WEBVTT 00:00:09.070 --> 00:00:10.810 ありがとうございます 00:00:12.390 --> 00:00:14.199 私はジャーナリストです 00:00:14.539 --> 00:00:18.029 私の仕事はあらゆる地位の人々に会って 00:00:18.239 --> 00:00:19.919 話をすることです 00:00:19.999 --> 00:00:21.439 今日お話ししたいのは 00:00:21.439 --> 00:00:25.740 この職業を選んだきっかけと それから何を学んだかについてです 00:00:26.580 --> 00:00:29.429 話は故郷 南アメリカ ベネズエラの 00:00:29.479 --> 00:00:31.899 カラカスから始まります 00:00:32.119 --> 00:00:35.000 私にとって故郷は今も昔も 00:00:35.000 --> 00:00:36.950 魔法と驚きに満ちた場所です 00:00:37.740 --> 00:00:39.070 幼少のころから 00:00:39.070 --> 00:00:42.600 両親は私に広い視野を 身につけてほしいと思っていました 00:00:43.160 --> 00:00:46.350 思い起こせば 7歳頃のある時 00:00:46.430 --> 00:00:48.610 父が私に言いました 00:00:48.610 --> 00:00:52.220 「マリアナ お前と妹を ある場所へ行かせようと思っている」 00:00:52.230 --> 00:00:54.010 ―妹はまだ当時6歳でした 00:00:54.040 --> 00:00:56.629 「スペイン語が通じない所へ行って 00:00:56.649 --> 00:00:59.440 お前たちに違う文化を経験してもらいたい」 00:00:59.920 --> 00:01:03.839 父はひと夏の間 米国でのサマーキャンプに 参加するメリットを 00:01:03.839 --> 00:01:06.620 延々と語り続けました 00:01:07.070 --> 00:01:08.569 そして父が強調したのは 00:01:08.569 --> 00:01:11.699 「どんな将来になるかは誰もわからない」 00:01:11.829 --> 00:01:14.480 その時はさほど気にも留めませんでした 00:01:14.850 --> 00:01:17.480 一方 幼い7歳の頭の中では 00:01:17.480 --> 00:01:21.110 マイアミにキャンプに行けるんだ としか考えていませんでした 00:01:21.110 --> 00:01:22.050 (笑) 00:01:22.050 --> 00:01:24.700 少し北のオーランドに行ければ 00:01:24.700 --> 00:01:27.900 もっと良いのにと考えていました 00:01:27.900 --> 00:01:29.589 そこはミッキー・マウスが 住んでいる所だったから 00:01:29.589 --> 00:01:30.279 (笑) 00:01:30.279 --> 00:01:31.630 私はとてもわくわくしました 00:01:32.100 --> 00:01:35.120 でも父の計画は少し違っていました 00:01:35.580 --> 00:01:39.710 カラカスから 私たちが行かされたのは ミネソタのブレイナードでした 00:01:39.720 --> 00:01:41.070 (笑) 00:01:41.240 --> 00:01:43.260 そこにはミッキー・マウスは いませんでした 00:01:43.260 --> 00:01:44.270 (笑) 00:01:44.270 --> 00:01:47.830 当時 携帯電話やスナップチャット インスタグラムはなく 00:01:47.830 --> 00:01:49.940 情報は全くありませんでした 00:01:50.460 --> 00:01:51.460 そこに着いて 00:01:51.460 --> 00:01:53.289 気付いたことの一つに 00:01:53.289 --> 00:01:56.530 他の子供達の髪の色は 様々な色合いの金髪ということや 00:01:56.750 --> 00:01:58.910 ほとんどの子は青い目をしていた ということです 00:01:59.210 --> 00:02:02.099 ちなみにこれが私たちの格好でした 00:02:03.089 --> 00:02:06.970 最初の夜 キャンプの監督が キャンプファイアの周りに皆を集めて 