1 00:00:00,000 --> 00:00:02,000 人が創る もの には 2 00:00:02,000 --> 00:00:05,000 ある優れた特性があります 3 00:00:05,000 --> 00:00:07,000 もの は人より長生きします 4 00:00:07,000 --> 00:00:09,000 人は死んでも もの は生き延びる 5 00:00:09,000 --> 00:00:12,000 人の命はひとつですが  もの にはたくさんの命があります 6 00:00:12,000 --> 00:00:15,000 そして それぞれに違う意味があります 7 00:00:15,000 --> 00:00:18,000 つまり 人の伝記は みんなひとつですが 8 00:00:18,000 --> 00:00:20,000 もの にはたくさんあります 9 00:00:20,000 --> 00:00:22,000 私が今日 お話しする 10 00:00:22,000 --> 00:00:25,000 物語 伝記は 11 00:00:25,000 --> 00:00:28,000 特異な運命をたどり続ける 12 00:00:28,000 --> 00:00:30,000 ある もの についてです 13 00:00:30,000 --> 00:00:32,000 見た目は 14 00:00:32,000 --> 00:00:34,000 たいしたものではありません 15 00:00:34,000 --> 00:00:37,000 ラグビーボールくらいの大きさで 16 00:00:37,000 --> 00:00:39,000 粘土でできています 17 00:00:39,000 --> 00:00:41,000 円筒型に 18 00:00:41,000 --> 00:00:44,000 成形されています 19 00:00:44,000 --> 00:00:46,000 びっしりと文章が書かれ 20 00:00:46,000 --> 00:00:49,000 日干しされました 21 00:00:49,000 --> 00:00:51,000 見てのとおり 22 00:00:51,000 --> 00:00:53,000 少し欠けています 23 00:00:53,000 --> 00:00:55,000 2500 年前に作られたのですから 24 00:00:55,000 --> 00:00:58,000 驚くことではありません 25 00:00:58,000 --> 00:01:00,000 発掘されたのは 26 00:01:00,000 --> 00:01:02,000 1879年です 27 00:01:02,000 --> 00:01:04,000 この物体は 28 00:01:04,000 --> 00:01:06,000 中東の政治を 29 00:01:06,000 --> 00:01:08,000 動かす 30 00:01:08,000 --> 00:01:10,000 力を秘めています 31 00:01:10,000 --> 00:01:12,000 魅力的で 32 00:01:12,000 --> 00:01:14,000 まだ終わりがない 33 00:01:14,000 --> 00:01:18,000 物語に包まれています 34 00:01:18,000 --> 00:01:20,000 物語のはじまりは 35 00:01:20,000 --> 00:01:24,000 イラン・イラク戦争と 36 00:01:24,000 --> 00:01:26,000 その一連の出来事により 37 00:01:26,000 --> 00:01:28,000 外国の勢力が 38 00:01:28,000 --> 00:01:30,000 イラクに侵攻し 39 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 独裁者が排除され 40 00:01:32,000 --> 00:01:34,000 政権があっという間に 41 00:01:34,000 --> 00:01:37,000 交代したことです 42 00:01:37,000 --> 00:01:39,000 物語は 43 00:01:39,000 --> 00:01:41,000 皆様がよくご存じの 44 00:01:41,000 --> 00:01:44,000 ベルシャザルの饗宴 45 00:01:44,000 --> 00:01:46,000 にも関係あります 46 00:01:46,000 --> 00:01:48,000 実は このイラン・イラク戦争は 47 00:01:48,000 --> 00:01:51,000 紀元前539年に勃発しました 48 00:01:51,000 --> 00:01:53,000 紀元前539年と2003年 49 00:01:53,000 --> 00:01:55,000 そしてその間の出来事には 50 00:01:55,000 --> 00:01:58,000 驚くべき 51 00:01:58,000 --> 00:02:00,000 共通点があります 52 00:02:00,000 --> 00:02:02,000 これはレンブラントの作品です 53 00:02:02,000 --> 00:02:04,000 ロンドン ナショナル・ギャラリー所蔵です 54 00:02:04,000 --> 00:02:06,000 ヘブライ語聖書 ダニエル書の一節が 55 00:02:06,000 --> 00:02:09,000 描かれています 56 00:02:09,000 --> 00:02:11,000 物語は ご存知のとおり 57 00:02:11,000 --> 00:02:14,000 ネブカドネザル2世の息子 ベルシャザル 58 00:02:14,000 --> 00:02:17,000 ネブカドネザル2世が  イスラエルを征服し 59 00:02:17,000 --> 00:02:19,000 エルサレムを破壊し 60 00:02:19,000 --> 00:02:21,000 バビロン捕囚を断行しました 61 00:02:21,000 --> 00:02:24,000 神殿から神聖な器を持ち出しました 62 00:02:24,000 --> 00:02:27,000 神殿を荒らし汚しました 63 00:02:27,000 --> 00:02:30,000 そしてエルサレム神殿からは黄金の器を 64 