WEBVTT 00:00:15.033 --> 00:00:19.180 人間は自己欺瞞の達人です 00:00:19.180 --> 00:00:22.257 我々は間違ったことを信じるように 自分を欺き 00:00:22.257 --> 00:00:26.144 一方で真実を信じることを 拒否するのです 00:00:26.144 --> 00:00:27.487 私は大学院生の時 00:00:27.487 --> 00:00:30.796 この自己欺瞞について 本格的な研究を始めました 00:00:30.796 --> 00:00:34.103 私は夢中になりました 00:00:34.103 --> 00:00:36.204 どこで 誰と会っても 00:00:36.204 --> 00:00:38.279 自己欺瞞が見えるようになりました 00:00:38.279 --> 00:00:41.244 我々は 些細なことでも 自分を欺きます 00:00:41.244 --> 00:00:43.417 例えば今日 実際に食べた量とか 00:00:43.417 --> 00:00:45.848 本当の身長と体重を 00:00:45.848 --> 00:00:47.605 運転免許証に載せない理由とか 00:00:47.605 --> 00:00:49.212 (笑) 00:00:49.212 --> 00:00:52.293 我々の嘘は 意欲的な目標の表れでもあります 00:00:52.293 --> 00:00:54.833 「私は今夜ワインを1杯しか飲まない」 00:00:54.833 --> 00:00:58.823 少なくとも3杯飲むのは分かっているのに (笑) 00:00:58.823 --> 00:01:01.487 我々は社会的理想を維持するために 嘘をつきます 00:01:01.487 --> 00:01:04.864 「私は配偶者以外の人に性的な 考えを持ったことはありません」 00:01:04.864 --> 00:01:07.570 なぜならそれは容認されない ことだからです 00:01:07.570 --> 00:01:11.148 我々は人生の最も重要な選択に ついても嘘をつきます 00:01:11.148 --> 00:01:14.907 例えば結婚相手や 職業を選んだ理由など 00:01:14.907 --> 00:01:17.608 ロマンチストの皆さんには気の毒ですが 00:01:17.608 --> 00:01:22.090 愛情がこうした選択の 動機の全てになることは まれです 00:01:23.180 --> 00:01:27.893 私の恋愛関係ほど自己欺瞞が明確に 現れたものは他にありません 00:01:27.893 --> 00:01:30.757 私は取り残されることを怖れていました 00:01:30.757 --> 00:01:32.747 見捨てられるのが怖くて 私は― 00:01:32.747 --> 00:01:35.077 いまだに認めるのがつらいですが 00:01:35.077 --> 00:01:37.087 電話が鳴るのをやきもきしながら待ったり 00:01:37.087 --> 00:01:39.248 彼が居場所を偽っていないか 確認しに行ったり 00:01:39.248 --> 00:01:42.738 私を愛しているか 何度も尋ねたりしました 00:01:42.738 --> 00:01:47.149 当時の私なら こんなふうに 打ち明けられなかったでしょう 00:01:47.149 --> 00:01:52.370 なぜなら私自身それを認めることが できなかったからです 00:01:52.370 --> 00:01:54.819 心の底で 我々は自分に対して 嘘をつくのです 00:01:54.819 --> 00:01:58.590 なぜなら我々には真実を認め それに伴う結果と向き合うための 00:01:58.590 --> 00:02:01.938 心の強さが足りないからです 00:02:01.951 --> 00:02:04.755 とはいえ自分の自己欺瞞を 理解することは 00:02:04.755 --> 00:02:09.054 充実した人生を送るために 最も有効な方法なのです 00:02:09.054 --> 00:02:11.546 自分の真実の姿を 認めることができれば 00:02:11.546 --> 00:02:15.047 我々は変わる機会を得られるからです 00:02:15.996 --> 00:02:18.757 この写真を見て こうは思えないでしょう 00:02:18.757 --> 00:02:20.053 「嘘つき!」 00:02:20.053 --> 00:02:22.572 (笑) 00:02:24.452 --> 00:02:28.308 しかし我々の自己欺瞞の傾向は ここから始まるのです 00:02:28.308 --> 00:02:31.167 乳幼児の頃から 我々は 自分自身や 00:02:31.167 --> 00:02:34.834 周囲の環境について観察し 結論を出しています 00:02:34.834 --> 00:02:39.780 結論の正誤に関わらず その結論が 我々のアイデンティティに影響しました 00:02:39.780 --> 00:02:42.313 大人になって もっとも嘘をつきたくなるのは 00:02:42.313 --> 00:02:46.327 子どもの頃に経験した 出来事の苦痛が 00:02:46.327 --> 00:02:49.393 今日の自分に及ぼす影響に 関してです 00:02:49.393 --> 00:02:51.235 たとえば ひとり親家庭で育てられ 00:02:51.235 --> 00:02:53.409 父親に無視されていたような場合 00:02:53.409 --> 00:02:55.730 あなたは自分に非があると 思うようになります 00:02:55.730 --> 00:02:58.642 自分は賢くない 魅力がない 運動も苦手 00:02:58.642 --> 00:03:01.165 あなたはこう結論します 愛してもらうには 00:03:01.165 --> 00:03:03.680 完璧でいなければならないと 00:03:03.680 --> 00:03:04.911 大人になって 00:03:04.911 --> 00:03:06.975 誰かに完璧でないと指摘されると 00:03:06.975 --> 00:03:12.211 あなたは強い不安を感じますが その原因は認めません 00:03:12.211 --> 00:03:16.273 子どもの時 外見をからかわれ 自分は醜いと感じていたなら 00:03:16.273 --> 00:03:20.180 あなたは感情的苦痛への反応として 食べることを覚えます 00:03:20.180 --> 00:03:23.077 大人になって 体重を安定させるのに 苦労しているのは 00:03:23.077 --> 00:03:27.424 あなたにとって食べることが 空腹とほぼ無関係だからです 00:03:27.424 --> 00:03:29.536 両親の喧嘩を見て育ったなら 00:03:29.536 --> 00:03:32.480 あなたは衝突を避けることを覚えます 00:03:32.480 --> 00:03:37.614 否定的な感情を抱くことさえも 認めるのはつらいでしょう 00:03:37.614 --> 00:03:40.981 内容は人それぞれですが 子どもの頃に学んだことは 00:03:40.981 --> 00:03:46.871 大人になって 自分に対して 嘘をつく場面で現れてくるものです 00:03:46.871 --> 00:03:51.879 人間の性質に関する心理学理論は 我々の自己欺瞞の理解を助けてくれます 00:03:51.879 --> 00:03:56.236 ジークムント・フロイトは嘘をつく行為を 防衛機制を通じて初めて説明しました 00:03:56.236 --> 00:03:59.011 防衛機制とは 自分という感覚の中心である自我を 00:03:59.011 --> 00:04:01.030 自分を傷つける可能性のある情報から 00:04:01.030 --> 00:04:03.254 守るための心理的方略です 00:04:03.254 --> 00:04:04.718 「否認」は 00:04:04.718 --> 00:04:07.511 たとえ真実でも 真実であると信じるのを 00:04:07.511 --> 00:04:08.874 拒むことです 00:04:08.874 --> 00:04:11.128 「飲酒の問題なんて ありませんよ」 00:04:11.128 --> 00:04:13.440 毎日飲酒していてもね 00:04:13.440 --> 00:04:15.344 「嫉妬なんか していません」 00:04:15.344 --> 00:04:18.997 パートナーのメールを 密かにチェックしていてもね 00:04:18.997 --> 00:04:20.954 「合理化」は 00:04:20.954 --> 00:04:24.519 言い訳する理由を作り出すことです 00:04:24.519 --> 00:04:28.202 「私をあんなに不当に扱わなかったら あなたを怒鳴りつけたりしなかった」 