WEBVTT

00:00:00.000 --> 00:00:03.000
私はSFスリラーの
小説家です

00:00:03.000 --> 00:00:06.000
その私が「殺人ロボット」
と言ったら

00:00:06.000 --> 00:00:08.000
おそらく こんな感じのものを
想像されるでしょう

00:00:08.000 --> 00:00:10.000
でも 今日はフィクションの話を
しに来たのではありません

00:00:10.000 --> 00:00:13.000
まさに現実化している
「殺人ロボット」―

00:00:13.000 --> 00:00:17.000
そう 完全自律型の戦闘ドローンのことを
話しに来ました

00:00:17.000 --> 00:00:20.000
ご存知のプレデター型や
リーパー型のことではありません

00:00:20.000 --> 00:00:23.000
これらの無人機は 標的の決定を
人間が行っています

00:00:23.000 --> 00:00:27.000
私は完全自律型のロボット兵器のことを
言っているんです

00:00:27.000 --> 00:00:29.000
このロボット兵器は
人間殺害の決定を

00:00:29.000 --> 00:00:32.000
ロボット自体が行います

00:00:32.000 --> 00:00:36.000
実は これを指す専門用語もあります
「完全自律型殺傷機能」です

00:00:36.000 --> 00:00:38.000
「完全自律型殺傷機能」を持つ
殺人ロボットは

00:00:38.000 --> 00:00:42.000
多様な姿で現れます
飛行し 走行し あるいは

00:00:42.000 --> 00:00:44.000
待ち伏せするような
ものもあるでしょう

00:00:44.000 --> 00:00:47.000
実は これらのロボットは
急速に現実のものとなりつつあります

00:00:47.000 --> 00:00:50.000
この２種類の
自動狙撃装置は

00:00:50.000 --> 00:00:54.000
現在 北朝鮮との非武装地帯の
韓国側に配備されています

00:00:54.000 --> 00:00:56.000
この機械はどちらも
攻撃対象となる—

00:00:56.000 --> 00:01:00.000
人間を自動的に特定し
銃撃する機能があります

00:01:00.000 --> 00:01:04.000
左側のものには
１キロ以上の射程があります

00:01:04.000 --> 00:01:08.000
現在のところは どちらの機械でも
射殺決定の枠組みに

00:01:08.000 --> 00:01:10.000
今のところは
人間が介在しています

00:01:10.000 --> 00:01:15.000
しかし 技術的には人を要するわけではなく
そこに人を介在させる選択をしたわけです

00:01:15.000 --> 00:01:19.000
この選択こそが
今日 私が焦点を当てたいことです

00:01:19.000 --> 00:01:21.000
なぜなら この
殺人の意思決定が

00:01:21.000 --> 00:01:24.000
人間からソフトウェアに
移行しつつあって

00:01:24.000 --> 00:01:28.000
それは 戦争から人間性を
取り去ってしまうだけでなく

00:01:28.000 --> 00:01:31.000
戦場から遠く隔たった
社会の情勢をも

00:01:31.000 --> 00:01:33.000
変えてしまう危険が
あるからです

00:01:33.000 --> 00:01:38.000
なぜなら人間が対立を解決する方法によって
私たちを取り巻く社会情勢が

00:01:38.000 --> 00:01:40.000
形成されるからです

00:01:40.000 --> 00:01:42.000
歴史上ずっと
そうやって形成されてきたのです

00:01:42.000 --> 00:01:45.000
たとえば 西暦1400年には
これが最先端の―

00:01:45.000 --> 00:01:47.000
兵器システムでした

00:01:47.000 --> 00:01:50.000
両方とも 作るのも維持するのも
とても高く付きましたが

00:01:50.000 --> 00:01:53.000
これがあれば民衆を
支配できました

00:01:53.000 --> 00:01:57.000
封建社会の政治権力の分布は
誰が武力を持つかを反映し

00:01:57.000 --> 00:02:00.000
力は権力のトップにいる人に
集中していたのです

00:02:00.000 --> 00:02:04.000
それから何が変わったのでしょう？