00:02:30,000 --> 00:02:33,000 バビロンに持ち帰りました 65 00:02:33,000 --> 00:02:35,000 彼の息子ベルシャザルは 66 00:02:35,000 --> 00:02:37,000 宴を開きました 67 00:02:37,000 --> 00:02:39,000 そして宴を一層面白くするために 68 00:02:39,000 --> 00:02:42,000 ちょっとした冒とくに走ろうと 69 00:02:42,000 --> 00:02:45,000 神聖な器を持出してきました 70 00:02:45,000 --> 00:02:48,000 彼は既に イラン人 ペルシャ王と 71 00:02:48,000 --> 00:02:50,000 戦争中でした 72 00:02:50,000 --> 00:02:53,000 その夜 ダニエルが預言します 73 00:02:53,000 --> 00:02:55,000 宴が盛り上るさなか 74 00:02:55,000 --> 00:02:58,000 手が現れて 壁に書込みます 75 00:02:58,000 --> 00:03:01,000 "おまえは天秤にかけられ 失格者となった 76 00:03:01,000 --> 00:03:03,000 おまえの王国は メディア人と 77 00:03:03,000 --> 00:03:05,000 ペルシャ人に 征服される" 78 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 そして まさにその夜 79 00:03:07,000 --> 00:03:11,000 ペルシャ王キュロスが バビロンに侵攻し 80 00:03:11,000 --> 00:03:16,000 ベルシャザル体制は崩壊するのです 81 00:03:16,000 --> 00:03:18,000 ユダヤ人の歴史において 82 00:03:18,000 --> 00:03:20,000 きわめて重要な 83 00:03:20,000 --> 00:03:22,000 出来事です 84 00:03:22,000 --> 00:03:24,000 偉大な物語 ご存知のとおりです 85 00:03:24,000 --> 00:03:26,000 "不吉な前兆" は 86 00:03:26,000 --> 00:03:29,000 慣用句になりました 87 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 次に起きたことは 88 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 驚くべきことです 89 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 この円筒印章が 90 00:03:35,000 --> 00:03:37,000 物語に登場します 91 00:03:37,000 --> 00:03:39,000 ペルシャ王キュロスが 92 00:03:39,000 --> 00:03:41,000 戦わずしてバビロン入城し 93 00:03:41,000 --> 00:03:43,000 巨大なバビロン帝国 ― 94 00:03:43,000 --> 00:03:45,000 イラク中南部から 95 00:03:45,000 --> 00:03:47,000 地中海まで至った ― 96 00:03:47,000 --> 00:03:49,000 が陥落したのです 97 00:03:49,000 --> 00:03:53,000 キュロスは宣言します 98 00:03:53,000 --> 00:03:56,000 それがこの円筒印章です 99 00:03:56,000 --> 00:03:59,000 神に導かれた統治者の宣言は 100 00:03:59,000 --> 00:04:03,000 イラクの専制君主を倒し 101 00:04:03,000 --> 00:04:05,000 人々に自由をもたらしました 102 00:04:05,000 --> 00:04:07,000 バビロニア人あて 103 00:04:07,000 --> 00:04:09,000 バビロニア語で宣言しました 104 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 "余はキュロス 全宇宙の王 105 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 偉大な王 強大な王 106 00:04:14,000 --> 00:04:18,000 バビロンの王 世界四方の王だ" 107 00:04:18,000 --> 00:04:21,000 まさに誇大広告そのものです 108 00:04:21,000 --> 00:04:23,000 これはおそらく 109 00:04:23,000 --> 00:04:25,000 現存する 最古の 110 00:04:25,000 --> 00:04:27,000 勝利軍発 111 00:04:27,000 --> 00:04:29,000 プレス・リリースでしょう 112 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 この後 見ていきますが 113 00:04:31,000 --> 00:04:34,000 専門の広報担当が書きました 114 00:04:34,000 --> 00:04:37,000 誇張表現は驚くことではありません 115 00:04:37,000 --> 00:04:39,000 いったい 偉大で強大な 116 00:04:39,000 --> 00:04:42,000 世界四方の王は 何をするというのでしょう 117 00:04:42,000 --> 00:04:45,000 バビロンを征服した 王は続けます 118 00:04:45,000 --> 00:04:48,000 ネブカドネザルと  ベルシャザルに 119 00:04:48,000 --> 00:04:50,000 捕えられ奴隷となった 全てのバビロニア人を 120 00:04:50,000 --> 00:04:52,000 すぐに解放すると 121 00:04:52,000 --> 00:04:54,000 宣言しました 122 00:04:54,000 --> 