「本当の生き方を再考したいと望むことこそが必要だ」
クリスチャン・ゴルトムント・オーマン
どんな世界に生きたいのか?
それが問題です
生存できるかではなく
経済成長を続けられるかでもなく
もし今までのやり方を
続けられるとしたら
技術を使って たとえば
炭素吸収装置や
硫酸塩で空の色を白くして
気温を一定に維持しながら
生き物を破壊し続け
作るコンクリートの世界では
水耕野菜工場や
合成食品
デジタルVRで見る
失われた自然
史上最高のGDP成長率
もし可能だとしたら
それを望むでしょうか?
機械論的な地球観では
地球は込み入った機械だと捉えるので
ディーゼルエンジンのように
空気と燃料の比率が悪いと
正しく働きません
もし温室効果ガス濃度が高すぎると
地球は正しく働かないことになります
生きている地球
いっぽう地球を生きていると理解すれば
大丈夫と言えるかもしれません
どうすれば地球の回復力を高め
温室効果ガスに対処できるか
そう思えるのは
もし温室効果ガス排出を
一夜でゼロにできたとしても
生きた地球の器官と組織を
傷め続けるなら
地球は臓器不全で死に
CO2排出がゼロでも
救えません
地球が機械ではないからです
気候:新たなる物語
今すべきなのは
環境を理解する基本的な物語を
特に気候の物語を書き直すことで
その基になる理解は
地球は生き物であり
込み入った機械ではない
地球は生きているという見方に
違和感がないのは
ガイア説のおかげで
地球が生きていると言わないまでも
生き物のように振る舞うのです
体の恒常性を保ち
生命の特質を多く持ちます
科学者のほとんどは
地球が生きていると言いいませんが
私たちに必要なのは
地球を生き物と認めて
関わりを結び
地球の神聖さを認めることです
地球の健康
今の地球はひどく傷ついています
熱帯雨林、マングローブ
湿地、コンブの森
藻場
水と土
この全てが活力と健康を失い
わずかに残るだけです
それはつまり
地球が安定した気候を
保つ能力が
ひどく低下し
変動と困難に対処する能力が失われ
人間が排出した
CO2や
火山噴火や
太陽活動の変動などから
地球が回復する能力が失われたのは
地球の器官が傷つけられたから
それはつまり
もし人間が
樹木の本数を
半減させず
全ての大陸で
広大な面積を砂漠にしなかったら
400 ppmでも問題なかったと思います
でも実際は
その反対を引き起こし
地球の生き物は
困難に対処できません
温室効果ガスが
深刻な脅威で不安定を起こし
地球温暖化が暴走を始めるという
標準的な物語とは
違う見方ですが
矛盾はしません
化石燃料の産出は
他の仕方でも害を発生しますが
地球が生きているという見方から
究極的にはさらに大きな害があると思います
生態系全体の破壊です
こういう写真を見たことがあるでしょう
アルバータ州のタールサンド
荒廃した光景
山の露天掘りや
漏れ出す原油
地球が生きていると理解するなら
想像できるでしょう
自分の細胞や組織が
からだ全体で
毒に冒され破壊されたら
健康な体温を保つことなど
できるでしょうか
例え話が飛躍しすぎかも知れませんが
これこそ私たちが今いる状況です
回復の段階
地球が生きていると言う見方から
私たちが理解するのは
ガイアの器官が極めて重要なことで
とくに無傷で残っているもの
たとえばアマゾンや
コンゴの一部
地球のどこかで
小さいけれど無傷で残る
健康の源です
ガイアが健康だった記憶が
残る場所です
このような場所を守る必要があります
アマゾンはそれ自身が生き物ですが
私たちの理解は非常に表面的で
ガイアの生理とどう関係するのか知りません
アマゾンの価値を炭素の吸収量に
落とし込めば
その他全ての生理的作用を
見落とすことになります
第1の優先事項は
このような場所を聖地とすることです
それなしでは
アマゾンで消失した
炭素クレジットを
他で埋め合わせても
地球は制御不能になるでしょう
優先1:聖地
第2の優先事項は
傷ついた器官を
修復し癒すこと
特に森と土です
土はおそらく最も重要な
地球の器官で