00:02:07.000 --> 00:02:08.180 こう言いました 00:02:08.180 --> 00:02:11.910 「みんな、今年はとても 国際色豊かなキャンプです 00:02:12.170 --> 00:02:14.770 ベネズエラからアテンシオ姉妹を お迎えしてます」 00:02:14.790 --> 00:02:15.910 (笑) 00:02:15.920 --> 00:02:19.460 他の子供達は 私たちがまるで 違う惑星から来たかのように見ていました 00:02:19.890 --> 00:02:21.750 彼らからの質問は 00:02:22.010 --> 00:02:24.080 「ハンバーガーって何か知ってる?」とか 00:02:24.090 --> 00:02:27.880 「学校へはロバかカヌーで行くの?」 00:02:27.890 --> 00:02:28.700 (笑) 00:02:28.700 --> 00:02:31.170 私はつたない英語で答えようとしましたが 00:02:31.170 --> 00:02:32.630 周りは笑うだけでした 00:02:32.670 --> 00:02:34.780 彼らは意地悪をしようとしているのではなく 00:02:34.800 --> 00:02:37.260 私たちが何者かを理解したくて 00:02:37.270 --> 00:02:39.779 知っている世界と 結びつけようとしていたのでしょう 00:02:40.349 --> 00:02:42.020 私たちは彼らと同様に振る舞う事も 出きましたし 00:02:42.020 --> 00:02:44.900 例えばアラジンやジャングルブックの 物語に出てくるような 00:02:44.900 --> 00:02:47.250 登場人物になることもできました 00:02:47.600 --> 00:02:49.369 確かに私達は格好も違い 00:02:49.589 --> 00:02:51.460 話す言葉も違っていました 00:02:51.480 --> 00:02:52.650 私達は違っていたのです 00:02:52.690 --> 00:02:55.219 7歳の子供にとってはこれは辛いことです 00:02:55.749 --> 00:02:58.469 でも私にはサマーキャンプで 00:02:58.469 --> 00:03:01.060 面倒を見なければならない 毎日泣いている妹がいました 00:03:01.120 --> 00:03:03.639 そこで私は勇気を奮い起こして 00:03:03.789 --> 00:03:07.400 アメリカ流の暮らし方を 何でも受け入れようと決めました 00:03:08.060 --> 00:03:11.300 その後 8年間 アメリカ人も聞いたことのない様々な都市で 00:03:11.370 --> 00:03:16.260 いわゆる「サマーキャンプ実験」を 試みてきました 00:03:17.080 --> 00:03:21.750 一番思い出すのは やっと誰か意気投合したことです 00:03:22.230 --> 00:03:25.590 友達ができるって 特別なご褒美だったのです 00:03:26.200 --> 00:03:28.900 誰だって大切にされて 受け入れられたいのですから 00:03:28.900 --> 00:03:32.870 私たちは友達が自然にできると考えますが それは違います 00:03:33.260 --> 00:03:36.790 もし自分が周りと違う時は 居場所を見つけなければなりません 00:03:37.250 --> 00:03:40.590 そのためにはすごく世話焼きで 頭がよく、面白くて 00:03:40.990 --> 00:03:44.730 一緒にいたい人たちに カッコいいと思われる必要があります 00:03:45.490 --> 00:03:47.280 その後 私が高校生の時 00:03:47.330 --> 00:03:50.070 父は夏休みの計画を拡大し 00:03:50.300 --> 00:03:53.790 私たちはカラカスからコネティカット州 ウォーリングフォードに送られ 00:03:53.790 --> 00:03:55.760 高校最後の年を送ることになりました 00:03:56.060 --> 00:03:59.030 その時私は飛行機の中で 00:03:59.050 --> 00:04:03.640 ロッカーのあるアメリカの高校生活について 考えを巡らせていました 00:04:03.890 --> 00:04:05.210 きっと最高の年になるわ 00:04:05.210 --> 00:04:08.020 まるでお気に入りのドラマ 「セイブド・バイ・ザ・ベル」のように 00:04:08.070 --> 00:04:09.020 (笑) 00:04:09.800 --> 00:04:11.499 そして到着後 00:04:11.499 --> 00:04:14.810 私の割り当てられたルームメートが 会いたがっているよと聞かされ 00:04:15.530 --> 00:04:16.620 部屋のドアを開けたその時 00:04:16.640 --> 00:04:18.750 そこにはベッドに座った 彼女がいました 00:04:19.670 --> 00:04:21.460 スカーフで頭部を覆っていました 00:04:22.380 --> 00:04:25.370 名前はファティマ バーレーンから来たイスラム教徒で 00:04:25.370 --> 00:04:27.740 考えていたルームメイト像とは 違っていました 00:04:28.090 --> 00:04:31.070 彼女は多分私のがっかりした気持ちを 察したのだと思います 00:04:31.070 --> 00:04:33.960 なぜなら私は あまり感情を隠さなかったからです 00:04:34.890 --> 00:04:37.400 10代の私は もっと周りに溶け込んで 00:04:37.400 --> 00:04:39.430 人気者になりたかったのです 00:04:39.430 --> 00:04:42.249 プロムに連れて行ってくれる ボーイフレンドもできるかもしれない 00:04:42.469 --> 00:04:45.090 そのためにファティマは 邪魔になると思ったのです 00:04:45.090 --> 00:04:47.810 何故なら彼女はシャイで 厳しい服装のルールがあったからです 00:04:49.330 --> 00:04:51.690 サマーキャンプで味わったあの気持ちを 彼女に感じさせていたなんて 00:04:52.120 --> 00:04:54.230 私は知る由もありませんでした 00:04:54.760 --> 00:04:57.430 「ハンバーガーって何か知っている?」 00:04:57.540 --> 00:04:59.970 なんて質問と同等のことをしていました 00:05:00.260 --> 00:05:02.540 私は自分勝手な思いでいっぱいで 00:05:02.540 --> 00:05:05.360 彼女の立場に立って 物事を考えられませんでした 00:05:06.500 --> 00:05:08.410 正直に言うと 00:05:08.690 --> 00:05:11.150 ルームメイトとして続いたのは 2、3ヶ月だけで 00:05:11.200 --> 00:05:14.130 後に彼女は他の生徒とではなく カウンセラーと一緒に 00:05:14.130 --> 00:05:15.959 住むことになったのです 00:05:16.189 --> 00:05:19.140 その時 「彼女なら大丈夫よ 私達とは違うだけだから」 00:05:19.190 --> 00:05:20.850 と私は思っていました 00:05:21.590 --> 00:05:23.660 誰かを違う人間であると レッテルを貼ってしまうと 00:05:23.740 --> 00:05:25.800 ある意味一人の人間として 見ていないことになります 00:05:26.050 --> 00:05:27.870 彼らは「よそ者」になり 00:05:27.940 --> 00:05:31.020 私達の時間を費やす価値もない 関係ない存在になってしまうのです 00:05:31.020 --> 00:05:36.430 実は「よそ者」と考えることは 問題を引き起こす原因なのかもしれません 00:05:37.280 --> 00:05:40.010 それではこの盲点にどうしたら 気づくことができるのでしょう 00:05:40.470 --> 00:05:45.010 まず始めに 自分の特徴となる 部分を理解し 00:05:45.130 --> 00:05:47.130 その特徴を受け入れることです 00:05:47.610 --> 00:05:52.070 そして初めて他者の特徴を 理解することが始まります 00:05:52.910 --> 00:05:54.470 それがわかったのは 00:05:54.490 --> 00:05:56.810 その出来事があった2、3ヶ月後でした 00:05:56.810 --> 00:05:58.910 プロムのボーイフレンドが見つかり 00:05:58.910 --> 00:06:00.280 友達グループが出来 