00:04:56,000 人々は祖国に帰ることが許され 123 00:04:56,000 --> 00:04:58,000 さらに重要なことに 124 00:04:58,000 --> 00:05:00,000 没収された 125 00:05:00,000 --> 00:05:02,000 神々 像 126 00:05:02,000 --> 00:05:04,000 神聖な器 127 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 を人々に返しました 128 00:05:06,000 --> 00:05:09,000 抑圧され 連行されたすべての民族は 129 00:05:09,000 --> 00:05:11,000 神々と共に 130 00:05:11,000 --> 00:05:14,000 帰郷するのです 131 00:05:14,000 --> 00:05:17,000 人々は祭壇を修復し 132 00:05:17,000 --> 00:05:19,000 各々の方法 133 00:05:19,000 --> 00:05:22,000 各々の場所で 神々を崇拝できるのです 134 00:05:22,000 --> 00:05:24,000 これが布告であり 135 00:05:24,000 --> 00:05:27,000 この物体が その証拠です 136 00:05:27,000 --> 00:05:29,000 ユダヤ人がバビロンに 137 00:05:29,000 --> 00:05:31,000 追放された後 138 00:05:31,000 --> 00:05:34,000 何年もの間バビロンの水辺で 139 00:05:34,000 --> 00:05:37,000 エルサレムを思い出しては涙したのが 140 00:05:37,000 --> 00:05:40,000 ついに帰還できることになったのです 141 00:05:40,000 --> 00:05:42,000 彼らはエルサレムに戻り 142 00:05:42,000 --> 00:05:44,000 神殿を再建するのです 143 00:05:44,000 --> 00:05:46,000 ユダヤ人の歴史上 144 00:05:46,000 --> 00:05:48,000 中核をなす文献です 145 00:05:48,000 --> 00:05:52,000 ヘブライ語聖書 エズラ書 歴代志 にも 146 00:05:52,000 --> 00:05:54,000 明確に同様の記述があります 147 00:05:54,000 --> 00:05:56,000 ユダヤ教版では 148 00:05:56,000 --> 00:05:58,000 次のとおりです 149 00:05:58,000 --> 00:06:00,000 "ペルシャ王キュロス曰く 150 00:06:00,000 --> 00:06:03,000 「天の神 主は地上の国々をことごとく 私にくださって 151 00:06:03,000 --> 00:06:05,000 主の宮をユダにあるエルサレムに 152 00:06:05,000 --> 00:06:07,000 建てることを私に命じられた 153 00:06:07,000 --> 00:06:09,000 あなたがたのうち その民である者は誰だ 154 00:06:09,000 --> 00:06:11,000 彼はエルサレムにいます神である 155 00:06:11,000 --> 00:06:14,000 エルサレムに向かわせよ」' 156 00:06:14,000 --> 00:06:16,000 「向かわせよ」 157 00:06:16,000 --> 00:06:19,000 帰郷という 158 00:06:19,000 --> 00:06:21,000 中心的テーマは 159 00:06:21,000 --> 00:06:23,000 ユダヤ教の 160 00:06:23,000 --> 00:06:25,000 本質をなしています 161 00:06:25,000 --> 00:06:27,000 ご存知のとおり 捕囚からの帰還 162 00:06:27,000 --> 00:06:29,000 第二神殿の時期 163 00:06:29,000 --> 00:06:31,000 ユダヤ教は大きく発展しました 164 00:06:31,000 --> 00:06:33,000 この変化 165 00:06:33,000 --> 00:06:35,000 大きな歴史的瞬間こそ 166 00:06:35,000 --> 00:06:39,000 ペルシャ王キュロスがもたらした と 167 00:06:39,000 --> 00:06:42,000 ヘブライ語聖書 および 168 00:06:42,000 --> 00:06:45,000 円筒印章のバビロニア語が示しています 169 00:06:45,000 --> 00:06:47,000 まさにふたつの偉大な文言 170 00:06:47,000 --> 00:06:49,000 では 政治はどうだったのでしょう 171 00:06:49,000 --> 00:06:51,000 起こっていたのは 172 00:06:51,000 --> 00:06:54,000 中東史における重大な変化です 173 00:06:54,000 --> 00:06:57,000 キュロス配下 メディア人とペルシャ人が結託した 174 00:06:57,000 --> 00:06:59,000 イラン王国は 175 00:06:59,000 --> 00:07:03,000 世界初の巨大帝国になりました 176 00:07:03,000 --> 00:07:06,000 キュロスが紀元前530年に興し 177 00:07:06,000 --> 00:07:10,000 息子 ダリウス1世に至るまで 178 00:07:10,000 --> 00:07:13,000 地中海東岸全体は 179 00:07:13,000 --> 00:07:15,000 ペルシャ人支配下におかれました 180 00:07:15,000 --> 00:07:17,000 この帝国は 今日 181 00:07:17,000 --> 00:07:19,000 我々が認識する中東であり 182 00:07:19,000 --> 00:07:22,000 我々が認識する中東を形作る原型なのです 183 