技術革新です

00:02:04.000 --> 00:02:05.000
火薬 大砲

00:02:05.000 --> 00:02:09.000
すぐに 甲冑と城は
時代遅れになりました

00:02:09.000 --> 00:02:12.000
戦場に誰を連れて行くかは
重要でなくなり

00:02:12.000 --> 00:02:16.000
戦場にどれだけの人数を
送り込めるかが重要になりました

00:02:16.000 --> 00:02:19.000
軍隊の人数が増えるようになると
防衛のための—

00:02:19.000 --> 00:02:23.000
政治的 物流的な要請から
国家が必要となりました

00:02:23.000 --> 00:02:25.000
指導者は民衆に
依存する必要が出てきて

00:02:25.000 --> 00:02:27.000
力が共有されるようになりました

00:02:27.000 --> 00:02:30.000
そして代議制が
形成されだします

00:02:30.000 --> 00:02:33.000
ここでもまた
対立解消にどんな手段を取るかが

00:02:33.000 --> 00:02:36.000
私たちを取り巻く社会情勢を
形作っています

00:02:36.000 --> 00:02:40.000
自律ロボット兵器も
そのような手段の１つです

00:02:40.000 --> 00:02:46.000
ただ戦争を始めるのに
非常に少数の人間しか必要としないため

00:02:46.000 --> 00:02:50.000
ごく少数の人の手に力を
再び集中させるリスクがあります

00:02:50.000 --> 00:02:57.000
民主化の流れを ５世紀分ほど
逆戻りさせてしまうかもしれません

00:02:57.000 --> 00:02:59.000
でも 私たちが

00:02:59.000 --> 00:03:03.000
このリスクを理解していれば
民主主義制度を守るための断固たる措置を取れます

00:03:03.000 --> 00:03:07.000
人間が長けている能力によって—
すなわち適応力です

00:03:07.000 --> 00:03:09.000
しかし タイミングが
重要です

00:03:09.000 --> 00:03:12.000
70の国が遠隔操縦可能な―

00:03:12.000 --> 00:03:14.000
戦闘ドローンを
独自に開発しています

00:03:14.000 --> 00:03:17.000
おわかりと思いますが
遠隔操作戦闘ドローンは

00:03:17.000 --> 00:03:21.000
自律ロボット兵器を
作り始める前兆です

00:03:21.000 --> 00:03:24.000
なぜなら遠隔操作の無人機が

00:03:24.000 --> 00:03:27.000
一旦配備されてしまうと
意思決定を人の手から

00:03:27.000 --> 00:03:32.000
兵器そのものへと押しやることになる
大きな要因が３つあるからです

00:03:32.000 --> 00:03:37.000
１つ目の要因は
無人機が撮影するビデオが膨大になることです

00:03:37.000 --> 00:03:41.000
たとえば 2004 年に
米国のドローン軍団が撮影した

00:03:41.000 --> 00:03:46.000
分析が必要な偵察映像は
総計71 時間でした

00:03:46.000 --> 00:03:51.000
それが2011 年には 30万時間へと
増えたのです

00:03:51.000 --> 00:03:54.000
すべてを確認するのは
人間の能力を超えてしまいました

00:03:54.000 --> 00:03:58.000
しかも この時間はまだまだ
増加しそうです

00:03:58.000 --> 00:04:00.000
米国防総省のゴルゴンステアや
アーガスという計画では

00:04:00.000 --> 00:04:03.000
最大65個の独立した
カメラの目を

00:04:03.000 --> 00:04:05.000
個々のドローンに付けるもので

00:04:05.000 --> 00:04:09.000
これは人間が確認できる量を
大幅に上回るものとなります

00:04:09.000 --> 00:04:11.000
こうなると
関心を引く対象を発見するために

00:04:11.000 --> 00:04:15.000
視覚情報分析ソフトの力が
必要になります

00:04:15.000 --> 00:04:16.000
これは じきにドローンが

00:04:16.000 --> 00:04:19.000
注目すべき所を人間に
指示するようになるということで

