WEBVTT

00:00:08.760 --> 00:00:11.013
おはようございます

00:00:11.013 --> 00:00:12.686
元気ですか？

00:00:12.686 --> 00:00:13.929
じゃ もう一度

00:00:13.929 --> 00:00:15.359
元気ですか？

00:00:15.359 --> 00:00:17.619
はい 皆さん日本人ですね
（笑）

00:00:17.619 --> 00:00:20.119
皆さんにお尋ねしたい

00:00:20.119 --> 00:00:21.829
質問があります

00:00:21.829 --> 00:00:23.599
あなたをインスパイアするのは
なんですか？

00:00:23.599 --> 00:00:25.009
あるいは

00:00:25.009 --> 00:00:28.989
日本の文化で 何があなたを
インスパイアしますか？

00:00:28.989 --> 00:00:31.049
あなたが日本人でも
そうでなくても

00:00:31.049 --> 00:00:32.539
きっと答えられるでしょう

00:00:32.539 --> 00:00:34.019
ドバイからの方 どうですか？

00:00:34.019 --> 00:00:35.474
まずは 遠路をようこそ

NOTE Paragraph

00:00:35.474 --> 00:00:38.552
何があなたをインスパイアしますか？
何を日本に感じますか？

00:00:38.552 --> 00:00:40.082
（観衆）話せば長くなります

00:00:40.082 --> 00:00:42.992
長いお話 ―
TEDxでは時間がありませんので

00:00:42.992 --> 00:00:45.702
私のストーリーをお話ししましょう

00:00:45.702 --> 00:00:48.132
私にとってまずは自然です
沢山のことの中で

00:00:48.132 --> 00:00:50.033
もちろん 家族は一番大切です

00:00:50.033 --> 00:00:53.203
でも僅差の二位は日本の自然です
すばらしいものです

00:00:53.203 --> 00:00:57.223
日本を離れた日本人でも
よく言うのが

00:00:57.223 --> 00:00:59.428
「日本の自然が恋しい」

00:00:59.428 --> 00:01:02.238
そしてこうも言います
「温泉が恋しい」

00:01:02.238 --> 00:01:04.738
温泉は自然そのものではありませんが


00:01:04.738 --> 00:01:08.398
何百年も日本人が前からはぐくんできた
自然との特別な繋がりです

00:01:08.398 --> 00:01:10.868
この写真を見れば分かるでしょう

00:01:10.868 --> 00:01:13.488
もちろん歴史的に
伝統文化は

00:01:13.488 --> 00:01:15.778
第２次世界大戦以降
すっかり変わりました

00:01:15.778 --> 00:01:17.398
今は戻ってきたようです

00:01:17.398 --> 00:01:21.268
伝統建築は自然を
否定しません

00:01:21.268 --> 00:01:22.258
内に取り込むのです

00:01:22.258 --> 00:01:24.080
すなわち「私たちは皆
自然と繋がっている」

00:01:24.080 --> 00:01:25.410
素材は自然由来で

00:01:25.410 --> 00:01:27.460
自然を眺めようとか
取り込もうとします

00:01:27.460 --> 00:01:30.321
もちろん伝統的な禅や

00:01:30.321 --> 00:01:32.625
茶道や墨絵

00:01:32.625 --> 00:01:34.725
生花など

00:01:34.725 --> 00:01:37.725
すべて自然と深く
関連しています

00:01:37.725 --> 00:01:40.002
その多くのテーマは自然なのです

00:01:41.186 --> 00:01:42.954
武道も同様です

00:01:42.954 --> 00:01:45.365
何かしらの武道の
経験者もいるでしょう

00:01:45.365 --> 00:01:48.033
私にとっては合気道が
もっとも身近な武道の一つです

00:01:48.033 --> 00:01:51.647
合気道を習う際は
師範は必ず自然について触れます

00:01:51.647 --> 00:01:55.594
自然からいかに学ぶか
自然は常に語りかけているのです

00:01:55.594 --> 00:01:58.494
これは私の言葉ではなく

00:01:58.494 --> 00:02:02.689
有名な植芝先生の言葉です

00:02:02.689 --> 00:02:04.825
合気道の創始者の大先生で

00:02:04.825 --> 00:02:07.634
こう言いました
"自然は常に語りかける"