00:07:22,000 --> 00:07:24,000 ペルシャは当時 世界最大の帝国でした 184 00:07:24,000 --> 00:07:26,000 さらに重要なことに 185 00:07:26,000 --> 00:07:28,000 ペルシャは初の 186 00:07:28,000 --> 00:07:30,000 多文化 多宗教の 187 00:07:30,000 --> 00:07:32,000 大規模国家でした 188 00:07:32,000 --> 00:07:34,000 全く新しい行政が施行されました 189 00:07:34,000 --> 00:07:36,000 しかも異なる言語で 190 00:07:36,000 --> 00:07:39,000 バビロニア語の布告が示すのは 191 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 異なる習慣 異なる民族 192 00:07:41,000 --> 00:07:44,000 異なる宗教 異なる信仰 を容認するということです 193 00:07:44,000 --> 00:07:47,000 キュロスはそれらを尊重し 194 00:07:47,000 --> 00:07:49,000 モデルを構築したのです ― 195 00:07:49,000 --> 00:07:51,000 いかに大規模な 196 00:07:51,000 --> 00:07:56,000 多民族 多宗教 多文化の社会をまとめるか 197 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 そして その結果は 198 00:07:58,000 --> 00:08:01,000 ご覧のとおりの 領土を持つ帝国であり 199 00:08:01,000 --> 00:08:04,000 200年間余りの安定を築きました 200 00:08:04,000 --> 00:08:07,000 アレキサンダーに破壊されるまで 201 00:08:07,000 --> 00:08:09,000 中東が一体化できるという夢 ― 202 00:08:09,000 --> 00:08:11,000 異なる信仰をもつ人々が一緒に暮らせる共同体 203 00:08:11,000 --> 00:08:13,000 を実現したのです 204 00:08:13,000 --> 00:08:15,000 ギリシャの侵略が終わりを告げました 205 00:08:15,000 --> 00:08:18,000 もちろんアレキサンダーは政府を維持できず 206 00:08:18,000 --> 00:08:20,000 帝国は崩壊します 207 00:08:20,000 --> 00:08:22,000 しかしキュロスが描いたことは 208 00:08:22,000 --> 00:08:24,000 中核として残りました 209 00:08:24,000 --> 00:08:27,000 ギリシャ人の歴史家 クセノフォンが 210 00:08:27,000 --> 00:08:29,000 『キュロスの教育』で 211 00:08:29,000 --> 00:08:31,000 キュロスを偉大な統治者と述べました 212 00:08:31,000 --> 00:08:34,000 それ以降のヨーロッパ文化を通して 213 00:08:34,000 --> 00:08:37,000 キュロスは模範であり続けました。 214 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 これは16世紀の絵です 215 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 彼への畏敬の念が 216 00:08:41,000 --> 00:08:44,000 いかに深いか わかります 217 00:08:44,000 --> 00:08:46,000 クセノフォンが記述した キュロスの 218 00:08:46,000 --> 00:08:49,000 多様社会のまとめる手法は 219 00:08:49,000 --> 00:08:51,000 素晴らしい教科書として 220 00:08:51,000 --> 00:08:53,000 アメリカ革命の建国の父たちを 221 00:08:53,000 --> 00:08:55,000 触発したのです 222 00:08:55,000 --> 00:08:57,000 ジェファソンは キュロスを 223 00:08:57,000 --> 00:08:59,000 熱心に信奉しました 224 00:08:59,000 --> 00:09:01,000 18世紀の理想として 新しい国家において 225 00:09:01,000 --> 00:09:03,000 いかにして宗教的寛容を生み出すか 226 00:09:03,000 --> 00:09:06,000 述べています 227 00:09:08,000 --> 00:09:10,000 一方 バビロンに話を戻すと 228 00:09:10,000 --> 00:09:12,000 物事はうまく進んでいませんでした 229 00:09:12,000 --> 00:09:15,000 アレキサンダー以後 他の帝国も 230 00:09:15,000 --> 00:09:18,000 バビロンも衰退し  破滅に向かいました 231 00:09:18,000 --> 00:09:22,000 そして 大バビロン帝国の全ての 軌跡は失われつつありました ― 232 00:09:22,000 --> 00:09:24,000 ところが 1879年 233 00:09:24,000 --> 00:09:27,000 大英博物館 バビロン調査隊が 234 00:09:27,000 --> 00:09:30,000 円筒印章を発見するのです 235 00:09:30,000 --> 00:09:33,000 そして 次の物語が始まります 236 00:09:33,000 --> 00:09:35,000 19世紀半ばになると円筒印章は 237 00:09:35,000 --> 00:09:37,000 大きな論争の的になりました 238 00:09:37,000 --> 00:09:40,000 その聖典は信頼できるのか  信じてもよいのか 239 00:09:40,000 --> 