[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:00.63,0:00:04.13,Default,,0000,0000,0000,,太陽系の外の話をする前に Dialogue: 0,0:00:04.13,0:00:08.20,Default,,0000,0000,0000,,少しだけ、今までのことをふりかえってみよう。 Dialogue: 0,0:00:08.20,0:00:11.93,Default,,0000,0000,0000,,ここに太陽の写真があるね。 Dialogue: 0,0:00:11.93,0:00:16.80,Default,,0000,0000,0000,,太陽はこの縮尺でも、一目で大きいってわかる。\Nこれには、驚かされるね。 Dialogue: 0,0:00:16.80,0:00:21.80,Default,,0000,0000,0000,,そして、この縮尺だと地球は、だいたいこれくらいかな。 Dialogue: 0,0:00:21.80,0:00:28.47,Default,,0000,0000,0000,,だいたいこんな大きさ。\N私にとっては、これはおどろきだ。 Dialogue: 0,0:00:28.47,0:00:33.46,Default,,0000,0000,0000,,だって、地球上のすべてが、太陽から出てる\Nプラズマフレアの中に、入っちゃうんだから。 Dialogue: 0,0:00:33.46,0:00:37.04,Default,,0000,0000,0000,,まぁ、実際ここには行けないから、\N想像することしかできないんだけどね。 Dialogue: 0,0:00:37.05,0:00:40.33,Default,,0000,0000,0000,,でも、もしカプセルのようなものに入って、 Dialogue: 0,0:00:40.33,0:00:43.05,Default,,0000,0000,0000,,こういう環境にいれたら、どういう感じだろう? Dialogue: 0,0:00:43.05,0:00:46.60,Default,,0000,0000,0000,,そんなことができたら、おもしろいけどね。 Dialogue: 0,0:00:46.60,0:00:50.00,Default,,0000,0000,0000,,まぁでも、想像はここらへんにして、\N太陽系の「境界」のことを考えてみよう。 Dialogue: 0,0:00:50.03,0:00:53.22,Default,,0000,0000,0000,,前の動画では、オールト・ベルトのことを考えた。 Dialogue: 0,0:00:53.22,0:00:59.13,Default,,0000,0000,0000,,これは、太陽から約1光年離れたところに、あるんだったね。 Dialogue: 0,0:00:59.13,0:01:03.13,Default,,0000,0000,0000,,けど、何を境界と考えるかで、それも変わってくる。\Nもっと内側になることもあれば、 Dialogue: 0,0:01:03.13,0:01:07.78,Default,,0000,0000,0000,,オールトの雲くらい、外側になることもある。 Dialogue: 0,0:01:07.78,0:01:13.53,Default,,0000,0000,0000,,太陽からは、いろいろ放出されてるみたいだけど、\N実は、目に見えないものも放出されている。 Dialogue: 0,0:01:13.53,0:01:21.53,Default,,0000,0000,0000,,見えない粒子(りゅうし)や高エネルギーの電子や陽子が、\N太陽から放出されているんだ。それも、とてつもない速さで。 Dialogue: 0,0:01:21.53,0:01:29.03,Default,,0000,0000,0000,,どれくらいかって言うと・・・秒速400km!\Nちょっとここに書いておこう。 Dialogue: 0,0:01:29.05,0:01:33.37,Default,,0000,0000,0000,,秒速400km! Dialogue: 0,0:01:33.40,0:01:36.67,Default,,0000,0000,0000,,地球上では、地球の磁場(じば)によって、 Dialogue: 0,0:01:36.67,0:01:42.72,Default,,0000,0000,0000,,この高エネルギーの粒子から、守られている。\Nけど、月面上では地球とは違う。 Dialogue: 0,0:01:42.74,0:01:47.89,Default,,0000,0000,0000,,地球からは見えない部分、\N月の裏側は磁場に守られていない。 Dialogue: 0,0:01:47.89,0:01:51.90,Default,,0000,0000,0000,,だから、月の裏側では太陽から放出された\Nこの粒子に、直接ふれてしまうんだ。 