1 00:00:09,070 --> 00:00:10,810 ありがとうございます 2 00:00:12,390 --> 00:00:14,199 私はジャーナリストです 3 00:00:14,539 --> 00:00:18,029 私の仕事はあらゆる地位の人々に会って 4 00:00:18,239 --> 00:00:19,919 話をすることです 5 00:00:19,999 --> 00:00:21,439 今日お話ししたいのは 6 00:00:21,439 --> 00:00:25,740 この職業を選んだきっかけと それから何を学んだかについてです 7 00:00:26,580 --> 00:00:29,429 話は故郷 南アメリカ ベネズエラの 8 00:00:29,479 --> 00:00:31,899 カラカスから始まります 9 00:00:32,119 --> 00:00:35,000 私にとって故郷は今も昔も 10 00:00:35,000 --> 00:00:36,950 魔法と驚きに満ちた場所です 11 00:00:37,740 --> 00:00:39,070 幼少のころから 12 00:00:39,070 --> 00:00:42,600 両親は私に広い視野を 身につけてほしいと思っていました 13 00:00:43,160 --> 00:00:46,350 思い起こせば 7歳頃のある時 14 00:00:46,430 --> 00:00:48,610 父が私に言いました 15 00:00:48,610 --> 00:00:52,220 「マリアナ お前と妹を ある場所へ行かせようと思っている」 16 00:00:52,230 --> 00:00:54,010 ―妹はまだ当時6歳でした 17 00:00:54,040 --> 00:00:56,629 「スペイン語が通じない所へ行って 18 00:00:56,649 --> 00:00:59,440 お前たちに違う文化を経験してもらいたい」 19 00:00:59,920 --> 00:01:03,839 父はひと夏の間 米国でのサマーキャンプに 参加するメリットを 20 00:01:03,839 --> 00:01:06,620 延々と語り続けました 21 00:01:07,070 --> 00:01:08,569 そして父が強調したのは 22 00:01:08,569 --> 00:01:11,699 「どんな将来になるかは誰もわからない」 23 00:01:11,829 --> 00:01:14,480 その時はさほど気にも留めませんでした 24 00:01:14,850 --> 00:01:17,480 一方 幼い7歳の頭の中では 25 00:01:17,480 --> 00:01:21,110 マイアミにキャンプに行けるんだ としか考えていませんでした 26 00:01:21,110 --> 00:01:22,050 (笑) 27 00:01:22,050 --> 00:01:24,700 少し北のオーランドに行ければ 28 00:01:24,700 --> 00:01:27,900 もっと良いのにと考えていました 29 00:01:27,900 --> 00:01:29,589 そこはミッキー・マウスが 住んでいる所だったから 30 00:01:29,589 --> 00:01:30,279 (笑) 31 00:01:30,279 --> 00:01:31,630 私はとてもわくわくしました 32 00:01:32,100 --> 00:01:35,120 でも父の計画は少し違っていました 33 00:01:35,580 --> 00:01:39,710 カラカスから 私たちが行かされたのは ミネソタのブレイナードでした 34 00:01:39,720 --> 00:01:41,070 (笑) 35 00:01:41,240 --> 00:01:43,260 そこにはミッキー・マウスは いませんでした 36 00:01:43,260 --> 00:01:44,270 (笑) 37 00:01:44,270 --> 00:01:47,830 当時 携帯電話やスナップチャット インスタグラムはなく 38 00:01:47,830 --> 00:01:49,940 情報は全くありませんでした 39 00:01:50,460 --> 00:01:51,460 そこに着いて 40 00:01:51,460 --> 00:01:53,289 気付いたことの一つに 41 00:01:53,289 --> 00:01:56,530 他の子供達の髪の色は 様々な色合いの金髪ということや 42 00:01:56,750 --> 00:01:58,910 ほとんどの子は青い目をしていた ということです 43 00:01:59,210 --> 00:02:02,099 ちなみにこれが私たちの格好でした 44 00:02:03,089 --> 00:02:06,970 最初の夜 キャンプの監督が キャンプファイアの周りに皆を集めて 45 00:02:07,000 --> 00:02:08,180 こう言いました 46 00:02:08,180 --> 00:02:11,910 「みんな、今年はとても 国際色豊かなキャンプです 47 00:02:12,170 --> 00:02:14,770 ベネズエラからアテンシオ姉妹を お迎えしてます」 48 00:02:14,790 --> 00:02:15,910 (笑) 49 00:02:15,920 --> 00:02:19,460 他の子供達は 私たちがまるで 違う惑星から来たかのように見ていました 50 00:02:19,890 --> 00:02:21,750 彼らからの質問は 51 00:02:22,010 --> 00:02:24,080 「ハンバーガーって何か知ってる?」