1 00:00:00,810 --> 00:00:05,890 やぁ マーク・ブラウンだ 今回は Boss Keys 2 00:00:05,890 --> 00:00:09,280 僕はゼルダの伝説作品の ダンジョン設計について 3 00:00:09,280 --> 00:00:13,500 任天堂がどのように独創的な空間を 制作しているのか調査している 4 00:00:13,500 --> 00:00:17,580 今回は GameCube と Wii のゲーム 『トワイライト・プリンセス』をプレイする 5 00:00:17,580 --> 00:00:21,420 しかしこの動画では Wii U の HD リマスター版を用いる 6 00:00:22,840 --> 00:00:26,860 僕にとって『トワプリ』の本当の強みは 7 00:00:26,860 --> 00:00:32,700 個々のダンジョンに、独自の個性と プレイヤーの脳に残る象徴的な瞬間を与えている点だ 8 00:00:32,700 --> 00:00:36,780 例えば、天井を歩く 神殿内でスケートボードする そして 9 00:00:36,780 --> 00:00:39,280 基本的にスパイダーマンになる等 10 00:00:39,280 --> 00:00:43,820 こういった楽しい瞬間は、トワプリのダンジョンが 古典ゼルダのレベル設計がもつ複雑さから 11 00:00:43,820 --> 00:00:46,860 遠く離れた場所にいるという 事実を隠しているかもしれない 12 00:00:46,860 --> 00:00:51,580 あるいは、ほぼ全てのダンジョン設計が 不気味なほど似通っているという事実も…… 13 00:00:58,860 --> 00:01:01,690 では、ご説明しよう 始めは森の神殿だ 14 00:01:01,690 --> 00:01:06,980 ここでは素敵な中央部屋に入って 三方向の道を見つける 15 00:01:06,980 --> 00:01:14,140 左と上は、行き止まりなので右に進み 東側を探索して、サルを救出する 16 00:01:14,140 --> 00:01:18,520 それから中央部屋に戻ると 西側に進めるようになるので 17 00:01:18,520 --> 00:01:21,880 さらにサルを救出する 再び中央部屋に戻ると 18 00:01:21,880 --> 00:01:24,960 十分な数のサルがいる為 上へ進める Okay? 19 00:01:24,960 --> 00:01:31,060 さて、天空都市を見てみよう 同じだ 砂漠の処刑場も同様だ 20 00:01:31,060 --> 00:01:36,760 湖底の神殿もほぼ同じだが ここではボス部屋のドアが中央部屋にある 21 00:01:36,760 --> 00:01:41,080 雪山の廃墟と影の宮殿は 方向が若干異なっている 22 00:01:41,080 --> 00:01:46,400 だが中央部屋に三度入るという結びの構造は 同じである 23 00:01:46,400 --> 00:01:49,080 それで、これはどういう意味だ? 24 00:01:49,080 --> 00:01:54,000 まぁ、僕は任天堂が怠惰だったとか これによって トワプリがクソになったとか言っているのではない 25 00:01:54,000 --> 00:02:01,080 つまり今回ダンジョンの地図を制作するまで僕は こういった類似性に全く気付いていなかったのだ 26 00:02:01,080 --> 00:02:05,220 だからその類似性が 2006年(発売年)の僕の享楽に 直ちに影響することはなかったのである 27 00:02:05,220 --> 00:02:09,400 だがもしかすると、これは 何故全てのダンジョンが目立たないと感じるか 28 00:02:09,400 --> 00:02:14,260 また何故ダンジョンの雰囲気、ボス戦、狂気の瞬間を 覚えているのかを説明しているのかもしれない 29 00:02:14,260 --> 00:02:16,760 ステージ設計の 実際の複雑さの代わりに…… 30 00:02:16,760 --> 00:02:22,260 また、ダンジョンの複雑性が実際に 発達することもなく平坦に感じる 31 00:02:22,260 --> 00:02:27,020 但しいくつかの例外もある 第二のダンジョン ゴロン鉱山は、もっと直線的だ 32 00:02:27,020 --> 00:02:29,680 最終ダンジョンは選択肢が 少し多めだ 33 00:02:29,680 --> 00:02:32,840 そして時の神殿は…… 後述する 34 00:02:32,840 --> 00:02:37,840 さて、この反復構造は(それ自体の長所は) 実際、かなり優れている 35 00:02:37,840 --> 00:02:40,740 つまり 6回もの反復には 理由があるのだ 36 00:02:40,740 --> 00:02:45,740 一つには、ダンジョンをそれ単体で 成し遂げられるような小さな塊に分割している 37 00:02:45,740 --> 00:02:51,700 巨大な水車を回す、幽霊を追いかける 扇風機と遊ぶ……といった塊だ 38 00:02:51,700 --> 00:02:58,620 