00:09:42,000 当時 240 00:09:42,000 --> 00:09:44,000 ユダヤ人の帰還とキュロスの布告を記述したのは 241 00:09:44,000 --> 00:09:46,000 ヘブライ語聖書だけでした 242 00:09:46,000 --> 00:09:48,000 他に証拠はありません 243 00:09:48,000 --> 00:09:50,000 突然 これが現れたのです 244 00:09:50,000 --> 00:09:52,000 聖書を信じる者にとっては 245 00:09:52,000 --> 00:09:54,000 進化論と地質学の台頭により 246 00:09:54,000 --> 00:09:56,000 創造への信頼が揺らいでいた最中に 247 00:09:56,000 --> 00:09:58,000 発見された 円筒印章は 248 00:09:58,000 --> 00:10:00,000 聖書が 249 00:10:00,000 --> 00:10:02,000 歴史的に正しいという証拠になりました 250 00:10:02,000 --> 00:10:05,000 19世紀の決定的出来事です 251 00:10:05,000 --> 00:10:10,000 しかし 当然のように複雑な問題が発生します 252 00:10:10,000 --> 00:10:12,000 史実は正しく 253 00:10:12,000 --> 00:10:15,000 考古学にとっては万歳です 254 00:10:15,000 --> 00:10:18,000 しかし その解釈はかなり複雑でした 255 00:10:18,000 --> 00:10:21,000 円筒印章とヘブライ語聖書の記述には 256 00:10:21,000 --> 00:10:23,000 ひとつ大きな違いがあったのです 257 00:10:23,000 --> 00:10:25,000 バビロニアの円筒印章は 258 00:10:25,000 --> 00:10:27,000 バビロンの偉大な神 マルドゥクの 259 00:10:27,000 --> 00:10:29,000 司祭たちが書きました 260 00:10:29,000 --> 00:10:31,000 当然ですが 261 00:10:31,000 --> 00:10:33,000 すべてはマルドゥクが成し遂げたと告げます 262 00:10:33,000 --> 00:10:36,000 "マルドゥクがキュロスの名を呼んだのだ" 263 00:10:36,000 --> 00:10:39,000 マルドゥクはキュロスの手を取ると 264 00:10:39,000 --> 00:10:41,000 彼に人々を指導するよう命じ 265 00:10:41,000 --> 00:10:44,000 バビロンの統治権を与えた 266 00:10:44,000 --> 00:10:46,000 マルドゥクはキュロスに 267 00:10:46,000 --> 00:10:48,000 寛大にも 人々を解放せよ 268 00:10:48,000 --> 00:10:50,000 と告げた 269 00:10:50,000 --> 00:10:52,000 故に民はすべて 270 00:10:52,000 --> 00:10:54,000 マルドゥクを崇拝すべし 271 00:10:54,000 --> 00:10:56,000 旧約聖書を書いた 272 00:10:56,000 --> 00:10:58,000 ヘブライ人らは 273 00:10:58,000 --> 00:11:01,000 驚くことなかれ 274 00:11:01,000 --> 00:11:03,000 別の見解を取るのです 275 00:11:03,000 --> 00:11:05,000 彼らにとっては 当然ながら 276 00:11:05,000 --> 00:11:07,000 マルドゥクが成し遂げたわけがない 277 00:11:07,000 --> 00:11:09,000 エホバこそ成し遂げたのだ とする 278 00:11:09,000 --> 00:11:11,000 故にイザヤ書にある 279 00:11:11,000 --> 00:11:13,000 すばらしい文章には 280 00:11:13,000 --> 00:11:15,000 功績はすべて 281 00:11:15,000 --> 00:11:16,000 マルドゥクではなく 282 00:11:16,000 --> 00:11:19,000 イスラエルの主神にある ― 283 00:11:19,000 --> 00:11:21,000 イスラエルの主神は 284 00:11:21,000 --> 00:11:23,000 同様にキュロスの名を呼び 285 00:11:23,000 --> 00:11:26,000 同様にキュロスの手を取り 286 00:11:26,000 --> 00:11:28,000 人々について語った 287 00:11:28,000 --> 00:11:30,000 この例が象徴するのは 288 00:11:30,000 --> 00:11:34,000 同じ出来事に対するふたつの異なる宗教的解釈 289 00:11:34,000 --> 00:11:36,000 一つの史実に対するふたつの相反した 290 00:11:36,000 --> 00:11:38,000 宗教対立があることです 291 00:11:38,000 --> 00:11:40,000 神は 292 00:11:40,000 --> 00:11:42,000 たいてい強いものの味方をします 293 00:11:42,000 --> 00:11:45,000 問題は どちらの神が味方をしたのか 294 00:11:45,000 --> 00:11:47,000 この論争が 295 00:11:47,000 --> 00:11:49,000 19世紀に物議をかもしたのは、 296 00:11:49,000 --> 00:11:51,000 ヘブライ語聖書がおよぼす影響力が 297 00:11:51,000 --> 00:11:54,000 宗教のより広い領域に渡っていたからです 298 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 そして明らかに 299 00:11:56,000 --> 