とか 52 00:02:24,090 --> 00:02:27,880 「学校へはロバかカヌーで行くの?」 53 00:02:27,890 --> 00:02:28,700 (笑) 54 00:02:28,700 --> 00:02:31,170 私はつたない英語で答えようとしましたが 55 00:02:31,170 --> 00:02:32,630 周りは笑うだけでした 56 00:02:32,670 --> 00:02:34,780 彼らは意地悪をしようとしているのではなく 57 00:02:34,800 --> 00:02:37,260 私たちが何者かを理解したくて 58 00:02:37,270 --> 00:02:39,779 知っている世界と 結びつけようとしていたのでしょう 59 00:02:40,349 --> 00:02:42,020 私たちは彼らと同様に振る舞う事も 出きましたし 60 00:02:42,020 --> 00:02:44,900 例えばアラジンやジャングルブックの 物語に出てくるような 61 00:02:44,900 --> 00:02:47,250 登場人物になることもできました 62 00:02:47,600 --> 00:02:49,369 確かに私達は格好も違い 63 00:02:49,589 --> 00:02:51,460 話す言葉も違っていました 64 00:02:51,480 --> 00:02:52,650 私達は違っていたのです 65 00:02:52,690 --> 00:02:55,219 7歳の子供にとってはこれは辛いことです 66 00:02:55,749 --> 00:02:58,469 でも私にはサマーキャンプで 67 00:02:58,469 --> 00:03:01,060 面倒を見なければならない 毎日泣いている妹がいました 68 00:03:01,120 --> 00:03:03,639 そこで私は勇気を奮い起こして 69 00:03:03,789 --> 00:03:07,400 アメリカ流の暮らし方を 何でも受け入れようと決めました 70 00:03:08,060 --> 00:03:11,300 その後 8年間 アメリカ人も聞いたことのない様々な都市で 71 00:03:11,370 --> 00:03:16,260 いわゆる「サマーキャンプ実験」を 試みてきました 72 00:03:17,080 --> 00:03:21,750 一番思い出すのは やっと誰か意気投合したことです 73 00:03:22,230 --> 00:03:25,590 友達ができるって 特別なご褒美だったのです 74 00:03:26,200 --> 00:03:28,900 誰だって大切にされて 受け入れられたいのですから 75 00:03:28,900 --> 00:03:32,870 私たちは友達が自然にできると考えますが それは違います 76 00:03:33,260 --> 00:03:36,790 もし自分が周りと違う時は 居場所を見つけなければなりません 77 00:03:37,250 --> 00:03:40,590 そのためにはすごく世話焼きで 頭がよく、面白くて 78 00:03:40,990 --> 00:03:44,730 一緒にいたい人たちに カッコいいと思われる必要があります 79 00:03:45,490 --> 00:03:47,280 その後 私が高校生の時 80 00:03:47,330 --> 00:03:50,070 父は夏休みの計画を拡大し 81 00:03:50,300 --> 00:03:53,790 私たちはカラカスからコネティカット州 ウォーリングフォードに送られ 82 00:03:53,790 --> 00:03:55,760 高校最後の年を送ることになりました 83 00:03:56,060 --> 00:03:59,030 その時私は飛行機の中で 84 00:03:59,050 --> 00:04:03,640 ロッカーのあるアメリカの高校生活について 考えを巡らせていました 85 00:04:03,890 --> 00:04:05,210 きっと最高の年になるわ 86 00:04:05,210 --> 00:04:08,020 まるでお気に入りのドラマ 「セイブド・バイ・ザ・ベル」のように 87 00:04:08,070 --> 00:04:09,020 (笑) 88 00:04:09,800 --> 00:04:11,499 そして到着後 89 00:04:11,499 --> 00:04:14,810 私の割り当てられたルームメートが 会いたがっているよと聞かされ 90 00:04:15,530 --> 00:04:16,620 部屋のドアを開けたその時 91 00:04:16,640 --> 00:04:18,750 そこにはベッドに座った 彼女がいました 92 00:04:19,670 --> 00:04:21,460 スカーフで頭部を覆っていました 93 00:04:22,380 --> 00:04:25,370 名前はファティマ バーレーンから来たイスラム教徒で 94 00:04:25,370 --> 00:04:27,740 考えていたルームメイト像とは 違っていました 95 00:04:28,090 --> 00:04:31,070 彼女は多分私のがっかりした気持ちを 察したのだと思います 96 00:04:31,070 --> 00:04:33,960 なぜなら私は あまり感情を隠さなかったからです 97 00:04:34,890 --> 00:04:37,400 10代の私は もっと周りに溶け込んで 98 00:04:37,400 --> 00:04:39,430 人気者になりたかったのです 99 00:04:39,430 --> 00:04:42,249 プロムに連れて行ってくれる ボーイフレンドもできるかもしれない 100 00:04:42,469 --> 00:04:45,090 そのためにファティマは 邪魔になると思ったのです 101 00:04:45,090 --> 00:04:47,810 何故なら彼女はシャイで 厳しい服装のルールがあったからです 102 00:04:49,330 --> 00:04:51,690 サマーキャンプで味わったあの気持ちを 彼女に感じさせていたなんて 103 00:04:52,120 --> 00:04:54,230 私は知る由もありませんでした 104 00:04:54,760 --> 00:04:57,430 「ハンバーガーって何か知っている?」 105 00:04:57,540 --> 00:04:59,970 なんて質問と同等のことをしていました 106 00:05:00,260 --> 00:05:02,540 私は自分勝手な思いでいっぱいで 107 00:05:02,540 --> 00:05:05,360 彼女の立場に立って 物事を考えられませんでした 108 00:05:06,500 --> 00:05:08,410 正直に言うと 109 00:05:08,690 --> 00:05:11,150 ルームメイトとして続いたのは 2、3ヶ月だけで 110 00:05:11,200 --> 00:05:14,130 後に彼女は他の生徒とではなく カウンセラーと一緒に 111 00:05:14,130 --> 00:05:15,959 住むことになったのです 112 00:05:16,189 --> 00:05:19,140 その時 「彼女なら大丈夫よ 私達とは違うだけだから」 113 00:05:19,190 --> 00:05:20,850 と私は思っていました 114 00:05:21,590 --> 00:05:23,660 誰かを違う人間であると レッテルを貼ってしまうと 115 00:05:23,740 --> 00:05:25,800 ある意味一人の人間として 見ていないことになります 116 00:05:26,050 --> 00:05:27,870 彼らは「よそ者」になり 117 00:05:27,940 --> 00:05:31,020 私達の時間を費やす価値もない 関係ない存在になってしまうのです 118 00:05:31,020 --> 00:05:36,430 実は「よそ者」と考えることは 問題を引き起こす原因なのかもしれません 119 00:05:37,280 --> 00:05:40,010 それではこの盲点にどうしたら 気づくことができるのでしょう 120 00:05:40,470 --> 00:05:45,010 まず始めに 自分の特徴となる 部分を理解し 121 00:05:45,130 --> 00:05:47,130 その特徴を受け入れることです 122 00:05:47,610 --> 00:05:52,070 そして初めて他者の特徴を 理解することが始まります 123 00:05:52,910 --> 00:05:54,470 それがわかったのは 124 00:05:54,490 --> 00:05:56,810 その出来事があった2、3ヶ月後でした 125 00:05:56,810 --> 00:05:58,910 プロムのボーイフレンドが見つかり 126 00:05:58,910 --> 00:06:00,280 友達グループが出来 127 00:06:00,280 --> 00:06:02,990 ファティマの事は忘れていた頃 128 