00:04:28.202 --> 00:04:31.202 こうして自分が怒鳴ったことを 正当化します 00:04:31.202 --> 00:04:33.155 「喫煙が体に良くないのは知っています 00:04:33.155 --> 00:04:35.331 でも吸うとリラックスできるんです」 00:04:35.331 --> 00:04:38.346 こうして自分の喫煙を正当化します 00:04:38.346 --> 00:04:39.623 「投影」は 00:04:39.623 --> 00:04:44.881 自分の望ましくない側面を 他の誰かのものとして述べることです 00:04:44.881 --> 00:04:48.682 「私はそうじゃない それはあなたでしょ」 00:04:48.682 --> 00:04:50.847 付き合っている相手に 興味がなくなると 00:04:50.847 --> 00:04:53.030 あなたはこんな風に言います 00:04:53.030 --> 00:04:55.749 「あなたはこの関係に まだ準備ができていないわ」 00:04:55.749 --> 00:04:59.571 実は準備ができていないのは 自分の方で 00:04:59.571 --> 00:05:01.467 しかも準備は一生 整わないのに 00:05:02.297 --> 00:05:04.801 認知行動療法の先駆者たちは 00:05:04.801 --> 00:05:07.025 我々の思考が認知的な歪み つまり― 00:05:07.025 --> 00:05:11.340 不合理的な考え方を通じて 自分をいかに欺くか説明しました 00:05:11.340 --> 00:05:14.228 「二極的思考」 両極端な考え方をすることです 00:05:14.228 --> 00:05:17.995 「クッキーを1枚も食べないか 一箱 食べ切るか」 00:05:17.995 --> 00:05:19.480 もし1枚でも食べたら 00:05:19.480 --> 00:05:23.520 ダイエットはもう台無し  それなら食べ続けた方がマシ 00:05:24.556 --> 00:05:26.265 「情緒的な理由づけ」は 00:05:26.265 --> 00:05:30.591 自分の感情が現実を正確に 反映していると考えること 00:05:30.591 --> 00:05:34.374 「私は傷ついている だからあなたは 私にひどいことをしたに違いない」 00:05:34.374 --> 00:05:38.263 「私は愚かだと感じている したがって私は愚かな人間だ」 00:05:38.263 --> 00:05:40.265 「極端な一般化」は 00:05:40.265 --> 00:05:45.065 一度の否定的な出来事でも  失敗の無限の連鎖だと考えてしまうこと 00:05:45.065 --> 00:05:47.005 ひどい別れの後 こう考えます 00:05:47.005 --> 00:05:49.457 「私はいつも一人ぼっちに なっちゃうんだわ」 00:05:49.457 --> 00:05:52.012 職場で昇進を一度拒まれると こう考えます 00:05:52.012 --> 00:05:56.229 「私は仕事で決して成功しないだろう」 00:05:56.229 --> 00:05:57.942 実存主義的に言えば 00:05:57.942 --> 00:06:01.435 我々は「人生の理(ことわり)」を 避けるために自分をだまします 00:06:01.435 --> 00:06:06.716 それは我々が直面せざるを得ない 「人間である」という根本的な現実です 00:06:06.716 --> 00:06:10.389 「死」 我々は皆 死に向かっています 00:06:10.389 --> 00:06:12.108 「究極の孤独」 00:06:12.108 --> 00:06:17.152 我々は一つの体に宿った 一人の人間として生まれました 00:06:17.152 --> 00:06:18.680 「無意味さ」 00:06:18.680 --> 00:06:24.065 我々の人生は自分で意味を与えない限り もともとは意味のないものです 00:06:24.065 --> 00:06:26.002 そして「自由」 00:06:26.002 --> 00:06:30.999 選択の自由がある以上 我々には 自分自身に対する責任があります 00:06:30.999 --> 00:06:36.044 これらの現実に直面するのを避けるため 我々はしばしば自分に嘘をつきます 00:06:36.044 --> 00:06:38.707 「私がこうなったのは育ちのせいだ」 00:06:38.707 --> 00:06:42.272 こうして選択に対する自分の責任を 希薄にするのです 00:06:42.272 --> 00:06:45.422 「話題になっている悪い事? 