00:02:07.634 --> 00:02:09.824
例えば

00:02:09.824 --> 00:02:13.101
"山も川も植物も木々も

00:02:13.101 --> 00:02:15.263
みな全て先生です" と言いました

00:02:15.263 --> 00:02:18.643
例えば山の中の水流についても
触れています

00:02:18.643 --> 00:02:22.433
自由に岩々をすり抜けて
流れを作ります

00:02:22.433 --> 00:02:24.063
形はなく

00:02:24.063 --> 00:02:25.383
不満を言わず

00:02:25.383 --> 00:02:28.453
どうにか 流れを定めて
山を下っていきます

00:02:28.453 --> 00:02:31.443
"水のようになりなさい"と
言ったのはブルースリーでした

00:02:31.443 --> 00:02:33.053
"友よ 水のようになりなさい"

00:02:33.053 --> 00:02:34.873
これもわたしのお気に入りです

00:02:34.873 --> 00:02:37.153
彼は言いました
"ヤシの木から学びなさい"

00:02:37.153 --> 00:02:38.553
おっと間違えました
ヤシではありません

00:02:38.553 --> 00:02:41.855
失礼 昔ハワイに住んでたので
ヤシの木もいいものですが

00:02:41.855 --> 00:02:44.945
松の木 そして竹です
リハーサルに来るべきでした

00:02:44.945 --> 00:02:46.275
あと梅の花です

00:02:46.275 --> 00:02:48.475
これらは歳寒の三友といわれます

00:02:48.475 --> 00:02:50.275
聞いたことあるでしょう

00:02:50.275 --> 00:02:53.045
例えば梅は寒さに強く
優雅に咲きます

00:02:53.045 --> 00:02:55.155
開花の時期は早く 
春がくる前に

00:02:55.155 --> 00:02:56.452
既に咲いているのです

00:02:56.452 --> 00:02:59.052
"すぐに春は来る 心配するな"と
述べるリーダーのようです

00:02:59.052 --> 00:03:00.782
"私はここにいる 私は美しい"

00:03:00.782 --> 00:03:04.059
また松の木は一年中 青々として

00:03:04.059 --> 00:03:06.169
信頼する友人のようです

00:03:06.169 --> 00:03:09.049
頑丈でずっとそこにあります

00:03:09.049 --> 00:03:12.269
だから自然は偉大な先生だと思います

00:03:12.269 --> 00:03:15.099
実に最高の先生だと気付きました

00:03:15.099 --> 00:03:16.841
これは日本の文化から学びました

00:03:16.841 --> 00:03:20.971
さっきしくじった
スライドに戻すと

00:03:20.971 --> 00:03:25.181
日本の要素の中で
私にとって 竹こそが

00:03:25.181 --> 00:03:28.606
日本の心とは何かを表し

00:03:28.606 --> 00:03:32.800
芸術などを通して 私が学んだ
日本の心を表す要素です

00:03:32.800 --> 00:03:35.787
ではなぜそう思ったか？
かつて私は大阪に住んでいました

00:03:35.787 --> 00:03:38.667
関西の方いますか？
関西人は？

00:03:38.667 --> 00:03:41.107
ぼちぼちやな
（笑）

00:03:41.107 --> 00:03:43.347
私は大都市 大阪から来ました
言うまでもなく

00:03:43.347 --> 00:03:45.873
世界の大都市のひとつで
ニューヨークよりも大きい

00:03:45.873 --> 00:03:46.848
巨大な街です

00:03:46.848 --> 00:03:47.580
みんなこう言います

00:03:47.580 --> 00:03:49.960
"汚い街やけど"

