0:00:06.854,0:00:09.066
むかし むかし

0:00:09.066,0:00:13.084
ロク・タ・モニ・エイセイという[br]力のある 賢者がおりました

0:00:13.084,0:00:15.266
彼には将来有望な[br]３人の生徒がいました

0:00:15.266,0:00:18.855
モニ・メカラ[br]知性を備えた海の女神

0:00:18.855,0:00:23.194
ヴォラチョン[br]大地を司る神様

0:00:23.194,0:00:28.345
リアム・イエソ[br]情熱の炎で燃えさかる魔神です

0:00:28.345,0:00:33.366
ロク・タは一番優秀な生徒に[br]贈り物を与えようと考え

0:00:33.366,0:00:37.804
それを決めるため[br]３人を競わせることにします

0:00:37.804,0:00:41.894
壺いっぱいの朝露を[br]最初に持ってきた者が

0:00:41.894,0:00:45.554
この不思議な贈り物を手にするのです

0:00:45.554,0:00:50.914
夜が明けると ヴォラチョンと[br]リアム・イエソは森を訪れます

0:00:50.914,0:00:54.465
葉っぱや草を一つ残らず回り

0:00:54.465,0:00:58.804
我先にと 大切な朝露の雫を[br]壺に集めていきます

0:00:58.804,0:01:01.214
賢者のもとに戻ると

0:01:01.214,0:01:06.525
モニ・メカラが 朝露いっぱいの壺と[br]じっと座っていました

0:01:06.525,0:01:08.985
彼女は自分の衣を一晩[br]外に置いておき

0:01:08.985,0:01:14.016
壺の上で衣を絞るだけで[br]競争に勝ったのです

0:01:14.016,0:01:17.643
３人の生徒を誇りに思い[br]子供のように可愛がっていたため

0:01:17.643,0:01:21.735
ロク・タは３人全員に[br]贈り物を与えました

0:01:21.735,0:01:27.195
リアム・イエソが集めた朝露を[br]ダイアモンドの斧に

0:01:27.195,0:01:30.164
ヴォラチョンの朝露を[br]魔法の短剣に

0:01:30.164,0:01:35.576
モニ・メカラの朝露を[br]見たこともないような水晶に変えたのです

0:01:35.576,0:01:42.093
ほどなくしてリアム・イエソは[br]メカラの水晶を何としても手に入れたくなり

0:01:42.093,0:01:48.065
ヴォラチョンと一緒に[br]女神を誘惑して水晶を奪おうとします

0:01:48.065,0:01:51.813
ところが 女神が申し出を拒絶し[br]その場から飛び去ると

0:01:51.813,0:01:57.144
リアム・イエソは水晶を[br]力ずくで奪おうとします

0:01:57.144,0:02:00.794
モニ・メカラを探して[br]天空を飛び回るリアム・イエソは

0:02:00.794,0:02:03.149
嫉妬の怒りに駆られています

0:02:03.149,0:02:06.825
その途中でヴォラチョンに出会うと[br]彼を襲います

0:02:06.825,0:02:11.885
正義感にあふれる神様は[br]水晶を奪わせないと知っていたからです

0:02:11.885,0:02:15.105
激しい戦いの末[br]魔神が優勢となり

0:02:15.105,0:02:18.904
ヴォラチョンを山にたたきつけます

0:02:18.904,0:02:20.493
ヴォラチョンの死を確信すると

0:02:20.493,0:02:26.295
リアム・イエソは再び女神を探し[br]ついにモニ・メカラを見つけます

0:02:26.295,0:02:29.606
彼はモニ・メカラとその仲間に対して

0:02:29.606,0:02:34.749
ロク・タの一番優秀な生徒であり[br]水晶の持ち主となるべき自分に従うか

0:02:34.749,0:02:37.315
ヴォラチョンのように[br]命を落とすかの選択を迫りました

0:02:37.315,0:02:42.153
メカラは恐れることなく拒み[br]雲の中に飛び立ちました

0:02:42.153,0:02:45.693
魔神が仲間に危害を与えないよう[br]願ってのことでした

0:02:45.693,0:02:52.345
まんまと騙されたリアム・イエソは[br]雨雲を次々と引き裂きながら追いかけます

0:02:52.345,0:02:57.025
十分離れたところまで来ると[br]メカラはイエソに立ち向かいます

0:02:57.025,0:03:01.896
リアム・イエソは 最後にもう一度[br]水晶を要求しますが 女神は動じません

0:03:01.896,0:03:06.086
これに激怒したイエソは[br]ダイアモンドの斧を振りかざします

0:03:06.086,0:03:11.154
イエソが武器を振り下ろす前に[br]メカラは水晶を天空に放ちます

0:03:11.154,0:03:13.624
水晶は空高く昇ると

0:03:13.624,0:03:18.364
力強い閃光を放ち[br]魔神を失明させました

0:03:18.364,0:03:22.235
これに絶望したリアム・イエソは[br]斧を失くしてしまいます

0:03:22.235,0:03:26.005
斧は雲を切り裂きながら[br]地上へと落ちていき

0:03:26.005,0:03:29.876
ゴロゴロと雷鳴をとどろかせます

0:03:29.876,0:03:31.815
閃光と雷が交わると

0:03:31.815,0:03:36.331
天から貴重な水の種―[br]雨が落ちてきます

0:03:36.331,0:03:41.564
メカラは 今や失明し 斧無しでは非力な[br]リアム・イエソに近づきます

0:03:41.564,0:03:44.933
メカラは目の前にいる殺人者に[br]どんな仕返しをしようかと考えました

0:03:44.933,0:03:47.743
ところが 恩師の慈悲深さと[br]愛情を思い出し

0:03:47.743,0:03:51.903
モニ・メカラは思いやりを選び[br]天空へと飛び立ちました

0:03:51.903,0:03:57.663
ほどなく リアム・イエソは力を取り戻し[br]斧を見つけると 彼女を追いかけます

0:03:57.663,0:04:02.485
雷、閃光、雨が[br]地上で踊り続けます

0:04:02.485,0:04:05.682
雨がヴォラチョンに当たると[br]彼は息を吹き返します

0:04:05.682,0:04:09.833
収穫を待つ稲穂のように[br]ヴォラチョンの肌は黄金色に輝きます

0:04:09.833,0:04:11.473
そして魔法の短剣を手に

0:04:11.473,0:04:15.842
リアム・イエソとモニ・メカラを[br]探しに飛び立つのです