私は絶対 大丈夫よ 00:06:45.422 --> 00:06:50.173 だって私は他の人と違い 危害から特別に守られているんですもの」 00:06:50.173 --> 00:06:53.979 「遺言書なんて書きません  私は若い 死ぬわけない」 00:06:53.979 --> 00:06:56.738 こうして自分の死すべき運命を 否認するのです 00:06:57.828 --> 00:07:00.102 多文化心理やフェミニスト心理の 学者たちは 00:07:00.102 --> 00:07:04.418 我々の身についた文化的規範が いかに影響を与えるか解説してくれます 00:07:04.418 --> 00:07:06.583 つまり我々は自分の信じるものを 00:07:06.583 --> 00:07:10.220 真実とするのではなく 文化的に信じさせられているものの方を 00:07:10.220 --> 00:07:14.524 真実だと信じることによって 自分をだますのです 00:07:14.524 --> 00:07:17.879 文化的規範に合わせるために 妥協しますか? 00:07:17.879 --> 00:07:20.016 特定の見方をしたり 特定の体重を保ったり 00:07:20.016 --> 00:07:21.290 特定の収入を稼いだり 00:07:21.290 --> 00:07:22.839 結婚して子どもを持ち 00:07:22.839 --> 00:07:24.904 信心深くある必要があると思いますか? 00:07:24.904 --> 00:07:27.247 そうすることになっているから? 00:07:27.247 --> 00:07:31.356 それともそれが自分に合っていると 信じているから? 00:07:32.156 --> 00:07:35.191 人間の性質に関する これらの理論すべてが 00:07:35.191 --> 00:07:39.831 我々がいかに日常的に自分を 欺いているかを理解する助けになります 00:07:40.783 --> 00:07:44.257 何故これが問題なのでしょうか? 00:07:44.257 --> 00:07:49.620 自己欺瞞は大きな苦しみと 後悔につながるのです 00:07:49.620 --> 00:07:51.246 正直になることを避けるために 00:07:51.246 --> 00:07:54.031 我々は自分に対しても他者に対しても 00:07:54.031 --> 00:07:56.161 有害な結果をもたらす選択をして 00:07:56.161 --> 00:08:02.973 薬物、飲酒、食事、買い物、ギャンブル 盗み、嘘、あるいは人を遠ざけたり 00:08:02.973 --> 00:08:07.575 最愛の人に感情的な重荷を 負わせたりしてしまうわけです 00:08:07.575 --> 00:08:11.217 あるいは我々は変わらないことを 選ぶかもしれません 00:08:11.217 --> 00:08:14.131 たとえ みじめな状況であったり 00:08:14.131 --> 00:08:18.141 重大な害を自分の周りにいる人々に 与えていてもです 00:08:18.141 --> 00:08:21.554 人生を後悔するというのは とてつもない苦痛です 00:08:21.554 --> 00:08:26.365 なぜなら過去にした選択は 変えられないからです 00:08:26.365 --> 00:08:27.684 先ほどお話ししたように 00:08:27.684 --> 00:08:31.173 私は恋愛関係でひどく苦労しました 00:08:31.173 --> 00:08:32.933 自分が安心できないのは 00:08:32.933 --> 00:08:36.349 彼氏のせいだと信じていました 00:08:36.349 --> 00:08:39.404 彼からの電話が増え 「愛してる」ともっと言ってくれたら 00:08:39.404 --> 00:08:41.729 私は安心できるだろうと信じていました 00:08:41.729 --> 00:08:43.727 実際には 00:08:43.727 --> 00:08:46.972 私を安心させるために彼ができることは 何もなかったのです 00:08:46.972 --> 00:08:51.070 なぜなら私の感情は彼とは 関係ないものだったからです 00:08:51.070 --> 00:08:53.536 私が安心できなかったのは 子どもの頃に 00:08:53.536 --> 00:08:55.281 自分は必ず置き去りにされると学び 00:08:55.281 --> 00:09:01.052 その信念に合う選択をして 生きていたからです 00:09:01.052 --> 00:09:05.915 自分に対して責任逃れをしていると 00:09:05.915 --> 00:09:10.908 我々は自分自身や周囲の皆を 傷つけてしまうのです 00:09:12.658 --> 00:09:14.645 では どうしましょう? 00:09:15.605 --> 00:09:19.900 どうすれば自分についている嘘を 認められるようになるでしょう? 00:09:19.900 --> 00:09:23.720 どうすればもっと正直な嘘つきに なれるでしょうか? 00:09:25.120 --> 00:09:27.860 その第一歩は「自覚」― 00:09:27.860 --> 00:09:30.744 自分の観察者になることです 00:09:30.744 --> 00:09:34.743 何かに対して強い感情的反応を 持った時 00:09:34.743 --> 00:09:36.543 立ち止まって下さい 00:09:36.543 --> 00:09:40.986 言うこととやることが一致しない時 00:09:40.986 --> 00:09:42.337 立ち止まって下さい 00:09:42.337 --> 00:09:45.199 不合理な考えを抱いた時 00:09:45.199 --> 00:09:46.580 立ち止まって下さい 00:09:46.580 --> 00:09:48.081 自分自身に尋ねて下さい 00:09:48.081 --> 00:09:51.154 いま自分は何を 指摘されているのだろう?と 00:09:51.154 --> 00:09:54.337 同様に 大抵の人は 大量のエネルギーを使って 00:09:54.337 --> 00:09:57.607 自分の身に生じた事や特定の人を 忘れようとします 00:09:57.607 --> 00:10:03.577 自分の人生における葛藤に対して 自分が原因でないか検討することを避けます 00:10:03.577 --> 00:10:07.544 何かや誰かについての 問題が解決できない時 00:10:07.544 --> 00:10:08.977 立ち止まって下さい 00:10:08.977 --> 00:10:10.660 自分自身に尋ねて下さい 00:10:10.660 --> 00:10:16.389 この状況に対する私の反応は 自分の何を示しているのだろう?と 00:10:16.389 --> 00:10:18.184 より正直で自覚的になると 00:10:18.184 --> 00:10:22.097 我々は自分の選択に もっと責任を持てるようにもなります 00:10:22.097 --> 00:10:25.352 何らかの不安があるということ― 00:10:25.352 --> 00:10:28.172 不安は誰にでもありますからね それを認めると 00:10:28.172 --> 00:10:30.511 我々はある選択を突きつけられます 00:10:30.511 --> 00:10:33.470 自分の不安に取り組むか否かという 選択です 00:10:33.470 --> 00:10:34.907 どちらに決めようと 00:10:34.907 --> 00:10:38.956 自分で承知の上なのですから 我々は自分の不安がもたらす 00:10:38.956 --> 00:10:41.802 結果にもっと責任が持てるのです 00:10:41.802 --> 00:10:47.157 真実に直面しても変わろうとしないことも 一つの選択です 00:10:47.157 --> 00:10:51.349 人生において遭遇する状況の多くは 統制できませんが 00:10:51.349 --> 00:10:56.505 それらに対する自分の反応には 責任があります 00:10:57.236 --> 00:10:59.057 この方向で自己欺瞞と闘うための 00:10:59.057 --> 00:11:00.501 最高の方法の一つは 00:11:00.501 --> 00:11:02.711 サイコセラピー(心理療法)です 00:11:02.711 --> 00:11:05.682 皆さんが生きていく中で セラピー以外に 