00:04:19.000 --> 00:04:21.000
人間側からではありません

00:04:21.000 --> 00:04:24.000
意思決定を
人間から機械へと

00:04:24.000 --> 00:04:27.000
強く推しやる
２つ目の要因は

00:04:27.000 --> 00:04:30.000
電磁波による妨害です

00:04:30.000 --> 00:04:32.000
妨害されると
ドローンと遠隔操作者の間の

00:04:32.000 --> 00:04:35.000
通信が途切れてしまいます

00:04:35.000 --> 00:04:38.000
2011年に これが起こった
例がありました

00:04:38.000 --> 00:04:41.000
アメリカ軍の RQ-170 
センチネル ドローンが

00:04:41.000 --> 00:04:45.000
イラン軍による GPS 信号のなりすまし攻撃で
混乱させられたのです

00:04:45.000 --> 00:04:50.000
遠隔操作型のドローンである限り
この種の攻撃には弱いものです

00:04:50.000 --> 00:04:52.000
つまりドローンは

00:04:52.000 --> 00:04:56.000
意思決定の より多くの割合を
背負わなければならなくなるのです

00:04:56.000 --> 00:04:59.000
ドローンは 作戦目的を把握し

00:04:59.000 --> 00:05:04.000
人間の導きなしに
新しい状況に対応するようになるでしょう

00:05:04.000 --> 00:05:06.000
ドローンは 外部からの
無線信号を無視し

00:05:06.000 --> 00:05:09.000
自分側からは ほとんど
発信しなくなります

00:05:09.000 --> 00:05:11.000
そして ここから—

00:05:11.000 --> 00:05:15.000
３つ目の
最も強力に意思決定を

00:05:15.000 --> 00:05:18.000
人から兵器へ移すように
促す要因が出てきます

00:05:18.000 --> 00:05:21.000
それは
「まことしやかな関与否定」です

00:05:21.000 --> 00:05:24.000
私たちは グローバル経済の
時代にいます

00:05:24.000 --> 00:05:28.000
ハイテク製品の製造は
ほとんどの大陸で行われています

00:05:28.000 --> 00:05:31.000
サイバー諜報戦の一環で
先進的設計を

00:05:31.000 --> 00:05:33.000
様々な部品に隠しますが

00:05:33.000 --> 00:05:35.000
このような環境では

00:05:35.000 --> 00:05:40.000
ドローン設計が契約工場で模倣される
可能性が非常に高いのです

00:05:40.000 --> 00:05:42.000
そして裏市場へと
拡散します

00:05:42.000 --> 00:05:45.000
こんな状況では
自爆攻撃ドローンの残骸を

00:05:45.000 --> 00:05:48.000
調査したところで

00:05:48.000 --> 00:05:52.000
兵器で攻撃を仕掛けたのが
誰なのかわかりません

00:05:52.000 --> 00:05:55.000
見えない敵との戦いが

00:05:55.000 --> 00:05:58.000
非常に現実的な可能性として
浮かび上がります

00:05:58.000 --> 00:06:00.000
地政学的なバランスを
180度変えてしまう可能性があり

00:06:00.000 --> 00:06:04.000
国家が攻撃してきた相手へ反撃することを
非常に困難にします

00:06:04.000 --> 00:06:07.000
これによって 21世紀において
防衛中心の考えから

00:06:07.000 --> 00:06:10.000
攻撃中心の考えへと
重心が変わってしまうかもしれません

00:06:10.000 --> 00:06:14.000
匿名での攻撃が可能になることで

00:06:14.000 --> 00:06:16.000
小国家や 犯罪組織
民間企業

00:06:16.000 --> 00:06:18.000
さらには有力な個人にさえ

00:06:18.000 --> 00:06:21.000
軍事行動が有効な手段と
なりえるのです

00:06:21.000 --> 00:06:24.000
これは 法の支配と市民社会の
土台を壊してしまい

00:06:24.000 --> 00:06:28.000
群雄割拠の情勢を
作り出すかもしれません

