1 00:00:11,365 --> 00:00:17,238 まず インドでのTEDxGatewayで スーパーヒーローをテーマに 2 00:00:17,238 --> 00:00:20,165 お話させていただく機会を頂き 心から感謝します 3 00:00:20,275 --> 00:00:24,915 実際に登壇できないのが残念ですが こういう形も良いものです 4 00:00:25,005 --> 00:00:29,975 私がこれまで長い間かけて 学んできたことから いくつか 5 00:00:29,975 --> 00:00:34,865 これからスーパーヒーローや スーパーヒーローの冒険物語を 6 00:00:34,865 --> 00:00:38,215 書いてみたいと考えている インドの芸術家や作家の皆さんに 7 00:00:38,215 --> 00:00:40,765 ぜひ お伝えしたいと思います 8 00:00:41,320 --> 00:00:44,590 近頃 インドをとても意識しています 9 00:00:44,590 --> 00:00:50,660 親しくしているシュラード・デヴァージャンや グラフィック・インディアと共同で 10 00:00:50,660 --> 00:00:56,420 ムンバイのスーパーヒーロー 「チャクラ・ジ・インヴィンシブル」を 11 00:00:56,450 --> 00:00:57,970 制作中だからです 12 00:00:58,070 --> 00:01:00,900 この作品でのゴールは 非常にシンプルで 13 00:01:01,350 --> 00:01:05,490 「チャクラ」といった東洋の概念を 14 00:01:05,530 --> 00:01:09,030 西洋らしいスーパーヒーローの世界に 持ち込むことでした 15 00:01:09,388 --> 00:01:14,775 スーパーヒーローとは どんなときも 見る人の生い立ちに関係なく 16 00:01:14,775 --> 00:01:18,615 世界中の人々の想像力を 掻き立てるものだと考えています 17 00:01:18,635 --> 00:01:23,255 人は常々 自分にとっての 理想的な人間や 18 00:01:23,275 --> 00:01:28,675 理想のシーンを具現化した 何かを求めているものだからです 19 00:01:31,196 --> 00:01:35,586 私たちみんな 小さい頃 おとぎ話が大好きでしたね 20 00:01:35,908 --> 00:01:38,077 思い出してみてください 21 00:01:38,077 --> 00:01:42,368 巨人に魔女に 魔法使いに怪物に 22 00:01:42,368 --> 00:01:46,848 現実離れしていて 生き生きとした色々な物事を 23 00:01:47,218 --> 00:01:52,238 でも 少し大きくなると おとぎ話は 子供っぽすぎるから と読まなくなります 24 00:01:52,359 --> 00:01:58,009 しかし こういうタイプの物語を愛する心は 成長しても消えることはありません 25 00:01:58,864 --> 00:02:00,684 考えてみれば 26 00:02:00,684 --> 00:02:06,504 スーパーヒーローの物語とは 大人向けのおとぎ話なのです 27 00:02:06,814 --> 00:02:10,984 登場するキャラクターは おとぎ話同様 現実離れしていて 28 00:02:11,217 --> 00:02:14,517 おとぎ話に登場するような 超人的な能力を持っています 29 00:02:14,797 --> 00:02:19,487 空を飛べたり 怪力の持ち主だったり 透明人間になれたり 30 00:02:19,744 --> 00:02:25,794 視聴者や読者が小さい頃感じた ワクワクする気持ちを 31 00:02:25,794 --> 00:02:29,444 もう一度体験させてくれるのです 32 00:02:29,574 --> 00:02:34,398 大人になった今 スーパーヒーローものを 見たり読んだりすることは 33 00:02:34,408 --> 00:02:38,008 大人向けのおとぎ話を 読んでいるのと同じことであり 34 00:02:38,018 --> 00:02:40,778 だから私はスーパーヒーローが 大好きなんです 35 00:02:41,571 --> 00:02:45,036 私は ヒーローたちの 人間らしい側面を 36 00:02:45,036 --> 00:02:48,601 これまで常に 最も重視してきました 37 00:02:48,601 --> 00:02:53,693 何を言いたいかというと あるスーパーヒーローが 38 00:02:53,693 --> 00:02:59,733 ものすごく強かったり 空を飛べたり 彗星のような速さで走れるとしても 39 00:02:59,733 --> 00:03:04,383 読者がヒーロー個人の人生に 興味を持っていないかぎり 40 00:03:04,383 --> 00:03:07,243 読んでいる物語に深みが出ません 41 00:03:07,267 --> 00:03:10,647 超人的な能力を持っている人だって 42 00:03:10,647 --> 00:03:15,457 あなたや私が抱えるような 個人的な問題を抱えていても 43 00:03:15,457 --> 00:03:17,317 おかしくないのです 44 00:03:17,367 --> 00:03:19,547 お金がないとか 45 00:03:19,547 --> 00:03:21,507 家庭に問題があるとか 46 00:03:21,507 --> 00:03:23,957 恋する相手が 思いに応えてくれなかったり 47 00:03:23,966 --> 00:03:28,200 スーパーヒーローと関わるのを 嫌がっていたりとかです 48 00:03:28,200 --> 00:03:31,090 特定の能力が注目される 一、二次元的な存在におさまらないように 49 00:03:31,090 --> 00:03:35,550 人柄や人格に 肉付けしてくれる要素は 50 00:03:35,590 --> 00:03:40,010 考え出したら 本当に色々あります 51 00:03:40,029 --> 00:03:43,590 欲しいのは三次元的なヒーローですから 52 00:03:43,590 --> 00:03:46,620 私や皆さんと同じように 生きて 息をして 53 00:03:46,620 --> 00:03:50,655 同じような心配事したり 同じように物事を経験する人物です 54 00:03:50,655 --> 00:03:54,725 唯一の違いは 超人的な能力を 持っているということだけ 55 00:03:54,875 --> 00:03:58,035 1つ気になるのは— 56 00:03:58,035 --> 00:04:00,705 残念な点でもあるのですが— 57 00:04:00,705 --> 00:04:02,224 作家のほとんどは 58 00:04:02,224 --> 00:04:06,785 想定した読者が好きそうな作品を 作ろうとします 59 00:04:06,995 --> 00:04:08,975 私にはできないことです 60 00:04:08,975 --> 00:04:13,515 他人がどう思うかなんて 私にはわからないからです 61 00:04:13,965 --> 00:04:16,805 私には自分が好きなことしか わかりません 62 00:04:16,805 --> 00:04:19,635 だから私が書いてきた物語は 63 00:04:19,635 --> 00:04:23,105 どれもが 自分自身が読んだときに 64 00:04:23,105 --> 00:04:26,265 楽しめるように 書いたものばかりです 65 00:04:26,265 --> 00:04:29,905 書きながら 自分自身も 興味をそそられ 66 00:04:29,925 --> 00:04:32,985 次に何が起こるのか 自分でも気になる話です 67 00:04:33,345 --> 00:04:37,952 他人がどう思うかは 私が知るよしもないのですが 68 00:04:37,952 --> 00:04:40,672 自分がどう思うかはわかりますし 69 00:04:40,672 --> 00:04:43,276 そんなに変わった人間では ないと思うので 70 00:04:43,276 --> 00:04:46,226 自分があるタイプの物語を好きなら 71 00:04:46,226 --> 00:04:50,806 同じタイプの物語を好きな人は たくさんいるはずです 72 00:04:51,047 --> 00:04:56,283 そういうわけで 私は常に 自分を楽しませるために書いてきました 73 00:04:56,283 --> 00:04:59,793 想定した読者を 楽しませるためではありません 74 00:04:59,979 --> 00:05:06,009 読者について 自分のこと以上に 知ることはできないからです 75 00:05:06,158 --> 00:05:10,468 それに 書きながら楽しめるような 物語を書いていて 76 00:05:10,468 --> 00:05:13,651 次に何が起こるか 自分でも待てないほどなら 77 00:05:13,651 --> 00:05:18,371 世間一般の人々の中にも 同じ気持ちで楽しんでくれる人が 78 