1 00:00:01,020 --> 00:00:03,380 4、5年前のことです 2 00:00:03,380 --> 00:00:05,970 フィラデルフィアだったと 思いますが 3 00:00:05,970 --> 00:00:08,220 こんなバッグを持って ステージに座っていました 4 00:00:08,220 --> 00:00:11,390 そしてバッグから 分子模型を取り出して言いました 5 00:00:11,390 --> 00:00:14,210 「皆さんは この分子を あまりご存知ないと思いますが 6 00:00:14,210 --> 00:00:17,140 皆さんの体は これを非常に 良く知っています」 7 00:00:17,140 --> 00:00:21,000 当時は 私たちの体はこれを 嫌っているものと考えていました 8 00:00:21,000 --> 00:00:24,780 これに対して免疫を持っているからです これはα-gal エピトープと呼ばれています 9 00:00:24,780 --> 00:00:28,000 豚の心臓弁には これが沢山存在するため 10 00:00:28,000 --> 00:00:31,890 豚の心臓弁を容易には ヒトに移植できません 11 00:00:31,890 --> 00:00:34,410 実は私達の体は これを嫌っている訳ではありません 12 00:00:34,410 --> 00:00:37,000 これが大好きで 食べてしまうのです 13 00:00:37,000 --> 00:00:40,100 免疫系の細胞は いつもお腹を空かせています 14 00:00:40,100 --> 00:00:44,000 抗体が 細胞上いる これらの一つにくっつくのは 15 00:00:44,000 --> 00:00:47,030 「これは食べ物だ」という意味です 16 00:00:47,030 --> 00:00:49,200 この事を考えていて 私は思いました 17 00:00:49,200 --> 00:00:52,900 「人間は 自分では作らないし 他の動物にもあまり見られない 18 00:00:52,900 --> 00:00:56,290 この変な分子に 免疫反応をする 19 00:00:56,290 --> 00:00:59,190 でも その反応を 取り除くこと事もできない 20 00:00:59,190 --> 00:01:01,000 心臓弁の移植を 試みた人はみんな 21 00:01:01,000 --> 00:01:03,520 この免疫反応を 取り除けないのを知っている 22 00:01:03,520 --> 00:01:05,440 これを利用してみては どうだろう?」 23 00:01:05,440 --> 00:01:07,420 もしこの分子を 24 00:01:07,420 --> 00:01:11,900 ちょうど肺に侵入してきた病原菌に くっつけることが出来れば 25 00:01:11,900 --> 00:01:13,910 どうなるでしょうか? 26 00:01:13,910 --> 00:01:17,160 5、6日の免疫準備期間も 必要とせず 27 00:01:17,160 --> 00:01:19,230 即座に既存の免疫反応を 28 00:01:19,230 --> 00:01:21,210 引き起こすことが できるでしょう 29 00:01:21,210 --> 00:01:24,550 これの付いたものは何であれ 即座に攻撃をしかけるのです 30 00:01:24,550 --> 00:01:27,270 それはちょうど ロサンゼルスで 31 00:01:27,270 --> 00:01:30,260 交通違反の為 警察に止められ 32 00:01:30,260 --> 00:01:33,080 警官が後部座席に マリファナの袋を落として 33 00:01:33,080 --> 00:01:36,000 マリファナ所持で 逮捕するようなもので 34 00:01:36,000 --> 00:01:40,230 人々を非常に早く効率的に 街から排除する方法なのです 35 00:01:40,230 --> 00:01:42,000 (笑) 36 00:01:42,000 --> 00:01:44,000 この抗原を全く作り出さない 細菌であっても 37 00:01:44,000 --> 00:01:45,910 この抗原を全く作り出さない 細菌であっても 38 00:01:45,910 --> 00:01:48,080 これをうまく 結合させられれば 39 00:01:48,080 --> 00:01:50,060 体から排除できます 40 00:01:50,060 --> 00:01:52,200 そして ある種の細菌にはもう 41 00:01:52,200 --> 00:01:54,820 体から排除する効率的な 手段がありません 42 00:01:54,820 --> 00:01:56,920 効果のある抗生物質は 底を突きつつあります 43 00:01:56,920 --> 00:01:59,410 世界中でも底を 突きつつあるので 44 00:01:59,410 --> 00:02:03,470 恐らく50年後には 連鎖球菌のような 