00:11:59,000 円筒印章はイザヤ書より古い上に 300 00:11:59,000 --> 00:12:01,000 エホバはマルドゥクが 301 00:12:01,000 --> 00:12:03,000 話した言葉と 302 00:12:03,000 --> 00:12:05,000 よく似た言葉を使ったのです 303 00:12:05,000 --> 00:12:08,000 イザヤも知っていたかもしれません 304 00:12:08,000 --> 00:12:10,000 なぜなら 曰く 305 00:12:10,000 --> 00:12:13,000 もちろんこれは神の言葉です ― 306 00:12:13,000 --> 00:12:15,000 "汝は私を知らなかったが 307 00:12:15,000 --> 00:12:17,000 私は汝の名を呼んだ" 308 00:12:17,000 --> 00:12:19,000 さらに注目すべきは 309 00:12:19,000 --> 00:12:21,000 キュロスは エホバの命令に従って 310 00:12:21,000 --> 00:12:24,000 行動したと思っていないこと 311 00:12:24,000 --> 00:12:27,000 同様に マルドゥクの命令に従ったとも思っていないこと 312 00:12:27,000 --> 00:12:29,000 なぜならば 当たり前ですが 313 00:12:29,000 --> 00:12:31,000 キュロスは善良なイラン人で 314 00:12:31,000 --> 00:12:33,000 これらの書には全く登場しない 315 00:12:33,000 --> 00:12:35,000 まったく異なる神々に従っていたからです 316 00:12:35,000 --> 00:12:37,000 (笑) 317 00:12:37,000 --> 00:12:39,000 以上は1879年のことでした 318 00:12:39,000 --> 00:12:41,000 40年後 319 00:12:41,000 --> 00:12:44,000 1917年になると 320 00:12:44,000 --> 00:12:46,000 円筒印章は 別の世界に入ります 321 00:12:46,000 --> 00:12:48,000 今度はまさに 322 00:12:48,000 --> 00:12:50,000 現代政治の渦中 ― 323 00:12:50,000 --> 00:12:53,000 バルフォア宣言が行われた年 324 00:12:53,000 --> 00:12:56,000 中東の新たな帝国主義者 英国が 325 00:12:56,000 --> 00:12:58,000 ユダヤ人の民族郷土を 326 00:12:58,000 --> 00:13:00,000 決定し 327 00:13:00,000 --> 00:13:02,000 ユダヤ人が帰還することを 328 00:13:02,000 --> 00:13:04,000 認めました 329 00:13:04,000 --> 00:13:06,000 これに対する 330 00:13:06,000 --> 00:13:09,000 東欧ユダヤ人の反応は熱狂的でした 331 00:13:09,000 --> 00:13:11,000 東欧のいたるところで 332 00:13:11,000 --> 00:13:13,000 ユダヤ人はキュロスと 333 00:13:13,000 --> 00:13:15,000 ジョージ5世の肖像画を 334 00:13:15,000 --> 00:13:17,000 並べて 335 00:13:17,000 --> 00:13:19,000 エルサレムへの帰還を認めた 336 00:13:19,000 --> 00:13:22,000 二人の偉大な統治者を讃えました 337 00:13:22,000 --> 00:13:25,000 キュロスの円筒印章は 世間の注目を浴び 338 00:13:25,000 --> 00:13:27,000 その文章は 339 00:13:27,000 --> 00:13:30,000 1918年の終戦後に起こることが 340 00:13:30,000 --> 00:13:33,000 神により運命づれられていた 341 00:13:33,000 --> 00:13:36,000 証明とされました 342 00:13:36,000 --> 00:13:38,000 起きたことは ご存知でしょう 343 00:13:38,000 --> 00:13:41,000 イスラエルが建国され 344 00:13:41,000 --> 00:13:44,000 50年後 60年代後半になると 345 00:13:44,000 --> 00:13:47,000 帝国主義者 英国の力が弱まり 346 00:13:47,000 --> 00:13:50,000 円筒印章の さらに別な伝記が始まります 347 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 英米がこの地域を 348 00:13:52,000 --> 00:13:55,000 共産主義から守ろうとして 349 00:13:55,000 --> 00:13:58,000 強大な勢力を作り 350 00:13:58,000 --> 00:14:00,000 イランのシャーに託すのです 351 00:14:00,000 --> 00:14:03,000 シャーはイランの歴史をねつ造し 352 00:14:03,000 --> 00:14:05,000 シャーが伝統の中心にいるような 353 00:14:05,000 --> 00:14:08,000 イランの歴史を標榜しました 354 00:14:08,000 --> 00:14:10,000 鋳造した硬貨には 355 00:14:10,000 --> 00:14:12,000 自分の横顔と 356 00:14:12,000 --> 00:14:14,000 キュロスの円筒印章を印しました 357 00:14:14,000 --> 00:14:17,000 ペルセポリスで大祝賀式典を行った際 358 00:14:17,000 --> 00:14:19,000 要請を受けて 359 00:14:19,000 --> 00:14:22,000 円筒印章が 