WEBVTT 00:00:00.206 --> 00:00:02.640 うまくできていれば その音は 00:00:02.640 --> 00:00:06.569 チッタッチッタッチッタッ みたいな感じですが 00:00:06.573 --> 00:00:07.894 まずいやり方だと 00:00:07.894 --> 00:00:10.063 チッダッ チッダッ チッダッ みたいになります NOTE Paragraph 00:00:10.063 --> 00:00:12.699 小さなことの 大きなアイデア NOTE Paragraph 00:00:13.574 --> 00:00:15.660 キラ・ゴーントの縄跳びの話 NOTE Paragraph 00:00:16.321 --> 00:00:19.884 跳び縄というのは すごくシンプルなものです 00:00:19.918 --> 00:00:22.777 それはロープや 洗濯ひもだったり 麻ひもだったりしますが 00:00:22.777 --> 00:00:25.067 ひねりのあるものです (笑) 00:00:25.091 --> 00:00:26.863 なんて言うのか わかりませんけど 00:00:26.887 --> 00:00:29.392 重要なのは ある程度の重みがあり 00:00:29.416 --> 00:00:32.533 鞭のような 音を立てることです NOTE Paragraph 00:00:32.817 --> 00:00:36.615 縄跳びの起原は はっきりしませんが 00:00:36.639 --> 00:00:40.575 古代のエジプトかフェニキアで 始まったらしい痕跡があります 00:00:40.599 --> 00:00:44.671 そして北米には オランダ移民がもたらしたようです 00:00:44.695 --> 00:00:47.257 縄跳びが広く 行われるようになったのは 00:00:47.257 --> 00:00:51.815 女性の服が体にぴったりしたものになり ズボン型の下着が登場したときです 00:00:51.815 --> 00:00:54.533 スカートがロープに絡まらず 00:00:54.533 --> 00:00:57.253 女の子が縄跳びを できるようになりました 00:00:57.253 --> 00:01:01.183 家庭教師は子供の運動のために 縄跳びをさせ 00:01:01.183 --> 00:01:04.522 南北戦争前の南部にいた 元奴隷の黒人の子供でさえ 00:01:04.522 --> 00:01:05.984 縄跳びをしていました NOTE Paragraph 00:01:05.984 --> 00:01:10.709 1950年代のハーレムやブロンクス ブルックリンやクイーンズでは 00:01:10.709 --> 00:01:15.099 道端で たくさんの女の子たちが 縄跳びをするのが見られました 00:01:15.099 --> 00:01:18.785 時にはロープを2本使い 一緒にして1本のロープにしたり 00:01:18.809 --> 00:01:22.559 2本を別々に泡立て器のように 回したりします 00:01:22.559 --> 00:01:24.276 縄跳びのリズムは 00:01:24.276 --> 00:01:26.673 チッチッチッチッと規則的で 00:01:26.697 --> 00:01:30.673 韻やリズムやかけ声を 付けることができます 00:01:30.673 --> 00:01:32.705 このロープが作り出す空間で 00:01:32.705 --> 00:01:35.001 私たちは地域を 遙かに超えた 00:01:35.001 --> 00:01:37.211 大きなものを 生み出せたのです NOTE Paragraph 00:01:37.602 --> 00:01:39.482 ダブルダッチは 黒人女性にとって 00:01:39.482 --> 00:01:42.575 文化的アイデンティティの 力強い象徴であり続けています 00:01:42.575 --> 00:01:44.781 1950年代から 70年代の頃には 00:01:44.781 --> 00:01:47.156 女の子はスポーツを しないものとされていました 00:01:47.156 --> 00:01:49.685 男の子は野球やバスケや アメフトをしますが 00:01:49.685 --> 00:01:51.306 女の子は入れて もらえません 00:01:51.306 --> 00:01:52.928 多くのことが 変わりましたが 00:01:52.928 --> 00:01:55.739 当時 遊び場を支配していたのは 女の子でした 00:01:55.739 --> 00:01:57.957 男の子は入れなかったんです 00:01:57.957 --> 00:02:00.283 そこは女の子の空間であり 00:02:00.307 --> 00:02:02.403 女の子が輝ける場所だったんです NOTE Paragraph 00:02:02.427 --> 00:02:03.913 でも男の子たちも 00:02:03.913 --> 00:02:05.659 聞き耳を立てていました 00:02:05.659 --> 00:02:08.187 だからこんなにも多くの ヒップホップのアーティストが 00:02:08.187 --> 00:02:11.271 黒人の女の子の遊びの歌を 取り入れているんです NOTE Paragraph 00:02:11.271 --> 00:02:14.241 ・・・フライドポテトに 冷たいシェイク 歩き方を知っているフリをして 00:02:14.241 --> 00:02:17.036 フィレオフィッシュ クォーターパウンダー フライドポテトに 冷たいシェイク 00:02:17.036 --> 00:02:18.725 ジャンプのしかたを 知っているフリをして NOTE Paragraph 00:02:18.725 --> 00:02:22.759 ネリーの曲『カントリー・グラマー』が 大ヒットしたのは 00:02:22.759 --> 00:02:25.221 みんな馴染みが あったからです 00:02:25.221 --> 00:02:28.720 “[I'm] going down down baby your street in a Range Rover …” 00:02:28.720 --> 00:02:32.187 この出だしは “Down down, baby, down down the roller coaster, 00:02:32.187 --> 00:02:34.696 sweet, sweet baby, I'll never let you go.” と同じです 00:02:34.720 --> 00:02:37.513 都市部の黒人コミュニティで 育った人なら 00:02:37.513 --> 00:02:39.822 誰でも知っている曲です 00:02:39.822 --> 00:02:42.444 人気は織り込み済み だったんです NOTE Paragraph 00:02:42.656 --> 00:02:45.189 ダブルダッチは こういう歌や 00:02:45.189 --> 00:02:50.800 かけ声や振りを伝える 役割を果たしましたが 00:02:50.824 --> 00:02:54.831 これは私が “kinetic orality (動きによる語り)” と呼ぶもので 00:02:54.855 --> 00:02:57.056 「口コミ」ならぬ「体コミ」です 00:02:57.093 --> 00:02:59.970 それは世代を越えて 受け継がれていくもので 00:02:59.970 --> 00:03:03.341 ある意味 跳び縄のおかげで 伝えられているんです 00:03:03.696 --> 00:03:06.913 記憶を残し伝えるには 何か物が必要です NOTE Paragraph 00:03:06.913 --> 00:03:10.791 跳び縄は 様々なことに使え 00:03:10.791 --> 00:03:12.466 文化を越えるものです 00:03:12.490 --> 00:03:16.825 それが生き続けているのは 人は体を動かす必要があるからでしょう 00:03:16.825 --> 00:03:21.906 最もシンプルな物が 最も創造的な使い方を生み出すんです