1
00:00:01,000 --> 00:00:04,000
ハイチの地震はSkype上で知りました

2
00:00:04,000 --> 00:00:07,000
「わぁ 地震よ」と

3
00:00:07,000 --> 00:00:09,000
妻がメッセージを送ってきました

4
00:00:09,000 --> 00:00:12,000
それから25分程連絡がありませんでした

5
00:00:13,000 --> 00:00:16,000
アメリカ全土で何千もの人が直面した

6
00:00:16,000 --> 00:00:20,000
とてつもなく恐ろしい25分でした

7
00:00:21,000 --> 00:00:24,000
私は津波の心配をしていました

8
00:00:24,000 --> 00:00:26,000
ハイチにそれよりも強大な恐怖が

9
00:00:26,000 --> 00:00:29,000
潜んでいることに気づいていませんでした

10
00:00:29,000 --> 00:00:32,000
建物の崩壊です

11
00:00:32,000 --> 00:00:34,000
皆さんハイチの崩壊した

12
00:00:34,000 --> 00:00:37,000
建物の写真を見たことでしょう

13
00:00:37,000 --> 00:00:39,000
妻が地震から数日後に

14
00:00:39,000 --> 00:00:41,000
撮影した写真がいくつかあります

15
00:00:41,000 --> 00:00:44,000
私が手探りで現場へ向かっていた最中の物です

16
00:00:45,000 --> 00:00:47,000
これは米国のホワイトハウスに当たる

17
00:00:47,000 --> 00:00:50,000
ハイチの国会議事堂です

18
00:00:50,000 --> 00:00:53,000
これはカリブ海最大のスーパーです

19
00:00:53,000 --> 00:00:56,000
買い物客で賑わうはずの時間帯でした

20
00:00:58,000 --> 00:01:00,000
これは看護専門学校です

21
00:01:00,000 --> 00:01:03,000
300人の看護婦が勉強をしていました

22
00:01:04,000 --> 00:01:06,000
すぐ隣にある総合病院は

23
00:01:06,000 --> 00:01:09,000
ほとんど損傷なく残っていました

24
00:01:09,000 --> 00:01:12,000
これは経済 財務省の建物です

25
00:01:15,000 --> 00:01:17,000
我々はハイチ大地震による

26
00:01:17,000 --> 00:01:20,000
膨大な数の死者については

27
00:01:20,000 --> 00:01:22,000
十分見聞きしてきましたが

28
00:01:22,000 --> 00:01:25,000
なぜ彼らが命を落としたのか

29
00:01:25,000 --> 00:01:28,000
その理由は十分に語られていません

30
00:01:28,000 --> 00:01:30,000
建物が崩壊した訳について

31
00:01:30,000 --> 00:01:33,000
十分な報道はなされていません

32
00:01:33,000 --> 00:01:35,000
22万人の死者と

33
00:01:35,000 --> 00:01:37,000
33万人の負傷者を出し

34
00:01:37,000 --> 00:01:40,000
130万人を強制非難させ

35
00:01:40,000 --> 00:01:43,000
国中の食糧 飲料水

36
00:01:43,000 --> 00:01:48,000
物資供給を遮断した

37
00:01:49,000 --> 00:01:51,000
本当の原因は

38
00:01:51,000 --> 00:01:53,000
詰まる所 地震ではなく

39
00:01:53,000 --> 00:01:56,000
建物だったのです

40
00:01:56,000 --> 00:02:01,000
ここ数十年で起きた都市部における

41
00:02:01,000 --> 00:02:04,000
最も被害の大きい災害です

42
00:02:04,000 --> 00:02:07,000
これは天災ではなく 建築の欠陥が

43
00:02:07,000 --> 00:02:10,000
引き起こした人災だったのです

44
00:02:10,000 --> 00:02:12,000
AIDGは2007年以来

45
00:02:12,000 --> 00:02:14,000
ハイチで小さな企業に

46
00:02:14,000 --> 00:02:16,000
工学技術やビジネスサポートを

47
00:02:16,000 --> 00:02:18,000
提供しています

48
00:02:18,000 --> 00:02:22,000
地震発生後は建物崩壊の理由解明と

49
00:02:22,000 --> 00:02:24,000
無事だったものと そうでなかったものを

50
00:02:24,000 --> 00:02:27,000