Dialogue: 0,0:01:51.90,0:01:56.60,Default,,0000,0000,0000,,話題があっちこっちにいくのは、あまりよくないね。\Nまぁでも、こういう話をしたのは、 Dialogue: 0,0:01:56.60,0:02:00.03,Default,,0000,0000,0000,,太陽の表面から、とてつもない速さで出ている\Nこの電気をおびた粒子、 Dialogue: 0,0:02:00.06,0:02:02.53,Default,,0000,0000,0000,,「太陽風」の話を、したかったからなんだ。 Dialogue: 0,0:02:02.53,0:02:08.85,Default,,0000,0000,0000,,これらは太陽「風」だ。\N風には、カッコをつけておこうか。 Dialogue: 0,0:02:08.85,0:02:12.70,Default,,0000,0000,0000,,普通に考える風とは、だいぶ意味が違うからね。 Dialogue: 0,0:02:12.70,0:02:17.90,Default,,0000,0000,0000,,この太陽風は、太陽からすごい速さで\N放出されている、電気を帯びた粒子。 Dialogue: 0,0:02:17.90,0:02:21.93,Default,,0000,0000,0000,,この太陽風についても、考えてみよう。 Dialogue: 0,0:02:21.93,0:02:26.93,Default,,0000,0000,0000,,この太陽風が、太陽系の境界を知る手がかりになるんだ。 Dialogue: 0,0:02:26.93,0:02:31.40,Default,,0000,0000,0000,,この太陽風が宇宙空間の物質と、どこでぶつかり合うのか Dialogue: 0,0:02:31.40,0:02:36.13,Default,,0000,0000,0000,,それをちょっと考えてみよう。 Dialogue: 0,0:02:36.13,0:02:40.40,Default,,0000,0000,0000,,ここの図は、それをえがいてる。\Nオールトの雲は少なくとも、 Dialogue: 0,0:02:40.40,0:02:44.18,Default,,0000,0000,0000,,この外側の濃くなっている部分の外側なんだ。 Dialogue: 0,0:02:44.18,0:02:47.95,Default,,0000,0000,0000,,ここには、ボイジャー1号とボイジャー2号があるね。 Dialogue: 0,0:02:47.95,0:02:55.38,Default,,0000,0000,0000,,セドナの軌道はこんな感じかな。\N一番近づくときは、これくらいで、 Dialogue: 0,0:02:55.43,0:02:58.74,Default,,0000,0000,0000,,そうして外側に出ていく。 Dialogue: 0,0:02:58.74,0:03:03.50,Default,,0000,0000,0000,,けど、オールトの雲はもっともっと外側だ。\Nだから、太陽系を太陽風が届く範囲で考えると、 Dialogue: 0,0:03:03.50,0:03:07.01,Default,,0000,0000,0000,,その範囲はオールトの雲より小さいってことになる。\Nまあ、それでもとても大きいんだけど。 Dialogue: 0,0:03:07.01,0:03:12.36,Default,,0000,0000,0000,,だから、これが太陽風が届く範囲、ヘリオポーズだ。\Nこれはウィキペディアで調べたんだけど、 Dialogue: 0,0:03:12.36,0:03:19.51,Default,,0000,0000,0000,,この部分で太陽風は遅く、そして弱くなる。 Dialogue: 0,0:03:19.51,0:03:26.05,Default,,0000,0000,0000,,ここで、圧力は弱められている。 Dialogue: 0,0:03:26.06,0:03:32.05,Default,,0000,0000,0000,,宇宙の物質の中でも、\N主に水素とヘリウムに弱められている。 Dialogue: 0,0:03:32.05,0:03:38.00,Default,,0000,0000,0000,,そして、ここよりむこうに太陽風は放出されない。 Dialogue: 0,0:03:38.00,0:03:42.42,Default,,0000,0000,0000,,ここに「区切り」みたいなものが、あると思えばいい。 Dialogue: 0,0:03:42.42,0:03:46.30,Default,,0000,0000,0000,,ボイジャー1号と2号は、その「区切り」に接近した。 