00:06:28.000 --> 00:06:31.000
責任と透明性は

00:06:31.000 --> 00:06:34.000
代議制を支える
土台と言えるかもしれませんが

00:06:34.000 --> 00:06:38.000
自律ロボット兵器は
その両方を弱体化させる可能性があります

00:06:38.000 --> 00:06:40.000
みなさんは こう考えるかもしれません

00:06:40.000 --> 00:06:42.000
ハイテク諸国の市民なら

00:06:42.000 --> 00:06:45.000
ロボット戦争で優位に立っていて

00:06:45.000 --> 00:06:48.000
これらの国の市民は
危険にさらされにくいと考えるかもしれません

00:06:48.000 --> 00:06:53.000
特に途上国が相手なら
なおさらです

00:06:53.000 --> 00:06:56.000
しかし 真実は全く逆だと思います

00:06:56.000 --> 00:06:58.000
ハイテク社会の市民は

00:06:58.000 --> 00:07:02.000
より大きく ロボット兵器の
危険にさらされています

00:07:02.000 --> 00:07:07.000
この理由は １語に要約できます
「データ」です

00:07:07.000 --> 00:07:10.000
データは ハイテク社会を
動かしています

00:07:10.000 --> 00:07:13.000
携帯電話の位置情報
電話の会話から集められるメタデータ

00:07:13.000 --> 00:07:17.000
ソーシャルメディア 電子メール
SMS 金融取引のデータ

00:07:17.000 --> 00:07:20.000
交通機関や移動のデータなどです
これらは人々の活動や

00:07:20.000 --> 00:07:24.000
社会的な交流を表す
膨大なリアルタイムデータの塊です

00:07:24.000 --> 00:07:27.000
だから 私たちは
歴史上のどんな時代の人たちよりも

00:07:27.000 --> 00:07:30.000
機械に行動が
筒抜けになっているのです

00:07:30.000 --> 00:07:35.000
これは自律的兵器が標的を探すために
絶好のものとなります

00:07:35.000 --> 00:07:37.000
いま画面に映っているのは

00:07:37.000 --> 00:07:40.000
ある社会的集団が
どうつながっているか分析した図です

00:07:40.000 --> 00:07:44.000
線は個人間の社会的な
つながりを示しています

00:07:44.000 --> 00:07:47.000
現代人が日常的に残す
データの痕跡から

00:07:47.000 --> 00:07:51.000
このような図を自動的に
生成することができます

00:07:51.000 --> 00:07:54.000
この技術は通常は
人口動態で標的を割り出して

00:07:54.000 --> 00:07:58.000
商品やサービスを販売するのに使われますが
諸刃の技術でもあります

00:07:58.000 --> 00:08:02.000
標的を割り出す技術が
別の用途に使われるからです

00:08:02.000 --> 00:08:04.000
赤色で表示されている
人たちがいますが これは

00:08:04.000 --> 00:08:08.000
社会的なネットワークの
ハブとなっている人たちです

00:08:08.000 --> 00:08:11.000
この人たちは 組織のまとめ役や
オピニオンメーカーやリーダーです

00:08:11.000 --> 00:08:14.000
この人たちも
通信のパターンを追跡することで

00:08:14.000 --> 00:08:16.000
自動的に見つけ出すことが可能です

00:08:16.000 --> 00:08:18.000
マーケティング担当者なら

00:08:18.000 --> 00:08:21.000
社会的グループに
ブランドを広めるために

00:08:21.000 --> 00:08:24.000
製品サンプルを送る
標的にするでしょう

00:08:24.000 --> 00:08:26.000
しかし もし抑圧的な政府で

00:08:26.000 --> 00:08:30.000
政治上の敵となる相手を探しているなら
彼らは排除する標的となるでしょう

00:08:30.000 --> 00:08:33.000
リーダーを抹殺し
社会的グループを混乱させ

00:08:33.000 --> 00:08:36.000
そして 残されたグループの人たちは
社会的つながりや

00:08:36.000 --> 00:08:39.000