00:06:02,990 --> 00:06:07,200 チャリティのためのタレントショーに 皆が参加し 129 00:06:07,420 --> 00:06:10,180 オークション方式で特技を競い合いました 130 00:06:10,220 --> 00:06:14,190 皆 発表出来るほどの特技が あるように見えました 131 00:06:14,350 --> 00:06:16,630 ある子はバイオリンを弾き 132 00:06:16,630 --> 00:06:19,310 他の子は演劇の独白部分を 暗唱して発表したりしました 133 00:06:19,710 --> 00:06:21,250 そこで思ったことは 134 00:06:21,250 --> 00:06:24,220 「ベネズエラでは こうして 才能を披露することはないわ」ということです 135 00:06:24,240 --> 00:06:27,269 でも私は何か価値あることを 見つけようと決心しました 136 00:06:27,609 --> 00:06:29,499 そしてタレントショーの当日 137 00:06:29,499 --> 00:06:31,649 私は小さなラジカセを持って舞台にあがり 138 00:06:31,649 --> 00:06:34,320 舞台の袖に置き、再生ボタンを押し 139 00:06:34,320 --> 00:06:39,050 当時 新人アーティストだった お気に入りのシャキーラの曲をかけました 140 00:06:39,530 --> 00:06:44,589 私は曲に合わせて歌いました 「いつも どこでも私たちは一緒」と 141 00:06:44,589 --> 00:06:49,399 そして言いました「私の名はマリアナ 私のダンスクラスをオークションにかけます」 142 00:06:50,199 --> 00:06:53,889 すると全校生徒が入札のため 手を挙げたように見えました 143 00:06:54,249 --> 00:06:57,009 その日10番目にオファーされた バイオリンクラスに比べると 144 00:06:57,009 --> 00:06:59,160 私のダンスクラスは本当に際立っていました 145 00:06:59,540 --> 00:07:02,650 寮に戻り 私は他の人と 違っているだけではなく 146 00:07:02,689 --> 00:07:04,399 本当に特別だと感じました 147 00:07:04,969 --> 00:07:08,269 その時です ファティマの事を思い出したのは 148 00:07:08,349 --> 00:07:12,559 初めて会った時特別だとは 思わなかった彼女を 149 00:07:13,229 --> 00:07:14,740 彼女はシャキーラの家族と同じ 150 00:07:14,740 --> 00:07:17,349 中東出身でした 151 00:07:17,379 --> 00:07:20,949 もし私がベリーダンスに興味を示したら 152 00:07:20,949 --> 00:07:22,780 何かを教えてくれていたかもしれません 153 00:07:23,550 --> 00:07:25,490 さあ 皆さん 今日始めにお配りした― 154 00:07:25,490 --> 00:07:28,390 ステッカーをご用意ください 155 00:07:28,390 --> 00:07:30,530 そこには自分の特別なところを 書いていただいてます 156 00:07:30,530 --> 00:07:32,299 それを見て欲しいのです 157 00:07:32,409 --> 00:07:34,799 もしご自宅にいる方は 158 00:07:34,799 --> 00:07:37,369 何かの紙に自分のどこが特別かを 書いてください 159 00:07:38,399 --> 00:07:40,360 それを見る時 気おくれを感じたり 160 00:07:40,370 --> 00:07:43,339 ちょっと恥ずかしく ちょっと誇りに思うかもしれません 161 00:07:44,189 --> 00:07:46,409 でもそれを受け入れ始めなければなりません 162 00:07:46,739 --> 00:07:51,910 いいですか?