菌が蔓延しているでしょう 45 00:02:03,470 --> 00:02:06,200 私たちは この世にいないので 関係ありませんが 46 00:02:06,200 --> 00:02:08,020 でも まだ生きているとしたら— 47 00:02:08,020 --> 00:02:09,220 (笑) 48 00:02:09,220 --> 00:02:11,780 細菌に対して何か策を 講じなければいけません 49 00:02:11,780 --> 00:02:14,480 そこで私は大勢の共同研究者と 50 00:02:14,480 --> 00:02:16,850 これに対する研究を始め 51 00:02:16,850 --> 00:02:21,370 私たちが嫌いな細菌の 特定の標的部位に取り付く物質に 52 00:02:21,370 --> 00:02:24,000 このエピトープを 結合させようとしました 53 00:02:24,000 --> 00:02:26,100 このエピトープを 結合させようとしました 54 00:02:26,100 --> 00:02:29,950 今や 私はまるで ジョージ・ブッシュになって 55 00:02:29,950 --> 00:02:32,000 「任務完了」と宣言したい気分です 56 00:02:32,000 --> 00:02:35,200 あの時のブッシュのように 馬鹿なことをやってる可能性もありますが 57 00:02:35,200 --> 00:02:39,150 基本的に私が あそこで話したことは 現在うまく機能しています 58 00:02:39,150 --> 00:02:43,190 この方法で免疫細胞が細菌を殺し 食べ始めるのです 59 00:02:43,190 --> 00:02:45,850 スライドでは この分子は 60 00:02:45,850 --> 00:02:50,000 小さな緑色の三角形として 表されています 61 00:02:50,000 --> 00:02:53,000 これをDNAアプタマーと呼ばれるものに 結合させることができ 62 00:02:53,000 --> 00:02:55,630 DNAアプタマーは 選択した特定の標的に対し 63 00:02:55,630 --> 00:02:57,820 特異的に結合します 64 00:02:57,820 --> 00:03:01,240 だから好きじゃない細菌に 特徴的な部分を見付ければいい 65 00:03:01,240 --> 00:03:04,000 ブドウ球菌は 特に嫌いですが 66 00:03:04,000 --> 00:03:07,000 それは友人である教授を 昨年死なせたからです 67 00:03:07,000 --> 00:03:10,400 抗生物質が効きません だからブドウ球菌は嫌いです 68 00:03:10,400 --> 00:03:13,530 そこで このエピトープと結合した アプタマーを作っています 69 00:03:13,530 --> 00:03:16,530 それが体内に侵入した ブドウ球菌を探し出し 70 00:03:16,530 --> 00:03:19,370 免疫系に追跡するよう 警告を発します 71 00:03:19,370 --> 00:03:20,790 こんな結果になりました 72 00:03:20,790 --> 00:03:23,900 一番上の点付の線が 見えますか? 73 00:03:23,900 --> 00:03:28,050 テキサスのブルックス空軍基地にいる 友人の科学者達によって 74 00:03:28,050 --> 00:03:29,910 炭疽菌に感染させられた 75 00:03:29,910 --> 00:03:31,920 マウス達を示しています 76 00:03:31,920 --> 00:03:34,150 それらのマウスは 私たちが用意した 77 00:03:34,150 --> 00:03:36,960 炭疽菌を免疫システムの 標的にさせる 78 00:03:36,960 --> 00:03:39,930 薬剤を投与してあります 79 00:03:39,930 --> 00:03:42,660 一番上の線のマウスは 全て生き残りました 80 00:03:42,660 --> 00:03:44,400 100%の生存率です 81 00:03:44,400 --> 00:03:47,800 その後さらに14日だったか 28日だったか生存し 82 00:03:47,800 --> 00:03:49,450 しょうがなく殺しました 83 00:03:49,450 --> 00:03:52,430 一体何がおかしいのか 調べるためです 84 00:03:52,430 --> 00:03:54,200 なぜ死ななかったのか? 85 00:03:54,200 --> 00:03:57,000 体内から炭疽菌が いなくなっていたからです 86 00:03:57,000 --> 00:03:59,710 ということで 私たちは成功したんです 87 00:03:59,710 --> 00:04:01,080 (拍手) 88 00:04:01,080 --> 00:04:02,870 任務完了! 89 00:04:02,870 --> 00:04:06,100 (拍手)