調査するため 耐震専門家を呼びました

51
00:02:27,000 --> 00:02:30,000
国際連合ハイチ安定化ミッションや

52
00:02:30,000 --> 00:02:32,000
公共工事省 その他の

53
00:02:32,000 --> 00:02:34,000
非営利団体とも連携し

54
00:02:34,000 --> 00:02:36,000
我々は1500以上の

55
00:02:36,000 --> 00:02:39,000
建造物の調査を行いました

56
00:02:40,000 --> 00:02:42,000
学校を初め

57
00:02:42,000 --> 00:02:44,000
住宅 診療所

58
00:02:44,000 --> 00:02:46,000
食糧倉庫などを

59
00:02:46,000 --> 00:02:48,000
調査しました

60
00:02:48,000 --> 00:02:50,000
政府の建物も調査しました

61
00:02:50,000 --> 00:02:52,000
これは法務省の建物です

62
00:02:52,000 --> 00:02:54,000
ドアの向こうは

63
00:02:54,000 --> 00:02:57,000
国立司法公文書館です

64
00:02:57,000 --> 00:02:59,000
ドアのそばに立っているのは

65
00:02:59,000 --> 00:03:01,000
アンドレ・フィリトラウトです

66
00:03:01,000 --> 00:03:05,000
彼はバッファロ大学の異分野提携―

67
00:03:05,000 --> 00:03:08,000
耐震工学研究所の所長です

68
00:03:08,000 --> 00:03:10,000
文書館の復帰が安全に

69
00:03:10,000 --> 00:03:12,000
行えるか調査をしていたところです

70
00:03:12,000 --> 00:03:14,000
アンドレは

71
00:03:14,000 --> 00:03:16,000
建物は全て

72
00:03:16,000 --> 00:03:19,000
同じ原因で倒壊しており

73
00:03:19,000 --> 00:03:22,000
新たな調査対象は何もないと

74
00:03:22,000 --> 00:03:25,000
私に話してくれました

75
00:03:25,000 --> 00:03:28,000
全て共通の原因でした

76
00:03:28,000 --> 00:03:31,000
壁や厚板の柱に対する不十分な固定です

77
00:03:31,000 --> 00:03:34,000
屋根が建物から外れてしまっています

78
00:03:36,000 --> 00:03:38,000
片持ち梁 つまり

79
00:03:38,000 --> 00:03:40,000
荷重が偏る構造は

80
00:03:40,000 --> 00:03:42,000
大きく振動し 崩れ落ちました

81
00:03:44,000 --> 00:03:46,000
粗悪な建築材料や

82
00:03:46,000 --> 00:03:48,000
不十分なコンクリート

83
00:03:48,000 --> 00:03:51,000
ブロックの圧縮不足

84
00:03:52,000 --> 00:03:54,000
滑らかな鉄筋は

85
00:03:54,000 --> 00:03:57,000
外気にさらされ錆び落ちていました

86
00:03:57,000 --> 00:04:00,000
全ての問題を解消する

87
00:04:00,000 --> 00:04:02,000
方法があります

88
00:04:02,000 --> 00:04:05,000
我々は正しい建築を知っています

89
00:04:05,000 --> 00:04:08,000
約１ヵ月後に

90
00:04:08,000 --> 00:04:11,000
マグニチュード8.8の地震が

91
00:04:11,000 --> 00:04:14,000
チリを襲った際に

92
00:04:15,000 --> 00:04:17,000
生きた証拠を発見しました

93
00:04:17,000 --> 00:04:19,000
このチリ地震の強度は

94
00:04:19,000 --> 00:04:21,000
ポルトープランスを襲った

95
00:04:21,000 --> 00:04:24,000
マグニチュード7.0の

96
00:04:24,000 --> 00:04:26,000
500倍です しかし

97
00:04:26,000 --> 00:04:29,000
負傷者は1000人以下でした

98
00:04:31,000 --> 00:04:33,000
人口密度に照らし合わせても

99
00:04:33,000 --> 00:04:35,000
ハイチ地震の被害者の

100
00:04:35,000 --> 00:04:38,000
１％にも満たないのです

101
00:04:39,000 --> 00:04:41,000
チリとハイチの違いは

102
00:04:41,000 --> 00:04:44,000
いったい何だったのでしょうか?