00:03:49.960 --> 00:03:52.310
でもとてもいい所です
今はもう引っ越して

00:03:52.310 --> 00:03:54.600
奈良の山中に家を建てました

00:03:54.600 --> 00:03:57.940
いわばマンハッタンから
コネチカットへの引越しみたいです

00:03:57.940 --> 00:04:01.110
こちらの方が竹はもっと多くて
ボルボの車は少ないですが

00:04:01.110 --> 00:04:04.080
鹿も沢山います
その話は別の機会にします

00:04:04.080 --> 00:04:05.250
来週にでもしましょうか

00:04:05.250 --> 00:04:06.850
今日は鹿の話ではなくて

00:04:06.850 --> 00:04:08.290
竹についてお話しします

NOTE Paragraph

00:04:08.290 --> 00:04:10.870
自宅の仕事場から何年もの間
こんな景色を眺めていました

00:04:10.870 --> 00:04:13.860
多くの時間 自宅で仕事しました
これはこれでインスピレーションです

00:04:13.860 --> 00:04:16.960
人の多い場所でした
そこから ここに移りました

00:04:16.960 --> 00:04:19.770
これはその家を建てているときの様子ですが

00:04:19.770 --> 00:04:21.780
仕事場からは
今もこの景色が見えるのです

00:04:21.780 --> 00:04:26.740
人はいなくて 竹ばかり
ここ数年のことです

00:04:26.740 --> 00:04:28.560
いつも竹に興味をもっていました

00:04:28.560 --> 00:04:32.040
ここ数年は竹に話しかける
ようになりました

00:04:32.040 --> 00:04:34.670
家の周りはこんな感じで

00:04:34.670 --> 00:04:38.150
ここを通ってジョギングや
ハイキングに行ったり

00:04:38.150 --> 00:04:40.490
立ち止まって 竹と話したりします

00:04:40.490 --> 00:04:43.870
さて竹から学んだ10の教えがあります

00:04:43.871 --> 00:04:46.680
今日はTEDxなので時間がないため
９つだけお話しします

00:04:46.680 --> 00:04:48.880
残りは休憩時間に聞いてください
（笑）

00:04:48.880 --> 00:04:52.730
さてまず最初に覚えてください
「見た目は弱くても実は強い」

00:04:52.730 --> 00:04:54.320
竹は信じられないくらい強いのです

00:04:54.320 --> 00:04:58.300
重量当たりで比較すれば
引っ張り強度は鉄より強く

00:04:58.300 --> 00:05:00.170
多くの点でコンクリートよりも丈夫

00:05:00.170 --> 00:05:02.910
この写真は日本ではありませんが
アジア諸国でよく

00:05:02.910 --> 00:05:03.910
足場に使われています

00:05:03.910 --> 00:05:05.390
驚くほど強いのです

00:05:05.390 --> 00:05:09.060
これはうちの裏で撮った
短いビデオです

00:05:09.060 --> 00:05:11.420
小さい竹ですが とても硬くて

00:05:11.420 --> 00:05:14.220
なおかつ しなやかです
空洞があることもわかります

00:05:14.220 --> 00:05:17.010
一方 西洋や 少なくとも
私の育った国では

00:05:17.010 --> 00:05:19.190
強くなるには大きく
ならなくてはなりません

00:05:19.190 --> 00:05:21.820
大木のように
「大きく強く たくましく」

00:05:21.820 --> 00:05:25.460
でも覚えていますか？
1980年に学びましたね

00:05:25.460 --> 00:05:27.570
ヨーダ曰く「大きさは重要でない」

00:05:27.570 --> 00:05:29.466
（笑）

00:05:29.466 --> 00:05:33.210
「私を見て サイズで判断するのか」

00:05:33.210 --> 00:05:35.650
「ん？ 」（ヨーダの口調）
（笑）

00:05:35.650 --> 00:05:39.380
「そうすべきでないだろ？」（ヨーダの口調）
これは1980年でしたね

00:05:39.380 --> 00:05:42.110
私はアメリカのオレゴンで育ちましたが

00:05:42.110 --> 00:05:45.640
樹木には何かの縁があります
森はすばらしいです

00:05:45.640 --> 00:05:49.040
しかし森は同時に
暗くて怖い場所でもありますね

00:05:49.040 --> 00:05:50.990
恐ろしいことが起こる場所です

00:05:50.990 --> 00:05:53.100
親はこう言います
「森では気をつけなさい」

00:05:53.100 --> 00:05:55.900
でも竹林は違います
日光を取り込みます