00:05:18,371 --> 00:05:21,371 たくさんいるだろうと思うのです 79 00:05:21,371 --> 00:05:22,821 まとめると 80 00:05:22,821 --> 00:05:28,071 私は常に 他人ではなく自分を 楽しませるために書いてきました 81 00:05:28,071 --> 00:05:31,041 それでもどういうわけか うまくいったのは 82 00:05:31,041 --> 00:05:35,081 私自身が他の人々と さほど 違わないからなのでしょう 83 00:05:35,617 --> 00:05:37,687 では 最後に一言 84 00:05:37,687 --> 00:05:41,664 私からのアドバイスは 想像力をふくらませ 85 00:05:41,664 --> 00:05:46,534 途方もない突飛なアイデアでも 恐れずに出すこと 86 00:05:46,534 --> 00:05:51,056 あなたの創作が 本当に ユニークで生き生きとしたもので 87 00:05:51,076 --> 00:05:54,606 上手く書かれていれば みんな楽しんでくれます 88 00:05:54,606 --> 00:05:57,316 「上手く書かれている」とは 何かというと 89 00:05:57,316 --> 00:06:01,306 世界一面白いコンセプトを 考えついた人でも— 90 00:06:01,306 --> 00:06:05,926 例えば光速を超えるスピードで飛べる 男の話がひらめいたとしましょう— 91 00:06:05,929 --> 00:06:07,679 面白いかもしれないけど 92 00:06:07,679 --> 00:06:10,109 信憑性を持たせなければ 93 00:06:10,109 --> 00:06:12,799 つまり 本当にその能力を持っていると 94 00:06:12,799 --> 00:06:17,669 読者や視聴者が信じるような 何らかの理由を与えなければなりません 95 00:06:17,789 --> 00:06:19,949 その能力を手にした経緯です 96 00:06:19,949 --> 00:06:24,091 超人的な能力の源とは 誰にとっても非常に興味深いものです 97 00:06:24,111 --> 00:06:26,611 能力の源として もっともらしいものなら— 98 00:06:26,611 --> 00:06:31,831 例えば スパイダーマンなら 放射性に汚染されたクモに咬まれたとか— 99 00:06:31,831 --> 00:06:36,071 視聴者に何かしらの根拠を 与えられるのです 100 00:06:36,071 --> 00:06:40,202 「確かにありそうな話だ よし 楽しもう」ってね 101 00:06:40,202 --> 00:06:42,373 だから あなたの作品が 102 00:06:42,373 --> 00:06:45,752 大人向けのおとぎ話に あたるようなものであっても 103 00:06:45,752 --> 00:06:49,016 事実をある程度 盛り込むようにして 104 00:06:49,016 --> 00:06:52,242 細部も十分に作り込みましょう 105 00:06:52,242 --> 00:06:56,897 「確かに起こってもおかしくないな」と 読者や視聴者が言えるようにね 106 00:06:56,897 --> 00:07:01,407 そうすれば世間は その話の面白さを受け入れてくれます 107 00:07:01,587 --> 00:07:03,827 でも 話が奇抜すぎる場合 108 00:07:03,827 --> 00:07:09,407 なぜそんなに奇抜なのかという 理由を示さないと 109 00:07:09,407 --> 00:07:12,387 行き過ぎになってしまうこともあります 110 00:07:12,597 --> 00:07:17,887 私が言いたいのは つまり 想像力の赴くままに創作しつつ 111 00:07:17,887 --> 00:07:23,337 必ず 根拠のある事実を元に 物語を展開させようということ 112 00:07:23,337 --> 00:07:27,047 そうすれば 読者や視聴者が 受け入れてくれ 113 00:07:27,047 --> 00:07:30,577 書いている自分と同じくらい 楽しんでくれるでしょう 114 00:07:30,627 --> 00:07:32,297 では 頑張って! 115 00:07:32,327 --> 00:07:36,467 聞いてくれてありがとう 本当に楽しくお話しできました 116 00:07:36,507 --> 00:07:38,636 エグセルシオール! (さらなる高みへ)