もちろん樹木にも関係し
プレーリーや
他の全ての生態系にも関わります
それには例えば再生型農業です
炭素の観点からも
意義があります
これは最も
群を抜いて速いペースで
大気から炭素を取り除きます
農家や牧場主の中には
驚くほどの速さで表土を
作り出す人がいます
1インチの表土を作るには500年かかると
学校で学びましたが
その農家はたった1年で
やってのけ
膨大な量の炭素を大気から取り除きます
優先2:癒す
それでは
第3の優先事項は
ガイアの組織を毒で冒すのを止めること
除草剤、殺虫剤
有毒廃棄物、医療廃棄物、日焼け止め等々は
地球の回復力を損ないます
器官ではなく組織レベルのように
全世界で起きています
止める必要があるのは
90年も続いてきた汚染の実験です
大地全体に殺虫剤を
何度もまき続けたら
どうなるでしょう
今さら驚くことも無いでしょうが
どこでも昆虫の数が激減しています
原因はそれだけではないでしょうが
本当に重要で意識されることのない原因は
大型動物の消滅で
これが食物連鎖を通して影響しても
その理由を知ろうともしない
地球は生きているという見方を取るなら
これが重要だと分かります
第4の優先事項は化石燃料の削減です
これには議論があって私は第4優先としますが
先の3つの優先事項を立てれば
必然的に化石燃料を
削減することになります
生態系を神聖なものとしながらも
岩盤破砕、石油採掘、露天掘り
パイプラインを続けることは
不可能です
じつは第4優先は
他の3つの結果であり
同じ観点から生まれるものです
分かっていることは全て実行しよう
地球の癒しに加わろう
それこそ私たちが今ここに
生きている理由なのです
まず傷を癒し
続いてもっと多くの命を
この世界に吹き込みます
方策
適切な方策は
状況により異なります
ここではこれを あそこであれを行えば良いという
公式はありませんが
その方策の基となるのは
私たちが貢献しようとすることへの
理解であるべきです
ひとつのレベルでは
地球上の生き物を守ることや
生き物を癒すことだと言えますが
別のレベルでは深い物語と神話を
変えていくことに貢献するのです
その神話が規定するのは私たちが何者で
なぜここにいて
何が本当かということです
ですから
その理解の一部には
お互いに対する理解があり
悪者扱いする人への理解です
あなたは生命に奉仕するためにここにいて
自分が置かれた状況では難しいだけで
あなたも私と同じです
あなたを悪者扱いして
救いようのない汚染者
強欲な敵と考え
唯一の解決は
あなたを打ち負かし
戦いに勝つことだと
考えると
必ずしも敵ではない人々を
敵に回すことになります
仲間に引き入れる方法が
あるかもしれず
その人たちの内面に語りかけます
何が起きているか本当に知っていたら
そうしようとは望まない
地球の将来に対する絶望を
多くの人が感じるのは
変化がなぜ起きるか
現実はどうなっているかについて
問題を起こしたのと同じ理解に
基づいているからです
変えようとするものに
力をかけるから変化する
ならば自分の力が大きいほど
世界を変える力も大きい
この考え方では
申し訳ないですがシステムの力は
あなたの力よりずっと大きくて
変化を起こすのに必要な力を手に入れる望みはありません
でもたぶん世界はそんなふうに働きません
世界を変えるには
他者を力で支配するのではなく
他の方法があって
私の希望はそこにあるのです
希望は自然を理解することにあり
そこでは他の生き物たちが
私たちの仲間になる
私たちが繋がろうとしているのは
別の因果関係が働く世界で
私たちは正しい時と場所に置かれ
正しいことを正しい人に語り
自分の中に目覚めたことをその人に呼び起こし
より大きな勇気の中に招き入れ
ともに貢献に加わります
私たちがそう理解すると
たぶん変化はそうして起きるのです
私たちは世界がどう働くのか本当は知りません
ともかくこの文明の失敗から
学ぶべきなのは
私たちが本当は無知だということ
その理解から導かれるのは謙虚さで
その謙虚さがあれば
全てが可能になります