00:05:55.900 --> 00:06:01.010
こんな風に考えられます
「光の中で強さを見いだす」

00:06:01.010 --> 00:06:04.260
だから強さと優しさ
思いやりと協調があります

00:06:04.260 --> 00:06:08.570
これは東洋的な考え方で
特に日本人のアイデアだと思います

00:06:08.570 --> 00:06:12.100
強くなって 協力しなければならないのです

00:06:12.100 --> 00:06:15.440
２つ目の教訓は
「竹は曲がるが 折れることはない」

00:06:15.440 --> 00:06:17.840
私たちもこうあるべきですね

00:06:17.840 --> 00:06:20.760
これも私が撮ったビデオですが
ご覧のように

00:06:20.760 --> 00:06:23.910
そんなに風が強くない日も
強風の日でも

00:06:23.910 --> 00:06:27.170
竹は風を受け流します
私たちもそうあるべきですね

00:06:27.170 --> 00:06:30.580
一年を通して日本の文化が
私に教えてくれた事があります

00:06:30.580 --> 00:06:32.680
もし何かに打ち勝つために
抵抗するなら

00:06:32.680 --> 00:06:35.660
いつもいい結果ばかりとは限りません

00:06:35.660 --> 00:06:38.516
第3の教訓は
「深く根を張り 柔軟であれ」

00:06:38.516 --> 00:06:41.484
これは話せば長くなりますが
若い竹を見れば分かります

00:06:41.484 --> 00:06:44.540
すでに とても深く広く
根を張っています

00:06:44.540 --> 00:06:48.140
私の近所は 竹に囲まれていて

00:06:48.140 --> 00:06:50.060
どこにでも竹があり
とても柔軟です

00:06:50.060 --> 00:06:54.740
まるで私たちの社会に必要な
根を張る必要性を象徴しています

00:06:54.740 --> 00:06:56.070
これを私たちは失いつつあります

00:06:56.070 --> 00:06:59.690
昔は― 学校制度が整う前でさえ
教わっていたことです

00:06:59.690 --> 00:07:01.310
それは社会の役割でした

00:07:01.310 --> 00:07:03.790
竹が教えてくれて何かが

00:07:03.800 --> 00:07:05.470
社会に深く 根付いていたのです

00:07:05.470 --> 00:07:09.650
しかもそれでいて柔軟で
創造的で国際的でいられるのです

00:07:09.650 --> 00:07:11.770
竹林の中へ行っても

00:07:11.770 --> 00:07:14.090
せわしい心が落ち着くのが
分かると思います

00:07:14.090 --> 00:07:18.320
情報があふれる現代だからこそ
これまで以上に重要です

00:07:18.320 --> 00:07:22.630
道教の教えでは「流れる水面には
自分の姿は映らないが

00:07:22.630 --> 00:07:25.820
静かな水面だけが 姿を
映すことができる」といいます

00:07:25.820 --> 00:07:29.690
竹林に入れば あなたも

00:07:29.690 --> 00:07:31.210
何か閃くでしょう

00:07:31.210 --> 00:07:33.070
すばらしいアイデアは
こうして生まれるのです

00:07:33.070 --> 00:07:35.980
ジョン・クリーズは言いました
「アイデアはどこから来るか分からないが

00:07:35.980 --> 00:07:37.800
少なくともノートパソコンでない」

00:07:37.800 --> 00:07:40.150
嬉しいことに今日は誰も
パソコンを開いてませんね

00:07:40.150 --> 00:07:42.630
これは驚きです
誰も気付かなかったでしょう

00:07:42.630 --> 00:07:44.640
もしこれが どこかの会社だったらー

00:07:44.640 --> 00:07:46.740
特にグーグルとか 社名はいいませんがー

00:07:46.740 --> 00:07:49.780
みんなパソコンを開いていたでしょうね

00:07:49.780 --> 00:07:52.061
こんなTEDスピリットは素晴らしいですね

00:07:52.061 --> 00:07:53.831
今はここにいて 他のことは後で

00:07:53.831 --> 00:07:56.441
そんなことを竹は教えてくれます

00:07:56.441 --> 00:07:57.931
ごめん グーグル （笑）

00:07:57.931 --> 00:08:01.421
第５の教訓は いつでも覚悟を持てと
竹は教えてくれます

00:08:01.421 --> 00:08:03.361
偉大な合気道の達人だった

00:08:03.361 --> 00:08:07.811
ロサンゼルスの古屋先生が
既に故人ですが こう言いました

00:08:07.811 --> 00:08:10.741
「戦士とは平和のために戦うもの」

00:08:10.741 --> 00:08:13.401