多くの場合、一度その場所を探索し終えたら これらの塊は完全に無視しても差し支えないので 39 00:02:58,620 --> 00:03:04,460 横断する必要のある極めて複雑な空間に ダンジョンが膨張するのを防いでいるのだ 40 00:03:04,460 --> 00:03:09,480 古い塊に戻ることを妨げるものは存在しないが 戻ることを強制するものも同様に存在しない 41 00:03:09,480 --> 00:03:14,439 またこの構造によって、プレイヤーは中央部屋内での 長期目標に集中し続けられる 42 00:03:14,440 --> 00:03:18,300 中央部屋での長期目標とは ボス部屋まで泳ぐ為に水を注ぐことや 43 00:03:18,300 --> 00:03:23,579 4つの松明を灯す為にポウを倒すことや 寝室の鍵を見つけることが含まれるだろう 44 00:03:23,579 --> 00:03:28,090 また、プレイヤーを以前探索した部屋へ 何度も戻って来させることで 45 00:03:28,090 --> 00:03:32,720 塊を連続する大きな列に並べるのに比べて 直線的ではないように感じさせている 46 00:03:32,720 --> 00:03:36,800 遊ぶのであれば効果的だ だがこのように配置したとき 47 00:03:36,800 --> 00:03:42,680 ダンジョンの結び目を慎重にほどいていくという美しい ゼルダ風の感覚のわずかな徴候を感じるのだ 48 00:03:42,680 --> 00:03:48,800 さて、構造は似通っているのだが、ダンジョンには ひねりが加えられて異なる遊びのように感じられる 49 00:03:48,800 --> 00:03:54,960 その多くは前回「進路を発見」や 「進路に従順」なダンジョンについて 50 00:03:54,960 --> 00:03:57,440 僕が話した際に示した 判断基準に基づいている 51 00:03:57,440 --> 00:04:02,200 中央部屋にある複数のドア以外には たくさんの「分岐」など存在していない 52 00:04:02,200 --> 00:04:06,219 森の神殿のサル以外には たくさんの「選択肢」は存在していない 53 00:04:06,219 --> 00:04:09,739 だが「往復」と「支援」は その役割を果たしている 54 00:04:09,739 --> 00:04:14,849 それで僕は森の神殿に関して嘘をついてしまった 北の区画で疾風のブーメランを入手したら 55 00:04:14,849 --> 00:04:20,340 実際に東側に戻って 最後の塊に進み、ボス戦となる 56 00:04:20,340 --> 00:04:25,560 そのためこの場所に戻る必要があり 場所を覚えるのはプレイヤー次第だ 57 00:04:25,560 --> 00:04:30,820 しかし! ゲームは単純だが巧妙な方法で プレイヤーを支援する 58 00:04:30,820 --> 00:04:37,080 ダンジョンの初め、このドアを開けようとしたとき 鍵を入手する為に進路を変更する必要が生まれる 59 00:04:37,080 --> 00:04:41,640 鍵のある部屋に進むと、そこではたまたま 橋が横を向いていたので 60 00:04:41,640 --> 00:04:44,420 何か違った方法を取らないと その部屋では先へ進めない 61 00:04:44,420 --> 00:04:50,460 後にブーメランを入手し、橋を回転させる為に使って そしてここから事態を推論して考えて 62 00:04:50,460 --> 00:04:54,080 「アハ!」 さっきの部屋をもう一度確かめるべきだ 63 00:04:54,080 --> 00:04:59,460 だからこのゲームは全てのプレイヤーが 往復地点を訪れたことを確実にするために鍵を設置し 64 00:04:59,460 --> 00:05:02,340 脳内地図に情報を追加する機会を与えている 65 00:05:02,340 --> 00:05:03,480 賢い仕組みだ 66 00:05:03,480 --> 00:05:07,740 湖底の神殿は、プレイヤーは仕組みを 理解するであろうと信頼しているダンジョンだ 67 00:05:07,740 --> 00:05:13,180 そして今回はムジュラの仮面の回で話したような 68 00:05:13,180 --> 00:05:17,389 建造物の相互接続された巨大な一部分として 熟考することを引っ張っている 69 00:05:17,389 --> 00:05:22,060 中央部屋には階段があり 90度刻みで回転できる 70 00:05:22,060 --> 00:05:27,880 これらの壁があるので 階段を回転させて昇り、慎重に壁を迂回して 71 00:05:27,880 --> 00:05:30,640 中央部屋の様々なドアに進む必要がある 72 00:05:30,640 --> 00:05:36,240 そしてダンジョンの片側から反対側へ 階段を使って水流を送る必要がある というのも 73 00:05:36,240 --> 00:05:40,139 水流によって、道を塞いでいた水車を 回転させることができるからだ 74 00:05:40,140 --> 00:05:42,520 これぞ素晴らしき 「エウレーカ(分かった!)」