Dialogue: 0,0:03:46.30,0:03:51.35,Default,,0000,0000,0000,,これも太陽系の境界の、一つの考え方だ。 Dialogue: 0,0:03:51.35,0:03:55.46,Default,,0000,0000,0000,,太陽系の境界に、絶対的なものない。\N境界についての他の考え方は、 Dialogue: 0,0:03:55.51,0:04:01.32,Default,,0000,0000,0000,,オールトの雲とかの考え方だ。\Nほら、この外の部分には、まだ何か物質があるよね。 Dialogue: 0,0:04:01.32,0:04:05.48,Default,,0000,0000,0000,,だけど、わかってるのはそれだけ。\N実際にオールトの雲の中に、何があるのかを見たことはない。 Dialogue: 0,0:04:05.48,0:04:11.03,Default,,0000,0000,0000,,けど、外側に何かあるって考えられている。 Dialogue: 0,0:04:11.03,0:04:16.57,Default,,0000,0000,0000,,そしてたぶん、最もあいまいな境界は\N太陽の重力の影響による境界。 Dialogue: 0,0:04:16.57,0:04:21.43,Default,,0000,0000,0000,,こういう太陽系の境界は想像するしかない。 Dialogue: 0,0:04:21.43,0:04:25.46,Default,,0000,0000,0000,,けど、どの方法でも、太陽系の内側か外側か、\Nあいまいな部分を残してしまう。 Dialogue: 0,0:04:25.46,0:04:28.33,Default,,0000,0000,0000,,けど、この動画でしたいのは、\N太陽系の外側の話の、ちょっとした導入なんだ。 Dialogue: 0,0:04:28.33,0:04:33.58,Default,,0000,0000,0000,,それから、一番近い恒星との距離感もつかんでもらいたい。 Dialogue: 0,0:04:33.60,0:04:38.58,Default,,0000,0000,0000,,こっちの図は、私たちがいる太陽系の周辺。 Dialogue: 0,0:04:38.58,0:04:42.32,Default,,0000,0000,0000,,これはとても大きく見えるけど、 Dialogue: 0,0:04:42.32,0:04:48.37,Default,,0000,0000,0000,,実はこの円は、星じゃなくて太陽系なんだ。 Dialogue: 0,0:04:48.37,0:04:51.27,Default,,0000,0000,0000,,けど、「ああ、この円が太陽だ」って思ったんじゃない?\Nそれが違うんだ。 Dialogue: 0,0:04:51.27,0:04:54.03,Default,,0000,0000,0000,,太陽をここに描くとしたら、点にすらならない。 Dialogue: 0,0:04:54.03,0:04:59.65,Default,,0000,0000,0000,,実は、冥王星(めいおうせい)の軌道(きどう)ですら、\Nここでは点にもならないん。 Dialogue: 0,0:04:59.65,0:05:05.93,Default,,0000,0000,0000,,ここで見えてるのは、半径、 Dialogue: 0,0:05:05.93,0:05:12.87,Default,,0000,0000,0000,,これはだいたい1光年かかる、オールトの雲の半径だ。 Dialogue: 0,0:05:12.87,0:05:19.30,Default,,0000,0000,0000,,前の動画でその半径がどれくらい大きいか、\N冥王星の軌道と比べて話したよね。 Dialogue: 0,0:05:19.30,0:05:28.27,Default,,0000,0000,0000,,冥王星の軌道は、だいたいこれくらいだ。\Nこれ自体とても大きい。 Dialogue: 0,0:05:28.27,0:05:37.60,Default,,0000,0000,0000,,太陽からもすごく離れていて、冥王星の軌道はとても大きい。 Dialogue: 0,0:05:37.60,0:05:44.26,Default,,0000,0000,0000,,けど、この図の中では点にすらならない。 Dialogue: 0,0:05:44.26,0:05:52.25,Default,,0000,0000,0000,,それじゃあ、私達と他の恒星との距離を考えてみよう。\Nこの図の中だと、私たちは中心にある、\Nとても、とても、とても小さい点だ。 