「竹のように常に準備万全であれ」

00:08:13.401 --> 00:08:16.551
私たちは訓練や教育を通じて

00:08:16.551 --> 00:08:19.431
あらゆる状況に
対処できるようになれます

00:08:19.431 --> 00:08:22.121
第６の教訓は 空虚の中に
知恵を見つけること

00:08:22.121 --> 00:08:24.121
さて禅はすべて空虚なのです

00:08:24.121 --> 00:08:27.171
空虚のお話を
ずっと続けることも可能です

00:08:27.171 --> 00:08:30.631
ブルース・リーの格言によって
ある一面を示しましょう

00:08:30.631 --> 00:08:33.161
「コップを空にせよ
次を受け入れられるように」

00:08:33.161 --> 00:08:34.557
私たちはみな

00:08:34.557 --> 00:08:37.617
すでに先入観と偏見に
満ちています

00:08:37.617 --> 00:08:41.487
心を空にしないと
新しいことは学べません

00:08:41.487 --> 00:08:46.707
もちろん私のお気に入りの
マスターヨーダも同じことを言いました

00:08:46.707 --> 00:08:50.097
ではヨーダのものまねで
言いましょう せーの

00:08:50.097 --> 00:08:54.577
「学んだことは忘れなさい」

00:08:54.577 --> 00:08:57.657
よくできました
（笑）

00:08:57.657 --> 00:08:59.657
第７の教訓

00:08:59.657 --> 00:09:03.317
これは幼少期に学ぶ
日本の文化ですが

00:09:03.317 --> 00:09:08.637
人は常に成長し続け 
自身も改善し続けるという考えです

00:09:08.637 --> 00:09:13.547
例えば竹を見れば
１日で１メートルも成長します

00:09:13.547 --> 00:09:15.807
ある種の竹は 
信じられないほど高く―

00:09:15.807 --> 00:09:18.787
100フィート 35メートル以上も
成長します

00:09:18.787 --> 00:09:21.787
これは日本ではなく
中国のことわざです

00:09:21.807 --> 00:09:24.757
でも漢字だから理解できるでしょう

00:09:24.757 --> 00:09:28.047
「竹は100フィートに到達しても
さらに成長できる」

00:09:28.047 --> 00:09:32.168
日本ではこう言います
「人は達成したと感じたときには

00:09:32.168 --> 00:09:34.521
衰退が始まる」

00:09:34.521 --> 00:09:35.831
満足してはいけません

00:09:35.831 --> 00:09:39.511
偉大な禅や合気道の達人は
常にこう言います

00:09:39.511 --> 00:09:42.541
「あなたは素晴らしいですね」
「いや まだまだです」

00:09:43.071 --> 00:09:46.391
西洋出身の多くの人はおそらく
ここから力強い教訓を得られるでしょう

00:09:46.391 --> 00:09:49.291
決して満足せず
わずかでも向上を忘れないこと

00:09:49.291 --> 00:09:51.661
さて 竹の有用性が
簡潔さをもって示されているのも

00:09:51.661 --> 00:09:54.521
素晴らしい点です

00:09:54.521 --> 00:09:57.261
古屋先生も同じく言っています

00:09:57.261 --> 00:10:00.491
私たちもそんな竹のようにあるべきです
世間は複雑ですから

00:10:00.491 --> 00:10:04.731
もっと単純に考えれば
自分自身を見極めて役に立てるようになります

00:10:04.731 --> 00:10:05.961
簡単ではありませんが

00:10:05.961 --> 00:10:07.501
この漢字を知っていますか？

00:10:07.501 --> 00:10:09.471
簡素です

00:10:09.471 --> 00:10:12.811
竹が一番上にありますね

00:10:12.811 --> 00:10:14.567
実は竹を含む漢字は

00:10:14.567 --> 00:10:17.678
何百個もあります

00:10:17.678 --> 00:10:19.250
この竹という要素は

00:10:19.250 --> 00:10:21.562
簡素に関連しています

00:10:21.562 --> 00:10:25.420
この茶道の茶筅とマットも竹です

00:10:25.420 --> 00:10:27.916
竹は日本文化の至る所にあり

00:10:27.916 --> 00:10:29.752
アジアでもよくあります

00:10:29.752 --> 00:10:32.940
数日前に撮影した
友人のスカーフです

00:10:32.940 --> 00:10:34.385
竹について話していたときに

00:10:34.385 --> 00:10:36.414
彼女が身につけていたスカーフです