00:06:00.280 --> 00:06:02.990 ファティマの事は忘れていた頃 00:06:02.990 --> 00:06:07.200 チャリティのためのタレントショーに 皆が参加し 00:06:07.420 --> 00:06:10.180 オークション方式で特技を競い合いました 00:06:10.220 --> 00:06:14.190 皆 発表出来るほどの特技が あるように見えました 00:06:14.350 --> 00:06:16.630 ある子はバイオリンを弾き 00:06:16.630 --> 00:06:19.310 他の子は演劇の独白部分を 暗唱して発表したりしました 00:06:19.710 --> 00:06:21.250 そこで思ったことは 00:06:21.250 --> 00:06:24.220 「ベネズエラでは こうして 才能を披露することはないわ」ということです 00:06:24.240 --> 00:06:27.269 でも私は何か価値あることを 見つけようと決心しました 00:06:27.609 --> 00:06:29.499 そしてタレントショーの当日 00:06:29.499 --> 00:06:31.649 私は小さなラジカセを持って舞台にあがり 00:06:31.649 --> 00:06:34.320 舞台の袖に置き、再生ボタンを押し 00:06:34.320 --> 00:06:39.050 当時 新人アーティストだった お気に入りのシャキーラの曲をかけました 00:06:39.530 --> 00:06:44.589 私は曲に合わせて歌いました 「いつも どこでも私たちは一緒」と 00:06:44.589 --> 00:06:49.399 そして言いました「私の名はマリアナ 私のダンスクラスをオークションにかけます」 00:06:50.199 --> 00:06:53.889 すると全校生徒が入札のため 手を挙げたように見えました 00:06:54.249 --> 00:06:57.009 その日10番目にオファーされた バイオリンクラスに比べると 00:06:57.009 --> 00:06:59.160 私のダンスクラスは本当に際立っていました 00:06:59.540 --> 00:07:02.650 寮に戻り 私は他の人と 違っているだけではなく 00:07:02.689 --> 00:07:04.399 本当に特別だと感じました 00:07:04.969 --> 00:07:08.269 その時です ファティマの事を思い出したのは 00:07:08.349 --> 00:07:12.559 初めて会った時特別だとは 思わなかった彼女を 00:07:13.229 --> 00:07:14.740 彼女はシャキーラの家族と同じ 00:07:14.740 --> 00:07:17.349 中東出身でした 00:07:17.379 --> 00:07:20.949 もし私がベリーダンスに興味を示したら 00:07:20.949 --> 00:07:22.780 何かを教えてくれていたかもしれません 00:07:23.550 --> 00:07:25.490 さあ 皆さん 今日始めにお配りした― 00:07:25.490 --> 00:07:28.390 ステッカーをご用意ください 00:07:28.390 --> 00:07:30.530 そこには自分の特別なところを 書いていただいてます 00:07:30.530 --> 00:07:32.299 それを見て欲しいのです 00:07:32.409 --> 00:07:34.799 もしご自宅にいる方は 00:07:34.799 --> 00:07:37.369 何かの紙に自分のどこが特別かを 書いてください 00:07:38.399 --> 00:07:40.360 それを見る時 気おくれを感じたり 00:07:40.370 --> 00:07:43.339 ちょっと恥ずかしく ちょっと誇りに思うかもしれません 00:07:44.189 --> 00:07:46.409 でもそれを受け入れ始めなければなりません 00:07:46.739 --> 00:07:51.910 いいですか?