他人の長所を理解する 最初の一歩です 163 00:07:52,830 --> 00:07:55,049 私がベネズエラに戻った時 164 00:07:55,049 --> 00:07:59,609 これらの経験からどんなに 自分が変わったかが分かり始めました 165 00:08:00,259 --> 00:08:02,880 自分と違う人のいる様々な場所を 166 00:08:02,880 --> 00:08:06,750 渡り歩くのに いくつもの言語を話せることで 167 00:08:07,240 --> 00:08:09,590 特別な感性が身につきました 168 00:08:09,800 --> 00:08:11,750 やっと分かり始めたことは 169 00:08:11,750 --> 00:08:15,359 自分を他の人の立場に 置いてみることの重要さです 170 00:08:16,109 --> 00:08:21,040 それが私がジャーナリストになろうと 思った大きなきっかけです 171 00:08:21,250 --> 00:08:26,130 特に私の故郷は「裏庭」と称され 172 00:08:26,130 --> 00:08:29,020 「不法入国者」、「第三世界」 「よそ者」といったレッテルが貼られています 173 00:08:29,549 --> 00:08:32,179 それをなんとかして変えたかったのです 174 00:08:32,779 --> 00:08:34,609 でも絶好のチャンスが訪れたのは 175 00:08:34,609 --> 00:08:36,960 ちょうどベネズエラ政府が 国で最大のテレビ局を 176 00:08:36,960 --> 00:08:39,150 閉鎖した時でした 177 00:08:39,800 --> 00:08:41,428 検閲が激しくなり 178 00:08:41,988 --> 00:08:44,668 父がまた来てこう言いました 179 00:08:44,748 --> 00:08:47,000 「この国でジャーナリストに なれると思うのか 180 00:08:47,450 --> 00:08:48,850 お前は国を出るべきだ」 181 00:08:49,350 --> 00:08:50,949 その時私は気付きました 182 00:08:51,349 --> 00:08:54,069 父が今までしてくれた事は この時のためだったのです 183 00:08:54,419 --> 00:08:56,970 これが私の将来の道だったのです 184 00:08:57,710 --> 00:09:02,969 そして2008年私は荷造りをし渡米しました 185 00:09:03,759 --> 00:09:05,859 片道のチケットのみ持って 186 00:09:06,729 --> 00:09:10,049 その時痛切に感じたのは 187 00:09:10,049 --> 00:09:15,340 24歳にして再び そして今回は永遠に ある種の難民、移民またはよそ者に 188 00:09:15,420 --> 00:09:18,410 なっていくのだということです 189 00:09:19,340 --> 00:09:22,920 私はジャーナリズムを勉強する 奨学金を得ることができました 190 00:09:23,260 --> 00:09:26,300 覚えている最初の課題は 191 00:09:26,640 --> 00:09:30,490 バラク・オバマの 歴史的大統領選挙の レポートでした 192 00:09:31,110 --> 00:09:33,500 その時自分は恵まれていると 希望に満ちていました 193 00:09:33,500 --> 00:09:35,210 「これだ 194 00:09:35,210 --> 00:09:37,670 私が来たのは 人種差別撤廃後のアメリカで 195 00:09:37,670 --> 00:09:40,760 差別という考えは鳴りを潜め 196 00:09:40,760 --> 00:09:43,759 私の生きているうちには 多分完全になくなるだろう」と感じました 197 00:09:45,359 --> 00:09:48,450 ところがそれは大きな間違いでした 198 00:09:49,420 --> 00:09:54,100 オバマ大統領がこの国でなぜ人種間の 緊張を緩和ができなかったのでしょう? 199 00:09:54,490 --> 00:09:56,899 なぜ未だに人々が 200 00:09:56,899 --> 00:10:00,129 移民やLGBTQ マイノリティーの人々に 脅威を感じるのでしょう? 201 00:10:00,129 --> 00:10:02,649 彼らはただ居場所を探しているだけなのに 202 00:10:02,649 --> 00:10:05,569 ここアメリカでは全ての国民に 与えられた権利でしょう? 203 00:10:06,279 --> 00:10:08,090 当時私はなぜだか分かりませんでした 204 00:10:08,900 --> 00:10:11,580 そして2016年11月8日 205 00:10:11,580 --> 00:10:15,029 ドナルド・トランプが新大統領になり 206 00:10:15,029 --> 00:10:18,750 大くの有権者が移民たちのことを 「よそ者」と思っていたことが明白になりました 207 00:10:18,960 --> 00:10:21,819 移民はアメリカに来て仕事を奪ってしまうとか 208 00:10:21,819 --> 00:10:24,869 他の言語を話すテロリストと 見なされているのです 