WEBVTT 00:00:00.170 --> 00:00:02.926 最近 はしかの話題が多い 00:00:03.013 --> 00:00:05.047 はしかは何をするのか 00:00:05.150 --> 00:00:07.201 ワクチンは打つべきか 00:00:07.311 --> 00:00:09.352 騒ぎすぎなのか 00:00:15.997 --> 00:00:18.008 はしかはウイルスだ 00:00:18.138 --> 00:00:22.029 RNAやタンパク質を持っている 00:00:22.159 --> 00:00:25.810 増殖するには 宿主細胞が必要だ 00:00:26.113 --> 00:00:30.059 免疫を理解するところから始めよう 00:00:30.152 --> 00:00:33.691 免疫の動画はもう見たかな? 00:00:33.829 --> 00:00:37.905 はしかに関連する部分を見ていこう 00:00:38.270 --> 00:00:42.183 はしかは鼻 口 目から体に入る 00:00:42.263 --> 00:00:44.376 まず 肺から始まる 00:00:44.782 --> 00:00:47.345 はしかは肺に入ると 00:00:47.455 --> 00:00:49.839 マクロファージに感染する 00:00:49.949 --> 00:00:52.982 肺への侵入者を防ぐ護衛だ 00:00:53.095 --> 00:00:55.134 これを乗っ取る 00:00:55.263 --> 00:00:57.225 乗っ取られた細胞は 00:00:57.329 --> 00:01:00.872 ウイルス生産センターに変わる 00:01:01.013 --> 00:01:04.057 細胞一杯になると放出され 00:01:04.227 --> 00:01:06.870 これを繰り返していく 00:01:07.186 --> 00:01:10.672 免疫系にも強力な武器がある 00:01:10.761 --> 00:01:12.791 ナチュラルキラー細胞だ 00:01:12.891 --> 00:01:16.958 体内を見回って守っている細胞で 00:01:17.268 --> 00:01:21.412 感染を見つけると 自殺を促していく 00:01:21.612 --> 00:01:24.643 これは効果的で 10日ほどは 00:01:24.787 --> 00:01:27.810 感染したことに気づかない 00:01:27.942 --> 00:01:31.871 だがここからが はしかの本領発揮だ 00:01:31.971 --> 00:01:34.518 戦闘後 マクロファージは 00:01:34.619 --> 00:01:37.794 樹状細胞に敵襲を伝える 00:01:38.098 --> 00:01:42.070 樹状細胞の仕事は 敵の情報を集め 00:01:42.189 --> 00:01:45.112 強力な武器を活性化させ 00:01:45.218 --> 00:01:48.248 仲間を奮い立たせることだ 00:01:48.719 --> 00:01:52.282 だが はしかは恐ろしい戦術を使う 00:01:52.388 --> 00:01:54.445 樹状細胞に感染し 00:01:54.555 --> 00:01:57.784 体の奥へと進入するのだ 00:01:58.061 --> 00:02:00.992 味方の振りをしているため 00:02:01.112 --> 00:02:02.647 誰も気づかない 00:02:02.747 --> 00:02:05.744 リンパ節に着くと そこの 00:02:05.840 --> 00:02:08.905 T細胞やB細胞に感染する 00:02:09.051 --> 00:02:12.144 敵と戦うための部隊にだ 00:02:12.391 --> 00:02:14.430 感染はとても早い 00:02:14.534 --> 00:02:16.645 リンパ系や血流から 00:02:16.741 --> 00:02:19.872 あちこちに広がっていく 00:02:20.030 --> 00:02:23.080 体中の臓器 脾臓や肝臓や腸 00:02:23.174 --> 00:02:25.084 そして肺に感染する 00:02:25.204 --> 00:02:27.276 症状も出てくる 00:02:27.376 --> 00:02:30.510 高熱 頭痛 吐き気 発疹だ 00:02:30.626 --> 00:02:33.586 部隊が勝ちかけていた肺に 