1
00:00:06,194 --> 00:00:09,257
脳と食物

2
00:00:09,257 --> 00:00:12,859
あなたの脳から水分を
全部抜き取ったなら

3
00:00:12,859 --> 00:00:16,390
脳を構成する栄養素の内訳は

4
00:00:16,390 --> 00:00:18,112
どうなっているのでしょうか

5
00:00:18,112 --> 00:00:21,359
まったく水分のない脳の重さは
脂質としても知られる

6
00:00:21,359 --> 00:00:24,816
脂肪がほとんどです

7
00:00:24,816 --> 00:00:28,965
残りの脳内物質は
蛋白質とアミノ酸

8
00:00:28,965 --> 00:00:30,787
わずかな微量栄養素と
ブドウ糖です

9
00:00:30,787 --> 00:00:32,973
わずかな微量栄養素と
ブドウ糖です

10
00:00:32,973 --> 00:00:35,572
もちろん 素材として
この栄養素を集めただけでは

11
00:00:35,572 --> 00:00:37,309
脳は機能しませんが

12
00:00:37,309 --> 00:00:42,117
それぞれの栄養素が
脳の機能や発達

13
00:00:42,117 --> 00:00:43,232
そして気分や活力に

14
00:00:43,232 --> 00:00:44,940
明確なインパクトを
持っています

15
00:00:44,940 --> 00:00:46,726
ですから もし 昼食後に
気だるく感じたり

16
00:00:46,726 --> 00:00:49,548
深夜なのに 頭が
冴えてしまうのであれば

17
00:00:49,548 --> 00:00:54,506
単にそれは脳に届いた
食べ物のせいかもしれません

18
00:00:54,506 --> 00:00:59,758
脳内の脂肪の中の
大スターはオメガ３と６です

19
00:00:59,758 --> 00:01:01,600
それらの必須脂肪酸は

20
00:01:01,600 --> 00:01:05,045
脳細胞の退化症状の
予防につながるといわれ

21
00:01:05,045 --> 00:01:07,256
食物で補わなければなりません

22
00:01:07,256 --> 00:01:09,005
オメガ必須脂肪酸を
たくさん含む

23
00:01:09,005 --> 00:01:09,827
ナッツや種子類

24
00:01:09,827 --> 00:01:10,651
ナッツや種子類

25
00:01:10,651 --> 00:01:11,944
脂ののった魚を食べるのは

26
00:01:11,944 --> 00:01:16,755
細胞膜の産生と維持に
とても重要です

27
00:01:16,755 --> 00:01:19,320
オメガ必須脂肪酸が
脳によい一方

28
00:01:19,320 --> 00:01:23,918
トランス脂肪酸や
飽和脂肪酸など他の油脂は

29
00:01:23,918 --> 00:01:26,601
長期間 摂取していると
健康に支障を起こします

30
00:01:26,601 --> 00:01:29,291
また 蛋白質とアミノ酸は

31
00:01:29,291 --> 00:01:32,349
成長や身体づくりに活躍する
基礎栄養素であり

32
00:01:32,349 --> 00:01:35,819
私たちの感情や
ふるまいを操ります

33
00:01:35,819 --> 00:01:39,976
アミノ酸には神経伝達物質の
前駆成分が含まれています

34
00:01:39,976 --> 00:01:43,799
神経伝達物質は
化学メッセンジャーとして

35
00:01:43,799 --> 00:01:45,324
気分や睡眠

36
00:01:45,324 --> 00:01:46,230
気分や睡眠

37
00:01:46,230 --> 00:01:47,290
記銘力や体重調整などに関与する

38
00:01:47,290 --> 00:01:49,072
神経細胞間の信号を運ぶ
働きがあります

39
00:01:49,072 --> 00:01:53,515
大盛りのパスタのあとは気分が落ち着き
蛋白質の多い食事のあとは

40
00:01:53,515 --> 00:01:56,855
より頭が冴えたと感じるのは
それが一つの理由です

41
00:01:56,855 --> 00:01:59,958
食物に含まれる成分の
複雑な組み合わせが

42
00:01:59,958 --> 00:02:04,754
脳細胞を刺激し 気分を変える
ノルアドレナリンやドーパミン

43
00:02:04,754 --> 00:02:06,101
脳細胞を刺激し 気分を変える
ノルアドレナリンやドーパミン

44
00:02:06,101 --> 00:02:07,723
そして セラトニンの分泌を促します

45
00:02:07,723 --> 00:02:09,755
しかし脳細胞に到達するのは
一筋縄ではいかず

46
00:02:09,755 --> 00:02:13,264
限られたアクセス権をめぐって
アミノ酸が競い合います

47
00:02:13,264 --> 00:02:17,412
一連の食べ物を摂取することで
脳のメッセンジャーは

48
00:02:17,412 --> 00:02:19,287
バランスよく組み合わされ

49
