WEBVTT 00:00:01.028 --> 00:00:04.144 やぁ、僕はマーク Boss Keys へようこそ 00:00:05.913 --> 00:00:09.700 僕は Game Maker's Toolkit という YouTube 動画を作っていて 00:00:09.779 --> 00:00:16.253 長い間作りたいと思っていたのが 『ゼルダの伝説』のダンジョン分析だ 00:00:16.721 --> 00:00:19.257 ゼルダのダンジョンは 魅力的だと思う 00:00:19.337 --> 00:00:24.371 ねじれたり回転したりする非線形の 迷路のようなパズル空間に― 00:00:24.455 --> 00:00:26.857 敵や罠がいっぱい詰まっている 00:00:26.937 --> 00:00:30.246 素晴らしいボス戦や 独特な建築があり 00:00:30.318 --> 00:00:35.231 その最高傑作の中では 巨大な機械仕掛けの難問を解いていく 00:00:35.318 --> 00:00:38.147 だがこの動画を きちんとやりたいなら― 00:00:38.237 --> 00:00:43.411 主要なゼルダ作品を全て再プレイする必要があり それには数百時間かかるだろう 00:00:43.481 --> 00:00:46.335 たった1本の動画のために 膨大な調査をするわけだ 00:00:46.401 --> 00:00:50.598 だから番外編を次々と公開すれば 楽しいかもしれないと思った 00:00:50.670 --> 00:00:53.571 ゼルダ作品を遊ぶたびに 1本の動画を作って 00:00:53.650 --> 00:00:57.200 そのダンジョン設計について 僕の考えや発見を紹介していく 00:00:57.274 --> 00:00:59.355 見続けてくれるならクールだ 00:00:59.426 --> 00:01:04.259 いつものような、徹底的に調査された 一口サイズの動画の方が好きな場合は― 00:01:04.346 --> 00:01:07.847 数ヶ月待ってくれれば GMTK のしっかりした動画の方に 00:01:07.929 --> 00:01:10.418 僕が学んだことを 全て盛り込むつもりだ 00:01:11.621 --> 00:01:15.871 『ゼルダの伝説:神々のトライフォース』から 始めよう 00:01:15.951 --> 00:01:20.757 3作目のゼルダだが 任天堂はここで慣例を確立した 00:01:20.838 --> 00:01:26.305 マスターソード、ハートのかけら、フックショットなどの 象徴的な要素が導入されたのだ 00:01:26.555 --> 00:01:29.101 まずは直線性の話から始めよう 00:01:29.181 --> 00:01:32.264 ダンジョンは部屋から部屋へ 案内してくれるのか? 00:01:32.345 --> 00:01:36.129 それとも内部を好きなように 探索させてくれるのか? 00:01:36.206 --> 00:01:40.502 答えは、前者のダンジョンもあれば 後者のダンジョンもあるし 00:01:40.585 --> 00:01:42.748 その中間のダンジョンもある 00:01:42.830 --> 00:01:45.572 中間的なものとして 東の神殿がある 00:01:45.652 --> 00:01:48.017 本作では最初の 本格的なダンジョンだ 00:01:48.100 --> 00:01:52.485 ここではダンジョンを通る道が 1本しかないことに気付くだろう 00:01:52.566 --> 00:01:55.036 この鉄球のところを 通過した後― 00:01:55.114 --> 00:01:58.478 大きく円を描くように回って この部屋に行き 00:01:58.557 --> 00:02:01.586 次にこのエリアを横切って 大きな鍵を入手して 00:02:01.663 --> 00:02:06.267 宝箱の弓を入手した後 上の階でボス戦という道順だ 00:02:06.350 --> 00:02:10.780 だがダンジョンはそれほど直線的な感じがしない これにはいくつか理由がある 00:02:10.857 --> 00:02:13.396 1つは任意の部屋の数だ 00:02:13.481 --> 00:02:17.985 そこには非必須アイテムの地図や 大量のルピーなどが置かれている 00:02:18.073 --> 00:02:22.095 これらに加えて、後で通る部屋を 先に訪れることができる 00:02:22.172 --> 00:02:26.131 例えば2つのブロックで 一方通行になっている場所などだ 00:02:26.209 --> 00:02:29.433 これらのおかげで、ダンジョンは 広大な探索空間になる 00:02:29.509 --> 00:02:32.430 たくさんの部屋とドアから 行き先を選ぶのだ 00:02:32.515 --> 00:02:35.594 また、鍵のせいで順路から 強制的に外れることになる 00:02:35.668 --> 00:02:40.381 この部屋に寄り道して鍵を探さないと このドアは通れないのだ 