他人の長所を理解する 最初の一歩です 00:07:52.830 --> 00:07:55.049 私がベネズエラに戻った時 00:07:55.049 --> 00:07:59.609 これらの経験からどんなに 自分が変わったかが分かり始めました 00:08:00.259 --> 00:08:02.880 自分と違う人のいる様々な場所を 00:08:02.880 --> 00:08:06.750 渡り歩くのに いくつもの言語を話せることで 00:08:07.240 --> 00:08:09.590 特別な感性が身につきました 00:08:09.800 --> 00:08:11.750 やっと分かり始めたことは 00:08:11.750 --> 00:08:15.359 自分を他の人の立場に 置いてみることの重要さです 00:08:16.109 --> 00:08:21.040 それが私がジャーナリストになろうと 思った大きなきっかけです 00:08:21.250 --> 00:08:26.130 特に私の故郷は「裏庭」と称され 00:08:26.130 --> 00:08:29.020 「不法入国者」、「第三世界」 「よそ者」といったレッテルが貼られています 00:08:29.549 --> 00:08:32.179 それをなんとかして変えたかったのです 00:08:32.779 --> 00:08:34.609 でも絶好のチャンスが訪れたのは 00:08:34.609 --> 00:08:36.960 ちょうどベネズエラ政府が 国で最大のテレビ局を 00:08:36.960 --> 00:08:39.150 閉鎖した時でした 00:08:39.800 --> 00:08:41.428 検閲が激しくなり 00:08:41.988 --> 00:08:44.668 父がまた来てこう言いました 00:08:44.748 --> 00:08:47.000 「この国でジャーナリストに なれると思うのか 00:08:47.450 --> 00:08:48.850 お前は国を出るべきだ」 00:08:49.350 --> 00:08:50.949 その時私は気付きました 00:08:51.349 --> 00:08:54.069 父が今までしてくれた事は この時のためだったのです 00:08:54.419 --> 00:08:56.970 これが私の将来の道だったのです 00:08:57.710 --> 00:09:02.969 そして2008年私は荷造りをし渡米しました 00:09:03.759 --> 00:09:05.859 片道のチケットのみ持って 00:09:06.729 --> 00:09:10.049 その時痛切に感じたのは 00:09:10.049 --> 00:09:15.340 24歳にして再び そして今回は永遠に ある種の難民、移民またはよそ者に 00:09:15.420 --> 00:09:18.410 なっていくのだということです 00:09:19.340 --> 00:09:22.920 私はジャーナリズムを勉強する 奨学金を得ることができました 00:09:23.260 --> 00:09:26.300 覚えている最初の課題は 00:09:26.640 --> 00:09:30.490 バラク・オバマの 歴史的大統領選挙の レポートでした 00:09:31.110 --> 00:09:33.500 その時自分は恵まれていると 希望に満ちていました 00:09:33.500 --> 00:09:35.210 「これだ 00:09:35.210 --> 00:09:37.670 私が来たのは 人種差別撤廃後のアメリカで 00:09:37.670 --> 00:09:40.760 差別という考えは鳴りを潜め 00:09:40.760 --> 00:09:43.759 私の生きているうちには 多分完全になくなるだろう」と感じました 00:09:45.359 --> 00:09:48.450 ところがそれは大きな間違いでした 00:09:49.420 --> 00:09:54.100 オバマ大統領がこの国でなぜ人種間の 緊張を緩和ができなかったのでしょう? 00:09:54.490 --> 00:09:56.899 なぜ未だに人々が 00:09:56.899 --> 00:10:00.129 移民やLGBTQ マイノリティーの人々に 脅威を感じるのでしょう? 00:10:00.129 --> 00:10:02.649 彼らはただ居場所を探しているだけなのに 00:10:02.649 --> 00:10:05.569 ここアメリカでは全ての国民に 与えられた権利でしょう? 