00:02:19,287 --> 00:02:23,633
あなたの気分も極端に
偏ってしまうこともありません

50
00:02:23,633 --> 00:02:25,535
身体の他の臓器のように
私たちの脳にとっても

51
00:02:25,535 --> 00:02:30,151
微量栄養素の安定した
供給が有益なのです

52
00:02:30,151 --> 00:02:32,320
果物や野菜の抗酸化物質は
脳細胞を破壊する活性酸素を

53
00:02:32,320 --> 00:02:37,326
撃退するよう脳を強くするし

54
00:02:37,326 --> 00:02:41,223
脳に持久力をつけます

55
00:02:41,223 --> 00:02:43,298
ビタミンB6やB12や葉酸のような

56
00:02:43,298 --> 00:02:45,442
ビタミンB6やB12や葉酸のような

57
00:02:45,442 --> 00:02:47,574
パワフルな微量栄養素なしでは

58
00:02:47,574 --> 00:02:49,437
私たちの脳は脳障害や

59
00:02:49,437 --> 00:02:51,869
精神的落ち込みを
受け易くなります

60
00:02:51,869 --> 00:02:53,633
鉄や銅 亜鉛 ナトリウムなどの

61
00:02:53,633 --> 00:02:54,462
鉄や銅 亜鉛 ナトリウムなどの

62
00:02:54,462 --> 00:02:55,288
微量ミネラルも

63
00:02:55,288 --> 00:02:56,288
微量ミネラルも

64
00:02:56,288 --> 00:03:01,191
やはり脳の健康と 早期の
認知機能の発達に必須です

65
00:03:01,191 --> 00:03:04,567
脳がそれらの貴重な栄養素を
効果的に変換したり

66
00:03:04,567 --> 00:03:06,101
合成するためには

67
00:03:06,101 --> 00:03:08,441
脳には燃料が―
それもたくさん必要です

68
00:03:08,441 --> 00:03:12,881
ヒトの脳の重さは
全体重のたった２％ですが

69
00:03:12,881 --> 00:03:16,646
エネルギー源を
最大20％も消費します

70
00:03:16,646 --> 00:03:19,691
そのエネルギーのほとんどは
炭水化物から来ていて

71
00:03:19,691 --> 00:03:24,106
体内でブドウ糖か
血糖に消化されていきます

72
00:03:24,106 --> 00:03:28,004
前頭葉はブドウ糖の低下に
非常に敏感なので

73
00:03:28,004 --> 00:03:31,786
精神機能に変化があれば
栄養が欠乏している時の

74
00:03:31,786 --> 00:03:34,754
最初に観られる
兆候といえるでしょう

75
00:03:34,754 --> 00:03:37,101
ブドウ糖を一貫して
受け取っているとしたら

76
00:03:37,101 --> 00:03:42,136
摂取した炭水化物の 特にどのタイプが
脳に影響を及ぼすのでしょうか？

77
00:03:42,136 --> 00:03:44,225
炭水化物は
主に３種に分けられます

78
00:03:44,225 --> 00:03:44,985
でんぷん 糖質

79
00:03:44,985 --> 00:03:45,759
でんぷん 糖質

80
00:03:45,759 --> 00:03:47,191
そして食物繊維です

81
00:03:47,191 --> 00:03:48,856
ほとんどの栄養表示ラベルには
それら炭水化物三種は

82
00:03:48,856 --> 00:03:52,135
炭水化物含有値として
まとめて表示されることが多いのですが

83
00:03:52,135 --> 00:03:56,172
下位群である糖質と食物繊維の
炭水化物全体量に対する

84
00:03:56,172 --> 00:03:59,382
含有比によって
身体と脳の反応が左右されます

85
00:03:59,382 --> 00:04:02,135
白パンのように
GI値の高い食品は

86
00:04:02,135 --> 00:04:05,639
急激に血中にブドウ糖を
送り込んだあと

87
00:04:05,639 --> 00:04:07,915
急激に減少させる原因となります

88
00:04:07,915 --> 00:04:12,473
血糖が急減すると
集中力の長さも気分も下降します

89
00:04:12,473 --> 00:04:17,940
その一方 オーツ麦や全粒穀物
豆類はブドウ糖の放出がゆっくりで

90
00:04:17,940 --> 00:04:21,288
安定した注意力が維持できます

91
00:04:21,288 --> 00:04:23,035
脳機能の持続のために

92
00:04:23,035 --> 00:04:27,199
栄養豊かな食品を幅広く
選ぶことがとても重要です

93
00:04:27,199 --> 00:04:29,980
あなたが口にし 咀嚼し
飲み込むものに関しては

94
00:04:29,980 --> 00:04:33,537
あなたの選択が
体内で最もパワフルな器官である

95
00:04:33,537 --> 00:04:35,977
脳への直接的 そして長期的な
影響をもたらすのです