103
00:04:44,000 --> 00:04:46,000
マグニチュードの数値と

104
00:04:46,000 --> 00:04:49,000
枠組組積造です

105
00:04:49,000 --> 00:04:51,000
これは建物が一丸となり

106
00:04:51,000 --> 00:04:53,000
壁　柱　屋根

107
00:04:53,000 --> 00:04:55,000
厚板がお互いを

108
00:04:55,000 --> 00:04:58,000
支えあうことによって

109
00:04:58,000 --> 00:05:02,000
粉々に倒壊することを防いでくれます

110
00:05:03,000 --> 00:05:06,000
このチリの建物を見てみると

111
00:05:06,000 --> 00:05:08,000
真っ二つに裂けていますが

112
00:05:08,000 --> 00:05:11,000
瓦礫の山にはなっていません

113
00:05:12,000 --> 00:05:14,000
ここ数十年のチリの建物はこの

114
00:05:14,000 --> 00:05:16,000
枠組組積造で立てられてきました

115
00:05:17,000 --> 00:05:21,000
ハイチにもっと枠組組積造の演習を

116
00:05:21,000 --> 00:05:23,000
提供できるよう AIDGはKPFF設計や

117
00:05:23,000 --> 00:05:26,000
アーキテクチャフォーヒューマニティと

118
00:05:26,000 --> 00:05:28,000
共同で取り組んでいます

119
00:05:30,000 --> 00:05:32,000
こちらはエグザンタス・ダニエルです

120
00:05:32,000 --> 00:05:34,000
彼は棟梁ではなく

121
00:05:34,000 --> 00:05:37,000
普通の いちレンガ職人です

122
00:05:37,000 --> 00:05:39,000
我々の訓練の１つに参加しました

123
00:05:39,000 --> 00:05:42,000
そして、棟梁との最後の仕事で

124
00:05:42,000 --> 00:05:45,000
不適切に柱を組み始めてしまいましたが

125
00:05:45,000 --> 00:05:47,000
彼は棟梁を引き止め

126
00:05:47,000 --> 00:05:50,000
枠組組積造の資材を見せて言いました

127
00:05:50,000 --> 00:05:53,000
「誤った方法を続ける必要はないよ

128
00:05:53,000 --> 00:05:55,000
正しい設計は我々の負担には

129
00:05:55,000 --> 00:05:58,000
なりはしないんだから」

130
00:05:58,000 --> 00:06:00,000
建築作業をやり直し

131
00:06:00,000 --> 00:06:02,000
正しく鉄筋を組み

132
00:06:02,000 --> 00:06:04,000
適切に柱を据え付けることで

133
00:06:04,000 --> 00:06:06,000
この建物の安全性が確立されました

134
00:06:06,000 --> 00:06:08,000
今後 彼らが手がける

135
00:06:08,000 --> 00:06:10,000
建造物は全て

136
00:06:10,000 --> 00:06:12,000
安全になることでしょう

137
00:06:13,000 --> 00:06:15,000
建物の安全性確保のために

138
00:06:15,000 --> 00:06:18,000
特別な政策は不要です

139
00:06:18,000 --> 00:06:20,000
現場のレンガ職人と

140
00:06:20,000 --> 00:06:23,000
連携をとり 適切な建築技術を

141
00:06:23,000 --> 00:06:26,000
学ぶ援助をすればいいのです

142
00:06:28,000 --> 00:06:30,000
今では多くの団体が援助を行っています

143
00:06:30,000 --> 00:06:32,000
ベストを着た彼は

144
00:06:32,000 --> 00:06:34,000
クレイグ・トーテンです

145
00:06:34,000 --> 00:06:36,000
彼はこの手の訓練を行っている

146
00:06:36,000 --> 00:06:39,000
団体の書類入手の代行しています

147
00:06:40,000 --> 00:06:42,000
ハイチ リワイアードやビルド チェンジ

148
00:06:42,000 --> 00:06:45,000
アーキテクチャフォ－ヒューマニティ

149
00:06:45,000 --> 00:06:47,000
AIDGを通じて

150
00:06:47,000 --> 00:06:49,000
ハイチ中の３万から４万の

151
00:06:49,000 --> 00:06:52,000
レンガ職人に働きかけ

152
00:06:52,000 --> 00:06:55,000
適切な建築を目指す

153
00:06:55,000 --> 00:06:57,000
運動を起こすことが

154
00:06:57,000 --> 00:07:00,000
できました

155
00:07:02,000 --> 00:07:04,000
この共同作業的手案で

156
00:07:04,000 --> 00:07:06,000
皆に呼びかければ

157
00:07:06,000 --> 00:07:09,000
費用は激減するのです

158
00:07:09,000 --> 00:07:13,000
再建に費やされている数十億から

159
00:07:13,000 --> 00:07:15,000
数ドルずつかけ職人に

160
00:07:15,000 --> 00:07:17,000
訓練を提供すれば 彼らは

161
00:07:17,000 --> 00:07:20,000
生涯に渡り健全な建物を建てられます

162
00:07:22,000 --> 00:07:24,000
究極的にはハイチ再建には

163
00:07:24,000 --> 00:07:26,000
方法が２つあります

164
00:07:26,000 --> 00:07:28,000
数十年にわたりハイチが

165
00:07:28,000 --> 00:07:31,000
行ってきた様に てっぺんに

166
00:07:31,000 --> 00:07:33,000
倒壊してしまう恐れのある

167
00:07:33,000 --> 00:07:35,000
欠陥工事を施す方法と

168
00:07:35,000 --> 00:07:37,000
壁を互いにくみ合わせ

169
00:07:37,000 --> 00:07:40,000
荷重バランスの

170
00:07:40,000 --> 00:07:42,000
とれた構造で

171
00:07:42,000 --> 00:07:44,000
地震に耐えうる

172
00:07:44,000 --> 00:07:47,000
枠組組積造です

173
00:07:47,000 --> 00:07:49,000
未来の世代の

174
00:07:49,000 --> 00:07:52,000
あらゆる災難に備えて

175
00:07:52,000 --> 00:07:54,000
次に大地震が襲ったとき

176
00:07:54,000 --> 00:07:56,000
悲劇ではなく

177
00:07:56,000 --> 00:07:59,000
災難ですむように

178
00:07:59,000 --> 00:08:01,000
よりよい家を建てる

179
00:08:01,000 --> 00:08:03,000
絶好の機会なのです

180
00:08:04,000 --> 00:08:08,000
(拍手)