00:11:05.682 --> 00:11:08.535 皆さんのためになることだけを目的とした 00:11:08.535 --> 00:11:12.532 関係は なかなかないでしょう 00:11:13.492 --> 00:11:16.377 ただ セラピーには悪いイメージが かなりあります 00:11:16.377 --> 00:11:18.484 人々はよくこんなふうに言います 00:11:18.484 --> 00:11:20.194 「私にセラピーは必要ないわ 00:11:20.194 --> 00:11:24.507 セラピーは自分をコントロールできない 狂った人や弱い人のためのものでしょ」 00:11:26.087 --> 00:11:29.989 実は 他人の前で完全に 脆さをさらけ出すことは 00:11:29.989 --> 00:11:33.666 ひどく勇気のいることです 00:11:33.666 --> 00:11:39.888 それを受け入れるだけの勇気があるなら セラピーは真の贈り物になります 00:11:41.258 --> 00:11:46.781 自己欺瞞との闘いは一生 続きます 00:11:46.781 --> 00:11:50.037 我々は変化し 世界は新しい機会を 我々に与えます 00:11:50.037 --> 00:11:51.983 それにより我々は自身を知るのです 00:11:51.983 --> 00:11:55.440 常に学ぶべきことはたくさんあります 00:11:55.440 --> 00:11:58.876 私は成功した学者としての完璧な道を 歩いていました 00:11:58.876 --> 00:12:02.088 私は2年前 ここネバダ大学で テニュア(終身在職権)を得ました 00:12:02.088 --> 00:12:05.872 そして約6週間後に 失業します 00:12:06.712 --> 00:12:09.557 なぜなら私は辞職したからです 00:12:09.557 --> 00:12:11.466 大学教員がテニュアを得たのに 00:12:11.466 --> 00:12:14.797 辞めるなんて 誰も想像だにしない出来事です 00:12:14.797 --> 00:12:17.326 特に私の場合 私は心理学が大好きで 00:12:17.326 --> 00:12:20.384 教えることも研究も 所属する学部も大好きです 00:12:20.384 --> 00:12:23.658 私はネバダ大学で 素晴らしい経験をしました 00:12:23.658 --> 00:12:29.506 しかし実は 私の情熱はもう 学問の世界にはありません 00:12:30.348 --> 00:12:34.516 これを自分で認めることは 非常に苦痛でした 00:12:34.516 --> 00:12:39.191 自分の自己欺瞞の傾向や不安の全てと 闘わねばならなかったからです 00:12:39.911 --> 00:12:42.101 皆を落胆させたらどうしよう? 00:12:42.101 --> 00:12:43.889 家族はどう言うだろう? 00:12:43.889 --> 00:12:46.998 私はどうするつもりだろう? 自活できなかったらどうしよう? 00:12:46.998 --> 00:12:49.027 教授でなくなったら私は誰なんだろう? 00:12:49.027 --> 00:12:53.749 私の人生が全く変わってしまったら どうしよう? 00:12:56.149 --> 00:13:01.093 私の人生が全く変わらなかったら どうしよう?」 00:13:02.188 --> 00:13:04.609 学問の世界にとどまることを 選んでいたら 00:13:04.609 --> 00:13:09.253 私は莫大な心理的代償を 払うことになったでしょう 00:13:09.253 --> 00:13:12.848 真実に直面した時 他の選択をするだけの 00:13:12.848 --> 00:13:19.254 強さがなかったと 認めざるを得なかったでしょう 00:13:22.364 --> 00:13:26.392 もっと正直な嘘つきになりましょう 00:13:26.392 --> 00:13:31.363 自分についている嘘に対して もっと正直になることを選びましょう 00:13:31.363 --> 00:13:37.208 あなたにとって最高に充実した 人生を送るために真実を使いましょう 00:13:37.208 --> 00:13:40.463 なぜなら人生は一度きりだからです 00:13:41.823 --> 00:13:43.810 (拍手)