209 00:10:25,719 --> 00:10:31,550 一方マイノリティーは しばしば 敵対者たちによる嫌悪と非寛容と 210 00:10:31,550 --> 00:10:34,149 心の狭さだけを受け取っています 211 00:10:34,869 --> 00:10:38,379 まるで誰もがこわしたくない バブルの中に閉じ込められているようです 212 00:10:39,209 --> 00:10:42,400 その中から出ることができる唯一の方法は 213 00:10:42,420 --> 00:10:47,500 相手は考え方が違うのだということを 理解することです 214 00:10:48,020 --> 00:10:50,490 尊重するということは勇気がいります 215 00:10:51,200 --> 00:10:52,830 ボルテールはこう言っています 216 00:10:53,010 --> 00:10:55,540 あなたの言う事に 同意はできないかもしれない 217 00:10:55,540 --> 00:10:59,500 でもあなたが表現する権利については 命をかけて守るだろう 218 00:11:00,860 --> 00:11:03,280 他人の長所を見られないということは 219 00:11:03,440 --> 00:11:05,550 対話が不可能だということです 220 00:11:05,810 --> 00:11:09,230 対話なしでは同じ過ちを繰り返します 221 00:11:09,230 --> 00:11:12,090 なぜならそこから新しい事を学ぶ事は できないからです 222 00:11:13,210 --> 00:11:17,390 私はNBC Newsで 2016年の選挙について報道しました 223 00:11:17,560 --> 00:11:21,540 それは私にとって主要テレビ局での 最初の任務でした 224 00:11:21,540 --> 00:11:24,470 スペイン語テレビ局から移り 225 00:11:25,350 --> 00:11:27,860 何か違ったことをしたかったのです 226 00:11:28,220 --> 00:11:32,100 私は不法入国の移民家族とともに 選挙結果を見ていました 227 00:11:33,360 --> 00:11:37,360 その夜敗北すれば大打撃を受ける 市民権を持っていない人々と 228 00:11:37,670 --> 00:11:40,790 共にいる瞬間を報道しようとする人は ほとんどいませんでした 229 00:11:42,470 --> 00:11:45,020 ドナルド・トランプが当選確実になった時 230 00:11:45,400 --> 00:11:49,240 8歳のアンジェリーナという少女が 涙を浮かべて駆け寄ってきました 231 00:11:49,970 --> 00:11:53,860 泣きじゃくりながら尋ねました 「お母さんは強制退去させられるの?」 232 00:11:54,530 --> 00:11:57,410 彼女を抱きしめ 「大丈夫よ」 と私は言ったのですが 233 00:11:57,950 --> 00:11:59,820 本当のところ分かりませんでした 234 00:12:00,030 --> 00:12:04,760 この写真はその夜撮ったものですが ずっと心に残るでしょう 235 00:12:05,450 --> 00:12:06,820 これがその少女です 236 00:12:06,820 --> 00:12:10,520 私がブレイナードにキャンプへ行った時の歳と 同じ年頃です 237 00:12:11,400 --> 00:12:13,580 彼女はすでに自分が「よそ者」であることを 知っています 238 00:12:13,980 --> 00:12:16,970 毎日学校から歩いて帰る時 心配でビクビクしています 239 00:12:17,030 --> 00:12:19,160 お母さんが連れて行かれるのではないか 240 00:12:19,940 --> 00:12:22,990 では どうやって彼女の身になって 考えることができるでしょうか 241 00:12:23,620 --> 00:12:26,770 家族と一緒に住む価値がない 人間ではなく 242 00:12:26,820 --> 00:12:30,440 特別な存在なのだということを どうしたら彼女に分かってもらえるでしょう 243 00:12:32,490 --> 00:12:36,120 彼女や似た境遇の家族たちに カメラを向けながら 244 00:12:36,520 --> 00:12:40,040 私は彼らを不法入国者ではなく 同じ人間として 245 00:12:40,040 --> 00:12:42,060 人々に見てもらおうとしました 246 00:12:42,670 --> 00:12:45,910 確かに法を犯しているので 不利益は受けるべきでしょう 247 