00:10:06.279 --> 00:10:08.090 当時私はなぜだか分かりませんでした 00:10:08.900 --> 00:10:11.580 そして2016年11月8日 00:10:11.580 --> 00:10:15.029 ドナルド・トランプが新大統領になり 00:10:15.029 --> 00:10:18.750 大くの有権者が移民たちのことを 「よそ者」と思っていたことが明白になりました 00:10:18.960 --> 00:10:21.819 移民はアメリカに来て仕事を奪ってしまうとか 00:10:21.819 --> 00:10:24.869 他の言語を話すテロリストと 見なされているのです 00:10:25.719 --> 00:10:31.550 一方マイノリティーは しばしば 敵対者たちによる嫌悪と非寛容と 00:10:31.550 --> 00:10:34.149 心の狭さだけを受け取っています 00:10:34.869 --> 00:10:38.379 まるで誰もがこわしたくない バブルの中に閉じ込められているようです 00:10:39.209 --> 00:10:42.400 その中から出ることができる唯一の方法は 00:10:42.420 --> 00:10:47.500 相手は考え方が違うのだということを 理解することです 00:10:48.020 --> 00:10:50.490 尊重するということは勇気がいります 00:10:51.200 --> 00:10:52.830 ボルテールはこう言っています 00:10:53.010 --> 00:10:55.540 あなたの言う事に 同意はできないかもしれない 00:10:55.540 --> 00:10:59.500 でもあなたが表現する権利については 命をかけて守るだろう 00:11:00.860 --> 00:11:03.280 他人の長所を見られないということは 00:11:03.440 --> 00:11:05.550 対話が不可能だということです 00:11:05.810 --> 00:11:09.230 対話なしでは同じ過ちを繰り返します 00:11:09.230 --> 00:11:12.090 なぜならそこから新しい事を学ぶ事は できないからです 00:11:13.210 --> 00:11:17.390 私はNBC Newsで 2016年の選挙について報道しました 00:11:17.560 --> 00:11:21.540 それは私にとって主要テレビ局での 最初の任務でした 00:11:21.540 --> 00:11:24.470 スペイン語テレビ局から移り 00:11:25.350 --> 00:11:27.860 何か違ったことをしたかったのです 00:11:28.220 --> 00:11:32.100 私は不法入国の移民家族とともに 選挙結果を見ていました 00:11:33.360 --> 00:11:37.360 その夜敗北すれば大打撃を受ける 市民権を持っていない人々と 00:11:37.670 --> 00:11:40.790 共にいる瞬間を報道しようとする人は ほとんどいませんでした 00:11:42.470 --> 00:11:45.020 ドナルド・トランプが当選確実になった時 00:11:45.400 --> 00:11:49.240 8歳のアンジェリーナという少女が 涙を浮かべて駆け寄ってきました 00:11:49.970 --> 00:11:53.860 泣きじゃくりながら尋ねました 「お母さんは強制退去させられるの?」 00:11:54.530 --> 00:11:57.410 彼女を抱きしめ 「大丈夫よ」 と私は言ったのですが 00:11:57.950 --> 00:11:59.820 本当のところ分かりませんでした 00:12:00.030 --> 00:12:04.760 この写真はその夜撮ったものですが ずっと心に残るでしょう 00:12:05.450 --> 00:12:06.820 これがその少女です 00:12:06.820 --> 00:12:10.520 私がブレイナードにキャンプへ行った時の歳と 同じ年頃です 00:12:11.400 --> 00:12:13.580 彼女はすでに自分が「よそ者」であることを 知っています 00:12:13.980 --> 00:12:16.970 毎日学校から歩いて帰る時 心配でビクビクしています 00:12:17.030 --> 00:12:19.160 お母さんが連れて行かれるのではないか 00:12:19.940 --> 00:12:22.990 では どうやって彼女の身になって 考えることができるでしょうか 00:12:23.620 --> 00:12:26.770 家族と一緒に住む価値がない 人間ではなく 00:12:26.820 --> 00:12:30.440 特別な存在なのだということを どうしたら彼女に分かってもらえるでしょう 00:12:32.490 --> 00:12:36.120 彼女や似た境遇の家族たちに カメラを向けながら 00:12:36.520 --> 00:12:40.040 私は彼らを不法入国者ではなく 同じ人間として 00:12:40.040 --> 00:12:42.060 人々に見てもらおうとしました 00:12:42.670 --> 00:12:45.910 