組織を失ってしまいます

00:08:39.000 --> 00:08:42.000
安いロボット兵器が
拡散するような世界になったら

00:08:42.000 --> 00:08:45.000
遠くにいる政府反対派や

00:08:45.000 --> 00:08:47.000
国際的犯罪組織に対し

00:08:47.000 --> 00:08:51.000
国境はほとんど防衛線になりません

00:08:51.000 --> 00:08:54.000
支持されて 変革を起こすような
扇動活動があれば

00:08:54.000 --> 00:08:58.000
クリティカルマスに到達する前に
早期に検出されてしまい

00:08:58.000 --> 00:09:01.000
指導者は排除される
ようになるでしょう

00:09:01.000 --> 00:09:03.000
アイデアがクリティカルマスに
到達できる環境は

00:09:03.000 --> 00:09:07.000
人民政府における
政治運動の全てと言ってもいいでしょう

00:09:07.000 --> 00:09:11.000
正体不明の殺戮兵器があることで
あらゆる利害の対立において

00:09:11.000 --> 00:09:15.000
殺害という選択が
簡単にできてしまうようになるでしょう

00:09:15.000 --> 00:09:19.000
そして このことは
民主主義のまさに中核と言える

00:09:19.000 --> 00:09:24.000
言論の自由や支持される政治的行動を
縮み上がらせることになります

00:09:24.000 --> 00:09:27.000
これが 私たちに 
ロボット兵器の国際条約が

00:09:27.000 --> 00:09:30.000
必要な理由です
特に世界全体での

00:09:30.000 --> 00:09:34.000
殺人ロボットの開発と配備を
禁止することが必要です

00:09:34.000 --> 00:09:38.000
私たちにはすでに
核兵器と生物兵器に関する

00:09:38.000 --> 00:09:41.000
国際条約があります
不完全ではありますが

00:09:41.000 --> 00:09:43.000
条約は概ね
効力を発揮してきました

00:09:43.000 --> 00:09:47.000
しかし ロボット兵器は 全ての点で
同じくらい危険なもので

00:09:47.000 --> 00:09:50.000
ほぼ確実に
使われるようになるでしょう

00:09:50.000 --> 00:09:55.000
そして 民主主義制度を
蝕むものになるでしょう

00:09:55.000 --> 00:09:59.000
2012年11月に
米国防総省が

00:09:59.000 --> 00:10:01.000
すべての殺害に関する
意思決定に

00:10:01.000 --> 00:10:06.000
人間の介在を義務づける
命令を出しました

00:10:06.000 --> 00:10:11.000
これによって ひとまずは
米軍の自律的兵器を事実上禁止しました

00:10:11.000 --> 00:10:14.000
しかし その命令を
恒久化する必要があります

00:10:14.000 --> 00:10:19.000
これが行われれば
世界が同じように行動する基準となりえます

00:10:19.000 --> 00:10:22.000
ロボット兵器の
国際的な法的枠組みは

00:10:22.000 --> 00:10:25.000
必要なものなのです

00:10:25.000 --> 00:10:28.000
しかも 今必要なのです
壊滅的な攻撃が起きたり

00:10:28.000 --> 00:10:31.000
テロ事件が起きたことが引き金となって
世界の国々が

00:10:31.000 --> 00:10:33.000
ロボット兵器が招く
帰結を熟慮せずに

00:10:33.000 --> 00:10:36.000
これらの兵器をこぞって採用するようになる前に
必要なのです

00:10:36.000 --> 00:10:39.000
自律ロボット兵器を使うと

00:10:39.000 --> 00:10:46.000
少数の手に 余りに大きな力が集中することになり
民主主義そのものを危うくしてしまうでしょう

00:10:46.000 --> 00:10:48.000
でも 誤解しないでください
民生の非武装無人ドローンには

00:10:48.000 --> 00:10:51.000
優れた用途が沢山
あると考えています

00:10:51.000 --> 00:10:55.000
自然環境の観測や
捜索と救難 輸送などです