00:02:40.455 --> 00:02:45.417 任天堂は鍵とドアを遠ざけることで 難易度を調節している 00:02:46.045 --> 00:02:50.042 最後は、道がダンジョン全体で 交差していることだ 00:02:50.117 --> 00:02:53.376 さっき回避した鉄球の上に 橋があったり 00:02:53.459 --> 00:02:57.312 大きな鍵を取るためにダンジョン内を ぐるりと遠回りしたり 00:02:57.391 --> 00:03:01.172 このデカイ宝箱がある部屋まで 引き返したりする 00:03:01.251 --> 00:03:06.577 これら全てが最短経路を覆い隠すので 経路を探すことを余儀なくされる 00:03:06.646 --> 00:03:10.259 つまりダンジョンは基本的に 一本道を案内してくれるのだが― 00:03:10.328 --> 00:03:14.002 自分で道を開拓している感覚になるのだ 賢い構造だ 00:03:14.082 --> 00:03:17.962 他のダンジョンは攻略順が それほど固定されてない 00:03:18.036 --> 00:03:20.621 5番目のダンジョン 闇の神殿では― 00:03:20.687 --> 00:03:24.734 本作では初めて、複数の鍵を ポケットに入れることになる 00:03:24.810 --> 00:03:28.475 複数の錠前付きドアで これらの鍵が使える 00:03:28.547 --> 00:03:32.931 つまり本当に非直線的な順序で 攻略できるのだ 00:03:32.997 --> 00:03:36.180 このドアにはこの鍵か、この鍵が使える 00:03:36.249 --> 00:03:39.064 それからこのドアか、このドアを開けると 00:03:39.146 --> 00:03:42.464 この鍵か、この鍵、または 最初の2つのどっちかを使える 00:03:42.537 --> 00:03:47.842 順番通りに訪れる部屋もあるが ある程度は自分で経路を選べるおかげで 00:03:47.916 --> 00:03:53.376 自分で決断してる実感が得られ 行き詰まることが少なくなる 00:03:53.455 --> 00:03:58.528 驚くことに、こういう構造のダンジョンには 省略可能な部屋がたくさんある 00:03:58.594 --> 00:04:01.464 ガノンの塔の 1階を例に挙げよう 00:04:01.543 --> 00:04:05.198 これらの部屋には一切入らなくても ダンジョンはクリアできる 00:04:05.283 --> 00:04:08.513 そして悪魔の沼には 鍵が5つあるのだが 00:04:08.589 --> 00:04:13.229 やることが分かっていれば 実際は2つの鍵だけでクリアできる 00:04:13.307 --> 00:04:16.876 もちろん、大抵は分からないので こうした非必須の部屋は― 00:04:16.956 --> 00:04:21.143 ダンジョンを実際よりも大きく難しく 感じさせるために存在している 00:04:21.221 --> 00:04:24.500 たくさんの鍵、錠前、部屋を 調べたことで 00:04:24.570 --> 00:04:27.494 クリアした時はパズルの チャンピオンになった気分になる 00:04:27.576 --> 00:04:31.093 カメイワも、実際より 難しく感じるダンジョンだ 00:04:31.175 --> 00:04:34.648 この部屋には狂気の 配管スパゲッティ交差点があるが 00:04:34.732 --> 00:04:38.363 クリアするためには このうち2本を通るだけでいい 00:04:38.767 --> 00:04:41.394 ダンジョンの中には 完全に直線的なものもある 00:04:41.469 --> 00:04:43.777 特にハイラル城に 戻ったときだ 00:04:43.850 --> 00:04:49.715 部屋を次々と移動する際、錠前はすべて 同じ部屋にある鍵で開けることになる 00:04:49.781 --> 00:04:51.933 だがこれは物語の調子に 合ってる 00:04:52.005 --> 00:04:54.635 この場面でゼルダ姫は (再び)誘拐されたので 00:04:54.701 --> 00:04:58.978 プレイヤーはハイラル城の塔に突撃して 邪魔者をすべて斬り倒していくのだ 00:04:59.055 --> 00:05:02.302 ゼルダ姫を救うための 過酷な百人組手だ 00:05:02.371 --> 00:05:05.090 パズルに考え込んだり 迷子になることではない 00:05:05.159 --> 00:05:10.751 このようなダンジョンはここだけだが 2つの形式の中間的なものもある 00:05:10.834 --> 00:05:14.541 2番目の砂漠の神殿では 序盤は比較的、非直線的で 00:05:14.624 --> 00:05:20.281 冒頭の大部屋で7つものドアを探索し さらに錠前ドアが1つある 00:05:20.358 --> 00:05:23.872 しかしその後は、ボス戦まで 一本道に変わる 