00:10:36.414 --> 00:10:39.025
「イタリア製　竹100%」
まさに竹はどこでもあります

00:10:39.025 --> 00:10:40.725
そしてもちろん私の自宅の隣にも

00:10:40.732 --> 00:10:42.890
どこから合法的に取って来たか
知りませんが

00:10:42.890 --> 00:10:45.528
とにかく竹で囲いを作っています
（笑）

00:10:45.528 --> 00:10:47.159
何か無くなっているなと思ってました

00:10:47.159 --> 00:10:50.921
たとえ囲いを作っても
竹はとても有用で美しいのです

00:10:50.921 --> 00:10:52.378
私たちも そうあるべきです

00:10:52.378 --> 00:10:57.992
最後に竹が教えてくれるのは
力を跳ね返すことです

00:10:57.993 --> 00:11:01.175
これは 最近では以前より
もっと重要です

00:11:01.175 --> 00:11:02.435
この写真では

00:11:02.435 --> 00:11:04.314
前景にある竹は

00:11:04.314 --> 00:11:09.166
たくさんの雪に覆われ
雪の重みで曲がっています

00:11:09.166 --> 00:11:13.049
時に先端が地面まで
届いてしまいますが

00:11:13.049 --> 00:11:16.041
春になると 跳ね返ります

00:11:16.041 --> 00:11:17.166
私たちもこうあるべきです

00:11:17.166 --> 00:11:20.511
今は多くの人が自分なりの冬を
過ごしています

00:11:20.511 --> 00:11:23.511
まるでこんなことわざを思い出します
皆さんこれ知っていますか？

00:11:23.511 --> 00:11:26.141
何人ぐらい読めるでしょうか？

00:11:26.141 --> 00:11:28.560
せーの 「七転び八起き」
（観客と復唱）

00:11:28.560 --> 00:11:31.499
皆さん素晴らしいですね
パリではうまくいきませんでした

00:11:31.499 --> 00:11:33.169
（笑）

00:11:33.180 --> 00:11:35.286
でもこれがまさに竹の本質です

00:11:35.286 --> 00:11:38.098
日本文化が教えてくれている本質です

00:11:38.098 --> 00:11:42.056
私にはアメリカの偉大な
哲学者を思い出させます

00:11:42.056 --> 00:11:44.640
ロッキー・バルボア
（笑）

00:11:44.640 --> 00:11:48.080
（音楽：ロッキーのテーマ）

00:11:48.084 --> 00:11:51.072
さあ両手をだして
いいですか

00:11:51.072 --> 00:11:54.776
（手拍子）

00:11:54.776 --> 00:11:56.180
オーライ

00:11:56.181 --> 00:12:00.947
確かロッキーがシリーズ最新作の
ロッキー37かなんかで言ってました

00:12:00.947 --> 00:12:01.777
（笑）

00:12:01.777 --> 00:12:04.110
「大事なのはどれだけ強く打つかではなくー

00:12:04.110 --> 00:12:05.960
どれだけ強く打たれたときにもー

00:12:05.960 --> 00:12:07.323
前進し続けることだ

00:12:07.329 --> 00:12:09.480
どれだけ打たれても 前進し続けること

00:12:09.480 --> 00:12:11.530
勝利とはこうして得るのだ」

00:12:11.530 --> 00:12:13.871
これは禅にも通じます

00:12:13.871 --> 00:12:15.361
アメリカ版の

00:12:15.361 --> 00:12:18.821
「千回倒れても 千一回起きあがれ

00:12:18.821 --> 00:12:20.827
決して諦めるな」です

00:12:20.827 --> 00:12:23.721
さて では竹から学ぶ教訓は？

00:12:23.868 --> 00:12:27.493
まず柔軟性と適応性です

00:12:27.493 --> 00:12:29.704
私は日本人の性格について聞かれたら

00:12:29.706 --> 00:12:31.582
こんな言葉を思い浮かべます

00:12:31.582 --> 00:12:33.632
ぴったりの言葉があります

00:12:33.648 --> 00:12:37.535
竹や日本人の性質を
よく表しています

00:12:37.543 --> 00:12:41.183
それは 復元する柔軟性や
困難に打ち勝つ心なのです

00:12:41.184 --> 00:12:43.793
友よ 竹のようになりなさい

00:12:43.793 --> 00:12:45.751
竹のように

00:12:45.755 --> 00:12:48.182
ありがとうございました

00:12:48.182 --> 00:12:51.290
（拍手）

00:12:51.290 --> 00:12:52.058
ありがとう