00:12:46,440 --> 00:12:49,210 でも過去 他の移民がそうしたように 248 00:12:49,210 --> 00:12:51,730 彼らもこの国のために 一生懸命尽くしたのです 249 00:12:53,040 --> 00:12:56,600 これまで自分の人間的成長への道が どのように始まったかお話ししましたが 250 00:12:57,280 --> 00:13:01,740 最後にこの道のりでぶつかった 最大のつまづきをお話しします 251 00:13:02,110 --> 00:13:04,710 それは自分の根底を覆す出来事でした 252 00:13:05,270 --> 00:13:08,440 2014年4月10日のその日 253 00:13:09,410 --> 00:13:13,430 スタジオに行く途中 両親から電話が掛かってきました 254 00:13:13,580 --> 00:13:15,790 「放送中?」と両親は聞いてきました 255 00:13:15,790 --> 00:13:17,950 咄嗟に何か悪いことが起こったのでは と思いました 256 00:13:17,950 --> 00:13:19,680 「どうしたの?」と聞きました 257 00:13:20,370 --> 00:13:23,460 「あなたの妹が交通事故にあったのよ」 258 00:13:24,910 --> 00:13:28,000 心臓が止まりそうでした 259 00:13:29,270 --> 00:13:31,480 私はハンドルを握りしめました 260 00:13:31,500 --> 00:13:33,350 そして聞こえてきたのは 261 00:13:33,500 --> 00:13:36,480 「もう彼女はおそらく歩く事が できないでしょう」 262 00:13:37,580 --> 00:13:40,360 瞬時にして人生は変わるものだと よく言いますが 263 00:13:41,360 --> 00:13:43,530 まさにあの瞬間私の人生は変わりました 264 00:13:44,220 --> 00:13:48,040 1歳違いで 265 00:13:48,040 --> 00:13:49,930 私と共に成功していた妹が 266 00:13:49,930 --> 00:13:53,030 自分で足を動かしたり 267 00:13:53,620 --> 00:13:56,400 起き上がったり、服を着ることが 出来ない人になってしまいました 268 00:13:57,100 --> 00:14:00,680 魔法のようにすべてを良いものに変えられた あのサマーキャンプの時とは違って 269 00:14:01,130 --> 00:14:02,730 恐ろしい体験でした 270 00:14:03,940 --> 00:14:08,420 この2年間 妹は15回手術を受け 271 00:14:08,690 --> 00:14:11,160 ほとんどの間 車椅子で過ごしました 272 00:14:12,170 --> 00:14:14,410 でもそれだけではなかったのです 273 00:14:14,750 --> 00:14:20,250 最悪だったのは 今でも 辛くて言葉に出来ないのですが 274 00:14:21,070 --> 00:14:24,110 人々が彼女や私たちを見る視線が 275 00:14:24,960 --> 00:14:27,560 変わった事でした 276 00:14:28,500 --> 00:14:32,650 人々は彼女を 有能な弁護士であるとか 277 00:14:32,950 --> 00:14:36,940 頭がきれ 心の暖かいミレニアルだとは 見てくれません 278 00:14:37,600 --> 00:14:39,220 行くところすべて 279 00:14:39,550 --> 00:14:42,900 人は彼女を車椅子にのった かわいそうな若い女性と見たのです 280 00:14:43,180 --> 00:14:46,378 それ以上の事は考えられなかったのです 281 00:14:48,440 --> 00:14:50,390 彼女は戦士のように戦い 282 00:14:50,390 --> 00:14:54,700 お陰様で今日彼女は歩けるようになり 283 00:14:55,150 --> 00:14:58,140 期待をはるかに超える 回復をとげたのです 284 00:14:58,380 --> 00:14:59,760 (拍手) 285 00:14:59,810 --> 00:15:00,940 有難うございます 286 00:15:02,840 --> 00:15:05,150 でも想像を絶する試練の間 287 00:15:05,150 --> 00:15:07,930 分かったことは ただ単に状況は最悪だと思う事と 288 00:15:08,750 --> 00:15:11,329 そこから良い面を探すのに苦労することに 違いがあることです 289 00:15:11,549 --> 00:15:14,309 妹は事故のために 暮らしに苦労していますが 290 00:15:15,859 --> 00:15:21,020 私に教えてくれました 周りとの違いに あなたが何者かを決定させてはいけない 291 00:15:22,510 --> 00:15:27,380 他人が見る自分を越えて 自分のことを見つめ直すのは 292 00:15:28,240 --> 00:15:30,289 一番難しいことです 293 00:15:30,889 --> 00:15:32,979 でも最も素晴らしいことでもあります 294 00:15:34,109 --> 00:15:37,049 おわかりでしょう?