Dialogue: 0,0:05:52.25,0:05:59.24,Default,,0000,0000,0000,,太陽系から、そして特に地球から Dialogue: 0,0:05:59.24,0:06:04.20,Default,,0000,0000,0000,,最も近い恒星、最も近い星団は\Nケンタウルス座アルファ星。 Dialogue: 0,0:06:04.20,0:06:09.38,Default,,0000,0000,0000,,これは最も近い星団で、三つの恒星からできている。 Dialogue: 0,0:06:09.38,0:06:13.03,Default,,0000,0000,0000,,一番大きいケンタウルス座アルファ星Aと\Nケンタウルス座アルファ星B、 Dialogue: 0,0:06:13.03,0:06:18.33,Default,,0000,0000,0000,,そしてもう一つは裸眼では確認できない、\Nケンタウロス座アルファ星ケンタウリ、\Nいや、確かプロキシマ・ケンタウリって呼ばれてたな。 Dialogue: 0,0:06:18.33,0:06:22.64,Default,,0000,0000,0000,,正しくは、プロキシマ・ケンタウリだね。\Nこれがこの中で一番小さい恒星だ。 Dialogue: 0,0:06:22.64,0:06:30.63,Default,,0000,0000,0000,,けど、これが一番近い恒星で\Nこの3つの恒星が、一番近い星団なんだ。 Dialogue: 0,0:06:30.63,0:06:40.00,Default,,0000,0000,0000,,地球からはおよそ4.2光年の距離がある。 Dialogue: 0,0:06:40.00,0:06:44.22,Default,,0000,0000,0000,,つまりは、この恒星からの光が地球に届くまで、\N4.2年かかるってこと。 Dialogue: 0,0:06:44.22,0:06:49.70,Default,,0000,0000,0000,,もしくは、この恒星が消えたり、爆発したとしても\N4.2年間はわからないんだね。 Dialogue: 0,0:06:49.70,0:06:54.05,Default,,0000,0000,0000,,もしかしたら、誤解してこう思ってない?\N「なんだ、たいしたことないな。 Dialogue: 0,0:06:54.05,0:06:58.35,Default,,0000,0000,0000,,ちょっと向こうの星まで旅行して、調べてみよう。\Nもし人がいたら、技術とかを教えあおうじゃないか。」って。 Dialogue: 0,0:06:58.35,0:07:06.33,Default,,0000,0000,0000,,けど、これはとてつもない距離なんだ。\N4.2光年っていうのは、信じられないくらいとんでもない距離だ。 Dialogue: 0,0:07:06.33,0:07:11.13,Default,,0000,0000,0000,,ちょっと感覚的に理解できるように、説明しようか。\N前の動画で、ボイジャー1号と2号のことを話したね。 Dialogue: 0,0:07:11.13,0:07:13.68,Default,,0000,0000,0000,,そのとき、ヘリオポーズにたどり着くまでのことも話した。 Dialogue: 0,0:07:13.68,0:07:25.53,Default,,0000,0000,0000,,こいつらは時速6万kmで、つまり、 Dialogue: 0,0:07:25.53,0:07:34.04,Default,,0000,0000,0000,,秒速17kmで移動しているんだったね。\Nこの恒星にこの速さで向かったら、 Dialogue: 0,0:07:34.04,0:07:38.99,Default,,0000,0000,0000,,その速度に、巨大な星の重力が合わさるから、 Dialogue: 0,0:07:38.99,0:07:42.70,Default,,0000,0000,0000,,もっと加速して、とてつもない速さになるんだ。 Dialogue: 0,0:07:42.70,0:07:48.58,Default,,0000,0000,0000,,けど、この速度で地球に最も近い Dialogue: 0,0:07:48.58,0:07:57.91,Default,,0000,0000,0000,,ケンタウルス座アルファ星系の方に、まっすぐ向かったとしても Dialogue: 0,0:07:57.91,0:08:09.20,Default,,0000,0000,0000,,8万年もかかってしまう。\Nボイジャーの中で一番速いボイジャー1号と同じ速度でも。 Dialogue: 0,0:08:09.20,0:08:14.92,Default,,0000,0000,0000,,これはとんでもなく長い時間だ。\Nそれじゃあ次は、ここらへんを Dialogue: 0,0:08:14.92,9:59:59.99,Default,,0000,0000,0000,,もっと分かりやすく、説明していこう。