00:02:33.689 --> 00:02:37.319 何百万ものウイルスが押し寄せ 00:02:37.436 --> 00:02:39.415 壊滅させられる 00:02:39.510 --> 00:02:43.580 この時咳をすると ウイルスが飛ぶ 00:02:43.752 --> 00:02:47.844 感染力は強く ワクチン接種なしだと 00:02:47.964 --> 00:02:51.509 90%の確率で感染してしまう 00:02:51.609 --> 00:02:54.649 肺を守る細胞がいなくなると 00:02:54.741 --> 00:02:58.290 他の感染症にかかりやすくなり 00:02:58.380 --> 00:03:01.429 それが肺炎を引き起こす 00:03:01.555 --> 00:03:04.582 はしかの一般的な死に方だ 00:03:04.704 --> 00:03:07.759 免疫系は深刻な傷を負い 00:03:07.863 --> 00:03:10.866 防衛機能は壊れてしまった 00:03:11.026 --> 00:03:15.097 ウイルスは体中の皮膚へと広がり 00:03:15.323 --> 00:03:18.312 感染が見た目にも現れる 00:03:18.444 --> 00:03:20.968 ウイルスが脳に達し 00:03:21.098 --> 00:03:23.752 感染する場合もあり 00:03:23.862 --> 00:03:27.376 20%から40%の確率で死ぬか 00:03:27.467 --> 00:03:30.115 脳に長期的損傷が残る 00:03:30.453 --> 00:03:34.986 だが免疫系もまだ諦めず 反撃に出る 00:03:35.338 --> 00:03:37.869 生き残った樹状細胞は 00:03:38.000 --> 00:03:40.914 反ウイルス部隊を活性化し 00:03:41.044 --> 00:03:45.147 形質細胞は抗体を大量に放出する 00:03:45.274 --> 00:03:48.332 ウイルスにくっついて固める 00:03:48.435 --> 00:03:50.377 小さなタンパク質だ 00:03:50.493 --> 00:03:54.419 キラーT細胞は感染した細胞を殺し 00:03:54.518 --> 00:03:56.514 2~3週間後には 00:03:56.599 --> 00:03:59.653 感染は収まることになる 00:03:59.768 --> 00:04:04.195 だが免疫系の回復には数ヶ月かかり 00:04:04.304 --> 00:04:07.384 その間病気にかかりやすい 00:04:07.500 --> 00:04:10.538 免疫系はウイルスを忘れず 00:04:10.636 --> 00:04:13.671 体には永久に免疫ができる 00:04:13.798 --> 00:04:15.462 はしかは甘くない 00:04:15.560 --> 00:04:19.607 84%の人がワクチン接種しているが 00:04:19.725 --> 00:04:23.938 2014年には12万人が感染して死んだ 00:04:24.186 --> 00:04:26.630 接種できない人もいる 00:04:26.731 --> 00:04:29.716 化学療法中の人やHIV患者 00:04:29.807 --> 00:04:32.179 アレルギーを持つ人たちだ 00:04:32.269 --> 00:04:35.286 それ以外の人は接種しよう 00:04:35.426 --> 00:04:39.334 ワクチン接種は安全で 安く行える 00:04:39.425 --> 00:04:41.409 はしかは怖い 00:04:41.501 --> 00:04:45.553 免疫の強化は必ずすべきだろう 00:04:45.672 --> 00:04:49.706 接種否定派は 子どものためだと言う 00:04:49.813 --> 00:04:52.832 しかし こう問う必要がある 00:04:52.932 --> 00:04:56.113 はしかの危険は消えたのか? 00:04:56.340 --> 00:04:59.505 悲しいことに まだだ 00:05:00.042 --> 00:05:04.223 団結し このウイルスを撲滅しよう 00:05:04.471 --> 00:05:08.584 怪物を正しい場所に追いやるのだ 00:05:08.714 --> 00:05:10.764 歴史の本の中に