の瞬間であり 75 00:05:42,520 --> 00:05:45,740 今作で湖底の神殿が 僕の気に入ったダンジョンである理由だ 76 00:05:45,740 --> 00:05:50,290 他にも水流を別のところへ届けるという 見事な追加パズルもあるのだが 77 00:05:50,290 --> 00:05:52,560 そこには任意アイテムがあるだけだ だが僕に言わせれば 78 00:05:52,560 --> 00:05:55,960 そこにボス部屋の鍵があれば尚良かっただろう (しかしハートのかけらは結構いい報酬だ) 79 00:05:55,960 --> 00:06:01,820 いずれにせよ他のダンジョンはプレイヤーに対する 信頼が薄く、基本的にループ構造を案内している 80 00:06:01,820 --> 00:06:05,420 『ふしぎのぼうし』の雫の神殿に 実際よく似ているが 81 00:06:05,420 --> 00:06:07,919 これも同じ設計だ うーむ…… 82 00:06:07,920 --> 00:06:13,800 それで砂漠の処刑場では 部屋が東側の至る所へ導いて、中央部屋へ戻させる 83 00:06:13,800 --> 00:06:17,440 だが今は 2階にいるので 西側へぴょんと飛ぶことができる…… 84 00:06:17,449 --> 00:06:20,580 西側を通過したら再び 中央部屋へ戻るよう導く 85 00:06:20,580 --> 00:06:25,760 雪山の廃墟ではマトーニャが文字通り 地図に目印をつけて行き先を教えてくれる 86 00:06:25,760 --> 00:06:31,380 そしてドアを次々と開けてくれる これらは全て正直言うと少しクソだ 87 00:06:31,380 --> 00:06:35,760 それからブロックを滑らせるパズルもある 何故、皆このダンジョンが好きなんだ? 88 00:06:35,760 --> 00:06:39,640 Okay 大砲で氷塊を破壊するのは まぁまぁクールだ 89 00:06:40,640 --> 00:06:44,940 また、他のダンジョンと比べて それほど明確な塊には分割されていない というのも 90 00:06:44,940 --> 00:06:50,340 他のダンジョンのような 4本の長い廊下ではなく 実際の屋敷のような間取りになっているからだ 91 00:06:50,340 --> 00:06:55,110 それで、砲弾を拾うために 以前の場所へスキップすると分かる 92 00:06:55,110 --> 00:07:00,000 そして、砲弾を大砲へ運ぶためには ほーーーんの少しの空間推理が必要だ 93 00:07:00,000 --> 00:07:03,099 まぁ、ゼルダのこの時点で得られるものを 受け入れるつもりだ 94 00:07:03,099 --> 00:07:08,310 残念なことに、大砲に関しては 重要アイテム入手後は存在意義がなくなる 95 00:07:08,310 --> 00:07:11,980 チェーンハンマーだ 敵をなぎ倒し、氷を砕くために使う 96 00:07:11,980 --> 00:07:17,200 しかし一般的に、トワプリは今現在の道具では 倒すのが困難な敵を登場させることで 97 00:07:17,200 --> 00:07:20,540 それぞれのアイテムの利点を 上手に示している 98 00:07:20,540 --> 00:07:23,440 新アイテムで簡単に倒せるようになるのだ 99 00:07:25,500 --> 00:07:30,300 またアイテムはダンジョン内の移動を容易にする 例えばクローショットでは 100 00:07:30,300 --> 00:07:34,080 湖底の神殿の中央部屋を より簡単に横断できるようになる 101 00:07:34,080 --> 00:07:39,000 それでは時の神殿についてだ 驚くべきことに 僕はこのダンジョンが嫌いではない! 102 00:07:39,000 --> 00:07:41,900 直線的であるが故に、コメント欄では 僕が嫌っているだろうとずっと賭けていたが 103 00:07:41,900 --> 00:07:45,660 直線性に大きく傾いているが故に このダンジョンは興味深い 104 00:07:45,660 --> 00:07:48,900 真っ直ぐな設計で面白いことをしている 105 00:07:48,900 --> 00:07:52,700 それで全体を見てみると パズルを解き、敵を倒す 106 00:07:52,700 --> 00:07:59,160 頂上(8階)で中ボスを倒し コピーロッドを入手してこの巨大な石像を操る 107 00:08:00,040 --> 00:08:03,840 さて、目的は石像をダンジョンの 開始地点(1階)まで戻すことだ 108 00:08:03,840 --> 00:08:09,400 今度は全てのパズルが逆になり 重量のある石像を誘導することを考慮する 109 00:08:09,400 --> 00:08:13,400 それほど難しいわけではない だが巧妙で、面白く 110 00:08:13,400 --> 00:08:17,280 なんとまぁ、異なっていることか ボーナスポイントがたくさんあるのだ 111 00:08:17,280 --> 00:08:21,350 またトワプリのパズルは、確かによく出来ている! 