確かに法を犯しているので 不利益は受けるべきでしょう 00:12:46.440 --> 00:12:49.210 でも過去 他の移民がそうしたように 00:12:49.210 --> 00:12:51.730 彼らもこの国のために 一生懸命尽くしたのです 00:12:53.040 --> 00:12:56.600 これまで自分の人間的成長への道が どのように始まったかお話ししましたが 00:12:57.280 --> 00:13:01.740 最後にこの道のりでぶつかった 最大のつまづきをお話しします 00:13:02.110 --> 00:13:04.710 それは自分の根底を覆す出来事でした 00:13:05.270 --> 00:13:08.440 2014年4月10日のその日 00:13:09.410 --> 00:13:13.430 スタジオに行く途中 両親から電話が掛かってきました 00:13:13.580 --> 00:13:15.790 「放送中?」と両親は聞いてきました 00:13:15.790 --> 00:13:17.950 咄嗟に何か悪いことが起こったのでは と思いました 00:13:17.950 --> 00:13:19.680 「どうしたの?」と聞きました 00:13:20.370 --> 00:13:23.460 「あなたの妹が交通事故にあったのよ」 00:13:24.910 --> 00:13:28.000 心臓が止まりそうでした 00:13:29.270 --> 00:13:31.480 私はハンドルを握りしめました 00:13:31.500 --> 00:13:33.350 そして聞こえてきたのは 00:13:33.500 --> 00:13:36.480 「もう彼女はおそらく歩く事が できないでしょう」 00:13:37.580 --> 00:13:40.360 瞬時にして人生は変わるものだと よく言いますが 00:13:41.360 --> 00:13:43.530 まさにあの瞬間私の人生は変わりました 00:13:44.220 --> 00:13:48.040 1歳違いで 00:13:48.040 --> 00:13:49.930 私と共に成功していた妹が 00:13:49.930 --> 00:13:53.030 自分で足を動かしたり 00:13:53.620 --> 00:13:56.400 起き上がったり、服を着ることが 出来ない人になってしまいました 00:13:57.100 --> 00:14:00.680 魔法のようにすべてを良いものに変えられた あのサマーキャンプの時とは違って 00:14:01.130 --> 00:14:02.730 恐ろしい体験でした 00:14:03.940 --> 00:14:08.420 この2年間 妹は15回手術を受け 00:14:08.690 --> 00:14:11.160 ほとんどの間 車椅子で過ごしました 00:14:12.170 --> 00:14:14.410 でもそれだけではなかったのです 00:14:14.750 --> 00:14:20.250 最悪だったのは 今でも 辛くて言葉に出来ないのですが 00:14:21.070 --> 00:14:24.110 人々が彼女や私たちを見る視線が 00:14:24.960 --> 00:14:27.560 変わった事でした 00:14:28.500 --> 00:14:32.650 人々は彼女を 有能な弁護士であるとか 00:14:32.950 --> 00:14:36.940 頭がきれ 心の暖かいミレニアルだとは 見てくれません 00:14:37.600 --> 00:14:39.220 行くところすべて 00:14:39.550 --> 00:14:42.900 人は彼女を車椅子にのった かわいそうな若い女性と見たのです 00:14:43.180 --> 00:14:46.378 それ以上の事は考えられなかったのです 00:14:48.440 --> 00:14:50.390 彼女は戦士のように戦い 00:14:50.390 --> 00:14:54.700 お陰様で今日彼女は歩けるようになり 00:14:55.150 --> 00:14:58.140 期待をはるかに超える 回復をとげたのです 00:14:58.380 --> 00:14:59.760 (拍手) 00:14:59.810 --> 00:15:00.940 有難うございます 00:15:02.840 --> 00:15:05.150 でも想像を絶する試練の間 00:15:05.150 --> 00:15:07.930 分かったことは ただ単に状況は最悪だと思う事と 00:15:08.750 --> 00:15:11.329 そこから良い面を探すのに苦労することに 