00:05:23.950 --> 00:05:26.271 これには一種の緊張感がある 00:05:26.344 --> 00:05:29.872 探索中、ボス部屋のドアに 出くわすことはほぼない 00:05:29.946 --> 00:05:34.065 ボス部屋に辿り着くまでには 部屋を次々と素早く移動して 00:05:34.137 --> 00:05:38.888 敵を倒しながら、ボス戦に向けて 緊張感を高めていくのだ 00:05:39.202 --> 00:05:41.647 ヘラの塔には 嬉しい瞬間がある 00:05:41.736 --> 00:05:46.279 ここで気付くのは ゼルダが 3D になる7年前の時点で 00:05:46.363 --> 00:05:52.839 すでに『神トラ』は、塔の垂直性を プレイヤーに考えさせていたことだ 00:05:52.915 --> 00:05:57.333 4階の大きな宝箱にある ムーンパールを取るためには 00:05:57.409 --> 00:06:01.245 5階の正しい位置から 飛び降りるしかないのだ 00:06:04.017 --> 00:06:06.910 これは脳みそ爆発級の パズルではないが 00:06:06.992 --> 00:06:11.465 ダンジョンを本物の 3D 空間だと 考える機会になるだろう 00:06:11.535 --> 00:06:17.438 ダンジョンを進むにあたって、その構造を 考えさせるものが少ないのは残念だ 00:06:17.519 --> 00:06:20.281 しかしそれを実現する 素敵な場面がある 00:06:20.347 --> 00:06:25.005 闇の神殿では、この階段を上がるために オレンジ色のブロックを下げる必要がある 00:06:25.092 --> 00:06:27.641 だが下げるために、このスイッチか… 00:06:29.069 --> 00:06:30.647 …またはこのスイッチを叩くと 00:06:30.718 --> 00:06:34.537 青ブロックも上がって 階段まで行けなくなってしまう 00:06:34.623 --> 00:06:39.335 だからダンジョンをぐるっと回って 南の部屋から上がって来ないといけない 00:06:39.420 --> 00:06:41.958 これは単純だが 洗練された設計だ 00:06:42.042 --> 00:06:46.563 地形構造を把握するように仕向けて 先読みを促している 00:06:46.636 --> 00:06:51.548 これのもっと複雑なやつは 長く曲がりくねった氷の塔にある 00:06:51.629 --> 00:06:54.212 恐らく本作の 最難関ダンジョンで 00:06:54.280 --> 00:06:58.369 終盤になると、このブロックを押して 穴に落とす必要があると気付く 00:06:58.447 --> 00:07:01.296 そして今回は、青ブロックを 下げる必要があるのだが 00:07:01.376 --> 00:07:04.015 オレンジブロックが上がって 進めなくなる 00:07:04.104 --> 00:07:07.361 今度は戻る経路がかなり難しい 00:07:07.817 --> 00:07:10.425 他の注目ダンジョンは ドクロの森だ 00:07:10.509 --> 00:07:13.466 ここは地下と地上が 舞台になっている 00:07:13.546 --> 00:07:19.027 任天堂が初期の頃から ダンジョンの慣例をイジっているのは興味深い 00:07:19.117 --> 00:07:23.881 同様に、はぐれ者の村では女の子を 光の差し込む部屋へ連れて行くと 00:07:23.960 --> 00:07:27.104 彼女がダンジョンのボス ブラインドに変身する 00:07:28.046 --> 00:07:29.574 分析は以上だ 00:07:29.657 --> 00:07:34.117 12のダンジョンには、直線的なもの ひねったもの、非直線的なものがある 00:07:34.196 --> 00:07:37.649 ダンジョンの構造を 理解するように求めたり 00:07:37.725 --> 00:07:40.548 慣例を破って驚かせたりする 00:07:40.620 --> 00:07:43.596 全体的に見て、これは Boss Keys の快調な滑り出しだ 00:07:43.666 --> 00:07:45.533 そして問題は… 次のゲームは? 00:07:45.609 --> 00:07:48.412 『夢をみる島』か? それとも一気に『時のオカリナ』か? 00:07:48.483 --> 00:07:50.231 下のコメント欄で 感想を教えてほしい 00:07:50.301 --> 00:07:51.071 (字幕翻訳:Nekofloor) 00:07:51.142 --> 00:07:55.308 ご視聴ありがとう Boss Keys が 制作できているのは Patreon の支援者たちが 00:07:55.373 --> 00:07:59.861 10分の動画でゼルダを分析するという 数ヶ月間の企画に喜んで出資してくれたおかげだ 00:07:59.933 --> 00:08:01.229 なんてクールな変人たちだ