私達は皆 肉体を持って生まれてきました 295 00:15:37,559 --> 00:15:40,900 身体障害、または神経的障害のある人々 296 00:15:41,250 --> 00:15:46,490 劣悪な環境にあるコミュニティ 移民や少年、少女 297 00:15:47,049 --> 00:15:50,110 少女の服を着たい少年 ベールを被った少女 298 00:15:50,790 --> 00:15:52,730 性的暴力に遭った女性 299 00:15:52,730 --> 00:15:55,500 国歌にひざまずいて 抗議の姿勢を示すスポーツ選手 300 00:15:55,930 --> 00:16:01,530 黒人、白人、アジア人、先住アメリカ人 私の妹、皆さん、そして私 301 00:16:02,140 --> 00:16:06,570 夢を抱き 成功したいという思いは 皆同じです 302 00:16:07,730 --> 00:16:11,319 でも時々「周りになじんでいない」と 世間に言われたり 303 00:16:11,369 --> 00:16:13,109 自分自身で思い込んだりしています 304 00:16:15,029 --> 00:16:16,860 私が今までお話ししたこと 305 00:16:17,130 --> 00:16:21,199 異文化での生い立ちから 高校でのベリーダンス 306 00:16:21,209 --> 00:16:24,259 普段テレビでは見られない話の 取材に及ぶまで 307 00:16:25,269 --> 00:16:26,830 周りと違う自分だからこそ 308 00:16:26,830 --> 00:16:30,650 抜きん出て成功することができたのです 309 00:16:32,110 --> 00:16:33,700 私は世界中を旅し 310 00:16:33,790 --> 00:16:36,249 様々な人々と出会い 話をしました 311 00:16:36,559 --> 00:16:38,599 何を学んだと思います? 312 00:16:39,129 --> 00:16:44,940 全ての人に唯一共通な事 それは皆人間であるということ 313 00:16:46,160 --> 00:16:50,680 だから私たちが共通である人類を守るために 立ち上がりましょう 314 00:16:51,350 --> 00:16:52,770 そして訴えましょう 315 00:16:53,140 --> 00:16:57,170 何にもまして ヒューマニストでいましょう 316 00:16:58,079 --> 00:17:01,330 最後に皆さん 先ほどのスティッカーを手に取ってください 317 00:17:01,330 --> 00:17:03,590 ご自分が他の人と違う点を 書かれたその紙です 318 00:17:03,920 --> 00:17:06,719 今日 そして毎日その違いを讃えて 319 00:17:07,129 --> 00:17:09,079 屋根の上から叫んでください 320 00:17:09,420 --> 00:17:12,270 また皆さんに好奇心をもってもらいたいのは 321 00:17:12,380 --> 00:17:14,530 他の人の紙に書かれていること 322 00:17:14,950 --> 00:17:16,750 他の人の独自性はなんだろう 323 00:17:17,260 --> 00:17:21,429 私たちを特別な存在にしている そんな不完全さを讃えましょう 324 00:17:22,379 --> 00:17:27,560 そして誰も自分は「正常だ」なんて 言えないことを分かってほしいのです 325 00:17:28,100 --> 00:17:29,700 私たちは皆違ったものを持っています 326 00:17:29,950 --> 00:17:32,110 皆 奇抜でユニークです 327 00:17:32,710 --> 00:17:36,420 それこそが私たちを 素晴らしく人間的なものにしているのです 328 00:17:36,730 --> 00:17:38,030 有難うございました 329 00:17:38,040 --> 00:17:40,669 (拍手)