 00:03:17,839 私たちは『マジック・スクール・バス』 に乗って人体を探検できます 54 00:03:17,839 --> 00:03:22,031 『ファーブル昆虫記』を読んで 自然の世界に入りこめます 55 00:03:22,031 --> 00:03:25,649 『恐ろしい歴史』シリーズでは 古代ギリシャやローマに 56 00:03:25,649 --> 00:03:28,008 旅をすることもできます 57 00:03:28,748 --> 00:03:30,229 本があれば 58 00:03:32,899 --> 00:03:35,905 どんな場所にも旅ができ なんにでもなれます 59 00:03:37,025 --> 00:03:40,191 読書は他の人とつながるための 良い手段でもあります 60 00:03:40,191 --> 00:03:43,038 電車で本を読んでいる時に 隣の知らない人に 61 00:03:43,038 --> 00:03:44,740 こう言われたら嬉しくなります 62 00:03:44,740 --> 00:03:46,827 「ねえ 私もその本が好き」 63 00:03:46,837 --> 00:03:49,589 これは私とヨーヨーの間で 実際にあった話です 64 00:03:49,589 --> 00:03:54,037 私たちは その後すぐ その本の 登場人物について話しました 65 00:03:54,757 --> 00:03:58,721 彼女のお母さんと 私のお母さんも お互いに共通点を見つけました 66 00:03:58,721 --> 00:04:02,727 去年 私たちの家族は 一緒にシンガポールへ旅行しました 67 00:04:03,347 --> 00:04:06,640 これはシンガポール旅行の 最初の日の 私たちです 68 00:04:06,640 --> 00:04:09,858 私たちは 大きな本屋さんに行って そこで半日過ごしました 69 00:04:10,078 --> 00:04:11,898 それだけではありません 70 00:04:11,898 --> 00:04:15,278 友達と本について トリビアクイズをして楽しむ時 71 00:04:15,278 --> 00:04:20,389 または 同い年の子それぞれに ぴったりの本を探すのを手伝った時 72 00:04:20,389 --> 00:04:23,950 私たちは関係を築き お互いのことを よく知ることができます 73 00:04:23,950 --> 00:04:27,860 また 親が子供に 読み聞かせをする際には 74 00:04:27,860 --> 00:04:30,918 自身が子供だった頃の 楽しい思い出が呼びおこされます 75 00:04:30,918 --> 00:04:32,610 そうすると 世代間のギャップを 76 00:04:32,610 --> 00:04:35,850 取り払う 強い絆が生まれます 77 00:04:36,640 --> 00:04:39,468 他に 読書の素晴らしいことは 78 00:04:39,468 --> 00:04:40,551 読書をしている時 79 00:04:40,551 --> 00:04:44,119 ある意味 皆さんは作者と 会話をしています 80 00:04:45,139 --> 00:04:48,338 私の大好きな作者の一人 ビル・ブライソンは 81 00:04:48,338 --> 00:04:50,106 とっても面白くて 機知に富んでいて 82 00:04:50,106 --> 00:04:54,209 『人類が知っていることすべての短い歴史』 という彼の素晴らしい本を読む時 83 00:04:54,989 --> 00:04:59,759 一緒に空間や時間を旅している ような気持ちになります 84 00:04:59,759 --> 00:05:03,538 ビッグバンから文明の台頭まで 85 00:05:04,058 --> 00:05:06,988 私たちの住む世界についての 彼の大きな好奇心や 86 00:05:06,988 --> 00:05:09,338 それらのトピックに ついての博識さに 87 00:05:09,338 --> 00:05:11,199 ほれぼれし 感動しました 88 00:05:12,179 --> 00:05:14,688 ロアルド・ダールも 私の好きな作家です 89 00:05:14,688 --> 00:05:18,405 面白くて ハラハラするような 本がとても魅力的で 90 00:05:18,405 --> 00:05:21,689 話が終わらなければいいのに と思ってしまうほどです 91 00:05:21,689 --> 00:05:24,298 彼の子供向けの本は 全て読みました 92 00:05:24,298 --> 00:05:29,199 『チャーリーとチョコレート工場』、『魔女が いっぱい』、『オ・ヤサシ巨人 BFG』等 93 00:05:29,809 --> 00:05:33,436 作者はインタビューで 「どこで話の着想を得ているんですか?」 