大英博物館からテヘランに貸出され 360 00:14:22,000 --> 00:14:24,000 パーレビ王朝祝賀式典にあわせて 361 00:14:24,000 --> 00:14:27,000 展示されたのです 362 00:14:27,000 --> 00:14:30,000 キュロスの円筒印章がシャーの保証人役なのです 363 00:14:30,000 --> 00:14:33,000 10年後 さらに別の物語です 364 00:14:33,000 --> 00:14:35,000 1979年のイラン革命 365 00:14:35,000 --> 00:14:37,000 イスラム革命が起こり  キュロスは忘れられます 366 00:14:37,000 --> 00:14:39,000 その歴史には もはや関心ありません 367 00:14:39,000 --> 00:14:42,000 イスラム教のイランが関心事になる最中 368 00:14:42,000 --> 00:14:44,000 イラク ― 369 00:14:44,000 --> 00:14:47,000 もうひとつの新たに作られた超大国が 370 00:14:47,000 --> 00:14:49,000 攻撃したのです 371 00:14:49,000 --> 00:14:51,000 またイラン・イラク戦争です 372 00:14:51,000 --> 00:14:53,000 イラン人にとって重要なのは 373 00:14:53,000 --> 00:14:56,000 彼らの偉大な過去 ― 374 00:14:56,000 --> 00:14:58,000 イラクと戦って勝利した 375 00:14:58,000 --> 00:15:01,000 偉大な過去を思い出すことでした 376 00:15:01,000 --> 00:15:03,000 イランに住む全ての人々 377 00:15:03,000 --> 00:15:06,000 回教徒と回教徒以外 ― 378 00:15:06,000 --> 00:15:08,000 キリスト教徒 ゾロアスター教徒 ユダヤ教徒 379 00:15:08,000 --> 00:15:11,000 敬虔な人 敬虔でない人 全てのイラン人を一つにする 380 00:15:11,000 --> 00:15:13,000 象徴が必要でした 381 00:15:13,000 --> 00:15:16,000 迷いなく キュロスが選ばれます 382 00:15:16,000 --> 00:15:19,000 大英博物館とテヘラン国立博物館は 383 00:15:19,000 --> 00:15:21,000 ずうっと協力関係を維持していました 384 00:15:21,000 --> 00:15:23,000 その時 イラン側が要請したのは 385 00:15:23,000 --> 00:15:25,000 ただひとつの もの 386 00:15:25,000 --> 00:15:27,000 要請したのは それだけです 387 00:15:27,000 --> 00:15:29,000 キュロスの円筒印章です 388 00:15:29,000 --> 00:15:31,000 昨年 389 00:15:31,000 --> 00:15:35,000 キュロスの円筒印章は 再び 390 00:15:35,000 --> 00:15:38,000 テヘランに行ったのです 391 00:15:38,000 --> 00:15:41,000 陳列される様子です 392 00:15:41,000 --> 00:15:44,000 テヘラン国立博物館館長 アルディカニ氏です 393 00:15:44,000 --> 00:15:47,000 イランに多数いる女性指導者のひとりです 394 00:15:47,000 --> 00:15:49,000 ケースに収められます 395 00:15:49,000 --> 00:15:51,000 一大イベントでした 396 00:15:51,000 --> 00:15:54,000 別の角度からの写真です 397 00:15:54,000 --> 00:15:57,000 テヘランでは 398 00:15:57,000 --> 00:15:59,000 数か月間に 100 ~200万人が 399 00:15:59,000 --> 00:16:01,000 見学しました 400 00:16:01,000 --> 00:16:03,000 西洋のいかなる大展覧会も 401 00:16:03,000 --> 00:16:05,000 しのぐ規模です 402 00:16:05,000 --> 00:16:08,000 またも円筒印章は大論争の的です 403 00:16:08,000 --> 00:16:11,000 これが何を意味するのか キュロスが何を意味するのか 404 00:16:11,000 --> 00:16:14,000 円筒印章が描くキュロス 405 00:16:14,000 --> 00:16:17,000 祖国の守護者 キュロスが象徴するのは 406 00:16:17,000 --> 00:16:19,000 イランの独自性 407 00:16:19,000 --> 00:16:21,000 イランの多様な民族 408 00:16:21,000 --> 00:16:23,000 あらゆる宗派への寛容です 409 00:16:23,000 --> 00:16:25,000 現代イランにおいて 410 00:16:25,000 --> 00:16:28,000 ゾロアスター教徒 キリスト教徒は 411 00:16:28,000 --> 00:16:31,000 イラン議会の議席数が保証されています とても誇り高きことです 412 00:16:31,000 --> 00:16:34,000 円筒印章を見るために 413 00:16:34,000 --> 00:16:36,000 イランに住む 多くのユダヤ人が 414 00:16:36,000 --> 00:16:38,000 テヘランを訪れました 415 00:16:38,000 --> 00:16:40,000 偉大な象徴であり 416 00:16:40,000 --> 00:16:42,000 偉大な論争の的です 417 00:16:42,000 --> 00:16:45,000 イランの国内外で その意義が問われています 418 00:16:45,000 --> 00:16:48,000 