違いがあることです 00:15:11.549 --> 00:15:14.309 妹は事故のために 暮らしに苦労していますが 00:15:15.859 --> 00:15:21.020 私に教えてくれました 周りとの違いに あなたが何者かを決定させてはいけない 00:15:22.510 --> 00:15:27.380 他人が見る自分を越えて 自分のことを見つめ直すのは 00:15:28.240 --> 00:15:30.289 一番難しいことです 00:15:30.889 --> 00:15:32.979 でも最も素晴らしいことでもあります 00:15:34.109 --> 00:15:37.049 おわかりでしょう?私達は皆 肉体を持って生まれてきました 00:15:37.559 --> 00:15:40.900 身体障害、または神経的障害のある人々 00:15:41.250 --> 00:15:46.490 劣悪な環境にあるコミュニティ 移民や少年、少女 00:15:47.049 --> 00:15:50.110 少女の服を着たい少年 ベールを被った少女 00:15:50.790 --> 00:15:52.730 性的暴力に遭った女性 00:15:52.730 --> 00:15:55.500 国歌にひざまずいて 抗議の姿勢を示すスポーツ選手 00:15:55.930 --> 00:16:01.530 黒人、白人、アジア人、先住アメリカ人 私の妹、皆さん、そして私 00:16:02.140 --> 00:16:06.570 夢を抱き 成功したいという思いは 皆同じです 00:16:07.730 --> 00:16:11.319 でも時々「周りになじんでいない」と 世間に言われたり 00:16:11.369 --> 00:16:13.109 自分自身で思い込んだりしています 00:16:15.029 --> 00:16:16.860 私が今までお話ししたこと 00:16:17.130 --> 00:16:21.199 異文化での生い立ちから 高校でのベリーダンス 00:16:21.209 --> 00:16:24.259 普段テレビでは見られない話の 取材に及ぶまで 00:16:25.269 --> 00:16:26.830 周りと違う自分だからこそ 00:16:26.830 --> 00:16:30.650 抜きん出て成功することができたのです 00:16:32.110 --> 00:16:33.700 私は世界中を旅し 00:16:33.790 --> 00:16:36.249 様々な人々と出会い 話をしました 00:16:36.559 --> 00:16:38.599 何を学んだと思います? 00:16:39.129 --> 00:16:44.940 全ての人に唯一共通な事 それは皆人間であるということ 00:16:46.160 --> 00:16:50.680 だから私たちが共通である人類を守るために 立ち上がりましょう 00:16:51.350 --> 00:16:52.770 そして訴えましょう 00:16:53.140 --> 00:16:57.170 何にもまして ヒューマニストでいましょう 00:16:58.079 --> 00:17:01.330 最後に皆さん 先ほどのスティッカーを手に取ってください 00:17:01.330 --> 00:17:03.590 ご自分が他の人と違う点を 書かれたその紙です 00:17:03.920 --> 00:17:06.719 今日 そして毎日その違いを讃えて 00:17:07.129 --> 00:17:09.079 屋根の上から叫んでください 00:17:09.420 --> 00:17:12.270 また皆さんに好奇心をもってもらいたいのは 00:17:12.380 --> 00:17:14.530 他の人の紙に書かれていること 00:17:14.950 --> 00:17:16.750 他の人の独自性はなんだろう 00:17:17.260 --> 00:17:21.429 私たちを特別な存在にしている そんな不完全さを讃えましょう 00:17:22.379 --> 00:17:27.560 そして誰も自分は「正常だ」なんて 言えないことを分かってほしいのです 00:17:28.100 --> 00:17:29.700 私たちは皆違ったものを持っています 00:17:29.950 --> 00:17:32.110 皆 奇抜でユニークです 00:17:32.710 --> 00:17:36.420 それこそが私たちを 素晴らしく人間的なものにしているのです 00:17:36.730 --> 00:17:38.030 有難うございました 00:17:38.040 --> 00:17:40.669 (拍手)