砂漠の処刑場のシステムでは 112 00:08:21,350 --> 00:08:26,960 鎖を引いてシャンデリアを持ち上げ それから落下する前に下を走り抜ける 113 00:08:26,960 --> 00:08:30,740 その後、同じことをするのだが 行き止まりになってしまう 114 00:08:30,740 --> 00:08:36,520 シャンデリアを頭の真上に落下させる必要があると 理解したら、上へ登れるようになる 良いね 115 00:08:36,520 --> 00:08:41,800 雪山の廃墟で、足場をチェーンハンマーで 殴って揺らすのも本当に気に入った 116 00:08:41,800 --> 00:08:44,350 ブロックを滑らせるパズルよりは優れている! 117 00:08:45,000 --> 00:08:50,740 正直なところ、トワプリの図表はかなり退屈なので 今回、図をお見せしていなかった 118 00:08:50,740 --> 00:08:54,320 森の神殿が、恐らく最も興味深いだろう だがほとんどの場合で 119 00:08:54,320 --> 00:08:57,690 図表は全て同じように見える なるほど確かに…… 120 00:08:57,690 --> 00:09:00,560 風のタクトの回では ワープ壷について話した 121 00:09:00,560 --> 00:09:04,600 ダンジョンの始点から中間地点やボス部屋に 移動するのが楽になる物だ 122 00:09:04,600 --> 00:09:11,600 トワプリにそのような機構は存在しない 恐らく ループ構造の為、全てが中央部屋に近いからだろう 123 00:09:11,600 --> 00:09:16,400 だがよりもっともな理由は、もし死んだら ダンジョンの始点まで蹴っ飛ばされるのではなく 124 00:09:16,400 --> 00:09:19,380 最後に通ったドアから再開できるからだろう 125 00:09:19,380 --> 00:09:23,240 えーっと ここでは任天堂と難易度については 踏み込まないでおこう 126 00:09:23,240 --> 00:09:29,060 だがボス戦はこれまで以上に簡単になったと言いたい 全てのボス戦でダンジョンのアイテムを使用するが 127 00:09:29,060 --> 00:09:34,520 それによってボス戦は些細なものになる また、ボスの予備動作や弱点も極めて明確である 128 00:09:34,520 --> 00:09:37,780 おっと、これは完全に ワンダと巨像の盗作だろ? 129 00:09:37,780 --> 00:09:38,780 ちょっと生意気を言った 130 00:09:38,780 --> 00:09:44,220 コメント欄では、雰囲気とダンジョンの美術について 話すように頼んでいる じゃあ始めるぞ 131 00:09:44,560 --> 00:09:48,480 良いじゃん! だろ? 見た目も素敵だし、それぞれ異なっている 132 00:09:48,480 --> 00:09:54,260 音楽も良い ゼルダ作品は世界観や伝承などが何かしら 繋がっているかのようなつもりになれるし 133 00:09:54,260 --> 00:09:59,180 その為に時のオカリナのダンジョンとの 興味深い類似性に気付ける 134 00:09:59,180 --> 00:10:04,880 だが…… トワイライト・プリンセス… これらのダンジョンは…… そこまで悪くないと思う 135 00:10:04,880 --> 00:10:08,800 少なくとも当たり障りのないものだ 単純さを隠すのが風のタクトよりも上手だし 136 00:10:08,800 --> 00:10:10,900 思い出深い瞬間に満ちている 137 00:10:10,900 --> 00:10:14,820 だが結局、これは僕たちが始めた場所から 遠ざかっている 138 00:10:14,820 --> 00:10:20,000 この連作動画では、任天堂がどのように 複雑な設計の空間を構築し 139 00:10:20,000 --> 00:10:25,380 巧みな建築パズルと相互接続された設計が 空間認識をテストしているか解説している 140 00:10:25,380 --> 00:10:30,540 この点では…… その遺産を語るものを見つけることは 廃品を漁るようなものだ 141 00:10:30,540 --> 00:10:35,120 おっと 次回の Boss Keys では 剣を握れ ペンを握れ 142 00:10:35,120 --> 00:10:40,680 自分自身の地図を作ることがゼルダのダンジョンに どう影響しているか分かるだろう 143 00:10:40,690 --> 00:10:44,610 次回は『夢幻の砂時計』と恐らく 『大地の汽笛』を見ていく 144 00:10:44,610 --> 00:10:48,420 Boss Keys は Patreon の全ての支援者のおかげで 制作されている 145 00:10:48,420 --> 00:10:49,260 (日本語字幕の推敲求む)