00:10:55.000 --> 00:10:58.000
もし ロボット兵器の
国際条約があるとして

00:10:58.000 --> 00:11:01.000
どのようにすれば自律無人機や
自律走行車の利便を享受しつつ

00:11:01.000 --> 00:11:04.000
違法なロボット兵器に対して

00:11:04.000 --> 00:11:08.000
身を守ることができるでしょうか？

00:11:08.000 --> 00:11:13.000
成功の秘密は
透明性にあるはずです

00:11:13.000 --> 00:11:16.000
公共の場所にいる限り
ロボットに—

00:11:16.000 --> 00:11:19.000
プライバシーがあるなどと
思ってもらっては困ります

00:11:19.000 --> 00:11:24.000
（拍手）

00:11:24.000 --> 00:11:26.000
ロボットやドローンは
１体１体 全てが

00:11:26.000 --> 00:11:29.000
工場出荷時に個体番号を
暗号技術で署名し

00:11:29.000 --> 00:11:32.000
公共の場所での動きを
追跡できるようにするべきです

00:11:32.000 --> 00:11:35.000
既に車にはナンバー プレートがあり
航空機には機体記号があります

00:11:35.000 --> 00:11:37.000
ロボットも例外ではありません

00:11:37.000 --> 00:11:39.000
公共の空間を移動している―

00:11:39.000 --> 00:11:42.000
ドローンや自律走行車の
所在を示すアプリを

00:11:42.000 --> 00:11:45.000
誰でもダウンロードできて
しかるべきです

00:11:45.000 --> 00:11:48.000
現時点と過去の記録の両方を
把握可能にすべきです

00:11:48.000 --> 00:11:51.000
市民のリーダーは
不正なドローンを探索する―

00:11:51.000 --> 00:11:53.000
探知機や無人偵察機を
展開すべきです

00:11:53.000 --> 00:11:57.000
そして 不正ドローンを撃墜する
攻撃ドローンを送りこむ代わりに

00:11:57.000 --> 00:12:00.000
人間に ドローンが居ることを
知らせるべきです

00:12:00.000 --> 00:12:02.000
高い安全性が求められる地域なら
不正ドローンを

00:12:02.000 --> 00:12:04.000
市民のためのドローンが
捕獲して

00:12:04.000 --> 00:12:07.000
爆弾処理施設へと
引っ張って行くこともできるでしょう

00:12:07.000 --> 00:12:10.000
これは兵器システムというより
免疫システムということに

00:12:10.000 --> 00:12:11.000
注意してください

00:12:11.000 --> 00:12:14.000
こうすれば 
自律走行車両やドローンを

00:12:14.000 --> 00:12:16.000
人間側が利用しつつ

00:12:16.000 --> 00:12:20.000
開かれた市民社会を
維持できます

00:12:20.000 --> 00:12:23.000
私たちは 殺人ロボットの
開発と配備を

00:12:23.000 --> 00:12:25.000
禁止する必要があります

00:12:25.000 --> 00:12:30.000
戦争を自動化する誘惑に
負けないようにしましょう

00:12:30.000 --> 00:12:33.000
独裁政府や犯罪組織は間違いなく
その魅力に屈するでしょうが

00:12:33.000 --> 00:12:36.000
私たちは その同類に
ならないようにしましょう

00:12:36.000 --> 00:12:38.000
自律ロボット兵器は

00:12:38.000 --> 00:12:40.000
あまりにも強力な力を

00:12:40.000 --> 00:12:42.000
ごくわずかな人の手に
集中させることになります

00:12:42.000 --> 00:12:45.000
そして 民主主義制度を
蝕むものになるでしょう

00:12:45.000 --> 00:12:48.000
民主主義のために
殺人ロボットは

00:12:48.000 --> 00:12:51.000
フィクションだけのものに
しておきましょう

00:12:51.000 --> 00:12:52.000
ありがとう

00:12:52.000 --> 00:12:57.000
（拍手）

00:12:57.000 --> 00:13:01.000
ありがとう
（拍手）