94 00:05:33,436 --> 00:05:39,498 と聞かれた際 こう答えました 「いつも 小さな種から始まります 95 00:05:39,498 --> 00:05:41,457 小さな発芽から 大きな発想を得た時 96 00:05:41,457 --> 00:05:43,789 いつもノートを取り出して 書き出すんです 97 00:05:43,789 --> 00:05:46,168 さもないと 夢のように消えてしまうから」 98 00:05:46,718 --> 00:05:49,628 このコツは 私が文章を書き始めた時 大きな助けになりました 99 00:05:49,628 --> 00:05:53,370 私は 自分のアイデアノートに アイデアの種を書き出します 100 00:05:53,980 --> 00:05:57,118 『ふしぎの森のミンピン』の話の中で ロアルド・ダールは言っています 101 00:05:58,188 --> 00:06:01,478 「あなたの周りにある世界を 輝く目で見つめなさい 102 00:06:01,478 --> 00:06:03,851 なぜなら 最も素晴らしい秘密は いつも 最もありそうもない場所に 103 00:06:03,851 --> 00:06:05,849 潜んでいるものだから」 104 00:06:06,329 --> 00:06:08,909 これを読んでとても 感銘を受けました 105 00:06:08,909 --> 00:06:12,908 偉大な作者からの アドバイスとしてだけでなく 106 00:06:12,908 --> 00:06:17,198 私たちの世界に深い洞察を持った 賢者からのアドバイスとして 107 00:06:19,108 --> 00:06:23,208 まさに ロアルド・ダールのキャラクター BGF、オ・ヤサシ巨人のように 108 00:06:23,208 --> 00:06:27,348 彼の仕事は小さな子供の楽しい夢を 集めて膨らませることでした 109 00:06:27,348 --> 00:06:31,427 ロアルド・ダール、ビル・ブライソン シェル・シルヴァスタイン 110 00:06:31,427 --> 00:06:33,638 ドクター・スース、その他の作家が 111 00:06:33,638 --> 00:06:37,829 私や他の読者それぞれに 大きな夢を膨らませてくれました 112 00:06:38,259 --> 00:06:42,359 いつか 作者として自分の魔法を 作ってみたいと夢見ました 113 00:06:42,359 --> 00:06:46,568 自分自身、友達、自分の子供 そして他の子供たちのために 114 00:06:46,978 --> 00:06:51,678 さて 図工の時間に作った凧に 書いた 私の詩を披露したいと思います 115 00:06:52,888 --> 00:06:55,267 「私たちの上空を 鳥のように 高く舞い上がるのは 116 00:06:55,267 --> 00:06:57,498 大きな 素敵な凧です 117 00:06:57,498 --> 00:06:58,759 風がヒューヒューと吹き 118 00:06:58,759 --> 00:07:00,089 凧は踊ります 119 00:07:00,089 --> 00:07:01,838 なんて美しい光景でしょう!」 120 00:07:02,148 --> 00:07:04,469 そう なんて美しい光景 121 00:07:04,469 --> 00:07:09,218 この夢を叶えるための道のりには とても長い時間がかかるでしょうから 122 00:07:09,698 --> 00:07:12,328 毎日読書して 文章を 書きたいと思います 123 00:07:12,328 --> 00:07:15,282 そしてなにより 輝く目で 周りの世界を見つめます 124 00:07:15,282 --> 00:07:18,349 ロアルド・ダールのように 125 00:07:19,539 --> 00:07:21,768 確信を持っているのは 126 00:07:21,768 --> 00:07:24,260 私は 一生読書が大好きである ということ 127 00:07:24,260 --> 00:07:27,933 私が本を読むのは 1つの人生を 楽しむだけでは物足りないからです 128 00:07:28,693 --> 00:07:31,908 今日はここに立って 私の 読書体験を皆さんにお伝えしました 129 00:07:31,908 --> 00:07:35,401 読書は 全世界を明るく するものだと考えるからです 130 00:07:35,911 --> 00:07:40,015 皆さんも 本に囲まれる中 静かに座り 131 00:07:40,015 --> 00:07:41,788 言葉や挿絵 132 00:07:41,788 --> 00:07:47,487 そして それらの美しい組み合わせを 楽しんでみてはいかがでしょうか 133 00:07:48,557 --> 00:07:49,948 このスピーチの最後に 134 00:07:49,948 --> 00:07:52,888 私の大好きな詩の一つを 朗読したいと思います 135 00:07:54,138 --> 00:07:57,547 「1冊の本が 蝶のような 単純なものから 136 00:07:57,547 --> 00:08:00,708 始まったなんて信じる人は誰もいない 137 00:08:00,708 --> 00:08:03,228 蝶は わずかな時間しか生きない 138 00:08:03,758 --> 00:08:07,072 しかし紙の上では どんなものも永遠に生きられる 139 00:08:07,342 --> 00:08:10,558 紙の上では 蝶も永遠に死なない」 140 00:08:10,908 --> 00:08:12,193 ありがとうございました 141 00:08:12,193 --> 00:08:14,519 (拍手)