イランは今でも虐げられた人々の擁護者なのか 419 00:16:48,000 --> 00:16:50,000 イランはこれからも独裁者に 420 00:16:50,000 --> 00:16:53,000 収容され奴隷にされた人々を解放するのか 421 00:16:53,000 --> 00:16:56,000 思慮に富んだ国家規模の論争です 422 00:16:56,000 --> 00:16:58,000 印章の帰還にまつわる 423 00:16:58,000 --> 00:17:00,000 壮大な時代劇が 424 00:17:00,000 --> 00:17:02,000 繰り広げられるのです 425 00:17:02,000 --> 00:17:05,000 キュロスの円筒印章は 等身大以上の存在感で 426 00:17:05,000 --> 00:17:08,000 歴代のイランの主要人物が 427 00:17:08,000 --> 00:17:10,000 一同に会した 428 00:17:10,000 --> 00:17:13,000 檀上に展示さました 429 00:17:13,000 --> 00:17:15,000 大統領自らが 430 00:17:15,000 --> 00:17:18,000 スピーチしました 431 00:17:18,000 --> 00:17:20,000 私にとっては 432 00:17:20,000 --> 00:17:22,000 イランに運ぶこと 433 00:17:22,000 --> 00:17:24,000 イランに運ぶのを許されたことは 434 00:17:24,000 --> 00:17:26,000 最高位の人々とともに 435 00:17:26,000 --> 00:17:28,000 類まれな論争に参加することを 436 00:17:28,000 --> 00:17:30,000 許されたのを意味します ― 437 00:17:30,000 --> 00:17:32,000 イランとは何か 438 00:17:32,000 --> 00:17:35,000 イランの多面性 439 00:17:35,000 --> 00:17:37,000 イランの蓄積された歴史が 440 00:17:37,000 --> 00:17:40,000 今日の世界をどう形づくるか 441 00:17:40,000 --> 00:17:43,000 今も続く論争です 442 00:17:43,000 --> 00:17:45,000 今後も続くでしょう 443 00:17:45,000 --> 00:17:47,000 この物体が訴えるのは 444 00:17:47,000 --> 00:17:49,000 人間の強い願望の 445 00:17:49,000 --> 00:17:51,000 偉大な宣言です 446 00:17:51,000 --> 00:17:55,000 アメリカ憲法の根本理念のひとつです 447 00:17:55,000 --> 00:17:58,000 真の自由について マグナカルタよりも 448 00:17:58,000 --> 00:18:00,000 深く言及しています 449 00:18:00,000 --> 00:18:03,000 イランとその地域について 450 00:18:03,000 --> 00:18:06,000 多くのことを意味しています 451 00:18:06,000 --> 00:18:08,000 レプリカが 452 00:18:08,000 --> 00:18:10,000 国連にあります 453 00:18:10,000 --> 00:18:13,000 今秋 ニューヨークで 454 00:18:13,000 --> 00:18:15,000 中東の将来が議題にあがる様子を 455 00:18:15,000 --> 00:18:18,000 円筒印章が見つめているでしょう 456 00:18:18,000 --> 00:18:20,000 最後に皆さんに問いましょう 457 00:18:20,000 --> 00:18:22,000 次にどんな物語が 458 00:18:22,000 --> 00:18:24,000 この物体を待っているのでしょう 459 00:18:24,000 --> 00:18:26,000 間違いなく 460 00:18:26,000 --> 00:18:28,000 新たな中東の伝記が生まれるでしょう 461 00:18:28,000 --> 00:18:30,000 中東や世界の物語の中で 462 00:18:30,000 --> 00:18:32,000 皆さんは次に 463 00:18:32,000 --> 00:18:34,000 何を見たいですか ― 464 00:18:34,000 --> 00:18:36,000 この円筒印章が 465 00:18:36,000 --> 00:18:38,000 語ることを反映して 466 00:18:38,000 --> 00:18:40,000 人々が同じ国家で 467 00:18:40,000 --> 00:18:42,000 異なるものを自由に崇拝し 468 00:18:42,000 --> 00:18:44,000 ともに生きていく権利 469 00:18:44,000 --> 00:18:46,000 宗教が分割や論争の 470 00:18:46,000 --> 00:18:48,000 的にならない 471 00:18:48,000 --> 00:18:51,000 中東や世界 472 00:18:51,000 --> 00:18:54,000 今日 中東を取り巻く議論は 473 00:18:54,000 --> 00:18:57,000 叫び声に近いものがあります 474 00:18:57,000 --> 00:18:59,000 しかし 私は思うのです 475 00:18:59,000 --> 00:19:03,000 もっとも説得力がある賢明な意見を 476 00:19:03,000 --> 00:19:05,000 持っているのは 477 00:19:05,000 --> 00:19:07,000 この物言わぬ もの 478 00:19:07,000 --> 00:19:09,000 キュロスの円筒印章だと 479 00:19:09,000 --> 00:19:11,000 ありがとうございました 480 00:19:11,000 --> 00:19:15,000 (拍手)